介護の仕事をしていると「これがあると便利なのにな」と考えることは少なくないのではないでしょうか。 また、介護の仕事をしていく上で必需品になるものも数多くあります。 この記事では、そんな介護従事者の人が仕事で使えるアイテムを紹介していきます。 介護従事者におすすめのアイテム では、介護従事者が持っていた方が良いアイテムを1つずつご紹介します。 ①メモ帳 これは介護従事者に限らず、どの職種においても使えるアイテムです。 他職員からの申し送りやその日の予定、さらに入居者や利用者の情報等、介護従事者は日々多くの情報を把握しながら業務を行わなければなりません。 しかし全部を覚えるのは、簡単ではありません。 重要なことから細かい情報等、書き留める為のメモ帳は常に持っていると便利です。 メモ帳のサイズは様々ありますが、おすすめはA6サイズです。 A6は、A4の4分の1のサイズになるため、A4の紙を4つに折って貼り付れば、いつでも見ることができます。 リングメモにすると記入するときにノートをめくるのが楽ですし、不要になった場合に綺麗に破けるのでおすすめです。 ウェアラブルメモ ウェアラブルメモのバンドタイプは腕に巻くメモ帳です。 介護の仕事をしていると、とっさにメモを取りたくなった場面になることがよくあります。 例えば、この後この作業をしてほしい、と他のスタッフから言われたり、利用者様から何かを頼まれるなど、日常茶飯事によくあることではないでしょうか。 そんなときにこのウェアラブルメモを身に着けていると、ペンさえ出せばすぐにメモをとれます。 また、身に着けるメモなので、見落とす可能性も低いです。 水に濡れても平気ですし、書いた内容は指で消すことができるのでメモだらけになることもありません。 ②ツールポーチ、ウエストポーチ 上記でメモ帳を使うことのメリットについてお伝えしました。 しかし「ズボンに入らず、メモ帳を持ち歩くことはできない」という人もいます。 そんな人におすすめなのが「ツールポーチ」です。 ツールポーチには以下のような特徴があります。 ・ペンやメモ帳、PHSが入る ・カラビナがついているので、ズボンに引っ掛けることができる ・チャックがついているので、薬等の小さいものを一時的に入れておくことができる 例えばデイサービスやショートステイで送迎をしたとき、家族から「連絡帳に入れ忘れた」と、薬や軟膏等を職員に渡すことがあります。 そのときズボンのポケットに入れておく人もいますが、送迎中や他のことをしている内に落としてしまい、問題になるケースが想定されます。 チャックのついているポーチがあれば、一時的に入れていても落とす心配がありません。 ユニフォームで働いている人は、ウエストポーチがおすすめです。 ウエストポーチの特徴には以下のようなことが考えられます。 ・ツールポーチに比べてポケットが多いので、小物を多く入れることができる ・腰につけることができるので、どんな服の人でも着用することができる どちらのバッグもホームセンターで購入することが可能です。 ただし施設によっては 「入居者や利用者にぶつかり、ケガをしてしまう可能性がある」 との点から使用を禁止している場合もあるので、使用前に確認しましょう。 ③手帳 介護従事者がシフトを把握する方法には ・写真に取る ・スマホのアプリに入力する という方法がありまし。 しかし手帳を使うことで、シフトの把握以外にも2つのメリットが生まれます。 ・急なシフト変更を頼まれたときにすぐ確認できる ・他の業務や進行具合も同時に把握することができる 仕事中に上司から、シフト変更の依頼が来た場合、その場で携帯を開いて確認するのは、気が引けてしまうものです。 その点手帳であれば、他者の前でも開くことができますし、すぐに予定を確認することができますまた、。 介護従事者は、現場での介護業務以外にも ・会議や委員会の参加 ・議事録作成 ・担当入居者のケアプラン更新の為の書類作成 ・行事の準備 等、多岐に渡る仕事があります。 これらを効率的に作業するのに欠かせないのが「スケジュール管理」です。 会議や行事、書類作成等は、事前に日時や期限が決められています。 スキマ時間に少しずつ書類作成や行事の準備をしたり、夜勤中に会議の議事録を作ったり等、「自分がどの時間であれば、作業を行うことができるか」を把握するために、手帳は有効活用できます。 手帳のサイズとしておすすめなのが、A5サイズです。 A5は、A4の2分の1サイズになります。シフトや他の予定の記入したり、さらにプライベートの予定まで、様々な情報を書き留められる余白があります。 A4に比べて小さいので、持ち歩くのにも便利です。 介護士用のケア手帳 上記の商品は、介護士向けに作られた手帳です。 「介護福祉士会監修」で作成されており、介護の仕事をしている方に向けたものとなっています。 ケア手帳には以下のような内容が記載されています。 ・月間スケジュール ・週刊スケジュール ・介護制度の情報 ・高齢者との会話に便利な資料 介護士に使いやすい内容になっているので、検討してみてはいかがでしょうか。 ④Googleカレンダ これはGoogleアカウントを持っている人であれば、是非利用してほしい機能です。 Googleカレンダーの特徴として「他の人と共有できる」というのがあります。 例えば在宅介護の場合、利用者のケアプラン更新に伴う会議を、他の事業所も交えて行うときがあります。 そのときに電話で予定を確認するのは、手間がかかってしまうのです。 Googleカレンダーで予定を共有しておけば、いつ会議ができるかすぐに決めることができます。 またリマインダー機能もついているので、重要な予定を通知設定しておけば忘れる心配はありません。 ⑤介護のための医学知識ハンドブック 介護従事者向けのハンドブックは多くありますが、新人職員向けにおすすめしたいのが「介護のための医学知識ハンドブック」です。 この本は、介護の現場で必要になる医学的な知識だけでなく、異変の状態についても記載されています。 なので、「なぜこの状態が起こっているのか」「この病気は、どんな症状なのか」を、いつでも確認することができます。 それからもう1つおすすめする理由があります。 それは「漢字が分からなくなっても、すぐ確認できる」という点です。 介護の仕事をしていると ・褥瘡(じょくそう) ・誤嚥(ごえん) ・軟膏(なんこう) 等、日常生活で使わない難しい漢字が出てきますよね。 手書きで記録を書くときに、漢字が分からず、時間がかかってしまうということもあります。 しかしこのハンドブックを持っていれば漢字をすぐに確認することができますし、他職員がいる前でも広げることが可能です。 ⑤ハンギングウォッチ ハンギングウォッチとは、鞄等に付けることができる時計のことです。 なぜハンギングウォッチがおすすめかというと、「どこにいても、時間を確認することができるから」です。 介護従事者という職業柄、腕時計を付けることはできません。 しかし仕事中、時間を確認しなければならない場面はいくつも出てきます。 例えば訪問介護で利用者の訪問した際、そのお宅に時計がなければ自分で時間を確認しなければいけません。 また施設内で介護業務を行うときでも、入浴介助中は時計が見えない場合があります。 ハンギングウォッチを身につけておけば、いつでも時間を確認することができます。 ハンギングウォッチはホームセンター以外にも100円ショップで売っていることもあります。 「試しに使ってみたい」という人は、最初に100円ショップで試してみるのも1つの方法です。 ハンギングウォッチも、仕事で使う前に職場で確認しておきましょう。 入居者や利用者の中には、ペースメーカーを使用している人もいます。 ハンギングウォッチの中には、ペースメーカーに支障をきたす場合もあるので、事前に取扱説明書等を読んでおきましょう。 まとめ いかがでしょうか。 この記事では、介護従事者が使えるアイテムとして、以下のアイテムと理由について紹介してきました。 ・「メモ帳」入居者や利用者の情報を書き留めるだけでなく、A6サイズのメモ帳を使うことで、A4サイズの紙を貼り付けることができ、より多くの情報をすぐに確認できる。 ・「ツールポーチ、ウエストポーチ」メモ帳や細かい物を入れることができる。 家族から急に物を渡されても、すぐに入れておくことができる。 ・「手帳」シフト把握だけでなく、予定変更や他の業務の進捗状況も把握できる ・「Googleカレンダー」予定の共有や、通知設定でうっかり忘れることを防止できる ・「介護のための医学知識ハンドブック」病気の症状だけでなく、 介護従事者がよく使う難しい漢字もすぐ調べることができる ・「ハンギングウォッチ」時計がない場所でも、すぐに時間を把握することができる 最後までお読みいただきありがとうございました。
親の認定調査を受けたら思ったより低い結果が出て納得できなかった方もいるのではないでしょうか。 なぜ、実際と違う結果が出るのか、気になりますよね。 今回は正しく認定を受けられるように、認定調査を受けるポイントを紹介します。 これから介護認定を検討している人もポイントをおさえて、正しく認定を受けましょう。 認定調査とは 認定調査とは、正式には「要介護認定調査」といいます。 介護保険サービスを受けたい時は、介護の必要度を判断する「要介護・要支援認定」を受けなければなりません。 「要介護・要支援認定」を申請すると、認定調査員が自宅に訪問し、心身状態について、本人や家族に聞き取り調査が行われます。 認定を受けるためには、認定調査を受ける必要がありますが、適当ではいけません。 正しく認定調査を受ける必要があります。 認定調査次第では、認定結果が変わってくることがあるからです。 介護度によって介護保険を使える額が違うので、利用できる介護保険サービスや回数に差が出てきます。 そのため、正しく認定調査を受けることが大切なのです。 要介護・要支援認定の流れ 要介護・要支援認定の流れを紹介します。 申請 ↓ 主治医意見書の作成 ↓ 認定調査 ↓ 一次判定 ↓ 二次判定 ↓ 認定通知 認定調査は、調査員である市町村の職員やケアマネジャーが自宅訪問を行います。 そこで、本人と家族に聞き取りと、本人に動作の確認を行うのです。 認定調査員は聞き取りや動作確認の内容を、認定調査票に書き込んでいきます。 認定調査の内容は、介護の手間にかかわる審査判定である「一次判定」に大きく影響します。 認定調査の内容と主治医意見書の一部は、コンピューターで審査されるからです。 「二次判定」は、「一次判定」の結果と主治医意見書をもと、「介護認定審査会」が介護認定を行います。 認定は「非該当」、「要支援1・2」、「要介護1~5」の8段階から決定します。 認定結果は申請から1ヶ月程度で決定、家に被保険者証が郵送にされる流れです。 認定調査の内容 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 聞き取りと動作確認の内容ですが、全部で74項目あります。 大きく分けると7項目ありますが、本人や家族に確認されるのは6項目です。 「できる・できない」か、「介助が必要かどうか」を答えます。 ① 身体機能・起居動作(体の動かしにくさや歩くなどについて) ② 生活機能(食べる、排泄するなどの日常動作について) ③ 認知機能(生年月日が言えるか、直前にしていたことを思い出せるかなど短期記憶について) ④ 精神・行動障害(ひどい物忘れや被害妄想などの症状があるかについて) ⑤ 社会生活への適応(薬の内服や金銭管理について) ⑥ 特別な医療(点滴・胃ろう・人工透析をしているかについて) ⑦ 日常生活自立度 その他にも、「概況調査」があります。 家族構成や介護保険を申請した経緯、利用したい(続けたい)サービスについての確認です。 認定調査を受けるポイント 認定調査を行き当たりばったりで受けるのはおすすめしません。 認定調査の内容が、要介護度決定に強く影響するからです。 介護度次第で、利用できるサービス額や内容が大きく違ってきます。 ここでは、認定調査前におさえておきたいポイントや、当日に心がけたいポイントについて紹介します。 認定調査を受ける前のポイント 認定調査を受ける前に、以下のことを確認しましょう。 普段している介護内容をメモしておく 毎日の生活でどのような介護を行っているのか、メモをしておきましょう。 今どんなことに困っているのかも、合わせてメモをとっておくと、認定調査員に伝えやすいです。 認知症がある時は、どのような行動があったのかも忘れずに。 これまでにした病気やケガをまとめる 主治医意見書にも記載されますが、すべてが記載されるとは限りません。 介護を行っていて気になる病気やケガがあれば、メモにまとめておきましょう。 本人がいる前では伝えにくいことをメモしておく 認定調査を受ける中には、プライドが高かったり、家族とは違った内容を話す人もいます。 これでは正しい認定結果が出にくくなるため、前もってメモにまとめておきましょう。 認定調査当日に、認定調査員にメモを渡すのがおすすめです。 認定調査当日のポイント 認定調査当日に確認しておきたいポイントは、以下のことです。 体調が良い日に受ける 体調が悪い日に、無理して認定調査を受けるのは避けましょう。 普段と違った状態のため、正しい調査を受けにくくなります。 調査を受けるのが難しそうな時は、早めに認定調査員に連絡をして、日程の調整をしましょう 必ず家族が立ち会う 本人だけで認定調査を受けると、普段できないことをできると答えたり 現状と違う内容が反映されることがあります。 プライドの高さや認知症があると、このような事態が起きます。 必ず家族も立ち会い、現状を認定調査員に伝えましょう。 困っていることを具体的に伝える 認定調査員に、ただ困っていると伝えるだけでは、正確な判断が難しくなります。 「どういった時にどんなことに困っているのか」など、具体的に認定調査員に伝えましょう。 例)夜中によくトイレに行くが、手すりもないので、フラフラしながらトイレに行っており、毎回付き添わなければいけないので大変等。 ありのままの状態を伝える 認定調査員に状態をひかえめに伝えたり、オーバーに伝えたりすると、再調査になる可能性があります。 主治医意見書と内容が合わずに、矛盾しているととられるからです。 受けたいサービスを受けるのも遅れたり、要介護認定の結果が出るのに時間がかかります。 必ずありのままの状態を伝えるようにしましょう。 認定調査当日に出ていない症状も伝える 当日に出ていない症状についても、認定調査員に必ず伝えましょう。 特に認知症がある場合は、症状も日や時間帯によって症状がみられないこともあるからです。 例)午前中は穏やかにしているが、午後になると表情が一変して暴言が出たりするなど 認定結果に納得できない時は 認定結果に納得できない時は、「不服申し立て」ができます。 「不服申し立て」は都道府県に設置されている、介護保険審査会で行います。 「不服申し立て」を行うことで、再度認定調査や判定が行われるため、認定結果が変わることがあります。 ただし、調査や判定には時間がかかり、結果が出るまでに3ヶ月程かかりますので、注意してください。 申請は、認定結果が出た翌日から60日以内に行う必要があります。 また、「区分変更申請」をする方法もあります。 「区分変更申請」は、現在の介護度と現在の状態が合っていない時に申請するものです。 申請することで、要介護度を再判定してもらえます。 「区分変更申請」は申請期限がないため、いつでも行うことができ、結果が出るのも1ヶ月程度です。 まとめ ここまで、正しく認定を受けるために、認定調査を受けるポイントを紹介してきました。 ・「要介護認定、要支援認定」を申請すると、認定調査員が本人や家族に心身状態について聞き取り調査を行う。 ・聞き取り調査後に判定があり、約1ヶ月で結果が出て、自宅に被保険者証が郵送される。 ・認定調査の内容は、全部で74項目。概況調査もある。 ・認定調査前と当日に、ポイントを確認して認定調査を受けると、正しい認定が出やすくなる。 ・認定結果に納得できない時は、結果が出てから60日以内に介護保険審査会に「不服申し立て」を行う。 ・「区分変更申請」であれば申請期限はなく、再認定が出るまでに1ヶ月程度かかる。 上記のぜひポイントをおさえて、認定調査を受けましょう。 正しく認定調査を受けることで、思っていた介護認定と違う事態を避けられます。 また、使いたいサービスも利用できる可能性も高くなります。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
皆さんは、記憶が失われていくアルツハイマー型認知症の症状改善に対する新たな試みが「NHK BS」の放送で紹介されたのをご存知ですか。 これまでは、薬による症状の進行を遅らせることが主な治療であった認知症が、生活習慣を徹底的に見直すことで症状を緩和するという新たな試みがクローズアップされて紹介されました。 認知症の症状や対策、改善事例を知ることで、認知症に対処できる明るい未来も見えてきているのです。 この記事では、認知症に苦しむ患者や家族にアメリカの脳科学者が提案した新たな治療法の模索など、最新の認知症に関する情報について紹介します。 未だ課題はありますが、認知症に苦しむ方やご家族の方は ぜひご一読ください。 認知症の症状改善に新たな試み 認知症は、今まで、改善する治療法はなく、唯一、薬で症状の進行を抑えるだけの対処法しかない症状でした。 しかし、現在では症状を改善させようとする新たな試みが注目されています。 その方法とは、食事や運動という生活習慣の改善により、症状を改善させる試みです。 ここでは、生活習慣を改善することで、認知症の症状を改善させる新しい方法について紹介します。 生活習慣改善は新たな認知症対策 認知症の患者数は、アメリカで約600万人、日本では約400万人といわれています。 認知症に苦しむ患者や家族は、社会でさまざまな制約を受けてしまいます。 認知症で日常生活まで支障を生じている現状を改善するために、主に薬による治療を受けているのが現状です。 しかし、近年、アメリカの脳研究者であり、アルツハイマー病の権威である医学博士デール・ブレデセン氏の30年間の研究の成果が世界で脚光を浴びています。 薬に頼らない認知症予防 デール・ブレデセン氏によると、認知症は薬だけの治療は症状の進行を抑えるだけで、根本的な治療ではないため、新たな治療法が必要だと説いていました。 その新しい治療法とは、生活習慣の改善(リコード法)です。 この方法は、薬に頼らず、生活の中心となる5つの習慣を見直すことで認知症を改善しようとする試みです。 生活習慣の基本5か条(リコード法) 生活習慣の基本5か条とは、次の5つの習慣を見直せば、認知症に効果があるとされ、リコード法と呼ばれています。 食事・・・・糖質を野菜中心の食生活に変える(ブロッコリーは特に効果的) 運動・・・・毎日30分以上の有酸素運動を行う 睡眠・・・・8時間の睡眠が必要 プチ断食・・夕食は寝る前の3時間までに摂る、夕食から朝食まで12時間は空ける ストレス軽減・・めい想する その他の環境・・毒性物質(カビ、大気汚染など)も影響する ヘルスコーチとの二人三脚 ヘルスコーチとは、医師の診断結果に基づき、生活習慣や環境を指導する役割を担います。 医師は病気の専門家ですが、食事などの生活習慣に対する具体的な改善方法までは提示しません。 特に認知症の症状改善には、生活習慣の改善が効果的であるため、ヘルスコーチによる生活改善が主体の治療が必要になります。 ヘルスコーチと患者や家族との二人三脚が大切なのです。 ある脳研究者の挑戦 アメリカの脳科学者でアルツハイマー病の権威であるデール・ブレデセン博士は、カリフォルニア大学で30年、認知症の研究を行ってきました。 その研究の中で、脳には1,000億個の神経細胞があり、アルツハイマー型認知症は神経細胞の先端のシナプスが死滅するメカニズムで発症することを突きとめたのです。 しかし、認知症の症状はさまざまで、現状は薬で症状の進行を抑える治療に留まっています。 デール・ブレデセン博士は、生活習慣の改善により認知症は改善するという信念のもとに、アルツハイマー病協会(アメリカ・シカゴ)に協力を求めています。 認知症の現状 認知症の現状として、人によって症状はさまざまです。。 しかし、医師の処方や診察、ヘルスコーチの指導による生活習慣を改善することで、認知症の進行は抑えられている症例を紹介します。 【日本人男性の例】 父親の介護中に物忘れが多くなった自分に気づき、病院で診察を受けた結果、認知症の発症を告げられました。 彼は薬を処方されたことにショックを受けます。 当時は保険会社勤めをしていましたが、ますます物忘れが進行していきます。 彼は、このまま仕事を続けると会社にも迷惑がかかると考え、退職しました。 現在は農業を営んでいます。 彼は、デール・ブレデセン博士のセミナーで感銘を受け、生活習慣の改善に努めるようになりました。 現在は進行の症状は少しずつではありますが抑えられています。 【アメリカ人女性の例】 親しい知人でも名前と顔を思い出せないほど認知症の症状が進行していました。 自分が認知機能が低下していると考えると日々怖く感じてしまい、日常生活に不安を感じていました。 生活習慣を改善した結果、認知症の進行が少しずつ抑えられ、4か月が経過した頃から効果を感じ始めるようになりました。 認知症の薬は症状の進行を抑えるだけ アミロイドβという物質は、早ければ40代から脳内に蓄積し始めます。 アミロイドβは、アルツハイマー病に重大な影響を与えるといわれています。 そのため、現在の新薬はアミロイドβ仮説に基づき開発されたものが患者に処方されています。 しかし、新薬でも認知機能の低下を完全に抑えることはできないのが実態です。 認知症に至るメカニズム 認知症に深く関わっているアミロイドβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)が大きく関与しているのです。 APPは脳細胞の運命を決めるともいわれる物質で、神経細胞に密集した斑点を形成します。 APPが蓄積すると脳は徐々に本来の機能を失い。認知症を発症します。 人によって認知症の症状はさまざま 「もの忘れ」と「認知症」の大きな違いは、体験の一部のみ忘れるか、過去の経験や体験を忘れるかです。 認知機能の低下には、次の6段階に分かれます。 非常に軽度 若干のもの忘れはあるが、日常生活に支障がない段階です。 軽度 家族や友人が変化に気づく段階です。 中等度 明らかな症状が見られる段階です。 やや重度 記憶障害や認知障害があり、サポートが必要な段階です。 重度 さらに記憶障害の進行が顕著になり、人格が変わる、大幅なサポートが必要な段階です。 非常に重度 アルツハイマー病の最終段階といわれ、環境への反応や会話が成立しない 異常な反射対応、筋肉の硬直なども見られるようになります。 生活習慣改善は認知症を予防する 認知症は病名ではなく、脳の認知機能の低下による症状です。 認知症を引き起こす疾患はさまざまですが、その中でも、次の4つの疾患が多数を占めています。 1.アルツハイマー型認知症 2.脳疾患性認知症 3.レビー小体型認知症 4.前頭側頭型認知症 この4つの疾患の内、脳疾患性認知症だけは脳血管に障害を受けて発症したものですが、その他3つの認知症は、脳の神経変性により発症します。 脳の神経変性は、主に糖分の摂りすぎによるインスリンの増加や、ビタミン・ホルモン不足などが引き金だと指摘されています。 生活習慣を見直し健康状態を保つことが、脳の神経変性を抑える効果があるのです。 生活習慣を改善したことで認知症への効果は? 2014年にデール・ブレデセン博士が論文で発表して以降、さまざまな症例の患者にリコード法を試みており、改善効果は次のとおりです。 軽度の認知障害・・・・・改善効果は50%程度 早期アルツハイマー病・・改善効果は30%程度 重度アルツハイマー病・・改善は困難 リコード法による症状の改善は、軽度から早期のアルツハイマー病に効果があると見られます。 今後の課題 リコード法はアルツハイマー病の新しい治療法ですが、すべてが確立された治療ではありません。 未だ、残された課題があります。 高額な検査費用 日本では、リコード法を活用した医療が進んでおらず、一部の医療機関しか対応していないのが現状です。 また、日本国内ではすべての検査ができず、海外に検査依頼しているため、高額な検査費用(約40万円)がかかります。 ヘルスコーチの絶対数の少なさ ヘルスコーチの絶対的な少なさも、リコード法の妨げになっています。 継続的な生活改善を続けるためには、ヘルスコーチによる指導や医師の治療が必要です。 ヘルスコーチの育成も課題の1つです。 まとめ この記事をまとめると次のとおりです。 ・認知症で処方される薬は、症状の進行を抑えるだけである ・生活習慣の見直しで症状を改善する可能性がある ・生活の基本5か条(リコード法)を知る ・早期の発見、対応に効果がある ・ヘルスコーチの協力が不可欠である 認知症が進行すると、日常生活でさまざまな問題が生じます。 また、患者や家族は悩み、苦しみ、場合によっては生命の危険を及ぼす行動をとるなど、社会的な問題を抱えています。 しかし、処方される薬に頼ることなく、患者本人や家族の努力の積み重ねでも症状が改善できる治療法もあることを覚えておいてください。 認知症は進行する前の早期発見、対応がポイントです。
介護が始まればさまざまな介護サービスを利用することになります。 サービスの数が多くあるため、当初はケアプラン中心の介護になるでしょう。 この記事は、ケアプランをベースに介護の中心となる家族に向けて、負担感の少ない介護になるように、必要なサービスや特徴、メリットを紹介します。 基本的な内容を知れば、家族の希望を盛り込んだケアプラン見直しの提案、調整ができます。 ぜひ参考にしてください。 介護のベースはケアプラン 介護のベースはケアマネジャーが作成するケアプランになるため、ケアマネジャーとの連携は欠かせません。 介護保険サービスを詳しく知らない場合、ケアマネジャーが中心で介護が進みます。 しかし、介護経験を積みスキルが向上した介護者になれば、ケアプランの見直しをケアマネジャーに提案することが必要になる時が来るでしょう。 家族の要望を盛り込んだケアプランも重要 ケアプランは利用者のための計画書ですが、家族の希望を盛り込んだケアプランも重要です。 なぜなら、利用者と家族にとって、より良いケアプランが、介護を続ける秘訣の1つだからです。 ここでは、家族の希望を踏まえたケアプランにするための4つのポイントを紹介します。 ①家族の要望を整理する 利用者だけでなく、家族の希望を整理する必要があります。 家族の健康状態や家庭の経済状況、介護者の経験年数、生活環境の変化等を考慮しながら、これからの介護に関する希望を整理しておけば、ケアプランに反映しやすくなります。 ②サービス内容・限度基準額を確認する 利用しているサービス内容と利用限度基準額を確認しておきましょう。 サービス内容や利用する頻度やレンタル福祉用具等をチェックし、現在の利用限度基準額と実際の自己負担額を確認しておくことは大切です。 ③介護保険サービスを知る 介護保険サービスを知ることも大切なポイントの1つです。 介護保険サービスは数が多く、さらに細分化されています。 利用しているサービスに目を通し、要介護状態区分やケアプランの目標に合ったサービスなのか確認しておくことも大切です。 特に定期的な介護認定による要介護度の見直しによってケアプランも変わるため、注意しておきましょう。 ④経済状況の変化に見合ったケアプランの見直し 家庭の経済状況の変化に見合ったケアプランの見直しも、時には必要です。 介護にかかる費用は、福祉用具や介護用品など、意外に出費がかさみます。 経済的に苦しい状況が続くと、家族の精神的、経済的負担が大きくなります。 少しでも経済状況に不安がある場合は、早めにケアマネジャーにケアプランの見直しを依頼しましょう。 家族のニーズを積極的に伝え、ケアマネジャー任せの介護になっていないか確認することも大切です。 要介護認定でサービスが決まる 要介護度認定で、利用できるサービスが決まります。 要介護認定とは、介護サービスの利用希望者に対し介護の必要性を判断するためのもので、「要支援」「要介護」で判定、区分けされます。 要支援認定 介護の必要性はないが、自立した生活のための見守りや手助けなど、介護予防が必要な状態を指します。 要支援1,2の2段階あり、介護保険を利用した介護予防サービスが使えます。 要介護認定 すでに介護が必要な状態を指します。 要介護度は5段階あり、介護保険サービスのすべてが使えます。 介護保険サービスとは 介護保険サービスとは、介護保険を利用して受けられるサービスです。 要支援は、地域総括支援センターで作成するケアプランに基づき、居宅または地域密着型サービスを利用できます。 一方、要介護はすべての介護サービスを利用できますが、ケアプランによって利用できるサービスが増減します。 また、介護サービスには、保険適用の「介護保険サービス」と保険適用外の「介護保険外サービス」があるため、利用する際は注意が必要です。 介護保険サービスの自己負担割合 介護保険を利用するサービスで、自己負担割合は、原則、支給限度額までは1割負担です。 ただし、一定の所得がある人は、所得額によって、2割または3割負担になります。 要支援で利用できるサービス 要介護を防ぐために、次のような介護予防サービスが受けられます。 自宅訪問 施設通所 施設短期宿泊 要介護で利用できるサービス 要介護で利用できるサービスは、次のとおりです。 自宅訪問 通所介護 通所リハビリ 短期入所 特定施設型 介護保険外サービス 介護保険外サービスは、全額、自己負担になります。 しかし、日常生活をサポートするサービスのため生活環境に合わせた利用ができます。 一例として、次のようなサービスがあります。 家事代行 配食(宅食) 訪問理容 洗濯代行 送迎 要介護度で自己負担額が変わるサービスもある 要介護度が増すと介護保険からの支給限度額が増えるため、多くのサービスが利用でき、お得と思われる人もいるでしょう。 しかし、サービスによっては自己負担額が一定の場合と変わる場合があり、利用状況によっては、自己負担額が増えることも考えられます。 特にサービスを追加する場合は、ケアマネジャーに自己負担額の確認などが必要です。 自己負担額が一定のサービス 要介護度に関係なく、自己負担額が一定のサービスは次のとおりです。 訪問看護 訪問リハビリ 訪問入浴 訪問介護 居宅療養管理 福祉用具レンタル 利用状況により負担額が変わるサービス 要介護度や健康状態の変化などで、利用状況により負担額が変わるサービスは、次のとおりです。 通所介護 通所リハビリ 短期入所介護 小規模多機能型居宅介護 特定施設介護 知っておきたい介護保険サービスの種類や特徴、メリット 介護する環境や生活スタイルの変化に応じ、各種サービスの組み替えが必要な時もあります。 ここでは、家族として、知っておきたい介護保険サービスの種類や特徴、利用者側のメリットを簡単に紹介します。 介護保険サービスの種類や特徴、メリット 介護保険サービスの種類は、居宅や施設、地域密着型サービスの3種類あります。 それぞれの特徴や利用者側のメリットは次のとおりです。 居宅サービスの特徴とメリット 居宅サービスとは、家で介護サービスを受けられるものです。 特徴 通所サービスや短期入所サービスなどを併用して利用でき、介護者のニーズに合わせられます。 メリット 在宅で生活でき、必要時または希望に応じた介護保険サービスが受けられます。 施設サービスの特徴とメリット 施設サービスとは施設への通所や入居することで受けられるサービスです。 特徴 介護老人福祉施設や介護老人保健施設で介護を受けられるため、容態の急変などに迅速に対応できます。 メリット 専門的な知識、経験を持つ職員によるケアを受けられるため、利用者の心身の負担が減らせます。 地域密着型サービスとメリット 地域密着型サービスとは住み慣れた地域で生活できるように、市町村指定の事業者が行っているサービスです。 特徴 住み慣れた地域で介護や医療が受けられます メリット 小規模多機能型居宅介護を利用すれば1つの事業所で通所や短期入所ができるなど、自宅と施設の両方でサービスを受けられます。 家族の希望を反映したケアプランにする 家族の希望を反映したケアプランにすれば、介護者の負担感は減ります。 介護負担を減らすことは、自宅で介護を続けるための優先課題です。 施設に任せた介護は、ケアマネジャーや事業所の介護士とトラブルに発展する可能性もあります。 介護にかかる費用を減らせば家族に介護負担がかかり、介護サービスの回数を増やせば介護負担は減りますが、介護費用が重くのしかかります。 家族は積極的に介護にかかわり、介護保険サービスや介護保険外サービスを上手に利用することが、支出のバランスを取り、負担感の少ない介護になるのです。 まとめ この記事のポイントは以下の5つです。 ・ケアプランには積極的に家族の希望も考慮することが大切 ・家族からも意見提起すれば、より良い介護になる ・家族が積極的にかかわらない介護は、ケアマネジャーや介護士とのトラブルの種になる ・利用する介護サービスの情報を知っておく ・利用者と家族で考えを共有しておく ただし、利用者が判断できない場合、介護者が責任を担う 介護サービスの基本となるケアプランは、時には家族の精神的、肉体的、経済的な課題に沿った内容へ見直すことも必要です。 しかし、介護サービスの種類は多く、利用する種類や回数によって、負担額も変わります。 介護の中心は家族です。 家族は、ライフスタイルの変化も留意したケアプランへの見直しを積極的にケアマネジャーに提案してもいいのではないでしょうか。
ヘルパーが訪問介護サービスを行う際はケアプランに沿ったサービスが基本です。 今回は判断に迷う、あいまいなグレーゾーンと呼ばれる事例とその対応の仕方を解説します。 訪問介護でヘルパーができる事とできない事 訪問介護のヘルパーにはできる仕事内容が決められています。 まずはその基本的なところを確認していきましょう。 訪問介護は3つのサービスに分けられる 訪問介護は訪問介護員(以下「ヘルパー」という)が介護認定を受けた利用者の居宅を訪問し、身体介護や生活援助などを提供するものを言います。 訪問介護に入るヘルパーは、介護福祉士や実務者研修修了者、初任者研修修了者、旧基礎研修修了者、訪問介護員1級又は2級(ヘルパー1級又は2級)のいずれかの資格が無いとサービスに入る事はできません。 (※2018年新設の「生活援助従事者研修修了者」という生活援助限定の資格もあります。) 訪問介護は下記の3つにサービスが分けられます。 身体介護 生活援助 通院等乗降介助 利用者の身体に直接触れる 必要性のある介助。 身体介護以外の利用者が 日常生活を送る上で 必要な生活支援をする介助。 一般的には介護タクシーが 行う事が多い。 ※食事、排泄、入浴、更衣 身体整容、移動・移乗 通院・外出、起床・寝床など ※調理、配膳・後片付け、洗濯 掃除、整理整頓、買い物 ベッドメイクなど ※車への乗降、乗車前 または降車後の移動、受診手続き 薬の受取りなど 訪問介護のヘルパーは利用者のケアマネージャーが立てたケアプランに沿って、利用者本人の為の自立した日常生活に関する身体介護や生活援助サービスを行うものです。 あくまでも訪問介護は介護保険内のサービスですので、ケアプランに含まれていない、ただ利用者がしてほしい事や、その家族、同居者の為のサービスを行う事はできません。 重ねて「医行為」と呼ばれる医師・看護師が行う行為は、ヘルパーが行う事を禁止されています。 *ヘルパーが行える医療行為には、医行為に該当しないものや、一定の研修を受けたヘルパーのみが行える医療行為もあります。 介護サービスをはじめるときには、介護保険内のサービスの有無、できる事できない事の説明をきちんと行い、双方で理解しておくことがとても重要です。 しかし、関わり合いが長くなると「ついでに」「ちょっとだけ」「あの人はしてくれるのに」と ヘルパーに代行を少しずつ依頼してくる事もあるようです。 介護保険ではできないサービス、ケアプランに無いサービスを相談された時は、一旦訪問介護事業所に持ち帰りましょう。 そして、サービス提供責任者やケアマネージャーに報告した上で、利用者が感じている困った事をどうすれば解決できるのかを考え、対応していく事も必要となるでしょう。 ケアプランの変更や追加、自費サービスでの対応を勧める場合もありますし、断りを入れる場合もあります。 利用者本人が、在宅生活を送る上で困難且つ必要とされる身体・生活動作について、介護保険を利用し、日々自立した生活を過ごす事ができるようにケアプランに沿ったサービスを提供することが訪問介護なのです。 訪問介護でヘルパーが迷うグレーゾーン 訪問介護は利用するのにわかりにくいところも多くあります。 ここではそのようなグレーゾーンの対処法について解説します。 同居者や家族がいる場合 まず訪問介護サービスを行う際、利用者本人が独居状態か、その家族や同居者がどういう状態や状況にあるのかを把握する必要があります。 訪問介護の主なサービスである身体介護や生活援助は、その状態や状況によってはサービスが受けられない事もあるのです。 同居者や家族等がいても、サービスができるかどうかは下記の表の通りです。 できる できない 〇身体介護 ※見守り的援助も身体介護であるので可。 但し「ただ見守る」「ただ声掛けする」は 見守り的援助とはならない。 ×生活援助 ※原則的に同居者や家族等がいる場合は不可。 但し「障害や疾病、やむを得ない理由」がある場合は 認められる事もある。 ここでの「障害や疾病がある場合」とは、「同居者や家族等が何らかの障害や疾病がある為に 家事をすることが困難な状態」にある事をいいます。 「やむを得ない場合」は「障害や疾病は無いが家事ができない(する事を見込めない)状態」に ある事をいいます。 やむを得ない場合とは ①同居者や家族等が高齢であり、それに伴う筋力低下等の身体能力低下の為に家事をする事が困難な場合 ②同居者や家族等が全員介護認定を受けている場合 ③同居者や家族等に深刻な問題が発生している場合(関係断絶、虐待、介護放棄等) ④同居者や家族等に介護疲れが目立ち、共倒れの危険性があると判断される場合 ⑤同居者や家族等が就労等で不在とする時間が長く、利用者の安全・健康・衛生上に援助を必要とする事が高く求められる場合 生活援助は、「家事や生活動作を手伝ってくれないと毎日の生活が成り立たない」為に介護保険を利用してその成り立たない部分を援助するサービスです。 同居者や家族、利用者本人のその時の感情や根拠の無い憶測、個人的な要望だけでは行う事はできません。 例えば、妻が利用者で夫は要支援、同居する息子夫婦は共に仕事の為、日中は不在とします。 同居者や家族が複数人いる場合、「必要な部分を同居者や家族が分担すれば日常生活は可能」と 判断された場合は「やむを得ない」状態や状況とは考えられずにサービスを外される事もあります。 また生活援助では、居宅においての共有部分での掃除はできません。 <共有部分とは> 居間、寝室、玄関、台所、浴室、トイレ等の居住する人が共有して利用する場所 <注意事項> ・原則として生活援助の掃除は不可。 (利用者だけでなく同居者や家族等も使用する場所で、日中の不在時でなくても 在宅時や時間のある時に掃除ができると考えられる為) ・やむを得ない場合とはの5例に該当する理由がある場合 生活をする上での安全性、自立性、衛生面、健康維持の全ての必要性が 認められた場合は生活援助サービスの提供が可能。 単に「日中は仕事で誰もいないし、利用者の夫は要支援で掃除機を持ったり移動する事が難しいので、利用者も一人で掃除するのは危ないから生活援助(寝室や居室等の掃除)に入ってほしい。」 という同居者や家族の希望だけではサービスは行えないという事です。 寝室の掃除や整理整頓に際しては、夫と利用者の共有スペースにあたります。 そのため、共に要介護と要支援という事で、夫側の要支援である総合事業の訪問型サービスを利用するという方法や、利用者の見守り的援助(身体介護)として寝室の掃除や整理整頓を行うといった方法もあります。 見守り的援助の場合 見守り的援助とは、要介護である利用者が自立した生活を送る為の支援です。 毎日の身体動作や生活動作、日々過ごす生活の質が落ちないように、維持・向上するという観点から利用者の安全を確保しつつ、何かあった場合はすぐに介助できる状態で行う見守り等の事をいいます。 同居者がいる例にもありました「見守り的援助」は身体介護となりますが、あくまでも「自立した生活をする為の支援」でありただ見守るだけ、ただ声を掛けるだけでは見守り的援助とはなりません。 また生活動作に対してあいまいな解釈で対応すると生活援助と判断されて身体介護としてサービスが行えなくなる場合もあります。 例えば、独居で要介護1の利用者が洗濯物を取入れて衣類をたたみ収納するといった一連の動作を行う身体介護のプランがあるとします。 ヘルパーは利用者が動作上どうしても難しい所、援助が必要な所は一緒に行うといった手助けをする事で利用者が未だ持っている自立した動作ができる機能の維持を促します。 動作時にふらつきや転倒といった事故が発生しないように、また体調の不具合や疲労感の有無を確認する為に見守りや声掛けを行う事は、見守り的援助であり身体介護サービスとなります。 また、ヘルパーが洗濯物の取入れをし、その間利用者は別の動作をしていた場合、(居間を片付けていた等)は、ヘルパーと利用者が一緒に行っていない為、洗濯物の取入れは生活援助となり、見守り的援助には適用せず身体介護から外れる事になります。 院内介助の場合 訪問介護はその名の通り利用者宅へ訪問しヘルパーが利用者の為に行うサービスです。 そのため、院内介助の場合は居宅では無い場所でのサービスの為、本来は介護保険のサービスとは言えません。 また病院は医療機関であり、病院内での介助は本来は病院のスタッフが対応するものとされ、介護保険ではなく医療保険が適用されます。 但し理由によっては、介護保険としてサービスができる場合(通院等乗降介助、訪問介護で身体介護・見守り的援助対応)もあります。 訪問介護でヘルパーが対応する場合は下表の通りの流れとなります。 <訪問介護にてヘルパーが院内介助を行うまでの流れ> 訪問介護で院内介助サービスが可能となる理由(必要性) ①受診する病院のスタッフによる対応ができない、または困難である場合。 ②利用者に家族や同居者がいるが、介助を要するにも関わらず付き添いができない場合。 ③利用者が院内の移動に介助を必要とする場合。 ④認知症や精神的不安定な症状があり、常に見守りを必要とする場合。 ⑤トイレ等の排泄介助を必要とする場合。 ⑥視覚、聴覚に不自由がある場合。 ↓ ケアマネージャーによる病院への事前確認(電話確認可) ↙ ↘ 病院側の受診時の院内介助対応が可能 ・介護保険サービス不可 (医療での対応) 病院側の受診時の院内介助対応が不可 ・支援経過記録(ケアマネージャー) ①事前に病院側への介助依頼した内容の記録 ②病院スタッフが介助できない理由 ③利用者が受診時に必要とされるサービス ↓ ・サービス担当者会議の開催 (訪問介護側、利用者側の参加) ↓ ・サービス計画書に記載し、説明、配布 ↓ ・訪問介護計画書に追加、説明、配布 ↓ ヘルパーによる院内介助が可能。 例えば、下記のような状態・状況があるとします。 認知症外来、神経内科、血液検査の受診予定がある利用者 認知症レベルは重度で日常生活自立度がⅢa 家族は今回付き添えません。院内では徘徊行動する可能性が高く、見守りが必要とされています。 排泄もいつ排泄意が来るか不明な上に、トイレ介助が必要な状態です。 院内の移動もどこへ向かっているのかが分からず移動時は声掛けや見守りが必要な状態です。 この場合、明らかに介助を必要とされる状態にあるのですが、病院側が院内介助の体制が整わないとの理由で医療での院内介助は見込めなくなりました。 注意すべき点は、訪問介護で院内介助と認められるのは、「受診手続き、病院内の移動・移乗介助や見守り的援助、トイレでの排泄介助、清潔動作、医療費の支払い、薬の受取り」となります。 待ち時間や診察や検査の立ち合いは、訪問介護としては認められません。 但し、例にあるように利用者の認知症レベルが重度のⅢaである事から、検査や診察等の医療行為以外は院内介助として認められる事になりました。 この場合は「自立生活支援の為の見守り的援助」として介助の内容や掛かった時間、利用者の状態をサービス実施記録や計画書に記載し、ケアマネに実施報告を行っています。 繰り返し言いますが、院内介助は病院側のスタッフが対応とするのが原則です。 本来は医療で対応するものであり、介護で対応する時は何等かの理由がある場合であり、単なる家族の付き添いの代わりではないのです。 まとめ 今回は訪問介護において、訪問介護の基本と3つのあいまいなグレーゾーンについての解説や事例、対応方法をお話しました。 ・訪問介護は、身体介護・生活援助・通院等乗降介助の3つに分けられる。 ・訪問介護はケアマネージャーのプランに則ったサービスを行う。 ・同居者や家族がいる場合は、本来は身体介護以外は入れない。 ・生活援助は「障害や疾病、やむを得ない理由」がある場合のみ、同居者や家族がいてもサービス可能である。 ・見守り的援助とは身体介護の区分で、利用者と共に行いつつ、何かあればすぐに介助できる状態で見守りや声掛けをしながら動作、作業を行う援助である。 ・院内介助は原則として医療の管轄であるが、利用者の状態や状況により介護の必要性が認められた場合はヘルパーによる院内介助が可能となる。 最後まで読んで下さりありがとうございました。
訪問介護は利用者さんのお宅で介護を行うサービスです。 そんな訪問介護ヘルパーにとって重要なスキルとはいったいどのようなものなのでしょうか? 今回はそのスキルを5つご紹介していきます。 介護の知識 まず最初に欠かせないのは、「介護の知識」です。 これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、介護を行う上でこの部分ができていない人が現場で意外に多い印象だったため、上げさせていただきました。 訪問介護の大きな特徴として「介護は基本1人で対応する」という状況があります。 どのお宅に行くにも、この条件はついて回ります。 最低限の介護の知識を持ち合わせていないと、その場その場でのとっさの状況判断に対応できないということが起こるかもしれません。 そのため、介護の知識は回り回って介護士であるあなた自身を守るために必要なものになると言えます。 状況判断力と介護 介護の知識を踏まえた上で必要なのが、状況判断力です。 訪問してまず最初に確認するのは、利用者様の状況把握と住環境の状況判断です。 利用者様の身体状況は安全かどうかの確認や、1人暮らしで生活している人は特に生活環境に変化はないかなどの観察が必要になります。 訪問介護は、基本的に利用者様へのサービス内容が契約時に決まっているので、その契約を超えるサービスを行うことはしません。 そのため、状況を把握し契約の中でサービスを行う必要があります。 もしご家族がお宅にいるのであれば、状況を伺い対応することもできますが、一人暮らしの場合、訪問介護員の判断に委ねられる場合が多いです。 観察力と介護 次に必要なスキルが観察力になります。 世間でよく言われる人間観察に近いものですが、介護の場合は少し独特です。 まず大前提として、高齢者の方々はお年を召されている分、体調の変化が激しい傾向があります。 わたしの経験談で例を上げます。 普段よくお話をして自分から積極的にコミュニケーションを取ろうとする女性の利用者がいました。 年は87歳で車椅子で生活をされている方でしたが、とある天気のあまりすぐれない日にお話をした時のことでした。 「何だか話し方がおかしい、、、。」 舌の周りが悪い様子で普段はハキハキ喋るのに、スローモーションで話すようなゆっくりとした話し方なのです。 そう思い、すぐに看護師に報告をしました。 しばらくして看護師が到着し、その後すぐに救急車を呼ぶことになりました。 わたしは次のサービスがあったためその場を後にしましたが、後で看護師に聞いた話だと、その女性の利用者は軽い「脳梗塞」だったそうです。 幸いにも発見が早く大きな障害は残らなかったので、今でも元気に過ごされているようです。 この様に、ちょっとした違いで利用者様の命運を大きく分けることもあるため、観察力は訪問介護のヘルパーにとって欠かせないスキルになります。 臨機応変力と介護 次に必要なスキルは、臨機応変力です。 訪問介護では、それぞれの場所で介護環境が違います。 例えば介護ベットの作りや、部屋の作り、水を補給する場所や、介護用品の充実度も違います。 基本的に、訪問介護は訪問先のサービス手順書というものがあります。 こでは、各サービス先でどのようなサービスを行うのかという内容を記載している書類です。 この手順書に介護用品の場所、住環境の特徴などが記載されているのですが、いざ訪問するとそこにあるはずの介護用品がなかったり、聞いている情報と違う環境になっているということもしばしばあります。 しかしサービスをやらずに帰るわけにはいきません。 そのため、上司や責任者に指示を仰ぐこともありますが、その上司や責任者が音信不通の時、この臨機応変力が必要になります。 例えば、足りない介護用品は何で代用できるのかなどの課題もあるでしょう。 他にも、訪問した際に利用者様が玄関で倒れていることもありました。 そのため、利用者様がどのような状態なのかをよく観察して介護をする必要があります。 頭を打っていないか、流血をしていないか、話せるかどうかなどの確認をする必要があります。 上司に連絡をしてられる余裕があるならしたほうがいいですし、一刻を争う場合ですぐにでも動かなければ危ない時は動く必要があります。 このように、臨機応変力は訪問介護において重要な役割を担っていると言えます。 コミュニケーション力と介護 次に必要なスキルがコミュニケーション力です。 どのような仕事でもコミュニケーション力は必要ですが、訪問介護においては特に重要なスキルとなってきます。 介護という仕事は、主に利用者様の生活や身の回りのお世話をする仕事です。 つまり、訪問介護ヘルパーは利用者様のプライベートなところにお邪魔して、排泄介助や、入浴介助、居室の掃除などプライベートの空間を共有させてもらうことになります。 もしあなたが介護をされる側だった場合、全く何も言わず黙々と介助をされてどう思うでしょうか。 あまりいい気分はしないと思います。 なので、円滑なコミュニケーションはサービスの提供を円滑に行う上で必要なのです。 例えば訪問介護には買い物代行というサービスがあります。 この買い物代行サービスは、食品や、日用品、時には文房具などの購入依頼をされる時があります。 例えば、利用者様から牛肉と醤油、トイレットペーパーを買ってきてほしいという買い物代行サービスがあると仮定します。 この時、牛肉と言ってもどのようなお肉なのか聞く必要があります。 また醤油も好みのものが何なのかを聞かなければいけませんし、トイレットペーパーもブランドにこだわりがある場合は聞く必要があると思います。 渡された予算も、どこまで使用していいのか聞いてから買い物代行に行くことをオススメします。 以上のことから、訪問介護においてコミュニケーション力は重要になってきます。 今までは、実用的な部分でコミュニケーション力が必要であるとお伝えしてきましたが、訪問介護ヘルパーとして関わる上で利用者様の人格や尊厳を尊重しサービスを提供するということは外してはいけません。 まとめ 以下に訪問介護に必要なスキルをまとめました。 ①介助の知識 ・介助は基本1人で行うため、知識がないと何もできない ・介助は利用者様の体を守る上でも知識を必要とする ・介助の知識はあればあるほど、介護を行う自分自身を守ることにもつながる ②状況判断能力 ・介護の仕事は対人のため、毎回同じ状況とは限らない ・違う状況の際のとるべき行動を間違えないために状況を把握する必要がある ・状況を把握し、適切な介護を提供する ③観察力 ・介護の選択を誤らない ・なんとなく対応していると、場合によっては大きなトラブルも起こり得る ・何より利用者様と、ヘルパー自身の安全を守る ④臨機応変力 ・どの訪問先も同じ環境ではない ・サービスで必要な物品がない時など、何を代用しサービスを行うのかの臨機応変さが求められる ・この力を養うと、介護の知識以上にヘルパーの引き出しが増える ⑤コミュニケーション力 ・介護をする上で、利用者様の細やかな要望の聞き取りが必要 ・利用者様の意思を尊重し、事故なくサービスを提供する ・利用者様と円滑なコミュニケーションをとり、お互いが気分良くサービスを提供する 最後までお読みいただきありがとうございます。
「地域包括ケアシステム」と言われても、どんな内容のシステムなのかイメージがしにくいかもしれません。 少子高齢化の日本は介護保険制度のみだと高齢者を支えるのが難しい状態です。 ここでは地域で支える取り組みである「地域包括ケアシステム」について紹介します。 地域包括ケアシステムとは 「地域包括ケアシステム」とは、高齢や介護が必要な状態になっても地域全体で支えようというものです。 住みなれたところで最期まで自分らしく生活するには地域で支える必要があるからです。 これまでは介護保険制度のみで高齢者を支えてきましたが、高齢化とともに難しくなってきています。 このため、介護保険制度と医療保険制度から地域全体を支えていく必要があるのです。 ちなみに、「地域」とは、自宅から30分以内でサービスが提供される範囲です。 わかりやすくいうと、中学校校区が目安になります。 「地域包括ケアシステム」は、自治体である都道府県や市町村がその地域の特性に応じてサービスを作っていきます。 主体となって「地域包括ケアシステム」を実行するのは「地域包括支援センター」です。 なぜ地域包括ケアシステムが推進されているの? 現在、「地域包括ケアシステム」が推進されています。 これまでの介護サービスだけでは高齢者を支えることができなくなってきているからです。 日本は高齢社会となっており、2022年9月15日時点での65歳以上の人口は、3,627万人です。 2042年には、約3,900万人になることが予測されています。 団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、医療や介護の需要が増加することが予想されています。 このため、2025年をめどに地域の力を活用する「地域包括ケアシステム」が推進されているのです。 また、介護施設が全国的に不足しており国はケアの場を施設から在宅へと計画しています。 厚生労働省は、2025年には地域の包括的な支援やサービスを提供できるように、取り組みを推進しています。 地域包括ケアシステムの歴史 「地域包括ケアシステム」は1980年代に広島県の御調町の取り組みによって生まれたものです。 医療と福祉行政が連携して「高齢者の寝たきりゼロ」を目指した取り組みが、実施されました。 これが、「地域包括ケアシステム」と呼ばれるようになります。 2000年には介護保険制度が始まりました。 高齢者を支えるためには、これまでの医療と介護の連携だけでなく、生活支援サービスも必要であることがわかってきました。 医療サービスと介護サービスに生活支援サービスが連携された「地域包括ケアシステム」が、注目されるようになったのです。 そして、2014年には「医療介護総合確保推進法」が施行されます。 これにより、「地域包括ケアシステム」の構築が全国的に進められるようになりました。 地域包括ケアシステムの中身 Microsoft PowerPoint - 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(基礎資料・HP用) (mhlw.go.jp)より では、「地域包括ケアシステム」の中身は、どんなものでしょうか。 「地域包括ケアシステム」は、5つの要素で作られています。 住まい 高齢者が暮らす家など(サービス付き高齢者向け住宅なども含む) 医療 かかりつけ医など医療サービス全般 介護 介護が必要になった時に受けれるサービス(居宅・施設サービスを状況に合わせて使う) 生活支援 高齢者の自立した暮らしを支えるためのサービス(配食サービス、家事援助、見守りサービスなど) 介護予防 高齢者が元気に過ごすためのサービス(カフェ、サロンなど) 「地域包括ケアシステム」は、これらを一体的に提供することを目指しています。 そのためには、自治体である市町村や都道府県が地域の特性に応じてサービスを作ることが必要です。 Microsoft PowerPoint - 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(基礎資料・HP用) (mhlw.go.jp)より 5つの要素は、「植木鉢」に例えられています。 平成28年版厚生労働白書 -人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)より 5つの構成要素が、互いに結びついて「地域包括ケアシステム」を形作っているからです。 ① すまいとすまい方:植木鉢 ② 介護予防・生活支援:土 ③ 医療・看護:葉 ④ 介護・リハビリテーション:葉 ⑤ 保健・福祉:葉 本人の選択と本人・家族の心構え:皿 ①②は生活の基盤で、③④⑤は専門的なサービスになっています。 植木鉢のないところに、植物は育ちません。 同様に、高齢者が「すまい」で毎日を安心して過ごすために、「介護予防・生活支援」があることが、基礎になります。 しっかりした基礎があれば、専門的なサービスである「医療・看護」、「介護・リハビリテーション」、「保健・福祉」が有効に働くのです。 サービスを受けるには、皿である「本人の背択と本人・家族の心構え」が大切になってきます。 4つの助について 「地域包括ケアシステム」をすすめていくには、4つの助が大切と言われています。 ・自助 ・公助 ・互助 ・共助 これらが結びついて、さまざまな生活課題を解決していくことが必要です。 それぞれについて、詳しく説明します。 自助 健康寿命を伸ばすために取り組む、「セルフケア」 定期的な健康診断や介護予防活動などへの参加 公助 生活保護など、生活保障制度や社会福祉制度のこと 互助 家族、近所の人などの支えなど、公的な制度ではないもの ボランティアやNPOなど含む 共助 医療、年金、介護保険や社会保険など、制度化されたもの この中でも基礎になるのは、ひとりひとりの努力が必要な「自助」です。 自分の健康を大切にして、生活を豊かにするものだからです。 たとえば、健康診断を受けたり、介護予防活動への参加があります。 ひとりひとりが健康に気をつかうことが生活を豊かにするため、「自助」が基礎になるのです。 自分ひとりで支えるのには限界があるので、ここで重要になってくるのが「互助」です。 もちろん、「互助」にも限界があり、「互助」を助けるものが「共助」です。 「共助」を活用することで、「互助」の負担を減らすことができます。 「自助」、「互助」、「共助」をつかっても解決が難しい「貧困」や「虐待」などに対して、「共助」が必要になります。 今後の地域包括ケアシステム 今後、「地域包括ケアシステム」を構築するには、3つの流れを踏む必要があります。 ・地域の課題の把握と社会資源の発掘 ・会議などの開催と対応策の検討 ・対応策の決定と実行 地域の課題の把握と社会資源の発掘 自治体が、地域に暮らす高齢者がどんなことで悩んでいるか調査します。 高齢者がどのような問題を抱え、それに対策する必要があるからです。 そのために地域ケア会議が開催され、課題が分析されます。 同時に地域サービスである「ボランティア」や「NPO」などが、発掘されます。 このため、高齢者がどんな問題に直面しているか調査する必要があるのです。 会議などの開催と対応策の検討 自治体が「地域ケア会議」を開いて、地域の関係者が問題を共有し、解決策を話し合います。 対応策の決定と実行 「地域ケア会議」で解決策が出たら、介護保険事業の中に盛りこんでいきます。 地域にかかわるさまざまな支援メニューが用意され、実現されていくのです。 まとめ ここまで、「地域包括ケアシステム」について紹介していきました。 ・「地域包括ケアシステム」とは、高齢や介護が必要な状態になっても地域で支えようとするもの。 ・「地域包括ケアシステム」は自治体が、地域の特性に応じてサービスを作る。 ・「地域包括ケアシステム」が推進されているのは、介護サービスだけでは高齢者を支えることが難しくなってきているから。 ・高齢者を支えるためには、医療と介護の連携だけでなく、生活支援サービスも必要。 ・「地域包括ケアシステム」は、 「住まい」「医療」「介護」「生活支援」「介護予防」の 5つの構成要素から成り立っており、一体的に提供するもの。 ・「地域包括ケアシステム」をすすめていくには、 「自助」「公助」「互助」「共助」の「4つの助」が大切。 ・今後、「地域包括ケアシステム」を構築するには、「地域の課題の把握と社会資源の発掘」「会議などの開催と対応策の検討「対応策の決定と実行」の 3つの流れを踏む必要がある。 「地域包括ケアシステム」はなじみにくい内容ですが少しでもお分かりいただけたでしょうか? 今後も高齢社会が続くと予想されており、「地域包括ケアシステム」を構築していく必要があります。 高齢者が安心して住みなれた地域で生活できるよう地域全体で高齢者を支えましょう。 少しでも「地域包括ケアシステム」に興味をもっていただけましたら、幸いです。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「突然、家族に介護が必要になった」 このような可能性は誰にでもあります。 そうなったときに慌てないようにしたいものですが、いざ自分が直面したときには何から始めればよいのでしょうか。 こんな時に頼りになるのがケアマネージャー(以下ケアマネ)です。 今回の記事では、ケアマネが担っている仕事はどのようなものなのかをご紹介していきます。 ケアマネは介護保険を利用するのに必要な存在 介護保険制度は一般の方々にはわかりづらく、すべてを理解するのはかなり困難でもあります。 介護保険を利用したい場合、その道のプロにお願いするのが一番いい方法です。 介護保険の利用を、その方に一番合った形で提案してくれる存在、それがケアマネージャーです。 ケアマネージャーは居宅(きょたく)介護支援事業所というところに所属しています。 居宅と略されることも多いです。 それではここからケアマネの具体的な仕事を見てみましょう。 ケアプラン作成 実は毎月の保険料を払っているだけでは介護保険サービスを利用することができません。 介護保険サービスを利用するには、必ず「ケアプラン」というものが必要になります。 ケアマネの大きな役割の1つが、ケアプランの作成です。 ケアプランとは ケアプランとは、その方の課題を解決するためにどのようなサービスがどの程度必要なのかを盛り込んだ計画書のことです。 ケアプランに記載されていないサービスを利用しても保険給付は受けられないということに注意が必要です。 インテーク ケアプランを作成するために、利用者の現在の状態を把握する必要があります。 まず、電話や対面などで、本人や家族の悩みや課題、体調や環境などを聞きます。 この行為はインテークと呼ばれます。 アセスメント ケアプランを作成するためには「その利用者がどのような方なのか」「どういった価値観を持ち、現在はどのような生活環境にあるのか」といったことを知る必要があります。 そして「どのような生活を望んでいるのか」「それを実現するための課題や問題点は何か」を明確にしていきます。 このために必要な情報を利用者本人や家族から聞き取りし、解決すべき課題を抽出するその行為をアセスメントといいます。 インテークでは聞き出せなかった深い部分まで聞き出せるよう、細かい点まで質問していきます。 たとえば、脳梗塞で倒れて入院中のAさんが「以前のように自宅に戻って生活したい」という要望を持っていたとします。 ケアマネは以下の各項目について課題がないか、Aさんをチェックしていきます。 ・後遺症はあるのか ・リハビリは必要なのか ・自宅で入浴はできるか ・服薬の管理はできるのか ・リハビリ以外に必要なサービスはないか ・他に困り事はないか 等 なお、インテークもしくはアセスメントで経済状況を聞かれることがあります。 年金の受給額など、ケアマネとして知っておかなければならないことだからです。 それはショートステイの利用や、いざ施設に入所するとなったときに、支払いを抑えることができる給付を受けられるかどうかの判断材料にするためです。 しかし、経済的な事情を尋ねるというのはケアマネにとっても聞きづらいものです。 人間関係がしっかりと構築された後ではますます聞きづらくなってしまいます。 そのため、ケアマネも「経済事情は割り切って早めに聞いてしまおう」と決めている人も多いので、1度目もしくは2度目の面談で経済状況を質問されるケースがあります。 ケアプラン原案作成 アセスメントが終わったら、その方の課題を解決するために、またはその方のニーズに応えるためにケアプランを作成します。 先ほど例に挙げたAさんであれば、 ・リハビリが必要なら「訪問リハビリ」「デイケア」 ・自宅内での手すりの設置や段差解消が必要なら「福祉用具」 ・自宅で一人での入浴が難しければ「訪問介護」「訪問入浴」「デイサービス」 といった選択肢が浮かんできます。 それらを基にケアプランの原案が作成されます。 担当者会議 ケアプラン原案を基に、ケアマネや本人・家族、また利用するサービスを提供する業者や主治医等と担当者会議を行います。 ここで本人や家族、また関係者からプラン内容に問題がないか等の意見を聞き、ケアプランに修正の必要があれば、原案を修正し、利用者や家族に同意を得ます。 そうして出来上がったケアプランが利用者や家族に交付され、利用者、もしくは家族にはサインや押印をしてもらいます。 モニタリング ケアプランに基づいたサービスがきちんと提供されているか、また、提供されているサービスで問題はないか、過不足はないか等を確認するために、ケアマネは月に1回以上利用者宅を訪問します。 モニタリングの結果、ケアプランの再考が必要だと判断された場合には、再度、アセスメントから実施し、ケアプランを再度作成します。 以上がケアプラン作成の流れです。 ここで一つ注意点があります。 ケアマネは何十人も担当していますので、月に1度訪問するのがやっとです。 本当は相談したいことや伝えたいことがあるのに、そこで「特に問題ありません」と答えてしまうと、ケアマネが問題に気付くことができず、来月の訪問まで待たなければなりません。 何かあればモニタリング時に相談するようにしましょう。 もちろんモニタリングの時だけでなく、随時、電話で相談することは可能です。 ケアプランには有効期間がある ケアマネにプランを作成してもらっても、ケアプランには有効期間があります。 高齢者は状態も変わりやすいためです。 有効期間の終了日が近づいてくると、再度アセスメントからケアプラン交付までの流れを繰り返し、新たなプランの交付を受けます。 なお、有効期間はケアマネが管理するものですので、利用者や家族の方が気にしなければならないものではありません。 申請代行 ケアプラン作成以外にもケアマネにお願いする業務があります。 それが申請代行と呼ばれるものです。 申請代行とは、利用者の意思を踏まえて申請書の入手や記入(自署部分は除く)、提出を本人に代わって行うものです。 介護保険を利用するには認定を受けなければなりませんが、その認定を受けるためには申請が必要になります。 利用者本人や家族が役所へ行かなくても、ケアマネが代わりに行ってくれるのが申請代行です。 申請した書類が受理されると調査のために認定調査員がやってきます。 これは申請代行を行ったケアマネ以外の第三者となります。 調査員が生活状態や身体の状況、認知機能など聞き取り、介護度を決定する認定審査会に提出する資料を作成するのです。 調査には通常ですと、30分から1時間程度かかりますが、これはあくまでも目安です。 場合によってはもっと短いケースもありますし、長く時間がかかる場合もあります。 利用者本人だけでは質問の受け答えが難しい場合には、家族の方が同席するようにしてください。 なお、申請を行ってから認定が下りるまでは通常は一か月ほどかかります。 その他の相談にも乗ってくれる 申請を代行するのは介護保険関係だけではありません。 たとえば、生活に困っている方には生活保護の申請を行うこともあります。 行政から届く書類は難解なものも多いので、手続きの相談に乗ってくれます。 また、在宅生活を続けていくのが難しいという方も多くいらっしゃいますが、もちろん施設への入所の相談にも乗ってくれます。 まとめ 最後に、今回の記事の内容をまとめてみます。 ・介護保険サービスを利用するにはケアプランが必要 ・ケアプランを作成するのはケアマネ ・ケアプラン作成のスタンダードな流れは以下のとおり ① インテーク ② アセスメント ③ ケアプラン原案作成 ④ 担当者会議開催 ⑤ モニタリング ・ケアプランは有効期間がある ・ケアマネは介護保険、その他の書類の申請業務を代行してくれる ・施設入所の相談もケアマネに ケアプランは「自分らしく生きるための大切な計画書」です。 作成してもらう際にはしっかりと希望を伝え、納得のいくプランを作成してもらうようにしてください。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。
「施設で認知症の方のプライバシーや自由って守られてるの?」「もし自分の母親が認知症になったらどうなるんだろう?」と不安になりませんか。 今回の記事では認知症のかたの尊厳に関して、介護歴10年の介護福祉士が分かりやすく解説します。 介護現場で重度認知症のかたの尊厳は守られているのか? 「重度認知症」と「尊厳」という言葉、介護の世界ではよく聞く言葉です。 まずは言葉の意味を確認していきましょう。 重度認知症とはどういう状態? 重度認知症の方は自分のいる場所や時間、人の顔の判断が難しくなります。 それに、トイレや食事、衣類の更衣、お風呂といった日常生活を営む上で必要な生活動作を一人で行うことが困難になります。 普段の生活を営む上で介護者の助けが常に必要な状態です。 尊厳とは何か? 尊厳とは、その人の自尊心を守り人間を人間として扱うことです。 当たり前のことですが、お互いを尊重し自分がされて嫌なことは相手にもしないことです。 言葉の意味を押さえた上で介護の現場で重度認知症の方の尊厳が守られているか考えてみましょう。 結論としては認知症の方の尊厳は完璧には守られてはいないのが実情になります。 なぜなら「施設のハード面」や「施設のルール」、「介護職員の質」に左右される側面が大きいからです。 尊厳を「守れている施設」もあれば、「守れてない施設」もあり、「尊厳を守れている職員」もいれば、「守れてない職員」もいます。 なぜ重度認知症のかたの尊厳は守られないのか? ①どこかで重度認知症の方を下に見ている?馬鹿にしている? 当たり前のことですが人を馬鹿にするような行為は許されることではありません。 ただ、職員の中には重度認知症の方に対して、見下すような態度をする職員がいることは否定できません。 では、どのような心理が働いて重度認知症の方を見下すのでしょうか。 考えられる主な心理的な理由として、以下の内容が考えられます。 「どうせ言っても分からないから…」 「しゃべれないから別にいいや…」 「どうせすぐに忘れてしまうから…」 等 このような介護職員の心理が原因となり、重度認知症のかたの「羞恥心」や「自尊心」、「自由」を無視したような対応に繋がると考えられます。 ②重度認知症の方は意思表示をすることが困難なので介護士が主導ですべて決めてしまう 私たちは自分で意思表示をして、日常の生活を選択しています。 「いつ起きていつ寝るか」「いつ何を食べるか」「いつお風呂に入るか」など、様々な選択を自分の意思で判断して行っています。 しかし重度認知症のかたは自分の意思を表示することが困難な状態です。 頭では自分の考えがグルグルと巡っているのに肝心の言葉がなかなか出てきません。 本来であれば過去の生活歴や趣味嗜好に配慮したうえで介護職員が認知症の方の選択をサポートするのが理想です。 ただ、現状では介護職員が独断で判断している部分が多いのではないでしょうか。 ③施設のルールやハード面で尊厳の保持が難しい場合もある 介護施設では施設の種類により、入居者様の人数が多い施設もあれば少ない施設もあります。 ただ、基本的にどの施設でも集団での生活になります。 このような状況の中で、一人一人の趣味嗜好や要望に応えるのは困難な状況です。 重度認知症の方の尊厳が守られてないってどういう状況? では実際に尊厳の保持が守られてないってどういう状況なのか具体例を交えて解説していきます。 トイレ 排泄はズボンを下げ下半身を露出させるため、羞恥心に配慮すべき行為であります。 ただ、重度の認知症の方になると自分でズボンを下ろすことも困難な状態です。 それに便器という認識もできない方もいます。 そのため、介護職員がトイレへ付き添い介助するケースがほとんどです。 他人が隣にいる状態で用を足すことは誰でも嫌なものです。 お風呂 お風呂に入ることも羞恥心に配慮すべき行為で、誰しもが他者に裸を見られたくないでしょう。 ただ、前述したトイレと同様に認知症のかたは一人でお風呂に入ることが困難な状態です。 そのため、介護者に身体を洗ってもらうことになります。 大きい特別養護老人ホームなどでは、大浴場に複数の利用者様を入れる所もあります。 とても入居者様の羞恥心に配慮しているとは言えない状況です。 不適切な声かけ 認知症の方に対して不適切な声かけをする職員がいることも否定できません。 例えば、食事の時に「あーん」と赤ちゃん言葉を使ったり、トイレに誘導するときに「しっこ行こうか」など、羞恥心や自尊心を傷つける発言をする職員がいます。 逆の立場になったら馬鹿にされているようで嫌な気分になるのではないでしょうか。 相手の自尊心を傷つけないためにも言葉遣いには細心の注意を払うべきです。 本人の選択の自由が制限されている 介護施設では集団での生活になるため、施設のルールやタイムスケジュールで運用されていることが多いです。 例えば以下のような内容があります。 起床時間や就寝時間 食事の時間やメニュー 入浴の曜日や時間 外出の制限……等 私たちのような健常者から見ればいかにも窮屈な生活です。 言葉や向精神薬での抑制 認知症の方には様々な症状があります。 同じ言動を繰り返したり、帰宅願望だったりと様々です。 なかには徘徊する認知症の方が歩き回り他者の居室に入ったり、他者の私物を盗ったりすることもあります。 介護職員が徘徊などを制止するために「動かないでください」「立ったら危ないですよ」と制止する事もあります。 夜間帯など介護職員の人数に限りがある場合は、向精神薬で行動を抑制することもあります。 どうすれば重度認知症の方の尊厳は守られる? ではどのようにすれば重度認知症の方の尊厳を守れるのでしょうか? 「学校からイジメをなくそう」と同じようになかなか難しい問題ではあります。 ここでは尊厳を守るための3つのポイントをご紹介します。 ①職員の教育 接遇やプライバシーに関する研修を繰り返し行うことによって、他者の尊厳や自尊心を守ることの大切さを潜在意識まで刷り込むことが大切です。 研修を定期的に行うことが難しい施設もあると思います。 そういった場合には、朝礼などで遵守すべき行動規範を読み合わせるのも良いでしょう。 事業所のビジョンや目指すべき介護を繰り返し伝えることは重要です。 あと、不適切な職員は採用しないに尽きます。 ②職員間でお互いを相互評価する まず「相互評価で何を評価するのか?」が重要です。 「利用者様を制止する言動はないか」「利用者様を馬鹿にした言動をしてないか」「羞恥心に配慮した介助ができているか」など…。 こういった項目を職員間で無記名で評価することにより、不適切な言動の抑止力になるのではないでしょうか。 もちろん賞与の査定基準にすることも検討して良いでしょう。 ③職員一人一人が心の余裕を持つために無駄な業務は減らす 人間誰でも忙しくて時間に追われると、心の余裕が無くなりイライラするものです。 そういう時に入居者様に対して不適切な言動をすることがあるのではないでしょうか。 「ちょっと待ってください」「座ってください」と行動を制限する発言をしたり、利用者様の意思も確認せずに勝手にトイレに連れて行ったりと様々あるかもしれません。 忙しいことで一番重要な入居者様の「尊厳」や「自尊心」「羞恥心」を守れないのであれば本末転倒です。 思い切って利用者様にとって不必要な業務を排除してみるのも重要です。 「委員会」や「無駄な会議」、「書き物」「昔からの慣習で行っている業務」など削れる業務は削りましょう。 削って不都合があれば、また再開すれば良いのです。 まとめ ここまで重度認知症の方の尊厳の保持に関して解説してきました。 現状では尊厳を保持することは難しい側面があります。 ただ、取り組み次第では防げることもあります。最後に復習していきましょう。 重度認知症の方の尊厳の保持は守られてないのが現状である 重度認知症の方の尊厳を守るために職員の研修をすべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために不適切な職員の採用は見送るべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために職員間の相互評価を取り入れるべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために職員の業務量を減らし余裕を持たせるべきである 最後までお読み頂きありがとうございました。
あなたは、アンガーマネジメントという言葉を知っていますか? 介護者や介護現場で働く介護士は、怒りやストレスでメンタルが保てないこともあります。 この記事では、そのようなときに役立つアンガーマネジメントを紹介します。 このマネジメントを知り、実践すれば、安全で安心な介護につながるため 介護に携わる方は、ぜひご一読ください。 アンガーマネジメントとは? アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた「怒りと感情と上手に付き合うための心理トレーニング」です。 怒らなくすることが目的ではなく、怒る必要があるときは上手に怒り、怒る必要がないときは怒らなくする方法を知り、トレーニングを積んで日常で活かすことが目的です。 職場の上司や同僚、家族などの怒りに対応することで、イライラなどの感情に振り回されなくなり、ストレスの解消にもつながります。 特に怒りの感情を抱えたままの介護は、不健康なメンタルの介護となってしまい、利用者や介護士との人間関係を悪化させてしまうことがあります。 アンガーマネジメントで怒りをコントロールし、よりよい人間関係を築けるようになりましょう。 アンガーマネジメントを行うメリット アンガーマネジメントを行うことで、以下のメリットを得ることができます。 他人の印象を良くすることができる 「怒り」をコントロールできないと、周りに怒りをぶつけてしまうことになることがあります。 それは、利用者さんだけでなく、一緒に働いている同僚にも悪印象を持たれてしまいます。 アンガーマネジメントを行うことで、怒りをコントロールできるようになります。 そのため、周囲の人たちに怒りをぶつけることがなくなり、人間関係を円滑にすることは可能です。 また、自分の感情をコントロールできるようになることで、相手に自分の感情や考えを正確に伝えられるようになります。 冷静に判断ができる 介護の仕事をしていると、事故が起こったり、利用者さんの体調に異変が起きることがあります。 そのようなときには介護職員として慌てず冷静に判断することがとても重要です。 冷静になることで、誤った判断をすることが少なくなります。 時間を無駄にしなくなる 怒りに身を任せると、無駄な行動をしがちになります。 アンガーマネジメントができるようになると、時間を有効活用することができ、仕事の効率化につながります。 ストレスがなくなる ストレスはさまざまな病気の原因になります。怒りはストレスをためてしまう原因の1つです。 ストレスがたまらないようになれば仕事をスムーズにすすめることや、プライベートも有意義に過ごすことができます。 アンガーマネジメントの実践ポイント 怒りから脱出する方法はさまざまです。 ここでは、アンガーマネジメントの実践ポイントとなる自分なりの怒りからの切り抜け方を紹介します。 自分に合った怒りのコントロール方法を見つけてください。 怒りから脱出する方法5つ 職場でも家庭でも、怒りを感じたら、次の5つの方法を試してください。 すべてを実践する必要はありません。 自分の怒りの感情が少しでもコントロールできれば、あなたに合う怒りからの脱出方法です。 ①6秒ルール 怒りを感じたら、6秒待つルールで理性を取り戻す方法です。 6秒待てば、人は理性的になれると言われています。 心の中で6秒カウントする方法が一般的ですが、何も考えない、好きな歌のサビを心の中で思い出すなどの方法もあります。 ②グラウンディング 怒りとは別の方向に意識を集中させ、怒りから目をそらす方法です。 例えば、机にコップがあれば、きれいな白色で取っ手が小さいなどと感じるなど、別の所に意識を変え、観察する間に冷静さを取り戻す方法です。 ③コーピングマントラ 自分の気持ちを落ち着かせる言葉を準備しておき、怒りを感じたらその言葉を思い出し、頭の中で自分に言い聞かせる方法です。 例えば、「落ち着け、何とかなる」「大丈夫」という自己暗示的な言葉が効果的です。 ④ストップシンキング 怒りを感じたときに、思考を停止する方法です。 頭の中に「白い紙」や「ごみ箱に怒りを捨てる」などをイメージし、怒りの思考を停止する方法が効果的です。 ⑤その場から離れる どうしても我慢できない怒りで冷静になれない場合は、その場から一度離れ、気分転換する方法も効果的です。 急ぎの用事でなければ、他の場所に移動しひと呼吸おいてから元の場所に戻る方法が効果的です。 怒りについての4つの誤解 私たちは生きている限り、怒りの感情を捨て去ることはできません。 自分の感情に任せた怒りの表現は、相手にとってマイナスなイメージしか与えません。 ここでは、怒りに任せた自己表現となる怒りについての4つの誤解を解いていきます。 ①怒りは悪だ 怒りは本人が生命の危険や尊厳にかかわる危険信号を感じとり、その対処となる防衛反応との1つです。 そのため、怒りの感情と上手に付き合えば、自身のパワーアップにもなります。 怒りの感情を悪者と決めつければ、怒りのエネルギーを溜め込んだ状態が続き、心身に影響を及ぼす可能性もあるのです。 ②怒ればどうにかなる 相手を怒りで抑えつけることは、根本的な解決にはなりません。 怒りにまかせて、力ずくで相手を抑え込むことは、その場しのぎの対応でしかありません。 怒りだけで物事を解決する方法は、長期的にみれば、状況の悪化をまねくだけです。 ③怒りは吐き出すべき 怒りは吐き出すべきという考えの人は、怒りの最中にさまざまな出来事を思い出し、ますます怒りがパワーアップする可能性があります。 たとえ怒りを吐き出し、すっきりした気持ちになったとしても、相手には負の感情しか芽生えません。 人間関係に亀裂が入る可能性があります。 ④怒りは制御不能 怒りは、初めは1つの要素であったものが、最後にはあらゆる要素が積み重なることもあります。 一度、怒りを感じて相手を攻撃してしまえば、自分で感情を制御不能になることもあるのです。 怒りとの向き合い方 怒りとの向き合い方を知ることは、自分の怒りの度合いを確認するためにも必要です。 ここでは、怒りと向き合うための基準となる尺度や境界線、怒りのタイプ、怒り方について紹介します。 自分を客観視する方法なので、参考にしてください。 怒りの尺度を知る 怒りの尺度を知らないと、客観視できなくなってしまい、感情のコントロールは無理だと諦めてしまいます。 自分なりの怒りの尺度を決めて、客観視できるようになれば、状況に応じた怒りのレベルが分かるため、今後の対応の参考になるのです。 怒りのレベルを10段階に分け客観視すれば、今の状態が分かり、冷静さを保てるようになります。 【怒りのレベル】 0~1:穏やか(ストレス、イライラを感じない) 2~3:不愉快(イラつき、不愉快な気分) 4~6:腹が立つ(怒りを表していないが、相当な怒りを感じている) 7~9:爆発直前の怒り(我を忘れるほどの怒り) 10 :震えが止まらないほどの怒り、憤怒、爆発状態) 怒りの境界線を明確化する 自分自身または職場で「許せる」「何とか許せる」「全く許せない」の 3つのゾーンを決め、怒りの境界線を明確化します。 怒りをゾーン分けすることで、無駄なイライラが減り、怒りをコントロールできます。 怒りのタイプを知る 怒りのタイプを知ることで、怒りへの対処方法も考えやすくなります。 アンガーマネジメントでの怒りのタイプ5つと特長、対処方法は次のとおりです。 怒りのタイプ 特長 対処方法 ①熱血柴犬 タイプ 自分の信念を曲げない、自他ともに厳しい。 正義感が強い できる・できないの線引きする ②白黒パンダ タイプ 何事も白黒をはっきりさせる、完璧主義者 主観、客観、事実を切り分ける ③俺様ライオン タイプ リーダー的存在で責任感が強いが、自分本位 権利・義務・要求を混同せず 整理しておく ④頑固ヒツジ タイプ 穏やかに見られるが、意外にかたくなで頑固 自分の常識ルールをポジティブに言い換える ⑤慎重ウサギ タイプ 慎重派だが、他人を信用せず、 ストレスを溜め込む 上手くいった例外ケースを 解決策の糸口にする 【参照した書籍】 マンガでわかる・介護職のためのアンガーマネジメント(誠文堂新光社) 叱り方を変える 介護には、ついやってしまう4つの叱り方があります。 怒りに任せた叱り方では、相手を不快にさせるだけで何も伝わりません。 特にNGワードを使えば、利用者や職場の人間関係が悪化します。 NGワードに気をつけて叱れば、相手を不快にせず、自分の気持ちも伝えられるようになるため、意識して実践していきましょう。 4つの叱り方NGワードとNG例および改善例は次の表のとおりです。 叱り方NGワード NG例 改善例 ①過去を持ち出す 前から、何度も言っているのに! 今のやり方は、100点満点で60点ぐらいかな ②相手を責める なぜ、できない? 次からどうすれば良いか、一緒に考えよう ③強い口調 仕事がいつも遅いなぁ 他の業務もあるから、〇時までに終わらせるようにやってみて ④程度表現 ひどいな、しっかりしてよ! あいまいな表現は避け、具体的な内容で示す 【参照した書籍】 マンガでわかる・介護職のためのアンガーマネジメント(誠文堂新光社) アンガーマネジメントはトレーニングが必要 アンガーマネジメントには、トレーニングが必要です。 今日知ったから、明日から使えるという簡単なものではありません。 しかし、日々のトレーニングを積み重ねることで、自分の怒りや上司、同僚、家族の怒りにも上手に対応できるようになります。 アンガーマネジメントで、更によりよい介護の実現が可能です。 ケースバイケースで対応する知識を少しずつ増やして実践すれば さまざまなテクニックが習得でき、役立てられます。 まとめ 介護は、利用者と接する機会が多々あります。 特に身体に接する介助があるため、利用者や他の介護士からの言動に 怒りを覚えることもあるでしょう。 しかし、感情を押し殺す、または爆発させる態度は、お互いの信頼関係を築けません。 アンガーマネジメントは、怒りをコントロールするトレーニングです。 トレーニングを積むことで、不必要な怒りの感情に振り回されなくなります。 介護は、自分と相手の感情に常に向き合わなければなりません。 自分の怒りを抑えられないと感じた方は、この機会に一度、トレーニングしてみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。
介護の仕事をしていると「これがあると便利なのにな」と考えることは少なくないのではないでしょうか。 また、介護の仕事をしていく上で必需品になるものも数多くあります。 この記事では、そんな介護従事者の人が仕事で使えるアイテムを紹介していきます。 介護従事者におすすめのアイテム では、介護従事者が持っていた方が良いアイテムを1つずつご紹介します。 ①メモ帳 これは介護従事者に限らず、どの職種においても使えるアイテムです。 他職員からの申し送りやその日の予定、さらに入居者や利用者の情報等、介護従事者は日々多くの情報を把握しながら業務を行わなければなりません。 しかし全部を覚えるのは、簡単ではありません。 重要なことから細かい情報等、書き留める為のメモ帳は常に持っていると便利です。 メモ帳のサイズは様々ありますが、おすすめはA6サイズです。 A6は、A4の4分の1のサイズになるため、A4の紙を4つに折って貼り付れば、いつでも見ることができます。 リングメモにすると記入するときにノートをめくるのが楽ですし、不要になった場合に綺麗に破けるのでおすすめです。 ウェアラブルメモ ウェアラブルメモのバンドタイプは腕に巻くメモ帳です。 介護の仕事をしていると、とっさにメモを取りたくなった場面になることがよくあります。 例えば、この後この作業をしてほしい、と他のスタッフから言われたり、利用者様から何かを頼まれるなど、日常茶飯事によくあることではないでしょうか。 そんなときにこのウェアラブルメモを身に着けていると、ペンさえ出せばすぐにメモをとれます。 また、身に着けるメモなので、見落とす可能性も低いです。 水に濡れても平気ですし、書いた内容は指で消すことができるのでメモだらけになることもありません。 ②ツールポーチ、ウエストポーチ 上記でメモ帳を使うことのメリットについてお伝えしました。 しかし「ズボンに入らず、メモ帳を持ち歩くことはできない」という人もいます。 そんな人におすすめなのが「ツールポーチ」です。 ツールポーチには以下のような特徴があります。 ・ペンやメモ帳、PHSが入る ・カラビナがついているので、ズボンに引っ掛けることができる ・チャックがついているので、薬等の小さいものを一時的に入れておくことができる 例えばデイサービスやショートステイで送迎をしたとき、家族から「連絡帳に入れ忘れた」と、薬や軟膏等を職員に渡すことがあります。 そのときズボンのポケットに入れておく人もいますが、送迎中や他のことをしている内に落としてしまい、問題になるケースが想定されます。 チャックのついているポーチがあれば、一時的に入れていても落とす心配がありません。 ユニフォームで働いている人は、ウエストポーチがおすすめです。 ウエストポーチの特徴には以下のようなことが考えられます。 ・ツールポーチに比べてポケットが多いので、小物を多く入れることができる ・腰につけることができるので、どんな服の人でも着用することができる どちらのバッグもホームセンターで購入することが可能です。 ただし施設によっては 「入居者や利用者にぶつかり、ケガをしてしまう可能性がある」 との点から使用を禁止している場合もあるので、使用前に確認しましょう。 ③手帳 介護従事者がシフトを把握する方法には ・写真に取る ・スマホのアプリに入力する という方法がありまし。 しかし手帳を使うことで、シフトの把握以外にも2つのメリットが生まれます。 ・急なシフト変更を頼まれたときにすぐ確認できる ・他の業務や進行具合も同時に把握することができる 仕事中に上司から、シフト変更の依頼が来た場合、その場で携帯を開いて確認するのは、気が引けてしまうものです。 その点手帳であれば、他者の前でも開くことができますし、すぐに予定を確認することができますまた、。 介護従事者は、現場での介護業務以外にも ・会議や委員会の参加 ・議事録作成 ・担当入居者のケアプラン更新の為の書類作成 ・行事の準備 等、多岐に渡る仕事があります。 これらを効率的に作業するのに欠かせないのが「スケジュール管理」です。 会議や行事、書類作成等は、事前に日時や期限が決められています。 スキマ時間に少しずつ書類作成や行事の準備をしたり、夜勤中に会議の議事録を作ったり等、「自分がどの時間であれば、作業を行うことができるか」を把握するために、手帳は有効活用できます。 手帳のサイズとしておすすめなのが、A5サイズです。 A5は、A4の2分の1サイズになります。シフトや他の予定の記入したり、さらにプライベートの予定まで、様々な情報を書き留められる余白があります。 A4に比べて小さいので、持ち歩くのにも便利です。 介護士用のケア手帳 上記の商品は、介護士向けに作られた手帳です。 「介護福祉士会監修」で作成されており、介護の仕事をしている方に向けたものとなっています。 ケア手帳には以下のような内容が記載されています。 ・月間スケジュール ・週刊スケジュール ・介護制度の情報 ・高齢者との会話に便利な資料 介護士に使いやすい内容になっているので、検討してみてはいかがでしょうか。 ④Googleカレンダ これはGoogleアカウントを持っている人であれば、是非利用してほしい機能です。 Googleカレンダーの特徴として「他の人と共有できる」というのがあります。 例えば在宅介護の場合、利用者のケアプラン更新に伴う会議を、他の事業所も交えて行うときがあります。 そのときに電話で予定を確認するのは、手間がかかってしまうのです。 Googleカレンダーで予定を共有しておけば、いつ会議ができるかすぐに決めることができます。 またリマインダー機能もついているので、重要な予定を通知設定しておけば忘れる心配はありません。 ⑤介護のための医学知識ハンドブック 介護従事者向けのハンドブックは多くありますが、新人職員向けにおすすめしたいのが「介護のための医学知識ハンドブック」です。 この本は、介護の現場で必要になる医学的な知識だけでなく、異変の状態についても記載されています。 なので、「なぜこの状態が起こっているのか」「この病気は、どんな症状なのか」を、いつでも確認することができます。 それからもう1つおすすめする理由があります。 それは「漢字が分からなくなっても、すぐ確認できる」という点です。 介護の仕事をしていると ・褥瘡(じょくそう) ・誤嚥(ごえん) ・軟膏(なんこう) 等、日常生活で使わない難しい漢字が出てきますよね。 手書きで記録を書くときに、漢字が分からず、時間がかかってしまうということもあります。 しかしこのハンドブックを持っていれば漢字をすぐに確認することができますし、他職員がいる前でも広げることが可能です。 ⑤ハンギングウォッチ ハンギングウォッチとは、鞄等に付けることができる時計のことです。 なぜハンギングウォッチがおすすめかというと、「どこにいても、時間を確認することができるから」です。 介護従事者という職業柄、腕時計を付けることはできません。 しかし仕事中、時間を確認しなければならない場面はいくつも出てきます。 例えば訪問介護で利用者の訪問した際、そのお宅に時計がなければ自分で時間を確認しなければいけません。 また施設内で介護業務を行うときでも、入浴介助中は時計が見えない場合があります。 ハンギングウォッチを身につけておけば、いつでも時間を確認することができます。 ハンギングウォッチはホームセンター以外にも100円ショップで売っていることもあります。 「試しに使ってみたい」という人は、最初に100円ショップで試してみるのも1つの方法です。 ハンギングウォッチも、仕事で使う前に職場で確認しておきましょう。 入居者や利用者の中には、ペースメーカーを使用している人もいます。 ハンギングウォッチの中には、ペースメーカーに支障をきたす場合もあるので、事前に取扱説明書等を読んでおきましょう。 まとめ いかがでしょうか。 この記事では、介護従事者が使えるアイテムとして、以下のアイテムと理由について紹介してきました。 ・「メモ帳」入居者や利用者の情報を書き留めるだけでなく、A6サイズのメモ帳を使うことで、A4サイズの紙を貼り付けることができ、より多くの情報をすぐに確認できる。 ・「ツールポーチ、ウエストポーチ」メモ帳や細かい物を入れることができる。 家族から急に物を渡されても、すぐに入れておくことができる。 ・「手帳」シフト把握だけでなく、予定変更や他の業務の進捗状況も把握できる ・「Googleカレンダー」予定の共有や、通知設定でうっかり忘れることを防止できる ・「介護のための医学知識ハンドブック」病気の症状だけでなく、 介護従事者がよく使う難しい漢字もすぐ調べることができる ・「ハンギングウォッチ」時計がない場所でも、すぐに時間を把握することができる 最後までお読みいただきありがとうございました。
親の認定調査を受けたら思ったより低い結果が出て納得できなかった方もいるのではないでしょうか。 なぜ、実際と違う結果が出るのか、気になりますよね。 今回は正しく認定を受けられるように、認定調査を受けるポイントを紹介します。 これから介護認定を検討している人もポイントをおさえて、正しく認定を受けましょう。 認定調査とは 認定調査とは、正式には「要介護認定調査」といいます。 介護保険サービスを受けたい時は、介護の必要度を判断する「要介護・要支援認定」を受けなければなりません。 「要介護・要支援認定」を申請すると、認定調査員が自宅に訪問し、心身状態について、本人や家族に聞き取り調査が行われます。 認定を受けるためには、認定調査を受ける必要がありますが、適当ではいけません。 正しく認定調査を受ける必要があります。 認定調査次第では、認定結果が変わってくることがあるからです。 介護度によって介護保険を使える額が違うので、利用できる介護保険サービスや回数に差が出てきます。 そのため、正しく認定調査を受けることが大切なのです。 要介護・要支援認定の流れ 要介護・要支援認定の流れを紹介します。 申請 ↓ 主治医意見書の作成 ↓ 認定調査 ↓ 一次判定 ↓ 二次判定 ↓ 認定通知 認定調査は、調査員である市町村の職員やケアマネジャーが自宅訪問を行います。 そこで、本人と家族に聞き取りと、本人に動作の確認を行うのです。 認定調査員は聞き取りや動作確認の内容を、認定調査票に書き込んでいきます。 認定調査の内容は、介護の手間にかかわる審査判定である「一次判定」に大きく影響します。 認定調査の内容と主治医意見書の一部は、コンピューターで審査されるからです。 「二次判定」は、「一次判定」の結果と主治医意見書をもと、「介護認定審査会」が介護認定を行います。 認定は「非該当」、「要支援1・2」、「要介護1~5」の8段階から決定します。 認定結果は申請から1ヶ月程度で決定、家に被保険者証が郵送にされる流れです。 認定調査の内容 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 聞き取りと動作確認の内容ですが、全部で74項目あります。 大きく分けると7項目ありますが、本人や家族に確認されるのは6項目です。 「できる・できない」か、「介助が必要かどうか」を答えます。 ① 身体機能・起居動作(体の動かしにくさや歩くなどについて) ② 生活機能(食べる、排泄するなどの日常動作について) ③ 認知機能(生年月日が言えるか、直前にしていたことを思い出せるかなど短期記憶について) ④ 精神・行動障害(ひどい物忘れや被害妄想などの症状があるかについて) ⑤ 社会生活への適応(薬の内服や金銭管理について) ⑥ 特別な医療(点滴・胃ろう・人工透析をしているかについて) ⑦ 日常生活自立度 その他にも、「概況調査」があります。 家族構成や介護保険を申請した経緯、利用したい(続けたい)サービスについての確認です。 認定調査を受けるポイント 認定調査を行き当たりばったりで受けるのはおすすめしません。 認定調査の内容が、要介護度決定に強く影響するからです。 介護度次第で、利用できるサービス額や内容が大きく違ってきます。 ここでは、認定調査前におさえておきたいポイントや、当日に心がけたいポイントについて紹介します。 認定調査を受ける前のポイント 認定調査を受ける前に、以下のことを確認しましょう。 普段している介護内容をメモしておく 毎日の生活でどのような介護を行っているのか、メモをしておきましょう。 今どんなことに困っているのかも、合わせてメモをとっておくと、認定調査員に伝えやすいです。 認知症がある時は、どのような行動があったのかも忘れずに。 これまでにした病気やケガをまとめる 主治医意見書にも記載されますが、すべてが記載されるとは限りません。 介護を行っていて気になる病気やケガがあれば、メモにまとめておきましょう。 本人がいる前では伝えにくいことをメモしておく 認定調査を受ける中には、プライドが高かったり、家族とは違った内容を話す人もいます。 これでは正しい認定結果が出にくくなるため、前もってメモにまとめておきましょう。 認定調査当日に、認定調査員にメモを渡すのがおすすめです。 認定調査当日のポイント 認定調査当日に確認しておきたいポイントは、以下のことです。 体調が良い日に受ける 体調が悪い日に、無理して認定調査を受けるのは避けましょう。 普段と違った状態のため、正しい調査を受けにくくなります。 調査を受けるのが難しそうな時は、早めに認定調査員に連絡をして、日程の調整をしましょう 必ず家族が立ち会う 本人だけで認定調査を受けると、普段できないことをできると答えたり 現状と違う内容が反映されることがあります。 プライドの高さや認知症があると、このような事態が起きます。 必ず家族も立ち会い、現状を認定調査員に伝えましょう。 困っていることを具体的に伝える 認定調査員に、ただ困っていると伝えるだけでは、正確な判断が難しくなります。 「どういった時にどんなことに困っているのか」など、具体的に認定調査員に伝えましょう。 例)夜中によくトイレに行くが、手すりもないので、フラフラしながらトイレに行っており、毎回付き添わなければいけないので大変等。 ありのままの状態を伝える 認定調査員に状態をひかえめに伝えたり、オーバーに伝えたりすると、再調査になる可能性があります。 主治医意見書と内容が合わずに、矛盾しているととられるからです。 受けたいサービスを受けるのも遅れたり、要介護認定の結果が出るのに時間がかかります。 必ずありのままの状態を伝えるようにしましょう。 認定調査当日に出ていない症状も伝える 当日に出ていない症状についても、認定調査員に必ず伝えましょう。 特に認知症がある場合は、症状も日や時間帯によって症状がみられないこともあるからです。 例)午前中は穏やかにしているが、午後になると表情が一変して暴言が出たりするなど 認定結果に納得できない時は 認定結果に納得できない時は、「不服申し立て」ができます。 「不服申し立て」は都道府県に設置されている、介護保険審査会で行います。 「不服申し立て」を行うことで、再度認定調査や判定が行われるため、認定結果が変わることがあります。 ただし、調査や判定には時間がかかり、結果が出るまでに3ヶ月程かかりますので、注意してください。 申請は、認定結果が出た翌日から60日以内に行う必要があります。 また、「区分変更申請」をする方法もあります。 「区分変更申請」は、現在の介護度と現在の状態が合っていない時に申請するものです。 申請することで、要介護度を再判定してもらえます。 「区分変更申請」は申請期限がないため、いつでも行うことができ、結果が出るのも1ヶ月程度です。 まとめ ここまで、正しく認定を受けるために、認定調査を受けるポイントを紹介してきました。 ・「要介護認定、要支援認定」を申請すると、認定調査員が本人や家族に心身状態について聞き取り調査を行う。 ・聞き取り調査後に判定があり、約1ヶ月で結果が出て、自宅に被保険者証が郵送される。 ・認定調査の内容は、全部で74項目。概況調査もある。 ・認定調査前と当日に、ポイントを確認して認定調査を受けると、正しい認定が出やすくなる。 ・認定結果に納得できない時は、結果が出てから60日以内に介護保険審査会に「不服申し立て」を行う。 ・「区分変更申請」であれば申請期限はなく、再認定が出るまでに1ヶ月程度かかる。 上記のぜひポイントをおさえて、認定調査を受けましょう。 正しく認定調査を受けることで、思っていた介護認定と違う事態を避けられます。 また、使いたいサービスも利用できる可能性も高くなります。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
皆さんは、記憶が失われていくアルツハイマー型認知症の症状改善に対する新たな試みが「NHK BS」の放送で紹介されたのをご存知ですか。 これまでは、薬による症状の進行を遅らせることが主な治療であった認知症が、生活習慣を徹底的に見直すことで症状を緩和するという新たな試みがクローズアップされて紹介されました。 認知症の症状や対策、改善事例を知ることで、認知症に対処できる明るい未来も見えてきているのです。 この記事では、認知症に苦しむ患者や家族にアメリカの脳科学者が提案した新たな治療法の模索など、最新の認知症に関する情報について紹介します。 未だ課題はありますが、認知症に苦しむ方やご家族の方は ぜひご一読ください。 認知症の症状改善に新たな試み 認知症は、今まで、改善する治療法はなく、唯一、薬で症状の進行を抑えるだけの対処法しかない症状でした。 しかし、現在では症状を改善させようとする新たな試みが注目されています。 その方法とは、食事や運動という生活習慣の改善により、症状を改善させる試みです。 ここでは、生活習慣を改善することで、認知症の症状を改善させる新しい方法について紹介します。 生活習慣改善は新たな認知症対策 認知症の患者数は、アメリカで約600万人、日本では約400万人といわれています。 認知症に苦しむ患者や家族は、社会でさまざまな制約を受けてしまいます。 認知症で日常生活まで支障を生じている現状を改善するために、主に薬による治療を受けているのが現状です。 しかし、近年、アメリカの脳研究者であり、アルツハイマー病の権威である医学博士デール・ブレデセン氏の30年間の研究の成果が世界で脚光を浴びています。 薬に頼らない認知症予防 デール・ブレデセン氏によると、認知症は薬だけの治療は症状の進行を抑えるだけで、根本的な治療ではないため、新たな治療法が必要だと説いていました。 その新しい治療法とは、生活習慣の改善(リコード法)です。 この方法は、薬に頼らず、生活の中心となる5つの習慣を見直すことで認知症を改善しようとする試みです。 生活習慣の基本5か条(リコード法) 生活習慣の基本5か条とは、次の5つの習慣を見直せば、認知症に効果があるとされ、リコード法と呼ばれています。 食事・・・・糖質を野菜中心の食生活に変える(ブロッコリーは特に効果的) 運動・・・・毎日30分以上の有酸素運動を行う 睡眠・・・・8時間の睡眠が必要 プチ断食・・夕食は寝る前の3時間までに摂る、夕食から朝食まで12時間は空ける ストレス軽減・・めい想する その他の環境・・毒性物質(カビ、大気汚染など)も影響する ヘルスコーチとの二人三脚 ヘルスコーチとは、医師の診断結果に基づき、生活習慣や環境を指導する役割を担います。 医師は病気の専門家ですが、食事などの生活習慣に対する具体的な改善方法までは提示しません。 特に認知症の症状改善には、生活習慣の改善が効果的であるため、ヘルスコーチによる生活改善が主体の治療が必要になります。 ヘルスコーチと患者や家族との二人三脚が大切なのです。 ある脳研究者の挑戦 アメリカの脳科学者でアルツハイマー病の権威であるデール・ブレデセン博士は、カリフォルニア大学で30年、認知症の研究を行ってきました。 その研究の中で、脳には1,000億個の神経細胞があり、アルツハイマー型認知症は神経細胞の先端のシナプスが死滅するメカニズムで発症することを突きとめたのです。 しかし、認知症の症状はさまざまで、現状は薬で症状の進行を抑える治療に留まっています。 デール・ブレデセン博士は、生活習慣の改善により認知症は改善するという信念のもとに、アルツハイマー病協会(アメリカ・シカゴ)に協力を求めています。 認知症の現状 認知症の現状として、人によって症状はさまざまです。。 しかし、医師の処方や診察、ヘルスコーチの指導による生活習慣を改善することで、認知症の進行は抑えられている症例を紹介します。 【日本人男性の例】 父親の介護中に物忘れが多くなった自分に気づき、病院で診察を受けた結果、認知症の発症を告げられました。 彼は薬を処方されたことにショックを受けます。 当時は保険会社勤めをしていましたが、ますます物忘れが進行していきます。 彼は、このまま仕事を続けると会社にも迷惑がかかると考え、退職しました。 現在は農業を営んでいます。 彼は、デール・ブレデセン博士のセミナーで感銘を受け、生活習慣の改善に努めるようになりました。 現在は進行の症状は少しずつではありますが抑えられています。 【アメリカ人女性の例】 親しい知人でも名前と顔を思い出せないほど認知症の症状が進行していました。 自分が認知機能が低下していると考えると日々怖く感じてしまい、日常生活に不安を感じていました。 生活習慣を改善した結果、認知症の進行が少しずつ抑えられ、4か月が経過した頃から効果を感じ始めるようになりました。 認知症の薬は症状の進行を抑えるだけ アミロイドβという物質は、早ければ40代から脳内に蓄積し始めます。 アミロイドβは、アルツハイマー病に重大な影響を与えるといわれています。 そのため、現在の新薬はアミロイドβ仮説に基づき開発されたものが患者に処方されています。 しかし、新薬でも認知機能の低下を完全に抑えることはできないのが実態です。 認知症に至るメカニズム 認知症に深く関わっているアミロイドβは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)が大きく関与しているのです。 APPは脳細胞の運命を決めるともいわれる物質で、神経細胞に密集した斑点を形成します。 APPが蓄積すると脳は徐々に本来の機能を失い。認知症を発症します。 人によって認知症の症状はさまざま 「もの忘れ」と「認知症」の大きな違いは、体験の一部のみ忘れるか、過去の経験や体験を忘れるかです。 認知機能の低下には、次の6段階に分かれます。 非常に軽度 若干のもの忘れはあるが、日常生活に支障がない段階です。 軽度 家族や友人が変化に気づく段階です。 中等度 明らかな症状が見られる段階です。 やや重度 記憶障害や認知障害があり、サポートが必要な段階です。 重度 さらに記憶障害の進行が顕著になり、人格が変わる、大幅なサポートが必要な段階です。 非常に重度 アルツハイマー病の最終段階といわれ、環境への反応や会話が成立しない 異常な反射対応、筋肉の硬直なども見られるようになります。 生活習慣改善は認知症を予防する 認知症は病名ではなく、脳の認知機能の低下による症状です。 認知症を引き起こす疾患はさまざまですが、その中でも、次の4つの疾患が多数を占めています。 1.アルツハイマー型認知症 2.脳疾患性認知症 3.レビー小体型認知症 4.前頭側頭型認知症 この4つの疾患の内、脳疾患性認知症だけは脳血管に障害を受けて発症したものですが、その他3つの認知症は、脳の神経変性により発症します。 脳の神経変性は、主に糖分の摂りすぎによるインスリンの増加や、ビタミン・ホルモン不足などが引き金だと指摘されています。 生活習慣を見直し健康状態を保つことが、脳の神経変性を抑える効果があるのです。 生活習慣を改善したことで認知症への効果は? 2014年にデール・ブレデセン博士が論文で発表して以降、さまざまな症例の患者にリコード法を試みており、改善効果は次のとおりです。 軽度の認知障害・・・・・改善効果は50%程度 早期アルツハイマー病・・改善効果は30%程度 重度アルツハイマー病・・改善は困難 リコード法による症状の改善は、軽度から早期のアルツハイマー病に効果があると見られます。 今後の課題 リコード法はアルツハイマー病の新しい治療法ですが、すべてが確立された治療ではありません。 未だ、残された課題があります。 高額な検査費用 日本では、リコード法を活用した医療が進んでおらず、一部の医療機関しか対応していないのが現状です。 また、日本国内ではすべての検査ができず、海外に検査依頼しているため、高額な検査費用(約40万円)がかかります。 ヘルスコーチの絶対数の少なさ ヘルスコーチの絶対的な少なさも、リコード法の妨げになっています。 継続的な生活改善を続けるためには、ヘルスコーチによる指導や医師の治療が必要です。 ヘルスコーチの育成も課題の1つです。 まとめ この記事をまとめると次のとおりです。 ・認知症で処方される薬は、症状の進行を抑えるだけである ・生活習慣の見直しで症状を改善する可能性がある ・生活の基本5か条(リコード法)を知る ・早期の発見、対応に効果がある ・ヘルスコーチの協力が不可欠である 認知症が進行すると、日常生活でさまざまな問題が生じます。 また、患者や家族は悩み、苦しみ、場合によっては生命の危険を及ぼす行動をとるなど、社会的な問題を抱えています。 しかし、処方される薬に頼ることなく、患者本人や家族の努力の積み重ねでも症状が改善できる治療法もあることを覚えておいてください。 認知症は進行する前の早期発見、対応がポイントです。
介護が始まればさまざまな介護サービスを利用することになります。 サービスの数が多くあるため、当初はケアプラン中心の介護になるでしょう。 この記事は、ケアプランをベースに介護の中心となる家族に向けて、負担感の少ない介護になるように、必要なサービスや特徴、メリットを紹介します。 基本的な内容を知れば、家族の希望を盛り込んだケアプラン見直しの提案、調整ができます。 ぜひ参考にしてください。 介護のベースはケアプラン 介護のベースはケアマネジャーが作成するケアプランになるため、ケアマネジャーとの連携は欠かせません。 介護保険サービスを詳しく知らない場合、ケアマネジャーが中心で介護が進みます。 しかし、介護経験を積みスキルが向上した介護者になれば、ケアプランの見直しをケアマネジャーに提案することが必要になる時が来るでしょう。 家族の要望を盛り込んだケアプランも重要 ケアプランは利用者のための計画書ですが、家族の希望を盛り込んだケアプランも重要です。 なぜなら、利用者と家族にとって、より良いケアプランが、介護を続ける秘訣の1つだからです。 ここでは、家族の希望を踏まえたケアプランにするための4つのポイントを紹介します。 ①家族の要望を整理する 利用者だけでなく、家族の希望を整理する必要があります。 家族の健康状態や家庭の経済状況、介護者の経験年数、生活環境の変化等を考慮しながら、これからの介護に関する希望を整理しておけば、ケアプランに反映しやすくなります。 ②サービス内容・限度基準額を確認する 利用しているサービス内容と利用限度基準額を確認しておきましょう。 サービス内容や利用する頻度やレンタル福祉用具等をチェックし、現在の利用限度基準額と実際の自己負担額を確認しておくことは大切です。 ③介護保険サービスを知る 介護保険サービスを知ることも大切なポイントの1つです。 介護保険サービスは数が多く、さらに細分化されています。 利用しているサービスに目を通し、要介護状態区分やケアプランの目標に合ったサービスなのか確認しておくことも大切です。 特に定期的な介護認定による要介護度の見直しによってケアプランも変わるため、注意しておきましょう。 ④経済状況の変化に見合ったケアプランの見直し 家庭の経済状況の変化に見合ったケアプランの見直しも、時には必要です。 介護にかかる費用は、福祉用具や介護用品など、意外に出費がかさみます。 経済的に苦しい状況が続くと、家族の精神的、経済的負担が大きくなります。 少しでも経済状況に不安がある場合は、早めにケアマネジャーにケアプランの見直しを依頼しましょう。 家族のニーズを積極的に伝え、ケアマネジャー任せの介護になっていないか確認することも大切です。 要介護認定でサービスが決まる 要介護度認定で、利用できるサービスが決まります。 要介護認定とは、介護サービスの利用希望者に対し介護の必要性を判断するためのもので、「要支援」「要介護」で判定、区分けされます。 要支援認定 介護の必要性はないが、自立した生活のための見守りや手助けなど、介護予防が必要な状態を指します。 要支援1,2の2段階あり、介護保険を利用した介護予防サービスが使えます。 要介護認定 すでに介護が必要な状態を指します。 要介護度は5段階あり、介護保険サービスのすべてが使えます。 介護保険サービスとは 介護保険サービスとは、介護保険を利用して受けられるサービスです。 要支援は、地域総括支援センターで作成するケアプランに基づき、居宅または地域密着型サービスを利用できます。 一方、要介護はすべての介護サービスを利用できますが、ケアプランによって利用できるサービスが増減します。 また、介護サービスには、保険適用の「介護保険サービス」と保険適用外の「介護保険外サービス」があるため、利用する際は注意が必要です。 介護保険サービスの自己負担割合 介護保険を利用するサービスで、自己負担割合は、原則、支給限度額までは1割負担です。 ただし、一定の所得がある人は、所得額によって、2割または3割負担になります。 要支援で利用できるサービス 要介護を防ぐために、次のような介護予防サービスが受けられます。 自宅訪問 施設通所 施設短期宿泊 要介護で利用できるサービス 要介護で利用できるサービスは、次のとおりです。 自宅訪問 通所介護 通所リハビリ 短期入所 特定施設型 介護保険外サービス 介護保険外サービスは、全額、自己負担になります。 しかし、日常生活をサポートするサービスのため生活環境に合わせた利用ができます。 一例として、次のようなサービスがあります。 家事代行 配食(宅食) 訪問理容 洗濯代行 送迎 要介護度で自己負担額が変わるサービスもある 要介護度が増すと介護保険からの支給限度額が増えるため、多くのサービスが利用でき、お得と思われる人もいるでしょう。 しかし、サービスによっては自己負担額が一定の場合と変わる場合があり、利用状況によっては、自己負担額が増えることも考えられます。 特にサービスを追加する場合は、ケアマネジャーに自己負担額の確認などが必要です。 自己負担額が一定のサービス 要介護度に関係なく、自己負担額が一定のサービスは次のとおりです。 訪問看護 訪問リハビリ 訪問入浴 訪問介護 居宅療養管理 福祉用具レンタル 利用状況により負担額が変わるサービス 要介護度や健康状態の変化などで、利用状況により負担額が変わるサービスは、次のとおりです。 通所介護 通所リハビリ 短期入所介護 小規模多機能型居宅介護 特定施設介護 知っておきたい介護保険サービスの種類や特徴、メリット 介護する環境や生活スタイルの変化に応じ、各種サービスの組み替えが必要な時もあります。 ここでは、家族として、知っておきたい介護保険サービスの種類や特徴、利用者側のメリットを簡単に紹介します。 介護保険サービスの種類や特徴、メリット 介護保険サービスの種類は、居宅や施設、地域密着型サービスの3種類あります。 それぞれの特徴や利用者側のメリットは次のとおりです。 居宅サービスの特徴とメリット 居宅サービスとは、家で介護サービスを受けられるものです。 特徴 通所サービスや短期入所サービスなどを併用して利用でき、介護者のニーズに合わせられます。 メリット 在宅で生活でき、必要時または希望に応じた介護保険サービスが受けられます。 施設サービスの特徴とメリット 施設サービスとは施設への通所や入居することで受けられるサービスです。 特徴 介護老人福祉施設や介護老人保健施設で介護を受けられるため、容態の急変などに迅速に対応できます。 メリット 専門的な知識、経験を持つ職員によるケアを受けられるため、利用者の心身の負担が減らせます。 地域密着型サービスとメリット 地域密着型サービスとは住み慣れた地域で生活できるように、市町村指定の事業者が行っているサービスです。 特徴 住み慣れた地域で介護や医療が受けられます メリット 小規模多機能型居宅介護を利用すれば1つの事業所で通所や短期入所ができるなど、自宅と施設の両方でサービスを受けられます。 家族の希望を反映したケアプランにする 家族の希望を反映したケアプランにすれば、介護者の負担感は減ります。 介護負担を減らすことは、自宅で介護を続けるための優先課題です。 施設に任せた介護は、ケアマネジャーや事業所の介護士とトラブルに発展する可能性もあります。 介護にかかる費用を減らせば家族に介護負担がかかり、介護サービスの回数を増やせば介護負担は減りますが、介護費用が重くのしかかります。 家族は積極的に介護にかかわり、介護保険サービスや介護保険外サービスを上手に利用することが、支出のバランスを取り、負担感の少ない介護になるのです。 まとめ この記事のポイントは以下の5つです。 ・ケアプランには積極的に家族の希望も考慮することが大切 ・家族からも意見提起すれば、より良い介護になる ・家族が積極的にかかわらない介護は、ケアマネジャーや介護士とのトラブルの種になる ・利用する介護サービスの情報を知っておく ・利用者と家族で考えを共有しておく ただし、利用者が判断できない場合、介護者が責任を担う 介護サービスの基本となるケアプランは、時には家族の精神的、肉体的、経済的な課題に沿った内容へ見直すことも必要です。 しかし、介護サービスの種類は多く、利用する種類や回数によって、負担額も変わります。 介護の中心は家族です。 家族は、ライフスタイルの変化も留意したケアプランへの見直しを積極的にケアマネジャーに提案してもいいのではないでしょうか。
ヘルパーが訪問介護サービスを行う際はケアプランに沿ったサービスが基本です。 今回は判断に迷う、あいまいなグレーゾーンと呼ばれる事例とその対応の仕方を解説します。 訪問介護でヘルパーができる事とできない事 訪問介護のヘルパーにはできる仕事内容が決められています。 まずはその基本的なところを確認していきましょう。 訪問介護は3つのサービスに分けられる 訪問介護は訪問介護員(以下「ヘルパー」という)が介護認定を受けた利用者の居宅を訪問し、身体介護や生活援助などを提供するものを言います。 訪問介護に入るヘルパーは、介護福祉士や実務者研修修了者、初任者研修修了者、旧基礎研修修了者、訪問介護員1級又は2級(ヘルパー1級又は2級)のいずれかの資格が無いとサービスに入る事はできません。 (※2018年新設の「生活援助従事者研修修了者」という生活援助限定の資格もあります。) 訪問介護は下記の3つにサービスが分けられます。 身体介護 生活援助 通院等乗降介助 利用者の身体に直接触れる 必要性のある介助。 身体介護以外の利用者が 日常生活を送る上で 必要な生活支援をする介助。 一般的には介護タクシーが 行う事が多い。 ※食事、排泄、入浴、更衣 身体整容、移動・移乗 通院・外出、起床・寝床など ※調理、配膳・後片付け、洗濯 掃除、整理整頓、買い物 ベッドメイクなど ※車への乗降、乗車前 または降車後の移動、受診手続き 薬の受取りなど 訪問介護のヘルパーは利用者のケアマネージャーが立てたケアプランに沿って、利用者本人の為の自立した日常生活に関する身体介護や生活援助サービスを行うものです。 あくまでも訪問介護は介護保険内のサービスですので、ケアプランに含まれていない、ただ利用者がしてほしい事や、その家族、同居者の為のサービスを行う事はできません。 重ねて「医行為」と呼ばれる医師・看護師が行う行為は、ヘルパーが行う事を禁止されています。 *ヘルパーが行える医療行為には、医行為に該当しないものや、一定の研修を受けたヘルパーのみが行える医療行為もあります。 介護サービスをはじめるときには、介護保険内のサービスの有無、できる事できない事の説明をきちんと行い、双方で理解しておくことがとても重要です。 しかし、関わり合いが長くなると「ついでに」「ちょっとだけ」「あの人はしてくれるのに」と ヘルパーに代行を少しずつ依頼してくる事もあるようです。 介護保険ではできないサービス、ケアプランに無いサービスを相談された時は、一旦訪問介護事業所に持ち帰りましょう。 そして、サービス提供責任者やケアマネージャーに報告した上で、利用者が感じている困った事をどうすれば解決できるのかを考え、対応していく事も必要となるでしょう。 ケアプランの変更や追加、自費サービスでの対応を勧める場合もありますし、断りを入れる場合もあります。 利用者本人が、在宅生活を送る上で困難且つ必要とされる身体・生活動作について、介護保険を利用し、日々自立した生活を過ごす事ができるようにケアプランに沿ったサービスを提供することが訪問介護なのです。 訪問介護でヘルパーが迷うグレーゾーン 訪問介護は利用するのにわかりにくいところも多くあります。 ここではそのようなグレーゾーンの対処法について解説します。 同居者や家族がいる場合 まず訪問介護サービスを行う際、利用者本人が独居状態か、その家族や同居者がどういう状態や状況にあるのかを把握する必要があります。 訪問介護の主なサービスである身体介護や生活援助は、その状態や状況によってはサービスが受けられない事もあるのです。 同居者や家族等がいても、サービスができるかどうかは下記の表の通りです。 できる できない 〇身体介護 ※見守り的援助も身体介護であるので可。 但し「ただ見守る」「ただ声掛けする」は 見守り的援助とはならない。 ×生活援助 ※原則的に同居者や家族等がいる場合は不可。 但し「障害や疾病、やむを得ない理由」がある場合は 認められる事もある。 ここでの「障害や疾病がある場合」とは、「同居者や家族等が何らかの障害や疾病がある為に 家事をすることが困難な状態」にある事をいいます。 「やむを得ない場合」は「障害や疾病は無いが家事ができない(する事を見込めない)状態」に ある事をいいます。 やむを得ない場合とは ①同居者や家族等が高齢であり、それに伴う筋力低下等の身体能力低下の為に家事をする事が困難な場合 ②同居者や家族等が全員介護認定を受けている場合 ③同居者や家族等に深刻な問題が発生している場合(関係断絶、虐待、介護放棄等) ④同居者や家族等に介護疲れが目立ち、共倒れの危険性があると判断される場合 ⑤同居者や家族等が就労等で不在とする時間が長く、利用者の安全・健康・衛生上に援助を必要とする事が高く求められる場合 生活援助は、「家事や生活動作を手伝ってくれないと毎日の生活が成り立たない」為に介護保険を利用してその成り立たない部分を援助するサービスです。 同居者や家族、利用者本人のその時の感情や根拠の無い憶測、個人的な要望だけでは行う事はできません。 例えば、妻が利用者で夫は要支援、同居する息子夫婦は共に仕事の為、日中は不在とします。 同居者や家族が複数人いる場合、「必要な部分を同居者や家族が分担すれば日常生活は可能」と 判断された場合は「やむを得ない」状態や状況とは考えられずにサービスを外される事もあります。 また生活援助では、居宅においての共有部分での掃除はできません。 <共有部分とは> 居間、寝室、玄関、台所、浴室、トイレ等の居住する人が共有して利用する場所 <注意事項> ・原則として生活援助の掃除は不可。 (利用者だけでなく同居者や家族等も使用する場所で、日中の不在時でなくても 在宅時や時間のある時に掃除ができると考えられる為) ・やむを得ない場合とはの5例に該当する理由がある場合 生活をする上での安全性、自立性、衛生面、健康維持の全ての必要性が 認められた場合は生活援助サービスの提供が可能。 単に「日中は仕事で誰もいないし、利用者の夫は要支援で掃除機を持ったり移動する事が難しいので、利用者も一人で掃除するのは危ないから生活援助(寝室や居室等の掃除)に入ってほしい。」 という同居者や家族の希望だけではサービスは行えないという事です。 寝室の掃除や整理整頓に際しては、夫と利用者の共有スペースにあたります。 そのため、共に要介護と要支援という事で、夫側の要支援である総合事業の訪問型サービスを利用するという方法や、利用者の見守り的援助(身体介護)として寝室の掃除や整理整頓を行うといった方法もあります。 見守り的援助の場合 見守り的援助とは、要介護である利用者が自立した生活を送る為の支援です。 毎日の身体動作や生活動作、日々過ごす生活の質が落ちないように、維持・向上するという観点から利用者の安全を確保しつつ、何かあった場合はすぐに介助できる状態で行う見守り等の事をいいます。 同居者がいる例にもありました「見守り的援助」は身体介護となりますが、あくまでも「自立した生活をする為の支援」でありただ見守るだけ、ただ声を掛けるだけでは見守り的援助とはなりません。 また生活動作に対してあいまいな解釈で対応すると生活援助と判断されて身体介護としてサービスが行えなくなる場合もあります。 例えば、独居で要介護1の利用者が洗濯物を取入れて衣類をたたみ収納するといった一連の動作を行う身体介護のプランがあるとします。 ヘルパーは利用者が動作上どうしても難しい所、援助が必要な所は一緒に行うといった手助けをする事で利用者が未だ持っている自立した動作ができる機能の維持を促します。 動作時にふらつきや転倒といった事故が発生しないように、また体調の不具合や疲労感の有無を確認する為に見守りや声掛けを行う事は、見守り的援助であり身体介護サービスとなります。 また、ヘルパーが洗濯物の取入れをし、その間利用者は別の動作をしていた場合、(居間を片付けていた等)は、ヘルパーと利用者が一緒に行っていない為、洗濯物の取入れは生活援助となり、見守り的援助には適用せず身体介護から外れる事になります。 院内介助の場合 訪問介護はその名の通り利用者宅へ訪問しヘルパーが利用者の為に行うサービスです。 そのため、院内介助の場合は居宅では無い場所でのサービスの為、本来は介護保険のサービスとは言えません。 また病院は医療機関であり、病院内での介助は本来は病院のスタッフが対応するものとされ、介護保険ではなく医療保険が適用されます。 但し理由によっては、介護保険としてサービスができる場合(通院等乗降介助、訪問介護で身体介護・見守り的援助対応)もあります。 訪問介護でヘルパーが対応する場合は下表の通りの流れとなります。 <訪問介護にてヘルパーが院内介助を行うまでの流れ> 訪問介護で院内介助サービスが可能となる理由(必要性) ①受診する病院のスタッフによる対応ができない、または困難である場合。 ②利用者に家族や同居者がいるが、介助を要するにも関わらず付き添いができない場合。 ③利用者が院内の移動に介助を必要とする場合。 ④認知症や精神的不安定な症状があり、常に見守りを必要とする場合。 ⑤トイレ等の排泄介助を必要とする場合。 ⑥視覚、聴覚に不自由がある場合。 ↓ ケアマネージャーによる病院への事前確認(電話確認可) ↙ ↘ 病院側の受診時の院内介助対応が可能 ・介護保険サービス不可 (医療での対応) 病院側の受診時の院内介助対応が不可 ・支援経過記録(ケアマネージャー) ①事前に病院側への介助依頼した内容の記録 ②病院スタッフが介助できない理由 ③利用者が受診時に必要とされるサービス ↓ ・サービス担当者会議の開催 (訪問介護側、利用者側の参加) ↓ ・サービス計画書に記載し、説明、配布 ↓ ・訪問介護計画書に追加、説明、配布 ↓ ヘルパーによる院内介助が可能。 例えば、下記のような状態・状況があるとします。 認知症外来、神経内科、血液検査の受診予定がある利用者 認知症レベルは重度で日常生活自立度がⅢa 家族は今回付き添えません。院内では徘徊行動する可能性が高く、見守りが必要とされています。 排泄もいつ排泄意が来るか不明な上に、トイレ介助が必要な状態です。 院内の移動もどこへ向かっているのかが分からず移動時は声掛けや見守りが必要な状態です。 この場合、明らかに介助を必要とされる状態にあるのですが、病院側が院内介助の体制が整わないとの理由で医療での院内介助は見込めなくなりました。 注意すべき点は、訪問介護で院内介助と認められるのは、「受診手続き、病院内の移動・移乗介助や見守り的援助、トイレでの排泄介助、清潔動作、医療費の支払い、薬の受取り」となります。 待ち時間や診察や検査の立ち合いは、訪問介護としては認められません。 但し、例にあるように利用者の認知症レベルが重度のⅢaである事から、検査や診察等の医療行為以外は院内介助として認められる事になりました。 この場合は「自立生活支援の為の見守り的援助」として介助の内容や掛かった時間、利用者の状態をサービス実施記録や計画書に記載し、ケアマネに実施報告を行っています。 繰り返し言いますが、院内介助は病院側のスタッフが対応とするのが原則です。 本来は医療で対応するものであり、介護で対応する時は何等かの理由がある場合であり、単なる家族の付き添いの代わりではないのです。 まとめ 今回は訪問介護において、訪問介護の基本と3つのあいまいなグレーゾーンについての解説や事例、対応方法をお話しました。 ・訪問介護は、身体介護・生活援助・通院等乗降介助の3つに分けられる。 ・訪問介護はケアマネージャーのプランに則ったサービスを行う。 ・同居者や家族がいる場合は、本来は身体介護以外は入れない。 ・生活援助は「障害や疾病、やむを得ない理由」がある場合のみ、同居者や家族がいてもサービス可能である。 ・見守り的援助とは身体介護の区分で、利用者と共に行いつつ、何かあればすぐに介助できる状態で見守りや声掛けをしながら動作、作業を行う援助である。 ・院内介助は原則として医療の管轄であるが、利用者の状態や状況により介護の必要性が認められた場合はヘルパーによる院内介助が可能となる。 最後まで読んで下さりありがとうございました。
訪問介護は利用者さんのお宅で介護を行うサービスです。 そんな訪問介護ヘルパーにとって重要なスキルとはいったいどのようなものなのでしょうか? 今回はそのスキルを5つご紹介していきます。 介護の知識 まず最初に欠かせないのは、「介護の知識」です。 これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、介護を行う上でこの部分ができていない人が現場で意外に多い印象だったため、上げさせていただきました。 訪問介護の大きな特徴として「介護は基本1人で対応する」という状況があります。 どのお宅に行くにも、この条件はついて回ります。 最低限の介護の知識を持ち合わせていないと、その場その場でのとっさの状況判断に対応できないということが起こるかもしれません。 そのため、介護の知識は回り回って介護士であるあなた自身を守るために必要なものになると言えます。 状況判断力と介護 介護の知識を踏まえた上で必要なのが、状況判断力です。 訪問してまず最初に確認するのは、利用者様の状況把握と住環境の状況判断です。 利用者様の身体状況は安全かどうかの確認や、1人暮らしで生活している人は特に生活環境に変化はないかなどの観察が必要になります。 訪問介護は、基本的に利用者様へのサービス内容が契約時に決まっているので、その契約を超えるサービスを行うことはしません。 そのため、状況を把握し契約の中でサービスを行う必要があります。 もしご家族がお宅にいるのであれば、状況を伺い対応することもできますが、一人暮らしの場合、訪問介護員の判断に委ねられる場合が多いです。 観察力と介護 次に必要なスキルが観察力になります。 世間でよく言われる人間観察に近いものですが、介護の場合は少し独特です。 まず大前提として、高齢者の方々はお年を召されている分、体調の変化が激しい傾向があります。 わたしの経験談で例を上げます。 普段よくお話をして自分から積極的にコミュニケーションを取ろうとする女性の利用者がいました。 年は87歳で車椅子で生活をされている方でしたが、とある天気のあまりすぐれない日にお話をした時のことでした。 「何だか話し方がおかしい、、、。」 舌の周りが悪い様子で普段はハキハキ喋るのに、スローモーションで話すようなゆっくりとした話し方なのです。 そう思い、すぐに看護師に報告をしました。 しばらくして看護師が到着し、その後すぐに救急車を呼ぶことになりました。 わたしは次のサービスがあったためその場を後にしましたが、後で看護師に聞いた話だと、その女性の利用者は軽い「脳梗塞」だったそうです。 幸いにも発見が早く大きな障害は残らなかったので、今でも元気に過ごされているようです。 この様に、ちょっとした違いで利用者様の命運を大きく分けることもあるため、観察力は訪問介護のヘルパーにとって欠かせないスキルになります。 臨機応変力と介護 次に必要なスキルは、臨機応変力です。 訪問介護では、それぞれの場所で介護環境が違います。 例えば介護ベットの作りや、部屋の作り、水を補給する場所や、介護用品の充実度も違います。 基本的に、訪問介護は訪問先のサービス手順書というものがあります。 こでは、各サービス先でどのようなサービスを行うのかという内容を記載している書類です。 この手順書に介護用品の場所、住環境の特徴などが記載されているのですが、いざ訪問するとそこにあるはずの介護用品がなかったり、聞いている情報と違う環境になっているということもしばしばあります。 しかしサービスをやらずに帰るわけにはいきません。 そのため、上司や責任者に指示を仰ぐこともありますが、その上司や責任者が音信不通の時、この臨機応変力が必要になります。 例えば、足りない介護用品は何で代用できるのかなどの課題もあるでしょう。 他にも、訪問した際に利用者様が玄関で倒れていることもありました。 そのため、利用者様がどのような状態なのかをよく観察して介護をする必要があります。 頭を打っていないか、流血をしていないか、話せるかどうかなどの確認をする必要があります。 上司に連絡をしてられる余裕があるならしたほうがいいですし、一刻を争う場合ですぐにでも動かなければ危ない時は動く必要があります。 このように、臨機応変力は訪問介護において重要な役割を担っていると言えます。 コミュニケーション力と介護 次に必要なスキルがコミュニケーション力です。 どのような仕事でもコミュニケーション力は必要ですが、訪問介護においては特に重要なスキルとなってきます。 介護という仕事は、主に利用者様の生活や身の回りのお世話をする仕事です。 つまり、訪問介護ヘルパーは利用者様のプライベートなところにお邪魔して、排泄介助や、入浴介助、居室の掃除などプライベートの空間を共有させてもらうことになります。 もしあなたが介護をされる側だった場合、全く何も言わず黙々と介助をされてどう思うでしょうか。 あまりいい気分はしないと思います。 なので、円滑なコミュニケーションはサービスの提供を円滑に行う上で必要なのです。 例えば訪問介護には買い物代行というサービスがあります。 この買い物代行サービスは、食品や、日用品、時には文房具などの購入依頼をされる時があります。 例えば、利用者様から牛肉と醤油、トイレットペーパーを買ってきてほしいという買い物代行サービスがあると仮定します。 この時、牛肉と言ってもどのようなお肉なのか聞く必要があります。 また醤油も好みのものが何なのかを聞かなければいけませんし、トイレットペーパーもブランドにこだわりがある場合は聞く必要があると思います。 渡された予算も、どこまで使用していいのか聞いてから買い物代行に行くことをオススメします。 以上のことから、訪問介護においてコミュニケーション力は重要になってきます。 今までは、実用的な部分でコミュニケーション力が必要であるとお伝えしてきましたが、訪問介護ヘルパーとして関わる上で利用者様の人格や尊厳を尊重しサービスを提供するということは外してはいけません。 まとめ 以下に訪問介護に必要なスキルをまとめました。 ①介助の知識 ・介助は基本1人で行うため、知識がないと何もできない ・介助は利用者様の体を守る上でも知識を必要とする ・介助の知識はあればあるほど、介護を行う自分自身を守ることにもつながる ②状況判断能力 ・介護の仕事は対人のため、毎回同じ状況とは限らない ・違う状況の際のとるべき行動を間違えないために状況を把握する必要がある ・状況を把握し、適切な介護を提供する ③観察力 ・介護の選択を誤らない ・なんとなく対応していると、場合によっては大きなトラブルも起こり得る ・何より利用者様と、ヘルパー自身の安全を守る ④臨機応変力 ・どの訪問先も同じ環境ではない ・サービスで必要な物品がない時など、何を代用しサービスを行うのかの臨機応変さが求められる ・この力を養うと、介護の知識以上にヘルパーの引き出しが増える ⑤コミュニケーション力 ・介護をする上で、利用者様の細やかな要望の聞き取りが必要 ・利用者様の意思を尊重し、事故なくサービスを提供する ・利用者様と円滑なコミュニケーションをとり、お互いが気分良くサービスを提供する 最後までお読みいただきありがとうございます。
「地域包括ケアシステム」と言われても、どんな内容のシステムなのかイメージがしにくいかもしれません。 少子高齢化の日本は介護保険制度のみだと高齢者を支えるのが難しい状態です。 ここでは地域で支える取り組みである「地域包括ケアシステム」について紹介します。 地域包括ケアシステムとは 「地域包括ケアシステム」とは、高齢や介護が必要な状態になっても地域全体で支えようというものです。 住みなれたところで最期まで自分らしく生活するには地域で支える必要があるからです。 これまでは介護保険制度のみで高齢者を支えてきましたが、高齢化とともに難しくなってきています。 このため、介護保険制度と医療保険制度から地域全体を支えていく必要があるのです。 ちなみに、「地域」とは、自宅から30分以内でサービスが提供される範囲です。 わかりやすくいうと、中学校校区が目安になります。 「地域包括ケアシステム」は、自治体である都道府県や市町村がその地域の特性に応じてサービスを作っていきます。 主体となって「地域包括ケアシステム」を実行するのは「地域包括支援センター」です。 なぜ地域包括ケアシステムが推進されているの? 現在、「地域包括ケアシステム」が推進されています。 これまでの介護サービスだけでは高齢者を支えることができなくなってきているからです。 日本は高齢社会となっており、2022年9月15日時点での65歳以上の人口は、3,627万人です。 2042年には、約3,900万人になることが予測されています。 団塊の世代が75歳以上となる2025年以降は、医療や介護の需要が増加することが予想されています。 このため、2025年をめどに地域の力を活用する「地域包括ケアシステム」が推進されているのです。 また、介護施設が全国的に不足しており国はケアの場を施設から在宅へと計画しています。 厚生労働省は、2025年には地域の包括的な支援やサービスを提供できるように、取り組みを推進しています。 地域包括ケアシステムの歴史 「地域包括ケアシステム」は1980年代に広島県の御調町の取り組みによって生まれたものです。 医療と福祉行政が連携して「高齢者の寝たきりゼロ」を目指した取り組みが、実施されました。 これが、「地域包括ケアシステム」と呼ばれるようになります。 2000年には介護保険制度が始まりました。 高齢者を支えるためには、これまでの医療と介護の連携だけでなく、生活支援サービスも必要であることがわかってきました。 医療サービスと介護サービスに生活支援サービスが連携された「地域包括ケアシステム」が、注目されるようになったのです。 そして、2014年には「医療介護総合確保推進法」が施行されます。 これにより、「地域包括ケアシステム」の構築が全国的に進められるようになりました。 地域包括ケアシステムの中身 Microsoft PowerPoint - 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(基礎資料・HP用) (mhlw.go.jp)より では、「地域包括ケアシステム」の中身は、どんなものでしょうか。 「地域包括ケアシステム」は、5つの要素で作られています。 住まい 高齢者が暮らす家など(サービス付き高齢者向け住宅なども含む) 医療 かかりつけ医など医療サービス全般 介護 介護が必要になった時に受けれるサービス(居宅・施設サービスを状況に合わせて使う) 生活支援 高齢者の自立した暮らしを支えるためのサービス(配食サービス、家事援助、見守りサービスなど) 介護予防 高齢者が元気に過ごすためのサービス(カフェ、サロンなど) 「地域包括ケアシステム」は、これらを一体的に提供することを目指しています。 そのためには、自治体である市町村や都道府県が地域の特性に応じてサービスを作ることが必要です。 Microsoft PowerPoint - 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(基礎資料・HP用) (mhlw.go.jp)より 5つの要素は、「植木鉢」に例えられています。 平成28年版厚生労働白書 -人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)より 5つの構成要素が、互いに結びついて「地域包括ケアシステム」を形作っているからです。 ① すまいとすまい方:植木鉢 ② 介護予防・生活支援:土 ③ 医療・看護:葉 ④ 介護・リハビリテーション:葉 ⑤ 保健・福祉:葉 本人の選択と本人・家族の心構え:皿 ①②は生活の基盤で、③④⑤は専門的なサービスになっています。 植木鉢のないところに、植物は育ちません。 同様に、高齢者が「すまい」で毎日を安心して過ごすために、「介護予防・生活支援」があることが、基礎になります。 しっかりした基礎があれば、専門的なサービスである「医療・看護」、「介護・リハビリテーション」、「保健・福祉」が有効に働くのです。 サービスを受けるには、皿である「本人の背択と本人・家族の心構え」が大切になってきます。 4つの助について 「地域包括ケアシステム」をすすめていくには、4つの助が大切と言われています。 ・自助 ・公助 ・互助 ・共助 これらが結びついて、さまざまな生活課題を解決していくことが必要です。 それぞれについて、詳しく説明します。 自助 健康寿命を伸ばすために取り組む、「セルフケア」 定期的な健康診断や介護予防活動などへの参加 公助 生活保護など、生活保障制度や社会福祉制度のこと 互助 家族、近所の人などの支えなど、公的な制度ではないもの ボランティアやNPOなど含む 共助 医療、年金、介護保険や社会保険など、制度化されたもの この中でも基礎になるのは、ひとりひとりの努力が必要な「自助」です。 自分の健康を大切にして、生活を豊かにするものだからです。 たとえば、健康診断を受けたり、介護予防活動への参加があります。 ひとりひとりが健康に気をつかうことが生活を豊かにするため、「自助」が基礎になるのです。 自分ひとりで支えるのには限界があるので、ここで重要になってくるのが「互助」です。 もちろん、「互助」にも限界があり、「互助」を助けるものが「共助」です。 「共助」を活用することで、「互助」の負担を減らすことができます。 「自助」、「互助」、「共助」をつかっても解決が難しい「貧困」や「虐待」などに対して、「共助」が必要になります。 今後の地域包括ケアシステム 今後、「地域包括ケアシステム」を構築するには、3つの流れを踏む必要があります。 ・地域の課題の把握と社会資源の発掘 ・会議などの開催と対応策の検討 ・対応策の決定と実行 地域の課題の把握と社会資源の発掘 自治体が、地域に暮らす高齢者がどんなことで悩んでいるか調査します。 高齢者がどのような問題を抱え、それに対策する必要があるからです。 そのために地域ケア会議が開催され、課題が分析されます。 同時に地域サービスである「ボランティア」や「NPO」などが、発掘されます。 このため、高齢者がどんな問題に直面しているか調査する必要があるのです。 会議などの開催と対応策の検討 自治体が「地域ケア会議」を開いて、地域の関係者が問題を共有し、解決策を話し合います。 対応策の決定と実行 「地域ケア会議」で解決策が出たら、介護保険事業の中に盛りこんでいきます。 地域にかかわるさまざまな支援メニューが用意され、実現されていくのです。 まとめ ここまで、「地域包括ケアシステム」について紹介していきました。 ・「地域包括ケアシステム」とは、高齢や介護が必要な状態になっても地域で支えようとするもの。 ・「地域包括ケアシステム」は自治体が、地域の特性に応じてサービスを作る。 ・「地域包括ケアシステム」が推進されているのは、介護サービスだけでは高齢者を支えることが難しくなってきているから。 ・高齢者を支えるためには、医療と介護の連携だけでなく、生活支援サービスも必要。 ・「地域包括ケアシステム」は、 「住まい」「医療」「介護」「生活支援」「介護予防」の 5つの構成要素から成り立っており、一体的に提供するもの。 ・「地域包括ケアシステム」をすすめていくには、 「自助」「公助」「互助」「共助」の「4つの助」が大切。 ・今後、「地域包括ケアシステム」を構築するには、「地域の課題の把握と社会資源の発掘」「会議などの開催と対応策の検討「対応策の決定と実行」の 3つの流れを踏む必要がある。 「地域包括ケアシステム」はなじみにくい内容ですが少しでもお分かりいただけたでしょうか? 今後も高齢社会が続くと予想されており、「地域包括ケアシステム」を構築していく必要があります。 高齢者が安心して住みなれた地域で生活できるよう地域全体で高齢者を支えましょう。 少しでも「地域包括ケアシステム」に興味をもっていただけましたら、幸いです。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
「突然、家族に介護が必要になった」 このような可能性は誰にでもあります。 そうなったときに慌てないようにしたいものですが、いざ自分が直面したときには何から始めればよいのでしょうか。 こんな時に頼りになるのがケアマネージャー(以下ケアマネ)です。 今回の記事では、ケアマネが担っている仕事はどのようなものなのかをご紹介していきます。 ケアマネは介護保険を利用するのに必要な存在 介護保険制度は一般の方々にはわかりづらく、すべてを理解するのはかなり困難でもあります。 介護保険を利用したい場合、その道のプロにお願いするのが一番いい方法です。 介護保険の利用を、その方に一番合った形で提案してくれる存在、それがケアマネージャーです。 ケアマネージャーは居宅(きょたく)介護支援事業所というところに所属しています。 居宅と略されることも多いです。 それではここからケアマネの具体的な仕事を見てみましょう。 ケアプラン作成 実は毎月の保険料を払っているだけでは介護保険サービスを利用することができません。 介護保険サービスを利用するには、必ず「ケアプラン」というものが必要になります。 ケアマネの大きな役割の1つが、ケアプランの作成です。 ケアプランとは ケアプランとは、その方の課題を解決するためにどのようなサービスがどの程度必要なのかを盛り込んだ計画書のことです。 ケアプランに記載されていないサービスを利用しても保険給付は受けられないということに注意が必要です。 インテーク ケアプランを作成するために、利用者の現在の状態を把握する必要があります。 まず、電話や対面などで、本人や家族の悩みや課題、体調や環境などを聞きます。 この行為はインテークと呼ばれます。 アセスメント ケアプランを作成するためには「その利用者がどのような方なのか」「どういった価値観を持ち、現在はどのような生活環境にあるのか」といったことを知る必要があります。 そして「どのような生活を望んでいるのか」「それを実現するための課題や問題点は何か」を明確にしていきます。 このために必要な情報を利用者本人や家族から聞き取りし、解決すべき課題を抽出するその行為をアセスメントといいます。 インテークでは聞き出せなかった深い部分まで聞き出せるよう、細かい点まで質問していきます。 たとえば、脳梗塞で倒れて入院中のAさんが「以前のように自宅に戻って生活したい」という要望を持っていたとします。 ケアマネは以下の各項目について課題がないか、Aさんをチェックしていきます。 ・後遺症はあるのか ・リハビリは必要なのか ・自宅で入浴はできるか ・服薬の管理はできるのか ・リハビリ以外に必要なサービスはないか ・他に困り事はないか 等 なお、インテークもしくはアセスメントで経済状況を聞かれることがあります。 年金の受給額など、ケアマネとして知っておかなければならないことだからです。 それはショートステイの利用や、いざ施設に入所するとなったときに、支払いを抑えることができる給付を受けられるかどうかの判断材料にするためです。 しかし、経済的な事情を尋ねるというのはケアマネにとっても聞きづらいものです。 人間関係がしっかりと構築された後ではますます聞きづらくなってしまいます。 そのため、ケアマネも「経済事情は割り切って早めに聞いてしまおう」と決めている人も多いので、1度目もしくは2度目の面談で経済状況を質問されるケースがあります。 ケアプラン原案作成 アセスメントが終わったら、その方の課題を解決するために、またはその方のニーズに応えるためにケアプランを作成します。 先ほど例に挙げたAさんであれば、 ・リハビリが必要なら「訪問リハビリ」「デイケア」 ・自宅内での手すりの設置や段差解消が必要なら「福祉用具」 ・自宅で一人での入浴が難しければ「訪問介護」「訪問入浴」「デイサービス」 といった選択肢が浮かんできます。 それらを基にケアプランの原案が作成されます。 担当者会議 ケアプラン原案を基に、ケアマネや本人・家族、また利用するサービスを提供する業者や主治医等と担当者会議を行います。 ここで本人や家族、また関係者からプラン内容に問題がないか等の意見を聞き、ケアプランに修正の必要があれば、原案を修正し、利用者や家族に同意を得ます。 そうして出来上がったケアプランが利用者や家族に交付され、利用者、もしくは家族にはサインや押印をしてもらいます。 モニタリング ケアプランに基づいたサービスがきちんと提供されているか、また、提供されているサービスで問題はないか、過不足はないか等を確認するために、ケアマネは月に1回以上利用者宅を訪問します。 モニタリングの結果、ケアプランの再考が必要だと判断された場合には、再度、アセスメントから実施し、ケアプランを再度作成します。 以上がケアプラン作成の流れです。 ここで一つ注意点があります。 ケアマネは何十人も担当していますので、月に1度訪問するのがやっとです。 本当は相談したいことや伝えたいことがあるのに、そこで「特に問題ありません」と答えてしまうと、ケアマネが問題に気付くことができず、来月の訪問まで待たなければなりません。 何かあればモニタリング時に相談するようにしましょう。 もちろんモニタリングの時だけでなく、随時、電話で相談することは可能です。 ケアプランには有効期間がある ケアマネにプランを作成してもらっても、ケアプランには有効期間があります。 高齢者は状態も変わりやすいためです。 有効期間の終了日が近づいてくると、再度アセスメントからケアプラン交付までの流れを繰り返し、新たなプランの交付を受けます。 なお、有効期間はケアマネが管理するものですので、利用者や家族の方が気にしなければならないものではありません。 申請代行 ケアプラン作成以外にもケアマネにお願いする業務があります。 それが申請代行と呼ばれるものです。 申請代行とは、利用者の意思を踏まえて申請書の入手や記入(自署部分は除く)、提出を本人に代わって行うものです。 介護保険を利用するには認定を受けなければなりませんが、その認定を受けるためには申請が必要になります。 利用者本人や家族が役所へ行かなくても、ケアマネが代わりに行ってくれるのが申請代行です。 申請した書類が受理されると調査のために認定調査員がやってきます。 これは申請代行を行ったケアマネ以外の第三者となります。 調査員が生活状態や身体の状況、認知機能など聞き取り、介護度を決定する認定審査会に提出する資料を作成するのです。 調査には通常ですと、30分から1時間程度かかりますが、これはあくまでも目安です。 場合によってはもっと短いケースもありますし、長く時間がかかる場合もあります。 利用者本人だけでは質問の受け答えが難しい場合には、家族の方が同席するようにしてください。 なお、申請を行ってから認定が下りるまでは通常は一か月ほどかかります。 その他の相談にも乗ってくれる 申請を代行するのは介護保険関係だけではありません。 たとえば、生活に困っている方には生活保護の申請を行うこともあります。 行政から届く書類は難解なものも多いので、手続きの相談に乗ってくれます。 また、在宅生活を続けていくのが難しいという方も多くいらっしゃいますが、もちろん施設への入所の相談にも乗ってくれます。 まとめ 最後に、今回の記事の内容をまとめてみます。 ・介護保険サービスを利用するにはケアプランが必要 ・ケアプランを作成するのはケアマネ ・ケアプラン作成のスタンダードな流れは以下のとおり ① インテーク ② アセスメント ③ ケアプラン原案作成 ④ 担当者会議開催 ⑤ モニタリング ・ケアプランは有効期間がある ・ケアマネは介護保険、その他の書類の申請業務を代行してくれる ・施設入所の相談もケアマネに ケアプランは「自分らしく生きるための大切な計画書」です。 作成してもらう際にはしっかりと希望を伝え、納得のいくプランを作成してもらうようにしてください。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。
「施設で認知症の方のプライバシーや自由って守られてるの?」「もし自分の母親が認知症になったらどうなるんだろう?」と不安になりませんか。 今回の記事では認知症のかたの尊厳に関して、介護歴10年の介護福祉士が分かりやすく解説します。 介護現場で重度認知症のかたの尊厳は守られているのか? 「重度認知症」と「尊厳」という言葉、介護の世界ではよく聞く言葉です。 まずは言葉の意味を確認していきましょう。 重度認知症とはどういう状態? 重度認知症の方は自分のいる場所や時間、人の顔の判断が難しくなります。 それに、トイレや食事、衣類の更衣、お風呂といった日常生活を営む上で必要な生活動作を一人で行うことが困難になります。 普段の生活を営む上で介護者の助けが常に必要な状態です。 尊厳とは何か? 尊厳とは、その人の自尊心を守り人間を人間として扱うことです。 当たり前のことですが、お互いを尊重し自分がされて嫌なことは相手にもしないことです。 言葉の意味を押さえた上で介護の現場で重度認知症の方の尊厳が守られているか考えてみましょう。 結論としては認知症の方の尊厳は完璧には守られてはいないのが実情になります。 なぜなら「施設のハード面」や「施設のルール」、「介護職員の質」に左右される側面が大きいからです。 尊厳を「守れている施設」もあれば、「守れてない施設」もあり、「尊厳を守れている職員」もいれば、「守れてない職員」もいます。 なぜ重度認知症のかたの尊厳は守られないのか? ①どこかで重度認知症の方を下に見ている?馬鹿にしている? 当たり前のことですが人を馬鹿にするような行為は許されることではありません。 ただ、職員の中には重度認知症の方に対して、見下すような態度をする職員がいることは否定できません。 では、どのような心理が働いて重度認知症の方を見下すのでしょうか。 考えられる主な心理的な理由として、以下の内容が考えられます。 「どうせ言っても分からないから…」 「しゃべれないから別にいいや…」 「どうせすぐに忘れてしまうから…」 等 このような介護職員の心理が原因となり、重度認知症のかたの「羞恥心」や「自尊心」、「自由」を無視したような対応に繋がると考えられます。 ②重度認知症の方は意思表示をすることが困難なので介護士が主導ですべて決めてしまう 私たちは自分で意思表示をして、日常の生活を選択しています。 「いつ起きていつ寝るか」「いつ何を食べるか」「いつお風呂に入るか」など、様々な選択を自分の意思で判断して行っています。 しかし重度認知症のかたは自分の意思を表示することが困難な状態です。 頭では自分の考えがグルグルと巡っているのに肝心の言葉がなかなか出てきません。 本来であれば過去の生活歴や趣味嗜好に配慮したうえで介護職員が認知症の方の選択をサポートするのが理想です。 ただ、現状では介護職員が独断で判断している部分が多いのではないでしょうか。 ③施設のルールやハード面で尊厳の保持が難しい場合もある 介護施設では施設の種類により、入居者様の人数が多い施設もあれば少ない施設もあります。 ただ、基本的にどの施設でも集団での生活になります。 このような状況の中で、一人一人の趣味嗜好や要望に応えるのは困難な状況です。 重度認知症の方の尊厳が守られてないってどういう状況? では実際に尊厳の保持が守られてないってどういう状況なのか具体例を交えて解説していきます。 トイレ 排泄はズボンを下げ下半身を露出させるため、羞恥心に配慮すべき行為であります。 ただ、重度の認知症の方になると自分でズボンを下ろすことも困難な状態です。 それに便器という認識もできない方もいます。 そのため、介護職員がトイレへ付き添い介助するケースがほとんどです。 他人が隣にいる状態で用を足すことは誰でも嫌なものです。 お風呂 お風呂に入ることも羞恥心に配慮すべき行為で、誰しもが他者に裸を見られたくないでしょう。 ただ、前述したトイレと同様に認知症のかたは一人でお風呂に入ることが困難な状態です。 そのため、介護者に身体を洗ってもらうことになります。 大きい特別養護老人ホームなどでは、大浴場に複数の利用者様を入れる所もあります。 とても入居者様の羞恥心に配慮しているとは言えない状況です。 不適切な声かけ 認知症の方に対して不適切な声かけをする職員がいることも否定できません。 例えば、食事の時に「あーん」と赤ちゃん言葉を使ったり、トイレに誘導するときに「しっこ行こうか」など、羞恥心や自尊心を傷つける発言をする職員がいます。 逆の立場になったら馬鹿にされているようで嫌な気分になるのではないでしょうか。 相手の自尊心を傷つけないためにも言葉遣いには細心の注意を払うべきです。 本人の選択の自由が制限されている 介護施設では集団での生活になるため、施設のルールやタイムスケジュールで運用されていることが多いです。 例えば以下のような内容があります。 起床時間や就寝時間 食事の時間やメニュー 入浴の曜日や時間 外出の制限……等 私たちのような健常者から見ればいかにも窮屈な生活です。 言葉や向精神薬での抑制 認知症の方には様々な症状があります。 同じ言動を繰り返したり、帰宅願望だったりと様々です。 なかには徘徊する認知症の方が歩き回り他者の居室に入ったり、他者の私物を盗ったりすることもあります。 介護職員が徘徊などを制止するために「動かないでください」「立ったら危ないですよ」と制止する事もあります。 夜間帯など介護職員の人数に限りがある場合は、向精神薬で行動を抑制することもあります。 どうすれば重度認知症の方の尊厳は守られる? ではどのようにすれば重度認知症の方の尊厳を守れるのでしょうか? 「学校からイジメをなくそう」と同じようになかなか難しい問題ではあります。 ここでは尊厳を守るための3つのポイントをご紹介します。 ①職員の教育 接遇やプライバシーに関する研修を繰り返し行うことによって、他者の尊厳や自尊心を守ることの大切さを潜在意識まで刷り込むことが大切です。 研修を定期的に行うことが難しい施設もあると思います。 そういった場合には、朝礼などで遵守すべき行動規範を読み合わせるのも良いでしょう。 事業所のビジョンや目指すべき介護を繰り返し伝えることは重要です。 あと、不適切な職員は採用しないに尽きます。 ②職員間でお互いを相互評価する まず「相互評価で何を評価するのか?」が重要です。 「利用者様を制止する言動はないか」「利用者様を馬鹿にした言動をしてないか」「羞恥心に配慮した介助ができているか」など…。 こういった項目を職員間で無記名で評価することにより、不適切な言動の抑止力になるのではないでしょうか。 もちろん賞与の査定基準にすることも検討して良いでしょう。 ③職員一人一人が心の余裕を持つために無駄な業務は減らす 人間誰でも忙しくて時間に追われると、心の余裕が無くなりイライラするものです。 そういう時に入居者様に対して不適切な言動をすることがあるのではないでしょうか。 「ちょっと待ってください」「座ってください」と行動を制限する発言をしたり、利用者様の意思も確認せずに勝手にトイレに連れて行ったりと様々あるかもしれません。 忙しいことで一番重要な入居者様の「尊厳」や「自尊心」「羞恥心」を守れないのであれば本末転倒です。 思い切って利用者様にとって不必要な業務を排除してみるのも重要です。 「委員会」や「無駄な会議」、「書き物」「昔からの慣習で行っている業務」など削れる業務は削りましょう。 削って不都合があれば、また再開すれば良いのです。 まとめ ここまで重度認知症の方の尊厳の保持に関して解説してきました。 現状では尊厳を保持することは難しい側面があります。 ただ、取り組み次第では防げることもあります。最後に復習していきましょう。 重度認知症の方の尊厳の保持は守られてないのが現状である 重度認知症の方の尊厳を守るために職員の研修をすべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために不適切な職員の採用は見送るべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために職員間の相互評価を取り入れるべきである 重度認知症の方の尊厳を守るために職員の業務量を減らし余裕を持たせるべきである 最後までお読み頂きありがとうございました。
あなたは、アンガーマネジメントという言葉を知っていますか? 介護者や介護現場で働く介護士は、怒りやストレスでメンタルが保てないこともあります。 この記事では、そのようなときに役立つアンガーマネジメントを紹介します。 このマネジメントを知り、実践すれば、安全で安心な介護につながるため 介護に携わる方は、ぜひご一読ください。 アンガーマネジメントとは? アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた「怒りと感情と上手に付き合うための心理トレーニング」です。 怒らなくすることが目的ではなく、怒る必要があるときは上手に怒り、怒る必要がないときは怒らなくする方法を知り、トレーニングを積んで日常で活かすことが目的です。 職場の上司や同僚、家族などの怒りに対応することで、イライラなどの感情に振り回されなくなり、ストレスの解消にもつながります。 特に怒りの感情を抱えたままの介護は、不健康なメンタルの介護となってしまい、利用者や介護士との人間関係を悪化させてしまうことがあります。 アンガーマネジメントで怒りをコントロールし、よりよい人間関係を築けるようになりましょう。 アンガーマネジメントを行うメリット アンガーマネジメントを行うことで、以下のメリットを得ることができます。 他人の印象を良くすることができる 「怒り」をコントロールできないと、周りに怒りをぶつけてしまうことになることがあります。 それは、利用者さんだけでなく、一緒に働いている同僚にも悪印象を持たれてしまいます。 アンガーマネジメントを行うことで、怒りをコントロールできるようになります。 そのため、周囲の人たちに怒りをぶつけることがなくなり、人間関係を円滑にすることは可能です。 また、自分の感情をコントロールできるようになることで、相手に自分の感情や考えを正確に伝えられるようになります。 冷静に判断ができる 介護の仕事をしていると、事故が起こったり、利用者さんの体調に異変が起きることがあります。 そのようなときには介護職員として慌てず冷静に判断することがとても重要です。 冷静になることで、誤った判断をすることが少なくなります。 時間を無駄にしなくなる 怒りに身を任せると、無駄な行動をしがちになります。 アンガーマネジメントができるようになると、時間を有効活用することができ、仕事の効率化につながります。 ストレスがなくなる ストレスはさまざまな病気の原因になります。怒りはストレスをためてしまう原因の1つです。 ストレスがたまらないようになれば仕事をスムーズにすすめることや、プライベートも有意義に過ごすことができます。 アンガーマネジメントの実践ポイント 怒りから脱出する方法はさまざまです。 ここでは、アンガーマネジメントの実践ポイントとなる自分なりの怒りからの切り抜け方を紹介します。 自分に合った怒りのコントロール方法を見つけてください。 怒りから脱出する方法5つ 職場でも家庭でも、怒りを感じたら、次の5つの方法を試してください。 すべてを実践する必要はありません。 自分の怒りの感情が少しでもコントロールできれば、あなたに合う怒りからの脱出方法です。 ①6秒ルール 怒りを感じたら、6秒待つルールで理性を取り戻す方法です。 6秒待てば、人は理性的になれると言われています。 心の中で6秒カウントする方法が一般的ですが、何も考えない、好きな歌のサビを心の中で思い出すなどの方法もあります。 ②グラウンディング 怒りとは別の方向に意識を集中させ、怒りから目をそらす方法です。 例えば、机にコップがあれば、きれいな白色で取っ手が小さいなどと感じるなど、別の所に意識を変え、観察する間に冷静さを取り戻す方法です。 ③コーピングマントラ 自分の気持ちを落ち着かせる言葉を準備しておき、怒りを感じたらその言葉を思い出し、頭の中で自分に言い聞かせる方法です。 例えば、「落ち着け、何とかなる」「大丈夫」という自己暗示的な言葉が効果的です。 ④ストップシンキング 怒りを感じたときに、思考を停止する方法です。 頭の中に「白い紙」や「ごみ箱に怒りを捨てる」などをイメージし、怒りの思考を停止する方法が効果的です。 ⑤その場から離れる どうしても我慢できない怒りで冷静になれない場合は、その場から一度離れ、気分転換する方法も効果的です。 急ぎの用事でなければ、他の場所に移動しひと呼吸おいてから元の場所に戻る方法が効果的です。 怒りについての4つの誤解 私たちは生きている限り、怒りの感情を捨て去ることはできません。 自分の感情に任せた怒りの表現は、相手にとってマイナスなイメージしか与えません。 ここでは、怒りに任せた自己表現となる怒りについての4つの誤解を解いていきます。 ①怒りは悪だ 怒りは本人が生命の危険や尊厳にかかわる危険信号を感じとり、その対処となる防衛反応との1つです。 そのため、怒りの感情と上手に付き合えば、自身のパワーアップにもなります。 怒りの感情を悪者と決めつければ、怒りのエネルギーを溜め込んだ状態が続き、心身に影響を及ぼす可能性もあるのです。 ②怒ればどうにかなる 相手を怒りで抑えつけることは、根本的な解決にはなりません。 怒りにまかせて、力ずくで相手を抑え込むことは、その場しのぎの対応でしかありません。 怒りだけで物事を解決する方法は、長期的にみれば、状況の悪化をまねくだけです。 ③怒りは吐き出すべき 怒りは吐き出すべきという考えの人は、怒りの最中にさまざまな出来事を思い出し、ますます怒りがパワーアップする可能性があります。 たとえ怒りを吐き出し、すっきりした気持ちになったとしても、相手には負の感情しか芽生えません。 人間関係に亀裂が入る可能性があります。 ④怒りは制御不能 怒りは、初めは1つの要素であったものが、最後にはあらゆる要素が積み重なることもあります。 一度、怒りを感じて相手を攻撃してしまえば、自分で感情を制御不能になることもあるのです。 怒りとの向き合い方 怒りとの向き合い方を知ることは、自分の怒りの度合いを確認するためにも必要です。 ここでは、怒りと向き合うための基準となる尺度や境界線、怒りのタイプ、怒り方について紹介します。 自分を客観視する方法なので、参考にしてください。 怒りの尺度を知る 怒りの尺度を知らないと、客観視できなくなってしまい、感情のコントロールは無理だと諦めてしまいます。 自分なりの怒りの尺度を決めて、客観視できるようになれば、状況に応じた怒りのレベルが分かるため、今後の対応の参考になるのです。 怒りのレベルを10段階に分け客観視すれば、今の状態が分かり、冷静さを保てるようになります。 【怒りのレベル】 0~1:穏やか(ストレス、イライラを感じない) 2~3:不愉快(イラつき、不愉快な気分) 4~6:腹が立つ(怒りを表していないが、相当な怒りを感じている) 7~9:爆発直前の怒り(我を忘れるほどの怒り) 10 :震えが止まらないほどの怒り、憤怒、爆発状態) 怒りの境界線を明確化する 自分自身または職場で「許せる」「何とか許せる」「全く許せない」の 3つのゾーンを決め、怒りの境界線を明確化します。 怒りをゾーン分けすることで、無駄なイライラが減り、怒りをコントロールできます。 怒りのタイプを知る 怒りのタイプを知ることで、怒りへの対処方法も考えやすくなります。 アンガーマネジメントでの怒りのタイプ5つと特長、対処方法は次のとおりです。 怒りのタイプ 特長 対処方法 ①熱血柴犬 タイプ 自分の信念を曲げない、自他ともに厳しい。 正義感が強い できる・できないの線引きする ②白黒パンダ タイプ 何事も白黒をはっきりさせる、完璧主義者 主観、客観、事実を切り分ける ③俺様ライオン タイプ リーダー的存在で責任感が強いが、自分本位 権利・義務・要求を混同せず 整理しておく ④頑固ヒツジ タイプ 穏やかに見られるが、意外にかたくなで頑固 自分の常識ルールをポジティブに言い換える ⑤慎重ウサギ タイプ 慎重派だが、他人を信用せず、 ストレスを溜め込む 上手くいった例外ケースを 解決策の糸口にする 【参照した書籍】 マンガでわかる・介護職のためのアンガーマネジメント(誠文堂新光社) 叱り方を変える 介護には、ついやってしまう4つの叱り方があります。 怒りに任せた叱り方では、相手を不快にさせるだけで何も伝わりません。 特にNGワードを使えば、利用者や職場の人間関係が悪化します。 NGワードに気をつけて叱れば、相手を不快にせず、自分の気持ちも伝えられるようになるため、意識して実践していきましょう。 4つの叱り方NGワードとNG例および改善例は次の表のとおりです。 叱り方NGワード NG例 改善例 ①過去を持ち出す 前から、何度も言っているのに! 今のやり方は、100点満点で60点ぐらいかな ②相手を責める なぜ、できない? 次からどうすれば良いか、一緒に考えよう ③強い口調 仕事がいつも遅いなぁ 他の業務もあるから、〇時までに終わらせるようにやってみて ④程度表現 ひどいな、しっかりしてよ! あいまいな表現は避け、具体的な内容で示す 【参照した書籍】 マンガでわかる・介護職のためのアンガーマネジメント(誠文堂新光社) アンガーマネジメントはトレーニングが必要 アンガーマネジメントには、トレーニングが必要です。 今日知ったから、明日から使えるという簡単なものではありません。 しかし、日々のトレーニングを積み重ねることで、自分の怒りや上司、同僚、家族の怒りにも上手に対応できるようになります。 アンガーマネジメントで、更によりよい介護の実現が可能です。 ケースバイケースで対応する知識を少しずつ増やして実践すれば さまざまなテクニックが習得でき、役立てられます。 まとめ 介護は、利用者と接する機会が多々あります。 特に身体に接する介助があるため、利用者や他の介護士からの言動に 怒りを覚えることもあるでしょう。 しかし、感情を押し殺す、または爆発させる態度は、お互いの信頼関係を築けません。 アンガーマネジメントは、怒りをコントロールするトレーニングです。 トレーニングを積むことで、不必要な怒りの感情に振り回されなくなります。 介護は、自分と相手の感情に常に向き合わなければなりません。 自分の怒りを抑えられないと感じた方は、この機会に一度、トレーニングしてみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。