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2022年11月の記事一覧

  • 介護の仕事の魅力とは?介護職に向いている人や働く方法をご紹介!

    高齢化社会が進む日本において重要になっている介護職ですが、まだまだ魅力が知られていません。 今回は、介護現場で働きたくなる介護職の魅力を紹介します。 介護職の魅力は? 介護職の魅力は、主に以下の5つがあります。 感謝される 性別や年齢に関係なく働ける 人間性を活かせる 職を失うリスクが低い キャリアアップがしやすい 約3年間介護職として働いた筆者の経験をもとに、5つのポイントを詳しく紹介します。 感謝される 介護職の魅力1つ目は「感謝される」ことです。 利用者である「人」に対してサービスを提供する仕事であるため、直接言葉で感謝される機会が多くあります。 「ありがとう」「助かったよ」と感謝の言葉を聞くと、モチベーションや、やりがいに繋がるものです。 介護を必要とする方は、一人で過ごす時間が多くなるため、介護職のスタッフが時間を共にする時間が増え、感謝される機会も増えます。 また、利用者以外に、家族など身内からも感謝されることも多いです。 実際、利用者が亡くなった後に、家族から「介護士の皆さんには良くしてもらっていると喜んでいました」という言葉をいただくこともあります。 家族の負担を減らすことも、介護において重要な仕事です。 性別や年齢に関係なく働ける 介護職の魅力2つ目は「性別や年齢に関係なく働ける」ことです。 基本的な介助の方法を身につければ、どなたでも介護職として働けます。 若者の体力や活気さ、中年者の経験からわかる介助方法など、年齢も性別も問いません。 お互いの足りないところを補いながら働けます。 また、さまざまな症状や病気を持つ利用者をサポートするためには、情報共有や話し合いが必須です。 介護現場では、介護スタッフが勤務時間で入れ替わるたび、利用者の状況を申し送る場が設けられます。 一人ひとりの利用者に合わせたケアを行うために、知識や経験だけではなく、利用者の立場になって考えなければいけないこともあります。 介護士同士で考えを出し合って協力することが最も重要であるため、性別や年齢は関係ありません。 人間性を活かせる 介護職の魅力3つ目は「人間性を活かせる」ことです。 介護職は、利用者とのコミュニケーションや信頼関係も重要になります。 そのため、人との関わりが好きな方や、思いやりの気持ちを大切にしたい方には最適な仕事です。 利用者は、スムーズにコミュニケーションが取れる方ばかりではありません。 認知症や精神的な疾患を持っている方に対しても丁寧な対応が必要です。 介護を受ける側の気持ちを汲み取れる優しさがある方は、十分に能力を発揮できます。 職を失うリスクが低い 介護職の魅力4つ目は「職を失うリスクが低い」ことです。 高齢化が進む日本では、ますます高齢者が増えて介護職の需要も高まります。 また、機械化が進む社会であっても、ロボットなどにより介護士の体力仕事は減るでしょう。 しかし、コミュニケーションや人間にしかできない繊細なケアの需要は失われません。 そのため、介護職は将来性のある仕事と言えます。 また、介護職は働く場所を選ばないことも大きなポイントです。 人が住んでいる地域であれば、利用者が住む家に訪問してお手伝いをする介護施設で勤務するなど、必ず介護スタッフが必要となります。 家庭の事情などで働く地域が変わったとしても、介護の仕事を見つけられます。 キャリアアップがしやすい 介護職の魅力5つ目は「キャリアアップがしやすい」ことです。 一般的には、男性の方がキャリアアップしやすいと言われていますが、介護現場では女性の割合が多くなります。 性別問わず、やる気があればキャリアアップできる環境です。 介護福祉士(国家資格)や、介護支援専門員(現在は公的資格ですが将来的には国家資格へとの声も多い)になるための資格を取得するサポートを行う会社も多いです。 また、資格手当を支給する会社もあるため、給与のアップも期待できます。 給与が上がれば、さらに仕事のモチベーションもアップし、良いことづくしです。 また、介護現場では、勤務時間も柔軟に対応可能です。 24時間365日介護スタッフを必要とする高齢者施設は多くあります。 そのため、正社員、パート、派遣、ダブルワークなどさまざまな仕事形態が存在します。 家事や育児、介護などのライフスタイルの変化に合わせて勤務時間を選べることが大きな魅力です。 介護職に向いている人は? 次に、介護職に向いている人の特徴を説明します。 人と接することが好きな人 お手伝いをすることが好きな人 思いやりがある人 身体が健康である人 主に、以上の4つがあります。 人と接することが好きな人 介護職に向いている人の特徴の1つ目は、「人と接することが好きな人」です。 介護職は、お客様は介護を必要とする「人」であり、コミュニケーションは欠かせない仕事です。 また、介護スタッフ同士での協力も必要な仕事であるため、人と接する場面が多くなります。 お手伝いをすることが好きな人 介護職に向いている人の特徴の2つ目は、「お手伝いをすることが好きな人」です。 介護職の仕事は、家事などの生活に関する介助、食事や入浴などの身体的な介助が主になります。 あくまでも自立に向けた介助が好ましく「できない部分を補う」ことが重要なため、困っている人を助けることが好きな人が向いている仕事です。 思いやりがある人 介護職に向いている人の特徴の3つ目は、「思いやりがある人」です。 介護サービスを提供する人は、人生の先輩である高齢者です。 言葉遣いはもちろん、相手がどう感じるかを考えてサービスを提供しなければなりません。 また、認知機能の低下が見られる利用者も多いため、相手の意思や要求に気付ける思いやりが重要です。 身体が健康である人 介護職に向いている人の特徴の4つ目は、「身体が健康である人」です。 介護職は、入浴介助などの体力仕事も多く、身体が資本となります。 また、日勤以外にも夜勤などの勤務形態があり、生活リズムが不規則になります。 そのため、健康や体力に自信のある人が向いていると言えます。 介護職として働くには? 介護職として働くためには、資格が必要です。 介護に関わる資格は、主に以下の4種類があります。 介護職員初任者研修 介護福祉士実務者研修 介護福祉士 介護支援専門員(ケアマネジャー) 次は、4つの資格をそれぞれ解説します。 介護職員初任者研修 介護職員初任者研修は、介護の基礎知識やスキルがあることを証明する資格です。 採用時に有利であり、介護現場で働きたいと考えている方には必須の資格となります。 最短1ヶ月間スクールに通い、修了試験に合格するだけでどなたでも受けられます。 介護福祉士実務者研修 介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位にあたる中級資格です。 介護士として3年間の実務経験を持つことで受験資格が得られます。 国家資格である「介護福祉士」を受験するために必要な資格のため、キャリアアップを目指す方には必須の資格です。 介護福祉士 介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。 介護福祉士を取得すると現場の責任者やリーダーの指導など、重要な仕事を任せてもらえるようになります。 スクールなどに通う必要はありませんが、難易度の高い国家試験に合格しなければなりません。 介護福祉士を受験するためには、実務者研修の資格が必要です。 介護支援専門員(ケアマネジャー) 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を必要とする方の心身の状況や環境などに応じて介護サービスの計画を立てる役割を持ちます。 一般的には「ケアマネ」と呼ばれ、数ある介護サービスの中から利用者に合わせた選択をしなければいけないため、経験と専門性が必要な資格です。 まとめ 今回は、介護職の業務内容、魅力についてお伝えしました。 介護職の魅力は、直接感謝の言葉をいただけることである。 介護職は、性別や年齢を問わず働ける仕事である。 介護職は、キャリアアップがしやすく、働くエリアを選ばない仕事である。 介護職は、人との関わりが好きな人や思いやりがある人に向いている仕事である。 介護職には、主に4つの資格がある。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 特別養護老人保健施設にスムーズに入る為の工夫とは?待機時期にできることもご紹介!

    昨今《特養》というワードがかなり聞かれるようになり、社会に浸透してきました。 ただ入居施設の中では低価格で利用できることから、入居待ちをしている方も非常に多くいらっしゃいます。 家族の方もいつ入居できるのか分からないまま、不安な中日々一生懸命に介護されている方も多いのではないでしょうか。 その不安を少しでも払拭するために、今回は特養にスムーズに入居するための方法はあるのか?入居の待機期間にできることはあるか?などをお伝えします。 《特養》の特徴とは? 《特養》とは特別養護老人ホームの略で、文字通り生活のサポートが必要になった高齢者の方が安心して暮らせるための施設です。 公的な施設のため入居施設の中では低価格で利用できます。 病気による入院や特別な事情がない限りは基本的に入居されると最期を特養で迎えられることがほとんどです。 ちなみに同じく入居施設の老人保健施設は自宅で健康に過ごす在宅復帰が目的のため、原則3か月限定の入居となります。 有料老人ホーム等の施設と、どの程度価格の面で違いがあるのかご説明します。 価格 まず大きな違いは特養に入居する際に支払う入居金が必要ないことです。 有料老人ホームであれば築年数やサービス体制などで差はありますが、低いところで0円、高いところで数百万必要となってきます。 また同じく入居施設であるグループホームと比較するとこちらは少し安く0円~百万程です。 ただグループホームは認知症と医師に診断されることが入居条件になるので、入居できる方が絞られます。 では月額料金を比較するとどうでしょうか。 特養の場合はその時の所得によって個人差があるのですが、基本的にどんな所得状況であっても15万円程あれば1か月利用することができます。 しかし有料老人ホームは最低でも15万円~となることが多いです。 施設が新しかったり、サービスが充実している有料老人ホームであれば、30万円近く必要となるケースもあります。 これに加えて、特養であっても有料老人ホームであっても、病院での治療費や美容室代、季節のイベント代などが別途必要となります。 数か月の入居であればなんとか有料老人ホームで頑張れたとしても、最期までとなると月にかかってくるお金は検討したいところ。 これが特養の入居待ちが多い所以です。 入居条件 特養に入居するには原則要介護3以上あり、65歳以上であることなど、いくつか条件があります。 ただし64歳以下であっても特定疾病を持っている方は入居することができます。 また特養入居中に要介護2や1に下がってしまった場合、退所になることはありませんので安心してください。 特養の入居待ち問題 特養は入居条件を設けているとはいえ、かなり多くの方が入居待ちをしています。 これは社会問題となっており《特養の入居待ち問題》と言われています。 厚生労働省の調査によると、令和元年の段階で29.2万人が特養の入居待ちをしている状況だということです。 2015年の介護保険法改正により入所条件が要介護3以上と制限されたので待機人数は減りましたが、まだまだ入居待ちをしている方がかなり多くいます。 色々な条件がそろえば比較的スムーズに入居できる場合もありますが、長い方だと年単位で待っている方もいらっしゃいます。 どういった状況であればスムーズに入居することが可能かをご説明します。 《特養》にスムーズに入居する条件とは? 特養にスムーズに入るためには、以下の事柄に気を付けることが重要です。 ①ケアマネージャーに状況を詳細に伝える 一番大切なのは身近なサポーターであるケアマネージャーに今の介護の状況についてしっかりと伝えることです。 例えば認知症の症状が強く介護が辛くなっている、寝たきり状態なので介護者の身体に負担がかかっているなどです。 ケアマネージャーは特養の相談員と関わることも多いので、情報をたくさん持っています。 今の状況をケアマネージャーに伝えておくことで、待機期間が少なく入居できるチャンスがあるかもしれません。 ②特養の入所申込書をしっかり記入する 特養に入居したいと思った場合、まずは入所申込書を記入し提出する必要があります。 入所申込書を提出し、その後数多くいる待機者の中から選ばれるまで待機期間となります。 入所決定となる順番は早い者勝ちではなく、ご本人や介護者の状況によって優先度は変わってくるのです。 特養の入居待ちをしている方は、日ごろ要介護3以上の方を介護しています。 皆さん介護に疲れていたり、何か理由があって特養に入居してほしいと思って申し込みしていますので、同じような状況の方が多くいらっしゃいます。 その中で他の方と差をつけるために特養の入所申込書をしっかりと埋めて、今の状況をきちんと理解してもらいましょう。 嘘をつくことはしてはいけませんが、謙虚に記入する必要はありません。 ③複数の特養に申し込みしておく 特養の申し込みは1施設ではなく、複数申し込むことが可能です。 複数というのは申込みの地域によって変わります。 例えば横浜市だと5施設までと決められていますし、特に制限を設けない地域もあります。 申込み予定の地域はどのようになっているのか確認しておきましょう。 また複数の特養に申込みをしたあと無事特養への入居が決定した場合は、申込みをおこなった全ての施設へ必ず入所したことを伝えておきましょう。 ④ショートステイの連続利用を検討する 原則ショートステイは基本的に2泊3日や長くても2週間ほどの利用ですが、状況によってはショートステイを長期間利用することもできます。 これをショートステイの”ロング”と呼びます。 ロング利用することによって、特養にそのまま入居できるケースがあります。 ただしロング利用するにはいくつか条件があるので注意しましょう。 まずショートステイはあくまで”ショート”ですので、31日目の利用日は介護保険の利用ができません。 31日目は完全に自費となり、そして再び1日目から30日目までは、介護保険の利用、31日目が自費というローテーションとなります。 自費の日がある分、1か月の請求額は上がってきます。 もう1つの注意がそもそも空きがあるかどうかです。 ショートステイも人気の介護サービスですので、空きがない場合やロングの利用は難しいこともあります。 本人と介護者の状況などでやむを得ない場合は、ケアマネージャーと相談してショートステイのロング利用は可能かを検討してみましょう。 ⑤ユニット型の施設を検討する 特養には従来型とユニット型があります。 従来型は多床室も多く入所している人数がかなり多いのが特徴です。 ユニット型は個室も多く少人数制であることが特徴です。 一見ユニット型に魅力を感じますが、ユニット型の方が費用が高くなってしまうのがデメリットです。 特養に入居する魅力はやはり価格の面でしょう。 ですのでユニット型の特養の方が入居待ちが少ないケースもあります。 必ずしもそうというわけではありませんが、利用料金が高くても早く入居したいと考える方は検討しましょう。 《特養》の待機期間中にできることは? 待機期間だからといって何もせず待っているのは少しもったいないかもしれません。 介護疲れを少しでも軽減するために工夫してみましょう。 ①ショートステイやデイサービスを利用する すでに利用している方も多くいらっしゃるでしょう。 先ほどショートステイのロング利用についてお話ししましたが、ロング利用でなくてもショートステイを利用することで、そこの施設の職員と顔見知りになることができます。 施設としても初めてお会いする方をお迎えするより、普段からADLや精神状態を理解している方をお迎えする方が安心です。 ショートステイ利用から特養に入所となる可能性もあります。 また特養に併設しているデイサービスを利用すると、上記と同じような流れになるケースも考えられます。 介護疲れの軽減ももちろんですが、こういった理由もショートステイやデイサービスを利用するメリットです。 ②老人保健施設や有料老人ホームを利用する これは直接特養の入所に繋がるわけではありません。 介護疲れ軽減のために検討してみましょう。 最期まで有料老人ホームを利用するとお金の面でかなりの負担となりますが、待機期間中の一時的な利用であれば可能だという方は有料老人ホームに連絡してください。 もし一時的であっても難しい方は老人保健施設、所謂《老健》の利用をケアマネージャーに相談しましょう。 ただし老健も人気施設であること、また原則3か月で一度退所となってしまうので気をつけてください。 まとめ いかがでしたでしょうか。 早く特養に入居したいのになかなか決定しなかったり、いつ入居できるのか分からず精神的にも不安になりますよね。 これを読んだ方が少しでも不安から解消されると幸いです。 以下、まとめになります。 ・特養は入居金がいらず、月額の利用料金も入居施設の中では低価格で利用できる。 ・特養には2015年より原則65歳以上の要介護3以上の利用条件が設定されている。 ・令和元年の時点で特養の入居待ちは29.2万人となっており、状況によってはすぐの入居が難しい場合も多い。 ・ケアマネージャーに今の状況をしっかりと説明し、施設の情報収集を行う。 ・特養の申込みは地域によるが複数施設可能で、入所申込書を書く際は詳細に状況を記入する。 ・ショートステイは原則一時的な利用であるが、状況によってはロング利用も可能であるのでケアマネージャーに相談する。 ・従来型よりは少し利用料の高いユニット型を検討することで早く入居できるケースもある。 ・待機期間はショートステイやデイサービスを利用することで、その施設の職員にADLや精神状態を理解してもらうことで入居に繋がるケースもある。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。  

  • 辛い介護の仕事を続ける理由ややりがいとは?モチベーションの保ち方もご紹介!

    介護の仕事は人手不足が叫ばれていて、スタッフの入れ替わりが激しいです。 本記事では辛いといわれている介護の仕事のやりがいや、長く続けていくための考え方について解説していきます。 介護の仕事が辛い理由 「きつい・汚い・危険・給料が低い」 介護の仕事は、上記のことから4Kと言われ、辛い仕事という認識を社会に持たれています。 介護労働安定センターが毎年行っている令和3年度 介護労働実態調査によると、介護職員が前職をやめた理由は以下の通りです。 ①職場の人間関係に問題があったため・・20.4% ②結婚・妊娠・出産・育児のため・・15.4% ③自分の将来の見込みが立たなかったため・・16.9% 一緒に働くスタッフとの人間関係が崩れたり、ライフステージの変化、身体的な負担や経済的な不安から将来が見通せなくなり退職に至るケースが多い傾向です。 介護の仕事を選んだ理由 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 4Kと言われている介護の仕事をしている人たちはどのような理由でこの仕事を選んだのでしょうか。 前述の介護労働実態調査では、 働きがいのある仕事だと思ったから(49.2%) 資格・技能を活かせるから(35.4%) 人や社会に役立ちたいから(29.8%) 自分や家族の都合の良い時間に働けるから(27.6%) という結果でした。 無資格・未経験で始められ、経験年数や資格取得でキャリアアップが見込め、さらに社会貢献にもなる仕事だと考えて介護の仕事に就く人が多いようです。 非常勤であれば自身のライフスタイルに合わせた時間帯に仕事ができるのも魅力の一つです。 学校で資格をとって働き始める人、働きながら資格取得しキャリアアップを目指す人、子育てが一段落して、無資格でもできる仕事を探して介護の仕事にたどり着いた人等、仕事を始めた背景は様々なのが介護の仕事をしている人たちの特徴です。 介護の仕事のやりがい では、介護の仕事のやりがいとは、どのようなものがあるのでしょうか。 「ありがとう」からもらうパワー 介護の仕事は人から感謝される仕事です。 日常生活の中でその人のできない部分をサポートするので、ケアの度に「ありがとう」という言葉をもらいます。 ありがとうのパワーはとても大きく、それまでの疲れが一気に吹き飛ぶこともあります。。 困っている人の手助けをし、感謝された時にはやりがいを感じられる仕事です。 専門的な知識と技術が得られる 日常生活をサポートする介護の仕事は、様々な専門的な知識と技術が必要です。 介護技術や認知症ケア、医療的な知識や接遇マナー等、必要なスキルは多岐に渡ります。 現場での経験以外にも、研修や自己学習を通し成長していけるでしょう。 スキルアップすることで、今後のキャリアに大きく活きてきます。 自分の親の介護に活かそうと考えているスタッフもいるようです。 人生の学びを得られる 介護施設を利用している高齢者は、皆さん人生の大先輩です。 今はサポートが必要かもしれませんが、これまで立派な人生を送ってこられています。 人生の教訓や生活の知恵、子育てや家事の一工夫等、自分の生活に役立つ学びが得られます。 辛い介護の仕事を続けていく為の考え方 ひと昔前と比べると転職に対するハードルが低くなっている昨今ですが、なるべくなら今の仕事を辞めずに長く働きたいものです。 この辛いといわれる介護の仕事を長く続けている人は、仕事を続けるうえでどのように考えているのでしょうか。 以下をご覧ください。 ①目標をたてる ②一人で抱え込まずチームで取り組む ③オンとオフを切り替える ④5年後の働き方を考える ⑤転職も選択肢 一つずつ解説します。 目標をたてる 仕事をしていく上で、目標があるとモチベーションが上がります。 今月中に〇〇さんの移乗介助が一人でできるようになる。 実行委員として夏祭りを成功させる。 来年の介護福祉士の国家試験に合格する。 3年以内にフロア主任になる。 なんでも構いません。 目標を立てれば、そこに向かって自分の行動が変わります。 簡単すぎる目標ではすぐに達成できてしまうので、「少し背伸びすれば達成できる」程度の目標を設定すると良いでしょう。 一人で抱え込まずチームで取り組む 仕事を一人で抱え込まず、チームで取り組む環境作りはとても大切です。 理由は介護の仕事が一人で行うものではなくチームで行うものだからです。 自分が休日の時もその利用者へのケアは続きます。 「自分がいなくてはできない」状態は、利用者や他のチームメンバーに迷惑がかかり、自分自身の負担も大きくなります。 負担が大きくなればストレスがたまり、心身の不調に至ってしまう場合もあるでしょう。 自分がいなくてもケアを継続できるよう、一人で抱え込まず、チームで取り組む環境作りが大切です。 オンとオフを切り替える 介護の仕事をしている人はオンとオフの切り替えが苦手な人が多い傾向があります。 休日の会議や行事への参加、サービス残業等はよくある話です。 他にも勤務時間の1時間前に出勤し、記録を見たり必要物品を用意したり、リーダークラスが率先して早く出勤している施設もあるようです。 決められた時間の中で仕事をするのが本来の状態です。 休日まで仕事のことを考えていたら心も体も休まりません。 「勤務前に準備をしておかないと業務がまわらない」なんてことがないよう、リーダークラスのスタッフを中心に、勤務時間内で業務が回るよう考えていく必要があります。 休む時はリフレッシュして、前向きに次の勤務に迎えるよう、備えることも社会人のスキルの一つです。 オンとオフの切り替えをしっかりできるとよいですね。 働き方を考える 介護の仕事をしていると、変則勤務で体力的な負担を感じたり、ライフステージの変化によって働き方が合わなくなることがあるものです。 正規職員での働き方が合わなければ非常勤になるのも選択肢の一つですが、短時間正規職員を導入している施設もあります。 短時間正規職員は、正規職員と比較して1週間の所定労働時間が短い正規職員のことです。 労働時間が8割程度になる為その分給与も8割程度になりますが、社会保険への加入やその他の待遇面は正規職員と変わりません。 家庭との両立や健康面に不安のある人は検討してみるのも一つです。 自分のライフスタイルに合わせて働くことで、負担感が減り、長く働き続けられるようになります。 転職も選択肢 介護の仕事を続けることを考えたとき、一つの選択肢として転職を考えた方が良い場合もあります。 介護の仕事はチームで取り組むことがメリットと説明しましたが、逆に人間関係がストレスになることもあります。 介護職ができない医療行為の実施やサービス残業、給与が自分の想定と見合わないなど、自分が頑張っても改善できない職場は少なからずあります。 そこで頑張っても消耗するだけで何も解決はしません。 自分に合う職場は必ずあります。 介護の仕事を長く続ける為に、転職を考えることも一つの選択肢です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 辛いと言われる介護の仕事のやりがいと、続けていくための考え方についてお伝えしました。 やりがいについては、 ・利用者の「ありがとう」からパワーをもらえる。 ・専門的な知識と技術が得られる。 ・人生の学びを得られる。 介護の仕事を続けていく為の考え方については、 ・目標をたてる。 ・一人で抱え込まずチームで取り組む。 ・オンとオフを切り替える。 ・働き方を考える。 ・転職も選択肢に入れる。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

  • 介護者の家族とケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法とは?

    介護を続けるためには、医療従事者や介護従事者の方の協力は不可欠です。 しかし、大切な家族の介護を他人に任せられないという考えで介護を利用者だけで抱え込むと、質の良い介護の提供は受けられません。 この記事では、利用者側からとるべきケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法について紹介します。 基本的なコミュニケーションは信頼関係を結ぶ大事な要素になりますので、利用者の方はぜひ参考にしてください。 ケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法 介護を始めるための第一歩は、ケアマネジャーや介護士とのコミュニケーションです。 介護の質は、利用者とケアマネジャー、介護士との信頼関係によって変わります。 しかし、一部の利用者の中にはすべて自分の考えが通るという思い込みが激しい人がいるのも事実です。 その思い込みを招く原因は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容など利用者の理解不足ともいえます。 利用者とケアマネジャー、介護士の関係が良好でなければ、要介護者にとって良質な介護にはなりません。 介護施設などを利用するまでに、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容について知ることが大切です。 ケアマネジャーとのコミュニケーション 利用者にとって、ケアマネジャーとのコミュニケーションは、一番大切で基本です。 ケアマネジャーと信頼関係を築くためには、利用者は、役割と仕事内容を知ったうえで、協力を求めることになります。 ケアマネジャーの役割、仕事内容とは? ケアマネジャーの正式名称は、介護支援専門員です。 介護を初めて担う介護者にとって、施設との連絡や調整、最適な介護サービスの利用など、ケアマネジャーは欠かせない存在になります。 まずは、利用者の知識として、ケアマネジャーの役割や仕事内容を知っておきましょう。 ケアマネージャーの役割、仕事内容は次のとおりです。 ケアプランの作成 要介護者の介護度や健康状態などを把握し、ケアプランを作成します。 介護保険サービスを利用しながら、目標を決め、自立できる生活に向けて支援します。 利用者と介護施設との調整役 訪問介護の利用や介護施設、福祉施設などの介護サービス事業者との調整を行います。 また、介護施設に対する要望やクレームなどの対応や調整役も担っています。 ケアマネージャーの種類とは ケアマネジャーは、所属先によって居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーに分かれ、仕事内容も異なります。 居宅ケアマネ 通所介護施設となる居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーで、在宅介護を支援する仕事です。 在宅で介護サービスを受ける利用者のケアプランの作成や関係個所との調整を行います。 施設ケアマネ 特別養護老人ホームや介護老人福祉施設に所属するケアマネジャーで、施設に入居する利用者のサポートが主な仕事です。 施設内の利用者を担当するため、居宅ケアマネジャーに比べ、担当する利用者が多くなる可能性があります。 介護士とのコミュニケーション ケアマネジャーとのコミュニケーションも大切ですが、直接、利用者の介護に携わる介護士とのコミュニケーションも大切です。 介護士の役割、仕事内容は次のとおりです。 介護士の役割や仕事内容とは? 通所施設または入所施設で、利用者が安心して日常生活を過ごせるように身の回りの世話や相談などの介護サービスを提供します。 所属する介護サービス事業者の形態によって、若干異なりますが、主な仕事内容は、次のとおりです。 身体介護 利用者の日常生活のお世話をします。 主に「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」「移乗介助」があり、直接利用者の身体に触れて介護します。 生活援助 食事の準備や掃除、洗濯など、身の回りをサポートします。 利用者のニーズに沿った生活援助を行います。 その他 リハビリやレクリエーションなど、身体や精神面のケアを行います。 利用者はどうあるべき? 利用者は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容を知ったうえで対応することが大切です。 お互いの意思疎通が良好にできなければ、適切な介護につながりません。 ここでは、利用者が気をつけたいポイントを紹介します。 要介護者が気をつけたいポイント3つ 特に高齢者に多いと思われるのが、ケアマネジャーや介護士に対するハラスメントです。 利用しているから当たり前という考えは、適切な介護サービスを受けられなくなる可能性があるため、要注意です。 すべて自分の要望が通ると思わない 要介護者の中には、自分の要求がすべて通ると思われる人もいます。 しかし、ケアマネジャーや介護士は、役割と仕事が決められています。 仕事の範囲外の要求には応えられないことを理解しておきましょう。 暴言暴力は慎む 暴言暴力は、慎まなければなりません。 ケアマネジャー、介護士も人間です。感情があります。 利用者と反対の立場で物事を考えるなど気持ちを改めることが必要です。 体調や気分などを伝えておく 体調や気分が悪いなど、身体の不調は介護者に伝えておくことが大切です。 介護士は、日々、利用者と接しているとはいえ、すべての利用者の体調を把握できるとは限りません。 身体の不調は、事前に介護士に伝えるなどの情報共有が必要です。 介護者が気をつけたいポイント3つ 介護者である家族は、要介護者の状況を良く知る立場です。 しかし、ケアマネジャーや介護士に上手く伝えないとトラブルの原因にもなりかねません。 要介護者の気持ちを理解し、介護士とコミュニケーションを取り、適切な介護につなげることが介護者の立場です。 利用しているという立場で物事を考えていると、1人で抱える介護になりかねないため、注意が必要です。 ひとりで介護を続けられない 介護者ひとりでは、介護は続けられません。 ケアマネや介護士の協力がなければ、独りよがりの介護になり、要介護が自立した生活に向けた支援にはならないのです。 介護サービスによって介護が成り立っていることを理解しなければなりません。 介護士にもスキルの差がある 介護士の経験年数や年齢などによって、介護スキルには差があります。 すべての介護士のスキルは同等という思い込みは、必要以上の介護を要求することにもつながります。 仕事内容を理解した上で、介護士によってスキルに差があることを理解し、無理な要求は、避けなければなりません。 困ったときは都度、確認する 介護ではさまざまな問題に直面するため、困ったときはその都度ケアマネジャーに確認することも大切です。 介護者は、排泄介助や食事介助、リハビリ方法など悩むことが多くあります。 しかし、現状の介助方法がすべて正しいとは限りません。 誤った介護方法は、要介護者にとって苦痛になるのです。 困ったときは、その都度ケアマネや介護士に確認し、必要であれば看護師やリハビリの担当者に協力を仰ぐことが大切です。 利用者とケアマネジャー、介護士とのコミュニケーションは大切 利用者とケアマネジャー、介護士のコミュニケーションは、介護を続けるためには大切です。 ここでは、利用者としてのコミュニケーション方法の取り方について紹介します。 特に現場をよく知る介護士は、介護者にとっては強い味方です。 お互いの立場をよく理解し、信頼関係を結ぶことが、より良い介護につながります。 口頭だけでなく、連絡ノートやITツールを活用する 伝えたい内容は、口頭だけでなく、連絡ノートに書き留めることが大切です。 口頭による伝え方は、多くの利用者を担当する介護士にとっては情報として残りにくいことも考えられます。 連絡ノートに必要な内容を書き留め、特に重要な内容については口頭でも伝えることが確実に意思疎通できる方法です。 また、ITツールを活用した連絡方法も有効な手段です。 LINEやメールなどのコミュニケーション方法でも記録が残り、確実に意思疎通が図れます。 なお、ITツールはスマートフォンやipadなどを活用し、ご高齢の方でも使いやすい大きな文字や簡素化した入力方法にしたり、体温やSPO2の指示などの数値は選択式にするなどの工夫をすれば、活用度が高まります。 介護士によって態度を変えない 介護士によって、利用者が態度を変えることは、良くありません。 利用者によっては、第一印象が良くない介護士とのコミュニケーションを避ける傾向にあります。 特に介護者は、すべての介護士と協調性を持たないと、介護は成り立ちません。 介護士は、介護者の良き相棒であると認識しておきましょう。 まとめ コミュニケーション能力は、ケアマネジャーや介護士に求められるスキルですが、利用者にも必要です。 意思疎通が少ない介護は、利用者と介護従事者との確執を生み、介護の質を左右します。 介護従事者だけにコミュニケーション能力を求めるだけでは、一法通行の介護になり、利用者が望む介護サービスから遠ざかります。 利用者は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容を知ることで仕事範囲外のサービスを求める行為を避けることが大切です。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 要支援2と要介護1の違いとは?サービスの内容や不服申し立ての方法もご紹介

    親が今までは要介護1だったのに介護保険の更新の申請をした結果、要支援2になったのは何故なのだろうと思いませんか? 逆の場合もしかりです。 今回は要支援2と要介護1の違いについて、説明します。  要支援2と要介護1はどんなところが違うの? では、要支援2と要介護1の違いをみていきましょう。   要介護基準時間  要介護度を決める1つの目安として、「要介護基準時間」があります。 これは、「介護に要する時間(介護の手間)」をみているものです。  介護度 時間 非該当 25分未満 要支援1 25分以上32分未満 要支援2・要介護1 32分以上50分未満 要介護2 50分以上70分未満 要介護3 70分以上90分未満 要介護4 90分以上110分未満 要介護5 110分以上  これだけみると、要支援2と要介護1の差はありません。 では、要支援2と要介護1の違いは、なんでしょうか。   要支援2と要介護1の違いはどうやって判定される?  要支援2と要介護1の違いは、「理解力の低下」と「状態が不安定」かどうかです。 主治医から「あり」と判定されると、要介護1になる可能性が高いといわれているからです。 主治医からの意見は、要介護認定に大きく影響します。 主治医からの「理解力の低下あり」と「状態が不安定」だと判断されると、要介護1になる可能性が高いのです。  「状態が不安定」というのは、病気などで状態が不安定という意味です。 6ヶ月以内に状態が大きく変わる可能性があります。 ただし、一時的な状態の変化ではなく、病気の症状や治療によって変わる可能性があるかどうかでみられます。   要支援2はどんな人?  要支援2は、介護が必要な状態まではいきませんが、なにかしらの社会的支援が必要な状態です。 運動や生活習慣の見直しによって、支援が不要な状態になるという見込みがあるからです。 たとえば、以下のような人が該当します。  ・みだしなみや居室の掃除などの身の回りの世話に何らかの介助が必要(見守りや手助け)を必要とする。  ・立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。  ・歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。  ・排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。   これに、「理解力の低下がある」が追加されると、要介護1と認定されることが多くなります。 今までできていた家事や金銭管理に、問題が出てきた状態です。  要支援2と要介護1の境界線  理解力の低下あり(or 状態が不安定)   ⇒ 要介護1 理解力の低下なし(or 状態が安定している)⇒ 要支援2 もしくは、理解力の低下がみられても、何とか自分で生活できている場合は、要支援2と認定されることが多いです。 要支援2と要介護1のサービスを利用できる額 介護度に応じて、サービスを利用できる額が違います。 ここでは、在宅で受けられるサービスでの額の違いを紹介します。  要介護度 利用限度額 自己負担額(1割負担の場合) 要支援1 50,320円 5,032円 要支援2 105,310円 10,531円 要介護1 167,650円 16,765円 要介護2 197,050円 19,705円 要介護3 270,480円 27,048円 要介護4 309,380円 30,938円 要介護5 362,170円 36,217円  また、上記のサービス利用額とは別枠のサービスがあります。  要介護1~5 特定福祉用具販売 :1年度10万円まで  住宅改修費支給  :20万円まで  居宅療養管理指導   要支援1~2 特定介護予防福祉用具販売 :1年度10万円まで  介護予防住宅改修費支給  :20万円まで  介護予防居宅療養管理指導  こちらも、所得によってかわりますが、1〜3割の自己負担で利用できます。   利用できるサービスの違い(在宅サービス) 要支援と要介護では、利用できるサービスが異なります。  自宅で利用する (訪問サービス) サービスの種類 要介護 要支援 訪問介護 〇 ×(総合事業を利用) 訪問入浴介護 〇 〇 訪問リハビリテーション 〇 〇 訪問看護 〇 〇 居宅療養管理指導 〇 〇 通って利用する(通所サービス) サービスの種類 要介護 要支援 デイサービス (通所介護) 〇 ×(総合事業を利用) デイケア (通所リハビリテーション) 〇 〇   家での暮らしを支える (福祉用具) サービスの種類 要介護 要支援   福祉用具貸与 〇 〇 特定福祉用具販売 〇 〇 住宅改修費支給 〇 〇   家で過ごすのと近い暮らしをする サービスの種類 要介護 要支援 特定施設入居者生活介護 (有料老人ホームなど) 〇 〇     短期間施設に泊まる サービスの種類 要介護 要支援 短期入所生活介護 (ショートステイ) 〇 〇 短期入所療養介護 (医療型ショートステイ) 〇 〇  要支援2では、要介護1であれば利用できる「訪問介護」と「通所介護」が利用できません。 要支援の「訪問介護」と「通所介護」は、「総合事業」に移行したからです。  「総合事業」は、正式には「介護予防・日常生活支援総合事業」といいます。 安心して高齢者が暮らしを続けられるように地域全体で支える、介護予防の取り組みです。 要介護認定を受けていない人でも、利用できます。  国が提供するサービスの「訪問介護」と「通所介護」は廃止され 自治体が提供するサービスの4つにわかれています。  総合事業(自治体が提供するサービス) ・訪問型サービス ・通所型サービス ・生活支援サービス ・一般介護予防事業  「総合事業」は自治体が提供するため、それぞれの自治体によって、サービス内容や料金が異なります。   介護保険認定の結果に納得できない時 ・「今まで要介護1だったのに、更新したら要支援2になった」 ・「新規で申請して要介護1が出ると思ったのに、要支援2だった」 ・「更新で要介護1だったが、今はもっと元気なのに」  など、介護保険認定の結果に納得できない時がありませんか? こういった場合は、「不服申し立て」ができます。  では、どうやって「不服申し立て」をすることができるのか、紹介します。   介護保険審査会に申し立て  結果に不服を感じた時は、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に申し立てを行うことができます。 方法は、口頭か文書で行うようになっています。 申し立てを申請できる期限は「認定結果の通知を受けた翌日から3ヶ月以内」と、決まっています。 期限を過ぎると、申し立てを受け付けてもらえません。  ちなみに、申し立てをしてから結果が出るまでに、少なくとも3ヶ月程度かかります。    まとめ ここまで、要支援2と要介護1の違いを紹介してきました。 ・要支援2も要介護も1も、要介護基準時間は「32分以上50分未満」。  ・要支援2と要介護1の違いは、「理解力の低下」と「状態が不安定」かどうか。  該当すれば、要介護1になることが多い。  ・要支援2は、介護が必要な状態ではないが、なにかしらの社会的支援が必要な状態。 ・介護度に応じて利用できる限度額は、要支援2では、105,310円。  要介護1では、167,650円。 ・要支援2の人は、「訪問介護」と「通所介護」は、利用できない。  自治体が提供する「総合事業」で受ける。  ・介護保険認定結果に納得できない時は、3ヶ月以内であれば、「介護保険審査会」に不服   申し立てができる。  結果が出るまでに、3ヶ月程度かかる。   要支援2と要介護1の違いを、お分かりいただけましたか? 料金の限度額や利用できるサービスが違ってきますので、頭の片隅に置いておくと良いです。 親に適切なサービスを受けさせることができるからです。 この記事を参考に、親に必要なサービスを受けてもらい、要介護状態を防いでもらえれば幸いです。

  • 介護現場のIT化とは?介護現場の現状とIT化の重要性について解説

    世間ではさまざまな分野でIT化が進んでいます。 では、介護現場ではどのようになっているのでしょうか? ここでは介護現場のIT化の現状や介護現場のIT化を進めるにはどうすれば良いかについて、現役介護職の立場からお伝えしていきます。 これからITを導入したいという方の、お力になれれば幸いです。 介護のIT化は遅れている!! 介護現場のIT化について結論から言うと、他の業種に比べて非常に遅れています。 例を挙げると、以下のような内容です。 ・記録や議事録が手書き ・事業所間の書類のやり取りが、メールではなくFAX これには、下記の理由があります。 ・パソコンに慣れていない職員が多い ・「アナログなやり方が美徳」という考えを持つ職員が多い ・情報漏洩防止の為 しかし、世の中ではIT化の進んでいる業種が数多く存在しています。 なぜ介護のIT化は遅れているのか、その理由についてお伝えしていきます。 介護のIT化が遅れている理由 では、介護現場でIT化が進んでいない理由について、詳しく確認してみましょう。 1,パソコンに慣れていない職員が多い 介護現場のIT化が遅れている理由の1つとして、パソコン操作に慣れていないということが挙げられます。 自宅にパソコンがなく、触る機会がない ・WordやExcel等の使い方が分からない という理由から、パソコンに慣れておらず、記録や議事録作成に時間を取られてしまうのです。 例えば記録であれば、同一の文章であればコピー&ペーストすれば作業時間を短縮することができます。 また議事録を手書きで作成するとなると、膨大な時間がかかりますし、途中で間違えたら訂正印を押せば可能であっても、何回も訂正印を押してしまうと、見づらくなってしまいます。 パソコンで議事録を作れば、間違っても簡単に修正できますし、早い人であればその日の内に議事録を作成することが可能です。 しかし手書きの場合、数時間かかる人もおり、それでは効率が悪いといえます。 2,「アナログなやり方が美徳」という考えを持つ職員が多い ではなぜ、膨大な時間がかかってもアナログなやり方を行うのでしょうか。 それは「昔ながらのやり方が、良い」という古い考えを持つ職員が多いからです。 というのも、介護施設の上層部は、50代から60代の年配職員が多いからです。 その職員は書類作成等の事務仕事をほとんど行ってこなかったので、パソコン操作ができないのです。 でも、新しいやり方を覚えるのが苦手なので「今までこうしてきたから、良いんだ」という考えから離れられず、結果的に時間がかかってもアナログなやり方を続けているのです。 3,情報漏洩防止の為  例えば病院から施設に入居する時、病院は施設側に患者の情報をFAXで送ります。 「メールで送った方が効率的ではないの?」と思いますよね。 しかし病院や介護施設等で使われているパソコンやデバイスは、基本的にインターネットが繋がらないシステムになっているのです。 これは個人情報の漏洩防止という点もありますが、もう1つ理由があります。 それは「双方が受け取ったかどうかを確認できる」という点です。 FAXであれば、送受信履歴が残るので、お互い受け取ったかどうか分かります。 しかしメールの場合、アドレスによっては迷惑メールのフォルダに入ってしまう可能性があるので、確認できないのです。 なので、事業者間のやり取りは、FAXが主流になっているのです。 IT化を進めるにはどうすれば良いか 上記で、介護のIT化がなぜ遅れているのかについてお伝えしてきました。 ここからは、介護のIT化を進めるにはどうすれば良いか、その方法について紹介していきます。 やり方としては以下の通りになります。 ・介護業務の中で、時間がかかっているものは何か。   それをIT化で改善できないか分析する ・IT化を進めると、介護職員にとってどのようなメリットがあるのか理解してもらう ・誰でもパソコンやデバイスを使えるようにする、やり方や環境設定を行う では、それぞれの項目について詳しくお伝えしていきます。 1,介護業務の中で時間がかかっているものをIT化で改善できないか分析する 介護現場でIT化を進めようと考えたら、まず「今の介護業務」に着目しましょう。 介護職員が、何に時間がかかっているのかを把握します。 例を挙げると ・記録や議事録作成 ・巡視 ・入居者の情報収集 等があります。 多くの介護施設で時間がかかると感じているのは「記録や議事録作成」ですよね。 おすすめなのが「ほのぼの」というソフトウェアです。 ほのぼのは、介護記録や介護保険だけでなく、障がい福祉や財務、給与計算など幅広く活用できます。 またタイピングが苦手という人でも音声入力に対応しているので扱いやすいです。 2,IT化を進めることのメリットについて理解してもらう いくらパソコンを用意してソフトを入れたとしても、介護職員が使わなければ意味がありません。 介護現場のIT化を進める前に、現場で働く介護職員にメリットを伝えましょう。 ・パソコンで記録や議事録を作成することで、時間短縮にもなる。 ・数十人いる入居者や利用者の情報の中から、見たい情報だけを選んで確認することができる 等、具体的な例を交えて説明することで、納得する確率が高くなります。 3.誰でもパソコンやデバイスを使えるようにやり方や環境設定を行う メリットを伝えて介護職員がやる気になっても、やり方が分からなかったり、パソコンを使える環境が整っていないと、使いづらくなってしまいます。 また年配の職員の中には、「パソコン触らないから分からない」と使うのに消極的な人もいます。 そのような方でも使えるように以下の対応が必要です。 ・タイピングだけでなく、音声入力もできるよう設定する ・パソコンはステーションなど、誰でも使えるところに設置する  (事務所だと、職員によっては入りづらいと感じる人がいるので) IT化によって業務の負担が軽減した例を紹介 ここからは、IT化で作業時間の短縮や離職者が減った例について紹介していきます。 山形県酒田市にある「イデアルファーロ」という事業所では、情報共有が難しく、指示がいき渡りにくいという課題がありました。 事業所には訪問介護に従事する職員もいるのですが、利用者の情報を得るには本部まで行かなければならず、それが効率化を阻んでいました。 また以下のような事態が起こり、離職者も多いくなってしまったのです。 ・情報が次々に継ぎ足され、特定部署の人しか情報が分からない ・若手の職員が情報を把握しきれない そこで2017年に社内対話用にスマホから入力できるチャットツールを導入しました。 また書類や利用者の情報を本部のサーバーではなく、インターネット経由でいつでもどこでも閲覧できるクラウド上で共有できるようにしました。 これにより介護職員の移動時間が短縮されただけでなく、外出先でも書類を確認・作成できるようになった為、印刷費用も10分の1になったのです。 さらに業務上のストレスも少なくなったことで離職者が減り、人手不足も軽減されたそうです。 このように、IT化を進めることで人手不足も解消される例も数多く存在しています。 まとめ いかがでしょうか。 この記事では、以下のことについてお伝えしてきました。 ・介護現場のIT化は他業種に比べて非常に遅れている。 ・理由として「パソコンに慣れていない職員が多い」「アナログなやり方が美徳な考え方がある」「情報漏洩防止の為、メールではなくFAXを使わざるをえない」 IT化を進める方法 ・介護業務の中で何に一番時間がかかっているのか分析し、ITで改善できないか考える ・介護職員に、IT導入によるメリットを具体的に伝える ・介護職員が、パソコンやデバイスを使えるよう、使用方法を工夫したり、いつでも使える場所に配置する 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 経験者だからわかる良い介護施設の選び方とは?職員や施設の内情のチェック方法を解説!

    そろそろ家族を介護施設へと検討している人向けに、介護施設での勤務経験者が教える、良い介護施設の特徴や、選び方についてお伝えしていきます。 介護施設勤務経験者が伝える良い介護施設の見分け方 ではどのようなことに気を付けて良い施設を見つければよいのか、そのポイントについてご紹介します。 1,入居者の身だしなみが整っている ここでいう身だしなみとは以下の事柄を指します。 ・髭が剃られている ・髪が整えられている ・服が汚れていない、皺が寄ってくちゃくちゃになっていないできちんと着られている 介護施設の場合、朝方は特に忙しいです。 数人の高齢者を介護職員1人で起こさなければなりません。 1人の着替えや更衣を行いながら、他の入居者から呼ばれたら対応しなければいけないので、バタバタします。 そんな忙しい中でも、整容を心掛けることができる介護職員がいる施設は、良い介護施設の特徴の1つです。 2,どんな人にも挨拶をする ブラックな介護施設の特徴として以下のことが挙げられることが多いです。 ・職員の表情に覇気がない ・疲れ切っている ・職員の身だしなみが整えられていない 良い介護職員の特徴としては「誰にでも挨拶をする」ことが挙げられます。 介護施設にはリネン業者や清掃業者など外部の業者も出入りしていますので、外部の方と接触する機会が案外多いものなのです。 しかし、介護職員の中には、家族には挨拶をするけれど外部の業者には挨拶をしないという人が多いです。 なぜなら「外部の業者にまで挨拶をする、精神的な余裕がない」からです。 良い介護職員は、外部の業者に会ったら挨拶して会釈します。 これは「誰にでも挨拶をする」という考えもあるのですが、もう1つ理由があります。 それは「外部の業者がどんな人なのか」を把握しておくためです。 清掃業者は、入居者や利用者の居室に入り掃除をすることがあります。 居室には入居者や利用者の私物があり、高価な物が置かれている場合もあるのです。 「清掃業者が居室の掃除をしているフリをして、物を盗んだ」ということも起こりえます。 なので良い介護職員はこうした防犯上の理由から、外部の業者にも挨拶し、どんな人が出入りしているのかを把握しているのです。 3,整理整頓されている これは介護施設に限らずどこの職場においても共通されていることですが、整理整頓は、仕事を効率的に進めるにあたって、必要不可欠です。 介護施設の場合は多くの物があります 物が散らかっているとどこに何があるのか探すだけで時間がかかるだけでなく、無くなったものが書類や薬などだと大きな問題になってしまいます。 しかし、日中は入居者や利用者の対応をしなければいけないので、整理整頓をするのは難しいです。 そのため夜勤の空いている時間に整理整頓をしたり、薬や書類を必要な場所に保管するといった作業を行うことが多いです。 もし介護施設を見学する機会があれば、入居者や利用者が集まる食堂の様子を見ることをおすすめします。 以下のような施設は要注意です。 ・入居者や利用者の塗り絵や貼り絵が無造作に置かれている ・通いで来ている利用者の連絡帳が適切な場所に置かれていない ・薬が出しっぱなしである 4.換気がされている 新型コロナウイルスが流行し始めてから注目され始めたのが「換気」です。 介護施設ではコロナが流行る前から「標準予防策」として、換気や消毒が日常的に行われています。 良い介護施設が行っている換気方法としては以下のようなものがあります。 ・入居者や利用者が食堂にいるときに、居室の窓を開けて換気をしている。 ・居室に戻る少し前に窓を閉め、その日の気温に合わせて温度を調節している。 ・居室で寝たきりの人は入浴に行っている間に窓を開け、入浴から戻ってくる少し前に窓を閉めている。 この方法は、介護職員にとっては「手間」です。 しかし換気を行わないと居室に匂いがこもってしまうため、入居者や利用者が不快な思いをするだけでなく、体調不良等何かあったときに、介護職員が気づきにくいことがあるのです。 5,介護施設にいるどの職種の人も、爪が切られている 「なぜ爪?」と思う人もいるかもしれません。 介護施設では介護職員や看護師だけでなく、ケアマネジャーや事務職の人も入居者や利用者と関わります。 爪が伸びていると入居者や利用者の皮膚を引っ掻いてしまい、ケガをさせてしまう可能性があるのです。 「家族を介護施設に利用させたい」と考えているのであれば、現場の職員だけでなく事務職の爪もさりげなく確認しましょう。 爪が切りそろえられていれば、入居者や利用者と関わっても安心な、良い介護施設であると言えます。 良い介護施設を見分けるにはどうすれば良いか ここまで、良い介護施設の特徴についてお伝えしてきました。 しかし、「良い介護施設を見分けるにはどうすれば良いか」「見学に行く時間もそんなに取れない」と悩む人も多いのではないでしょうか。 ここからは良い介護施設を見分ける方法について3つのポイントを紹介していきます。 1,利用する本人や家族にとって「何を最優先にするか」を明確にしておく 良い介護施設を見分けるに当たってまずやるべきことは、「何を最優先にするか」をはっきりとしておくことです。 ・本人が介護が必要になり、日中見てくれるところであればどこでも良い ・自宅から近く、何かあれば駆けつけられる ・送迎の時間を柔軟に対応してくれる ・緊急の泊まりにも対応してくれる 等、在宅介護において本人や家族の生活上、介護施設に何を求めているかは各家庭によって異なります。 ケアマネジャーに要望を伝えやすくする為にも、「その介護施設に何を1番求めるか」を明確にしておきましょう。 2,複数の施設を候補として挙げておく 介護施設を利用すると決めたら、複数の介護施設を候補として挙げましょう。 この時注意してもらいたいのは「ネットの評判や口コミ情報はあてにならない」ということです。 介護施設を探すときに最も良く使われる手段はネットです。 その介護施設の評価を投稿できるサイトも数多くありますが、悪評が多くなりがちです。 例えば利用している本人が「泊まったときに何回も呼んだけれど、来てくれなかった」と家族に言ったとします。 この言葉だけ聞くと、「なんて対応の悪い介護施設だ」と思いますよね。 しかし実際は数分おきに何てこと無い用事で呼び、その内の1回のことを言っていたのであれば、どうでしょうか。 誰だって仕事中に何回も呼ばれたら、嫌になってしまいます。 このようにネットで書かれている評判の多くは個人の一方的な意見なので、あまり参考にしないことをおすすめします。 3,質問に対し、分かりやすく説明してくれるか ・泊まるときに何が必要か、持っていって悪いものは何か ・利用料金はどの程度かかるのか 等の質問に対し、介護施設側が家族側に説明する場面があります。 その時、専門用語を使わずに一般的な言葉で説明してくれる職員であれば、良い介護施設であると言えます。 「施設側でもケガや転倒がないように最善は尽くしますが、夜間は職員が少なく、対応しきれない場合もあります。その点ご理解頂けると幸いです」等と、予めデメリットも家族側に伝える施設であれば尚良いです。 介護施設側にとって、デメリットを伝えるということは「施設の欠点を伝える」ことになります。 しかしこうした欠点を伝え、かつ「もし○○ということが起きた場合△△という対応を取らせていただきます」と介護施設側から説明を受けていればもし利用中に何かあっても、安心です。 施設見学のときに質問できる機会があったら、デメリットについても聞いてみましょう。 まとめ 良い介護施設のポイント ・入居者や利用者の身だしなみが整えられている ・職員が家族だけでなく、外部の業者にも挨拶をする ・食堂や居室が整理整頓されている ・換気がされている ・介護職員だけでなく、事務職も爪が切りそろえられている 良い介護施設を見分ける特徴 ・「介護施設に何を求めるか」を明確にする ・選ぶときは事前に複数候補として挙げる。介護施設の評判サイトは個人的意見が強いので当てにしない ・デメリットについても説明してくれるかどうか確認する     最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 特定施設に入居すると何がどう変わるの!?特徴やメリット・デメリットをご紹介!

    介護サービスを必要とする高齢者が安心して生活を送るために重要な「特定施設」。 今回は、特定施設の特徴メリット・デメリットを紹介します。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、特定施設の入居者が受けられる介護保険サービスです。 入居者はサービスを受けるために、毎月利用料を支払う必要があります。 特定施設入居者生活介護には、「一般型」と「外部サービス利用型」の2種類があります。 一般型は、特定施設の事業者が介護サービスをすべて提供するものです。 外部サービス利用型は、マネジメントは事業者が行い、介護サービスは外部に委託します。 入居者が自立した生活ができるよう、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて介護サービスを提供します。 他にも、身体機能の回復を目的としたリハビリテーションなどの機能訓練家事や食事などの日常生活上の支援サービスを行います。 特定施設の入居対象 下の表に、特定施設の種類とそれぞれの入居対象に必要な条件を記載しています。 都道府県の指定種別 入居対象 特定施設入居者生活介護 介護専用型 要介護1〜5 特定施設入居者生活介護 混合型 自立・要支援1〜2、要介護1〜5 地域密着型特定施設入居者生活介護 同市区町村に住民票があり要介護1以上 介護予防特定施設入居者生活介護 要支援1〜2 出典:学研ココファン 特定施設には、「介護専用型」「混合型」「地域密着型」「介護予防型」の4種類があります。 混合型と介護予防型は、高齢者の入居施設の中でも要支援の方でも利用できる施設です。 都道府県からどの指定を受けているかによって、それぞれ入居対象者が異なります。 「要介護」や「要支援」は、介護をどのくらい必要とするかを7段階で表す要介護度状態区分で、以下の表のように区分されます。 介護度 状態 要支援1 家事などの身の回りの世話の一部に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に一部の介助を必要とすることがある。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 要支援2 家事や整容などの身の回りの世話に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 要介護1 家事や整容などの身の回りの世話に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 混乱や理解の低下が見られることがある。 要介護2 家事や整容などの身の回りの世話全般に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事に見守りや手助けを必要とすることがある。 混乱や理解の低下が見られることがある。 要介護3 家事や整容などの身の回りの世話をひとりで行えない。 立つ、歩くなどの動作をひとりで行えない。 排泄がひとりで行えない。 認知機能の低下が見られることがある。 要介護4 家事や整容などの身の回りの世話がほとんどできない。 立つ、歩くなどの動作がほとんどできない。 排泄がほとんどできない。 認知機能の低下が見られることがある。 要介護5 家事や整容などの身の回りの世話ができない。 立つ、歩くなどの動作ができない。 排泄や食事ができない。 認知機能の低下が見られることがある。 出典:パナソニックのエイジフリー 要支援1は、生活する上で見守りや一部の介助を必要とする方、要介護5は、ほぼ寝たきりの方と言えます。 介護度は、身体的な面だけではなく、認知機能や不安症状などの内面的、精神的な面も影響します。 特定施設に該当する施設 特定施設に該当する施設は以下の4つです。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(一部のみ) ケアハウス(経費老人ホーム) 養護老人ホーム 特定施設それぞれの特徴と、どのような人におすすめであるか解説します。 有料老人ホーム 有料老人ホームは、高齢者が心身の健康を維持しながら生活できるように配慮された住宅です。 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 主に要介護者向けの「介護付き」 自立から要介護者まで入居可能な「住宅型」 自立している方対象の「健康型」 食事、家事援助、介護、健康管理などのサービスを受けられます。 どのような高齢者におすすめ? 有料老人ホームは、共有スペースを設けている場合も多く、他者とコミュニケーションを取りたい人に向いている施設です。 レクリエーションなど他の入居者との交流の場が設けられるため、孤独を感じることなく生活できることが魅力です。 新しい人との繋がりも期待できます。 参考となる有料老人ホームはこちら サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サ高住は、国土交通省・厚生労働省が所管する施設であり、バリアフリー設計で、高齢者が安心して住める環境が整っていることが魅力です。 施設によっては、日常の外出や買い物、旅行など自由な生活を送ることができます。 どのような高齢者におすすめ? サ高住は、一人で暮らすことに不安のある人、自宅と変わらない生活を送りたい人に向いている施設です。 家族や友人との外出や外泊などに関するルールが少なく、施設に入居しても家族や友人との関わりも十分に確保できます。 家族や友人との時間も大切にしたい人に最適です。 参考となるサ高住はこちら ケアハウス ケアハウスは、自治体の助成を受けて運営されている経費老人ホームであり、「自立型」と「介護型」の2種類があります。 「自立型」のケアハウスは60歳以上で、家族による支援が受けられない高齢者が対象となります。 また、介護が必要になると外部の事業者との契約が必要です。 「介護型」のケアハウスは、常駐する介護スタッフから食事・入浴・排泄などのサービスが受けられます。 どのような高齢者におすすめ? ケアハウスは、一人暮らしに不安があり費用を抑えて生活を送りたい人向けの施設です。 ケアハウスは自治体の助成を受けているため、比較的安価で入居できることが魅力です。 参考となるケアハウスはこちら 養護老人ホーム 養護老人ホームは、精神的・経済的な理由で在宅生活が困難な高齢者の社会復帰を促す施設です。 入居基準は自立している高齢者で、自治体による調査と判定が必要となります。 長期的な利用はできず、自立した生活が送れるようになると退去します。 どのような高齢者におすすめ? 収入がない、身寄りがいないなどの不安を抱えている高齢者に向いている施設です。 生活費は公費で賄われるため、費用面の負担も少なく、一時的に入居したいと考えている方に最適です。 参考になる養護老人ホームはこちら 特定施設に入居するとどう変わる? では、特定施設に入居するとどのような変化があるのでしょうか? 特定施設のメリット、デメリット 特定施設のメリットは以下の通りです。 毎月定額で介護サービスを利用できる。 施設によっては、一人暮らしと変わらない自由な生活を送ることができる。 24時間365日、身体介護や生活支援等の介護サービスを受けられる。 入居者に合わせた介護計画を立ててもらえる。 病気の進行や老化によって介護度が上がっても、継続して入居できる。 特定施設のデメリットは以下のことが考えられます。 外部のサービスを受けられなくなる。 毎月定額のため、自立しているなど介護度が低いと割高になる場合がある。 特定施設に入居すること 特定施設のメリットやデメリットを踏まえ、特定施設に入居するとどう変わるのか説明します。 家族と生活したり住み慣れた環境で暮らしていた高齢者が、突然知らない方たちと生活することは簡単なことではありません。 近くに家族がいないことや共同生活でのルールなど、不安は付き物です。 しかし、特定施設は人員基準により人員の配置が整っています。 看護や介護の専門スタッフが揃っており、日常生活をより安心して過ごせることが特徴です。 24時間の介護サービスも受けられるため、緊急時にも対応してもらえます。 入居者も家族も安心できる環境であることが特定施設の魅力です。 まとめ 今回は、特定施設の特徴や、メリット・デメリットについてお伝えしました。 利用者の介護度に応じて入居可能な特定施設が異なる。 特定施設には、有料老人ホーム、サ高住、ケアハウス、養護老人ホームの4種類がある。 特定施設は、24時間介護サービスを受けられるため長期的な入居が可能である。 特定施設に入居すると、入居者も家族も安心して生活できる。 最後までご覧くださり、ありがとうございます。  

  • ケアマネの適正担当者数は?居宅と施設の業務内容違いを解説

    高齢化率が上昇している日本において、ケアマネの役割はますます重要になってきています。 2022年9月に総務省が発表した、日本の総人口における高齢者(65歳以上)の割合は29.1%です。 これはざっくり言うと10人に3人は高齢者ということです。 しかし、ケアマネの受験者数は年々減少しています。 これには「業務負担の増加」「やらなければならない業務が多く負担が大きい」「対価が低い」などの理由が挙げられます。 これらについて1つ1つ見ていきましょう。 ケアマネって何をする人? そもそもケアマネの業務には以下のようなものがあります。 ・状態の把握 ・課題の抽出 ・利用者、家族からの聞き取り ・ケアプランの作成 ・担当者会議の開催 ケアマネの業務を進める中で、他職種の専門的な意見を聞いたりすることも重要です。 リハビリが必要な利用者であれば理学療法士や作業療法士、または言語聴覚士といったリハビリの専門家、医療的なケアが必要であれば医師や看護師などです。 デイサービスや訪問介護、福祉用具等々それぞれの専門家に意見を募ることができれば、多角的な視点でより良いケアプランが作成できる可能性も高まります。  居宅と施設で違いがあるものの、どちらのケアマネもメイン業務は利用者の困りごとを解決していくことだといえます。 ただ、居宅ケアマネと施設ケアマネでは業務内容には違いがあります。  居宅ケアマネの業務             新たな利用者への居宅ケアマネの最初の仕事は、利用者宅を訪問して面談し、アセスメントを取ることです。 その上で、困りごとや課題を抽出し、ケアプランの原案を作成します。 そして担当者会議を開催といった流れがオーソドックスでしょう。 そこで出た意見を検討し、必要であればプランを修正、その後にモニタリング(当初のケアプランを継続してもよいか、それとも変更の必要があるかの確認・検討を行うこと)を行っていきます。  また、その他で居宅ケアマネで重要なことは「介護度に応じて設定されている『区分支給限度額(介護保険では介護度に応じて給付される上限額が決まっておりその限度額のこと)』を越えないように、月のサービス利用状況を把握すること」です。 限度額を超えると介護保険は利用できず、自費で支払いを行わなくてはならなくなってしまいますので、充分気を付けなくてはいけません。 施設ケアマネの業務 施設ケアマネは、その施設で過ごされる方のプランを作成します。 利用者宅の訪問がない他は、居宅ケアマネと流れは一緒です。 流れは一緒とはいえ、自宅と施設では環境面で大きな違いがあるため、同一の利用者の方でも在宅か施設課で大きくケアプランは変わってくるでしょう。 また、施設ケアマネは人手が足りないときには介護職の手伝いをしたり、夜勤に入ったりするというケースも見聞きします。 生活相談員のヘルプをしている施設もあります。 そういった中で、ケアプランを立案・作成し、担当者会議を開催していくことになります。 さらに毎月のモニタリング等々の業務があるというわけです。  ケアマネの担当件数は何件まで? これらの業務をこなしながら、ケアマネ一人当たりが受け持てる件数はどれくらいなのでしょうか。  居宅ケアマネについては、その事業所がICT(業務の効率化を図るためにコンピュータ技術を活用すること)を導入しているかどうかで変わってきます。 ・居宅ケアマネ(ICTを導入している場合)➡44件まで ・居宅ケアマネ(ICTを導入していない場合)➡39件まで ・施設ケアマネ➡99件まで  ただし、上記を越える件数を受け持ってはいけないわけではありません。 1件当たりの報酬は減額されてしまいますが、受け持つこと自体は可能です。 なお、要支援の利用者は2件で要介護1件相当という計算になります。  ところで、居宅ケアマネと施設ケアマネで担当件数が大きく違うのはなぜでしょうか。 居宅ケアマネは、利用者の自宅はもちろんのこと、これから利用するかもしれないデイサービスの見学や、入院している利用者様の状態把握のために病院に行ったり、カンファレンスに呼ばれることもあります。 そのため、各事業所や役所、病院、地域包括支援センターなどの関係機関を訪問する機会も多く、面談や移動などにも多くの時間を割かなければなりません。  それに対し、施設ケアマネは多くの業務が施設内で完結できますので、その分、対応可能な件数も多く設定されています。  ケアマネの適正な担当件数は? 1人のケアマネで99人の利用者を受け持つことが可能なのでしょうか。 可能だとしても、それが利用者のためだといえるのでしょうか。 この点では疑問を感じざるを得ません。 それは居宅ケアマネでも施設ケアマネでも同様です。 1ヵ月の稼働時間の中で、39人ないし44人、もしくは100人の利用者を担当し、ケアプランを作成し、加えて担当者会議を行わなくてはいけません。 その他にも、入退院の調整が必要な場合もあるでしょうし、居宅ケアマネは要介護の方には訪問してモニタリングを行わなくてはなりません。 また、事業所の見学に行くこともあれば、家族と話し合うこともあるでしょう。 加えて研修があったり、管理者であれば事業所内での問題の解決にも当たる必要があります。 当然ケアマネとしては利用者の状態を把握していなければなりません。 つまり、常時40人以上の利用者の状態を把握しておくということですが、利用者ご本人からは大きな変化がないと連絡をくれないケースも多々あります。 それを考えると、担当件数ギリギリまで受け持つのは好ましいとはいえないでしょう。  ケアマネの担当件数は年々増加傾向 しかし、ケアマネ1人当たりの担当件数は年々増加傾向にあります。  担当可能件数ギリギリまで受け持つかどうかは、事業所の方針によるところも大きいので、ケアマネ業務を考えている方は必ず確認しておくとよいでしょう。  担当件数が増加しているのは次のような要因が考えられます。 ①     高齢者の増加 ②     ケアマネが不足している ③     待遇が改善されない  介護保険を利用する方が増加している昨今、ケアプランを作成するケアマネの人数も増加しなければ、1人当たりが受け持つ人数も増加していくのは必然です。  しかし、冒頭で触れたようにケアマネの受験者数は年々減少傾向です。 2018年には前年に比べて、なんと6割以上も受験者が減少するという衝撃的な数字でした。 ケアマネの報酬は適切なのか? この原因は、1つにはケアマネの業務内容と報酬が釣り合っていないからだと言われています。  介護職に対する処遇改善は進んでいますが、ケアマネについては責任の大きさの割にはそういった恩恵が少なく、待遇面に満足できないという方が多くいます。 一時期は介護職の待遇が社会的にも問題となっていましたが、今はケアマネの社会的な評価の低さが問題視されるようになってきています。 そのためケアマネを志す人も少なく、また現在ケアマネ業務に従事していても、離れて行ってしまう方も多くなってきています。 現在はケアマネの待遇改善を望む声も多くなりました。  まとめ 最後に今回の記事の要点をまとめます。  ・ケアマネの業務は多岐にわたるが、メインは利用者の困りごとを解決するケアプランを作成すること ・居宅と施設ではケアマネの業務には大きな違いがある ・ケアマネ1人当たりの担当件数は以下のとおり ①     ICT活用居宅事業所は44件 ②     ICT未活用居宅事業所は39件 ③     施設ケアマネは99件  これ以上担当することも可能だが、1件当たりの報酬が減額される ・担当件数ギリギリまで受け持つと、業務が回らなくなる恐れがある ・ケアマネを志望する人は減少傾向 ・ケアマネの待遇改善が求められている ・実際に何人を受け持つかは、最終的には事業所の判断になる  ケアマネは資格を取るにも、また更新時も長時間の研修が必要になります。 利用者・ご家族と向き合って問題を解決していくチームの中心者ともいうべき役割といえるでしょう。 責任が重い分、やりがいのある仕事です。 それだけに1人1人の利用者に丁寧に対応していくためにも、適切な担当件数で働ける事業所を選択するのも一つの手段です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな施設?特徴や有料老人ホームとの違いを解説!

    一人で生活することが難しい高齢者をサポートする住宅が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。 今回は、サ高住の特徴や有料老人ホームとの違いを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅の特徴は? サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、国土交通省が管轄する賃貸住宅であり、「一般型」と「介護型」の2種類があります。 一般型のサ高住は、日中は介護スタッフが常駐、夜間は緊急通報システムが整備されています。 また、介護サービスが必要な場合、外部のサービスを利用しなければなりません。 そのため、要介護度が高くなると退去になる可能性があります。 一方、介護型のサ高住は、介護度に関係なく入居可能です。 施設には、看護師が常駐、介護スタッフは24時間常駐しており、さまざまなサービスを受けられます。 特に、安否確認サービス、生活支援サービスが特徴です。 安否確認サービスは、介護スタッフが定期的に各居室を巡回し安否の確認をします。 体調不良や転落、転倒などの急なトラブルにも対応でき、必要に応じて医療機関との連携を図ります。 生活支援サービスは、身の回りの介助を必要とする方に入浴や食事、買い物などのサービスを 提供することです。 自立している方から介護を必要とする方まで、自宅とほぼ変わらない生活ができます。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や施設内容 次に、サ高住の入居条件や施設内容を解説します。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サ高住は、60歳以上の高齢者、または60歳未満で要介護者認定を受けた方が入居の対象となります。 配偶者や60歳以上の親族、要介護者認定を受けている方、特別な理由があると知事に認められた方であれば同居することも可能です。 ほとんどの施設では、連帯保証人・身元引受人が必要となります。 また、認知症ではない、感染症を持っていないなど独自の条件を設けている施設もあります。 サービス付き高齢者向け住宅の施設内容 サ高住の居室には、以下のようなポイントがあります。 各居住部分の床面積が最低18平方メートル、原則25平方メートル以上 キッチン、水洗トイレ、クローゼット、洗面設備、浴室が完備 段差がなく、手すりなどが設置されたバリアフリー設計 バリアフリー設計の広々とした居室であるため、高齢者の一人暮らしでも安心です。 自宅と同じように自分で料理や入浴をすることができます。 また、サ高住には共有スペースである入浴施設やカラオケルーム、レストランなどを設けている施設もあります。 レストランでの食事やカラオケなどのレクリエーションを行うことで、入居者同士で交流の機会を持つことも可能です。 レクリエーションや入居者同士のコミュニケーションは、認知機能や身体機能の低下を防ぐ役割を果たします。 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 また、サ高住には人員配置の基準があります。 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員 医師 看護師 介護福祉士やヘルパー2級以上の資格を持つスタッフ 介護支援専門員 以上のいずれかの者が日中に常駐しなければいけません。 医師や看護師が在籍する施設もあり、医療ケアが必要な方でも入居可能な施設があります。 施設内には専門の知識を持つスタッフがいるため安心です。 サービス付き高齢者向け住宅の費用は? 下の表は、サ高住の「一般型」と「介護型」それぞれの費用をまとめています。 一般型 介護型 契約形態 賃貸借契約 利用権契約 月額費用 約5万〜25万円 (家賃、管理費) 約15万〜40万円 (家賃、管理費、食費) サ高住の費用は、「一般型」と「介護型」で異なります。 一般型のサ高住は賃貸借契約であり、初期費用として敷金や保証金が必要となる場合があります。 一方、介護型のサ高住は、入居時に一時金を支払う利用権契約です。 そのため、初期費用は一時金として数十万円から数百万かかることもあります。 また、月額費用は一般型よりも高額です。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは? 下の表では、サ高住と有料老人ホームの特徴をまとめています。 サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 入居条件 60歳以上または 介護者認定を受けた60歳未満 自立または軽度の要介護の60歳以上 サービス内容 安否確認、生活支援全般 食事提供、レクリエーション 自由度 低い 高い 管轄 国土交通省 厚生労働省   有料老人ホームは自立か軽度の要介護者が対象ですが、サ高住は介護度の高さに関係なく入居できます。 有料老人ホームのサービス内容は、食事の提供やレクリエーション活動がメインです。 サ高住のサービス内容には、安否確認や、入浴、食事、買い物など生活支援全般が含まれます。 サ高住は外出や外泊に関するルールがほとんどないため、自由度が高いです。 一方、有料老人ホームは、外出などには制限があり自由度は低くなります。 また、サ高住は国土交通省が管轄する賃貸住宅で、有料老人ホームは厚生労働省が管轄する介護施設です。 サービス付き高齢者向け住宅のメリット、デメリット サ高住のメリットは以下の通りです。 入浴や食事、買い物など必要に応じてサービスを受けられます。 バリアフリー設計であり、高齢者も生活しやすい環境です。 外泊や来客などの制限が緩く、自宅と変わらない生活ができます。 高齢者でも簡単に契約ができ、安心して一人暮らしができます。 日中は看護師や介護スタッフが常駐しているため、緊急時も安心です。 サ高住のデメリットは以下のことが考えられます。 入浴や食事は共用の住宅もあり、ストレスを感じることがあります。 住宅によって、夜間は専門スタッフがいない場合もあります。 賃貸住宅であるため、連帯保証人が必要です。 介護度の高さによっては、転居しなくてはいけない場合もあります。 まとめ 最後までご覧くださりありがとうございます。 今回は、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や有料老人ホームとの違いについてお伝えしました。 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーであり安否確認や生活支援を受けられる賃貸住宅である。 サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者と介護者認定を受けた60歳未満の方が入居可能である。 サービス付き高齢者向け住宅の入居は自由度が高く自宅と変わらない生活を送れるものである。 住宅の種類によって、常駐するスタッフが異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 介護の仕事の魅力とは?介護職に向いている人や働く方法をご紹介!

    高齢化社会が進む日本において重要になっている介護職ですが、まだまだ魅力が知られていません。 今回は、介護現場で働きたくなる介護職の魅力を紹介します。 介護職の魅力は? 介護職の魅力は、主に以下の5つがあります。 感謝される 性別や年齢に関係なく働ける 人間性を活かせる 職を失うリスクが低い キャリアアップがしやすい 約3年間介護職として働いた筆者の経験をもとに、5つのポイントを詳しく紹介します。 感謝される 介護職の魅力1つ目は「感謝される」ことです。 利用者である「人」に対してサービスを提供する仕事であるため、直接言葉で感謝される機会が多くあります。 「ありがとう」「助かったよ」と感謝の言葉を聞くと、モチベーションや、やりがいに繋がるものです。 介護を必要とする方は、一人で過ごす時間が多くなるため、介護職のスタッフが時間を共にする時間が増え、感謝される機会も増えます。 また、利用者以外に、家族など身内からも感謝されることも多いです。 実際、利用者が亡くなった後に、家族から「介護士の皆さんには良くしてもらっていると喜んでいました」という言葉をいただくこともあります。 家族の負担を減らすことも、介護において重要な仕事です。 性別や年齢に関係なく働ける 介護職の魅力2つ目は「性別や年齢に関係なく働ける」ことです。 基本的な介助の方法を身につければ、どなたでも介護職として働けます。 若者の体力や活気さ、中年者の経験からわかる介助方法など、年齢も性別も問いません。 お互いの足りないところを補いながら働けます。 また、さまざまな症状や病気を持つ利用者をサポートするためには、情報共有や話し合いが必須です。 介護現場では、介護スタッフが勤務時間で入れ替わるたび、利用者の状況を申し送る場が設けられます。 一人ひとりの利用者に合わせたケアを行うために、知識や経験だけではなく、利用者の立場になって考えなければいけないこともあります。 介護士同士で考えを出し合って協力することが最も重要であるため、性別や年齢は関係ありません。 人間性を活かせる 介護職の魅力3つ目は「人間性を活かせる」ことです。 介護職は、利用者とのコミュニケーションや信頼関係も重要になります。 そのため、人との関わりが好きな方や、思いやりの気持ちを大切にしたい方には最適な仕事です。 利用者は、スムーズにコミュニケーションが取れる方ばかりではありません。 認知症や精神的な疾患を持っている方に対しても丁寧な対応が必要です。 介護を受ける側の気持ちを汲み取れる優しさがある方は、十分に能力を発揮できます。 職を失うリスクが低い 介護職の魅力4つ目は「職を失うリスクが低い」ことです。 高齢化が進む日本では、ますます高齢者が増えて介護職の需要も高まります。 また、機械化が進む社会であっても、ロボットなどにより介護士の体力仕事は減るでしょう。 しかし、コミュニケーションや人間にしかできない繊細なケアの需要は失われません。 そのため、介護職は将来性のある仕事と言えます。 また、介護職は働く場所を選ばないことも大きなポイントです。 人が住んでいる地域であれば、利用者が住む家に訪問してお手伝いをする介護施設で勤務するなど、必ず介護スタッフが必要となります。 家庭の事情などで働く地域が変わったとしても、介護の仕事を見つけられます。 キャリアアップがしやすい 介護職の魅力5つ目は「キャリアアップがしやすい」ことです。 一般的には、男性の方がキャリアアップしやすいと言われていますが、介護現場では女性の割合が多くなります。 性別問わず、やる気があればキャリアアップできる環境です。 介護福祉士(国家資格)や、介護支援専門員(現在は公的資格ですが将来的には国家資格へとの声も多い)になるための資格を取得するサポートを行う会社も多いです。 また、資格手当を支給する会社もあるため、給与のアップも期待できます。 給与が上がれば、さらに仕事のモチベーションもアップし、良いことづくしです。 また、介護現場では、勤務時間も柔軟に対応可能です。 24時間365日介護スタッフを必要とする高齢者施設は多くあります。 そのため、正社員、パート、派遣、ダブルワークなどさまざまな仕事形態が存在します。 家事や育児、介護などのライフスタイルの変化に合わせて勤務時間を選べることが大きな魅力です。 介護職に向いている人は? 次に、介護職に向いている人の特徴を説明します。 人と接することが好きな人 お手伝いをすることが好きな人 思いやりがある人 身体が健康である人 主に、以上の4つがあります。 人と接することが好きな人 介護職に向いている人の特徴の1つ目は、「人と接することが好きな人」です。 介護職は、お客様は介護を必要とする「人」であり、コミュニケーションは欠かせない仕事です。 また、介護スタッフ同士での協力も必要な仕事であるため、人と接する場面が多くなります。 お手伝いをすることが好きな人 介護職に向いている人の特徴の2つ目は、「お手伝いをすることが好きな人」です。 介護職の仕事は、家事などの生活に関する介助、食事や入浴などの身体的な介助が主になります。 あくまでも自立に向けた介助が好ましく「できない部分を補う」ことが重要なため、困っている人を助けることが好きな人が向いている仕事です。 思いやりがある人 介護職に向いている人の特徴の3つ目は、「思いやりがある人」です。 介護サービスを提供する人は、人生の先輩である高齢者です。 言葉遣いはもちろん、相手がどう感じるかを考えてサービスを提供しなければなりません。 また、認知機能の低下が見られる利用者も多いため、相手の意思や要求に気付ける思いやりが重要です。 身体が健康である人 介護職に向いている人の特徴の4つ目は、「身体が健康である人」です。 介護職は、入浴介助などの体力仕事も多く、身体が資本となります。 また、日勤以外にも夜勤などの勤務形態があり、生活リズムが不規則になります。 そのため、健康や体力に自信のある人が向いていると言えます。 介護職として働くには? 介護職として働くためには、資格が必要です。 介護に関わる資格は、主に以下の4種類があります。 介護職員初任者研修 介護福祉士実務者研修 介護福祉士 介護支援専門員(ケアマネジャー) 次は、4つの資格をそれぞれ解説します。 介護職員初任者研修 介護職員初任者研修は、介護の基礎知識やスキルがあることを証明する資格です。 採用時に有利であり、介護現場で働きたいと考えている方には必須の資格となります。 最短1ヶ月間スクールに通い、修了試験に合格するだけでどなたでも受けられます。 介護福祉士実務者研修 介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位にあたる中級資格です。 介護士として3年間の実務経験を持つことで受験資格が得られます。 国家資格である「介護福祉士」を受験するために必要な資格のため、キャリアアップを目指す方には必須の資格です。 介護福祉士 介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。 介護福祉士を取得すると現場の責任者やリーダーの指導など、重要な仕事を任せてもらえるようになります。 スクールなどに通う必要はありませんが、難易度の高い国家試験に合格しなければなりません。 介護福祉士を受験するためには、実務者研修の資格が必要です。 介護支援専門員(ケアマネジャー) 介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護を必要とする方の心身の状況や環境などに応じて介護サービスの計画を立てる役割を持ちます。 一般的には「ケアマネ」と呼ばれ、数ある介護サービスの中から利用者に合わせた選択をしなければいけないため、経験と専門性が必要な資格です。 まとめ 今回は、介護職の業務内容、魅力についてお伝えしました。 介護職の魅力は、直接感謝の言葉をいただけることである。 介護職は、性別や年齢を問わず働ける仕事である。 介護職は、キャリアアップがしやすく、働くエリアを選ばない仕事である。 介護職は、人との関わりが好きな人や思いやりがある人に向いている仕事である。 介護職には、主に4つの資格がある。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 特別養護老人保健施設にスムーズに入る為の工夫とは?待機時期にできることもご紹介!

    昨今《特養》というワードがかなり聞かれるようになり、社会に浸透してきました。 ただ入居施設の中では低価格で利用できることから、入居待ちをしている方も非常に多くいらっしゃいます。 家族の方もいつ入居できるのか分からないまま、不安な中日々一生懸命に介護されている方も多いのではないでしょうか。 その不安を少しでも払拭するために、今回は特養にスムーズに入居するための方法はあるのか?入居の待機期間にできることはあるか?などをお伝えします。 《特養》の特徴とは? 《特養》とは特別養護老人ホームの略で、文字通り生活のサポートが必要になった高齢者の方が安心して暮らせるための施設です。 公的な施設のため入居施設の中では低価格で利用できます。 病気による入院や特別な事情がない限りは基本的に入居されると最期を特養で迎えられることがほとんどです。 ちなみに同じく入居施設の老人保健施設は自宅で健康に過ごす在宅復帰が目的のため、原則3か月限定の入居となります。 有料老人ホーム等の施設と、どの程度価格の面で違いがあるのかご説明します。 価格 まず大きな違いは特養に入居する際に支払う入居金が必要ないことです。 有料老人ホームであれば築年数やサービス体制などで差はありますが、低いところで0円、高いところで数百万必要となってきます。 また同じく入居施設であるグループホームと比較するとこちらは少し安く0円~百万程です。 ただグループホームは認知症と医師に診断されることが入居条件になるので、入居できる方が絞られます。 では月額料金を比較するとどうでしょうか。 特養の場合はその時の所得によって個人差があるのですが、基本的にどんな所得状況であっても15万円程あれば1か月利用することができます。 しかし有料老人ホームは最低でも15万円~となることが多いです。 施設が新しかったり、サービスが充実している有料老人ホームであれば、30万円近く必要となるケースもあります。 これに加えて、特養であっても有料老人ホームであっても、病院での治療費や美容室代、季節のイベント代などが別途必要となります。 数か月の入居であればなんとか有料老人ホームで頑張れたとしても、最期までとなると月にかかってくるお金は検討したいところ。 これが特養の入居待ちが多い所以です。 入居条件 特養に入居するには原則要介護3以上あり、65歳以上であることなど、いくつか条件があります。 ただし64歳以下であっても特定疾病を持っている方は入居することができます。 また特養入居中に要介護2や1に下がってしまった場合、退所になることはありませんので安心してください。 特養の入居待ち問題 特養は入居条件を設けているとはいえ、かなり多くの方が入居待ちをしています。 これは社会問題となっており《特養の入居待ち問題》と言われています。 厚生労働省の調査によると、令和元年の段階で29.2万人が特養の入居待ちをしている状況だということです。 2015年の介護保険法改正により入所条件が要介護3以上と制限されたので待機人数は減りましたが、まだまだ入居待ちをしている方がかなり多くいます。 色々な条件がそろえば比較的スムーズに入居できる場合もありますが、長い方だと年単位で待っている方もいらっしゃいます。 どういった状況であればスムーズに入居することが可能かをご説明します。 《特養》にスムーズに入居する条件とは? 特養にスムーズに入るためには、以下の事柄に気を付けることが重要です。 ①ケアマネージャーに状況を詳細に伝える 一番大切なのは身近なサポーターであるケアマネージャーに今の介護の状況についてしっかりと伝えることです。 例えば認知症の症状が強く介護が辛くなっている、寝たきり状態なので介護者の身体に負担がかかっているなどです。 ケアマネージャーは特養の相談員と関わることも多いので、情報をたくさん持っています。 今の状況をケアマネージャーに伝えておくことで、待機期間が少なく入居できるチャンスがあるかもしれません。 ②特養の入所申込書をしっかり記入する 特養に入居したいと思った場合、まずは入所申込書を記入し提出する必要があります。 入所申込書を提出し、その後数多くいる待機者の中から選ばれるまで待機期間となります。 入所決定となる順番は早い者勝ちではなく、ご本人や介護者の状況によって優先度は変わってくるのです。 特養の入居待ちをしている方は、日ごろ要介護3以上の方を介護しています。 皆さん介護に疲れていたり、何か理由があって特養に入居してほしいと思って申し込みしていますので、同じような状況の方が多くいらっしゃいます。 その中で他の方と差をつけるために特養の入所申込書をしっかりと埋めて、今の状況をきちんと理解してもらいましょう。 嘘をつくことはしてはいけませんが、謙虚に記入する必要はありません。 ③複数の特養に申し込みしておく 特養の申し込みは1施設ではなく、複数申し込むことが可能です。 複数というのは申込みの地域によって変わります。 例えば横浜市だと5施設までと決められていますし、特に制限を設けない地域もあります。 申込み予定の地域はどのようになっているのか確認しておきましょう。 また複数の特養に申込みをしたあと無事特養への入居が決定した場合は、申込みをおこなった全ての施設へ必ず入所したことを伝えておきましょう。 ④ショートステイの連続利用を検討する 原則ショートステイは基本的に2泊3日や長くても2週間ほどの利用ですが、状況によってはショートステイを長期間利用することもできます。 これをショートステイの”ロング”と呼びます。 ロング利用することによって、特養にそのまま入居できるケースがあります。 ただしロング利用するにはいくつか条件があるので注意しましょう。 まずショートステイはあくまで”ショート”ですので、31日目の利用日は介護保険の利用ができません。 31日目は完全に自費となり、そして再び1日目から30日目までは、介護保険の利用、31日目が自費というローテーションとなります。 自費の日がある分、1か月の請求額は上がってきます。 もう1つの注意がそもそも空きがあるかどうかです。 ショートステイも人気の介護サービスですので、空きがない場合やロングの利用は難しいこともあります。 本人と介護者の状況などでやむを得ない場合は、ケアマネージャーと相談してショートステイのロング利用は可能かを検討してみましょう。 ⑤ユニット型の施設を検討する 特養には従来型とユニット型があります。 従来型は多床室も多く入所している人数がかなり多いのが特徴です。 ユニット型は個室も多く少人数制であることが特徴です。 一見ユニット型に魅力を感じますが、ユニット型の方が費用が高くなってしまうのがデメリットです。 特養に入居する魅力はやはり価格の面でしょう。 ですのでユニット型の特養の方が入居待ちが少ないケースもあります。 必ずしもそうというわけではありませんが、利用料金が高くても早く入居したいと考える方は検討しましょう。 《特養》の待機期間中にできることは? 待機期間だからといって何もせず待っているのは少しもったいないかもしれません。 介護疲れを少しでも軽減するために工夫してみましょう。 ①ショートステイやデイサービスを利用する すでに利用している方も多くいらっしゃるでしょう。 先ほどショートステイのロング利用についてお話ししましたが、ロング利用でなくてもショートステイを利用することで、そこの施設の職員と顔見知りになることができます。 施設としても初めてお会いする方をお迎えするより、普段からADLや精神状態を理解している方をお迎えする方が安心です。 ショートステイ利用から特養に入所となる可能性もあります。 また特養に併設しているデイサービスを利用すると、上記と同じような流れになるケースも考えられます。 介護疲れの軽減ももちろんですが、こういった理由もショートステイやデイサービスを利用するメリットです。 ②老人保健施設や有料老人ホームを利用する これは直接特養の入所に繋がるわけではありません。 介護疲れ軽減のために検討してみましょう。 最期まで有料老人ホームを利用するとお金の面でかなりの負担となりますが、待機期間中の一時的な利用であれば可能だという方は有料老人ホームに連絡してください。 もし一時的であっても難しい方は老人保健施設、所謂《老健》の利用をケアマネージャーに相談しましょう。 ただし老健も人気施設であること、また原則3か月で一度退所となってしまうので気をつけてください。 まとめ いかがでしたでしょうか。 早く特養に入居したいのになかなか決定しなかったり、いつ入居できるのか分からず精神的にも不安になりますよね。 これを読んだ方が少しでも不安から解消されると幸いです。 以下、まとめになります。 ・特養は入居金がいらず、月額の利用料金も入居施設の中では低価格で利用できる。 ・特養には2015年より原則65歳以上の要介護3以上の利用条件が設定されている。 ・令和元年の時点で特養の入居待ちは29.2万人となっており、状況によってはすぐの入居が難しい場合も多い。 ・ケアマネージャーに今の状況をしっかりと説明し、施設の情報収集を行う。 ・特養の申込みは地域によるが複数施設可能で、入所申込書を書く際は詳細に状況を記入する。 ・ショートステイは原則一時的な利用であるが、状況によってはロング利用も可能であるのでケアマネージャーに相談する。 ・従来型よりは少し利用料の高いユニット型を検討することで早く入居できるケースもある。 ・待機期間はショートステイやデイサービスを利用することで、その施設の職員にADLや精神状態を理解してもらうことで入居に繋がるケースもある。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。  

  • 辛い介護の仕事を続ける理由ややりがいとは?モチベーションの保ち方もご紹介!

    介護の仕事は人手不足が叫ばれていて、スタッフの入れ替わりが激しいです。 本記事では辛いといわれている介護の仕事のやりがいや、長く続けていくための考え方について解説していきます。 介護の仕事が辛い理由 「きつい・汚い・危険・給料が低い」 介護の仕事は、上記のことから4Kと言われ、辛い仕事という認識を社会に持たれています。 介護労働安定センターが毎年行っている令和3年度 介護労働実態調査によると、介護職員が前職をやめた理由は以下の通りです。 ①職場の人間関係に問題があったため・・20.4% ②結婚・妊娠・出産・育児のため・・15.4% ③自分の将来の見込みが立たなかったため・・16.9% 一緒に働くスタッフとの人間関係が崩れたり、ライフステージの変化、身体的な負担や経済的な不安から将来が見通せなくなり退職に至るケースが多い傾向です。 介護の仕事を選んだ理由 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 4Kと言われている介護の仕事をしている人たちはどのような理由でこの仕事を選んだのでしょうか。 前述の介護労働実態調査では、 働きがいのある仕事だと思ったから(49.2%) 資格・技能を活かせるから(35.4%) 人や社会に役立ちたいから(29.8%) 自分や家族の都合の良い時間に働けるから(27.6%) という結果でした。 無資格・未経験で始められ、経験年数や資格取得でキャリアアップが見込め、さらに社会貢献にもなる仕事だと考えて介護の仕事に就く人が多いようです。 非常勤であれば自身のライフスタイルに合わせた時間帯に仕事ができるのも魅力の一つです。 学校で資格をとって働き始める人、働きながら資格取得しキャリアアップを目指す人、子育てが一段落して、無資格でもできる仕事を探して介護の仕事にたどり着いた人等、仕事を始めた背景は様々なのが介護の仕事をしている人たちの特徴です。 介護の仕事のやりがい では、介護の仕事のやりがいとは、どのようなものがあるのでしょうか。 「ありがとう」からもらうパワー 介護の仕事は人から感謝される仕事です。 日常生活の中でその人のできない部分をサポートするので、ケアの度に「ありがとう」という言葉をもらいます。 ありがとうのパワーはとても大きく、それまでの疲れが一気に吹き飛ぶこともあります。。 困っている人の手助けをし、感謝された時にはやりがいを感じられる仕事です。 専門的な知識と技術が得られる 日常生活をサポートする介護の仕事は、様々な専門的な知識と技術が必要です。 介護技術や認知症ケア、医療的な知識や接遇マナー等、必要なスキルは多岐に渡ります。 現場での経験以外にも、研修や自己学習を通し成長していけるでしょう。 スキルアップすることで、今後のキャリアに大きく活きてきます。 自分の親の介護に活かそうと考えているスタッフもいるようです。 人生の学びを得られる 介護施設を利用している高齢者は、皆さん人生の大先輩です。 今はサポートが必要かもしれませんが、これまで立派な人生を送ってこられています。 人生の教訓や生活の知恵、子育てや家事の一工夫等、自分の生活に役立つ学びが得られます。 辛い介護の仕事を続けていく為の考え方 ひと昔前と比べると転職に対するハードルが低くなっている昨今ですが、なるべくなら今の仕事を辞めずに長く働きたいものです。 この辛いといわれる介護の仕事を長く続けている人は、仕事を続けるうえでどのように考えているのでしょうか。 以下をご覧ください。 ①目標をたてる ②一人で抱え込まずチームで取り組む ③オンとオフを切り替える ④5年後の働き方を考える ⑤転職も選択肢 一つずつ解説します。 目標をたてる 仕事をしていく上で、目標があるとモチベーションが上がります。 今月中に〇〇さんの移乗介助が一人でできるようになる。 実行委員として夏祭りを成功させる。 来年の介護福祉士の国家試験に合格する。 3年以内にフロア主任になる。 なんでも構いません。 目標を立てれば、そこに向かって自分の行動が変わります。 簡単すぎる目標ではすぐに達成できてしまうので、「少し背伸びすれば達成できる」程度の目標を設定すると良いでしょう。 一人で抱え込まずチームで取り組む 仕事を一人で抱え込まず、チームで取り組む環境作りはとても大切です。 理由は介護の仕事が一人で行うものではなくチームで行うものだからです。 自分が休日の時もその利用者へのケアは続きます。 「自分がいなくてはできない」状態は、利用者や他のチームメンバーに迷惑がかかり、自分自身の負担も大きくなります。 負担が大きくなればストレスがたまり、心身の不調に至ってしまう場合もあるでしょう。 自分がいなくてもケアを継続できるよう、一人で抱え込まず、チームで取り組む環境作りが大切です。 オンとオフを切り替える 介護の仕事をしている人はオンとオフの切り替えが苦手な人が多い傾向があります。 休日の会議や行事への参加、サービス残業等はよくある話です。 他にも勤務時間の1時間前に出勤し、記録を見たり必要物品を用意したり、リーダークラスが率先して早く出勤している施設もあるようです。 決められた時間の中で仕事をするのが本来の状態です。 休日まで仕事のことを考えていたら心も体も休まりません。 「勤務前に準備をしておかないと業務がまわらない」なんてことがないよう、リーダークラスのスタッフを中心に、勤務時間内で業務が回るよう考えていく必要があります。 休む時はリフレッシュして、前向きに次の勤務に迎えるよう、備えることも社会人のスキルの一つです。 オンとオフの切り替えをしっかりできるとよいですね。 働き方を考える 介護の仕事をしていると、変則勤務で体力的な負担を感じたり、ライフステージの変化によって働き方が合わなくなることがあるものです。 正規職員での働き方が合わなければ非常勤になるのも選択肢の一つですが、短時間正規職員を導入している施設もあります。 短時間正規職員は、正規職員と比較して1週間の所定労働時間が短い正規職員のことです。 労働時間が8割程度になる為その分給与も8割程度になりますが、社会保険への加入やその他の待遇面は正規職員と変わりません。 家庭との両立や健康面に不安のある人は検討してみるのも一つです。 自分のライフスタイルに合わせて働くことで、負担感が減り、長く働き続けられるようになります。 転職も選択肢 介護の仕事を続けることを考えたとき、一つの選択肢として転職を考えた方が良い場合もあります。 介護の仕事はチームで取り組むことがメリットと説明しましたが、逆に人間関係がストレスになることもあります。 介護職ができない医療行為の実施やサービス残業、給与が自分の想定と見合わないなど、自分が頑張っても改善できない職場は少なからずあります。 そこで頑張っても消耗するだけで何も解決はしません。 自分に合う職場は必ずあります。 介護の仕事を長く続ける為に、転職を考えることも一つの選択肢です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 辛いと言われる介護の仕事のやりがいと、続けていくための考え方についてお伝えしました。 やりがいについては、 ・利用者の「ありがとう」からパワーをもらえる。 ・専門的な知識と技術が得られる。 ・人生の学びを得られる。 介護の仕事を続けていく為の考え方については、 ・目標をたてる。 ・一人で抱え込まずチームで取り組む。 ・オンとオフを切り替える。 ・働き方を考える。 ・転職も選択肢に入れる。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

  • 介護者の家族とケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法とは?

    介護を続けるためには、医療従事者や介護従事者の方の協力は不可欠です。 しかし、大切な家族の介護を他人に任せられないという考えで介護を利用者だけで抱え込むと、質の良い介護の提供は受けられません。 この記事では、利用者側からとるべきケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法について紹介します。 基本的なコミュニケーションは信頼関係を結ぶ大事な要素になりますので、利用者の方はぜひ参考にしてください。 ケアマネジャーや介護士とのコミュニケーション方法 介護を始めるための第一歩は、ケアマネジャーや介護士とのコミュニケーションです。 介護の質は、利用者とケアマネジャー、介護士との信頼関係によって変わります。 しかし、一部の利用者の中にはすべて自分の考えが通るという思い込みが激しい人がいるのも事実です。 その思い込みを招く原因は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容など利用者の理解不足ともいえます。 利用者とケアマネジャー、介護士の関係が良好でなければ、要介護者にとって良質な介護にはなりません。 介護施設などを利用するまでに、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容について知ることが大切です。 ケアマネジャーとのコミュニケーション 利用者にとって、ケアマネジャーとのコミュニケーションは、一番大切で基本です。 ケアマネジャーと信頼関係を築くためには、利用者は、役割と仕事内容を知ったうえで、協力を求めることになります。 ケアマネジャーの役割、仕事内容とは? ケアマネジャーの正式名称は、介護支援専門員です。 介護を初めて担う介護者にとって、施設との連絡や調整、最適な介護サービスの利用など、ケアマネジャーは欠かせない存在になります。 まずは、利用者の知識として、ケアマネジャーの役割や仕事内容を知っておきましょう。 ケアマネージャーの役割、仕事内容は次のとおりです。 ケアプランの作成 要介護者の介護度や健康状態などを把握し、ケアプランを作成します。 介護保険サービスを利用しながら、目標を決め、自立できる生活に向けて支援します。 利用者と介護施設との調整役 訪問介護の利用や介護施設、福祉施設などの介護サービス事業者との調整を行います。 また、介護施設に対する要望やクレームなどの対応や調整役も担っています。 ケアマネージャーの種類とは ケアマネジャーは、所属先によって居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーに分かれ、仕事内容も異なります。 居宅ケアマネ 通所介護施設となる居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーで、在宅介護を支援する仕事です。 在宅で介護サービスを受ける利用者のケアプランの作成や関係個所との調整を行います。 施設ケアマネ 特別養護老人ホームや介護老人福祉施設に所属するケアマネジャーで、施設に入居する利用者のサポートが主な仕事です。 施設内の利用者を担当するため、居宅ケアマネジャーに比べ、担当する利用者が多くなる可能性があります。 介護士とのコミュニケーション ケアマネジャーとのコミュニケーションも大切ですが、直接、利用者の介護に携わる介護士とのコミュニケーションも大切です。 介護士の役割、仕事内容は次のとおりです。 介護士の役割や仕事内容とは? 通所施設または入所施設で、利用者が安心して日常生活を過ごせるように身の回りの世話や相談などの介護サービスを提供します。 所属する介護サービス事業者の形態によって、若干異なりますが、主な仕事内容は、次のとおりです。 身体介護 利用者の日常生活のお世話をします。 主に「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」「移乗介助」があり、直接利用者の身体に触れて介護します。 生活援助 食事の準備や掃除、洗濯など、身の回りをサポートします。 利用者のニーズに沿った生活援助を行います。 その他 リハビリやレクリエーションなど、身体や精神面のケアを行います。 利用者はどうあるべき? 利用者は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容を知ったうえで対応することが大切です。 お互いの意思疎通が良好にできなければ、適切な介護につながりません。 ここでは、利用者が気をつけたいポイントを紹介します。 要介護者が気をつけたいポイント3つ 特に高齢者に多いと思われるのが、ケアマネジャーや介護士に対するハラスメントです。 利用しているから当たり前という考えは、適切な介護サービスを受けられなくなる可能性があるため、要注意です。 すべて自分の要望が通ると思わない 要介護者の中には、自分の要求がすべて通ると思われる人もいます。 しかし、ケアマネジャーや介護士は、役割と仕事が決められています。 仕事の範囲外の要求には応えられないことを理解しておきましょう。 暴言暴力は慎む 暴言暴力は、慎まなければなりません。 ケアマネジャー、介護士も人間です。感情があります。 利用者と反対の立場で物事を考えるなど気持ちを改めることが必要です。 体調や気分などを伝えておく 体調や気分が悪いなど、身体の不調は介護者に伝えておくことが大切です。 介護士は、日々、利用者と接しているとはいえ、すべての利用者の体調を把握できるとは限りません。 身体の不調は、事前に介護士に伝えるなどの情報共有が必要です。 介護者が気をつけたいポイント3つ 介護者である家族は、要介護者の状況を良く知る立場です。 しかし、ケアマネジャーや介護士に上手く伝えないとトラブルの原因にもなりかねません。 要介護者の気持ちを理解し、介護士とコミュニケーションを取り、適切な介護につなげることが介護者の立場です。 利用しているという立場で物事を考えていると、1人で抱える介護になりかねないため、注意が必要です。 ひとりで介護を続けられない 介護者ひとりでは、介護は続けられません。 ケアマネや介護士の協力がなければ、独りよがりの介護になり、要介護が自立した生活に向けた支援にはならないのです。 介護サービスによって介護が成り立っていることを理解しなければなりません。 介護士にもスキルの差がある 介護士の経験年数や年齢などによって、介護スキルには差があります。 すべての介護士のスキルは同等という思い込みは、必要以上の介護を要求することにもつながります。 仕事内容を理解した上で、介護士によってスキルに差があることを理解し、無理な要求は、避けなければなりません。 困ったときは都度、確認する 介護ではさまざまな問題に直面するため、困ったときはその都度ケアマネジャーに確認することも大切です。 介護者は、排泄介助や食事介助、リハビリ方法など悩むことが多くあります。 しかし、現状の介助方法がすべて正しいとは限りません。 誤った介護方法は、要介護者にとって苦痛になるのです。 困ったときは、その都度ケアマネや介護士に確認し、必要であれば看護師やリハビリの担当者に協力を仰ぐことが大切です。 利用者とケアマネジャー、介護士とのコミュニケーションは大切 利用者とケアマネジャー、介護士のコミュニケーションは、介護を続けるためには大切です。 ここでは、利用者としてのコミュニケーション方法の取り方について紹介します。 特に現場をよく知る介護士は、介護者にとっては強い味方です。 お互いの立場をよく理解し、信頼関係を結ぶことが、より良い介護につながります。 口頭だけでなく、連絡ノートやITツールを活用する 伝えたい内容は、口頭だけでなく、連絡ノートに書き留めることが大切です。 口頭による伝え方は、多くの利用者を担当する介護士にとっては情報として残りにくいことも考えられます。 連絡ノートに必要な内容を書き留め、特に重要な内容については口頭でも伝えることが確実に意思疎通できる方法です。 また、ITツールを活用した連絡方法も有効な手段です。 LINEやメールなどのコミュニケーション方法でも記録が残り、確実に意思疎通が図れます。 なお、ITツールはスマートフォンやipadなどを活用し、ご高齢の方でも使いやすい大きな文字や簡素化した入力方法にしたり、体温やSPO2の指示などの数値は選択式にするなどの工夫をすれば、活用度が高まります。 介護士によって態度を変えない 介護士によって、利用者が態度を変えることは、良くありません。 利用者によっては、第一印象が良くない介護士とのコミュニケーションを避ける傾向にあります。 特に介護者は、すべての介護士と協調性を持たないと、介護は成り立ちません。 介護士は、介護者の良き相棒であると認識しておきましょう。 まとめ コミュニケーション能力は、ケアマネジャーや介護士に求められるスキルですが、利用者にも必要です。 意思疎通が少ない介護は、利用者と介護従事者との確執を生み、介護の質を左右します。 介護従事者だけにコミュニケーション能力を求めるだけでは、一法通行の介護になり、利用者が望む介護サービスから遠ざかります。 利用者は、ケアマネジャーや介護士の役割や仕事内容を知ることで仕事範囲外のサービスを求める行為を避けることが大切です。 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 要支援2と要介護1の違いとは?サービスの内容や不服申し立ての方法もご紹介

    親が今までは要介護1だったのに介護保険の更新の申請をした結果、要支援2になったのは何故なのだろうと思いませんか? 逆の場合もしかりです。 今回は要支援2と要介護1の違いについて、説明します。  要支援2と要介護1はどんなところが違うの? では、要支援2と要介護1の違いをみていきましょう。   要介護基準時間  要介護度を決める1つの目安として、「要介護基準時間」があります。 これは、「介護に要する時間(介護の手間)」をみているものです。  介護度 時間 非該当 25分未満 要支援1 25分以上32分未満 要支援2・要介護1 32分以上50分未満 要介護2 50分以上70分未満 要介護3 70分以上90分未満 要介護4 90分以上110分未満 要介護5 110分以上  これだけみると、要支援2と要介護1の差はありません。 では、要支援2と要介護1の違いは、なんでしょうか。   要支援2と要介護1の違いはどうやって判定される?  要支援2と要介護1の違いは、「理解力の低下」と「状態が不安定」かどうかです。 主治医から「あり」と判定されると、要介護1になる可能性が高いといわれているからです。 主治医からの意見は、要介護認定に大きく影響します。 主治医からの「理解力の低下あり」と「状態が不安定」だと判断されると、要介護1になる可能性が高いのです。  「状態が不安定」というのは、病気などで状態が不安定という意味です。 6ヶ月以内に状態が大きく変わる可能性があります。 ただし、一時的な状態の変化ではなく、病気の症状や治療によって変わる可能性があるかどうかでみられます。   要支援2はどんな人?  要支援2は、介護が必要な状態まではいきませんが、なにかしらの社会的支援が必要な状態です。 運動や生活習慣の見直しによって、支援が不要な状態になるという見込みがあるからです。 たとえば、以下のような人が該当します。  ・みだしなみや居室の掃除などの身の回りの世話に何らかの介助が必要(見守りや手助け)を必要とする。  ・立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。  ・歩行や両足での立位保持などの移動の動作に何らかの支えを必要とすることがある。  ・排泄や食事はほとんど自分ひとりでできる。   これに、「理解力の低下がある」が追加されると、要介護1と認定されることが多くなります。 今までできていた家事や金銭管理に、問題が出てきた状態です。  要支援2と要介護1の境界線  理解力の低下あり(or 状態が不安定)   ⇒ 要介護1 理解力の低下なし(or 状態が安定している)⇒ 要支援2 もしくは、理解力の低下がみられても、何とか自分で生活できている場合は、要支援2と認定されることが多いです。 要支援2と要介護1のサービスを利用できる額 介護度に応じて、サービスを利用できる額が違います。 ここでは、在宅で受けられるサービスでの額の違いを紹介します。  要介護度 利用限度額 自己負担額(1割負担の場合) 要支援1 50,320円 5,032円 要支援2 105,310円 10,531円 要介護1 167,650円 16,765円 要介護2 197,050円 19,705円 要介護3 270,480円 27,048円 要介護4 309,380円 30,938円 要介護5 362,170円 36,217円  また、上記のサービス利用額とは別枠のサービスがあります。  要介護1~5 特定福祉用具販売 :1年度10万円まで  住宅改修費支給  :20万円まで  居宅療養管理指導   要支援1~2 特定介護予防福祉用具販売 :1年度10万円まで  介護予防住宅改修費支給  :20万円まで  介護予防居宅療養管理指導  こちらも、所得によってかわりますが、1〜3割の自己負担で利用できます。   利用できるサービスの違い(在宅サービス) 要支援と要介護では、利用できるサービスが異なります。  自宅で利用する (訪問サービス) サービスの種類 要介護 要支援 訪問介護 〇 ×(総合事業を利用) 訪問入浴介護 〇 〇 訪問リハビリテーション 〇 〇 訪問看護 〇 〇 居宅療養管理指導 〇 〇 通って利用する(通所サービス) サービスの種類 要介護 要支援 デイサービス (通所介護) 〇 ×(総合事業を利用) デイケア (通所リハビリテーション) 〇 〇   家での暮らしを支える (福祉用具) サービスの種類 要介護 要支援   福祉用具貸与 〇 〇 特定福祉用具販売 〇 〇 住宅改修費支給 〇 〇   家で過ごすのと近い暮らしをする サービスの種類 要介護 要支援 特定施設入居者生活介護 (有料老人ホームなど) 〇 〇     短期間施設に泊まる サービスの種類 要介護 要支援 短期入所生活介護 (ショートステイ) 〇 〇 短期入所療養介護 (医療型ショートステイ) 〇 〇  要支援2では、要介護1であれば利用できる「訪問介護」と「通所介護」が利用できません。 要支援の「訪問介護」と「通所介護」は、「総合事業」に移行したからです。  「総合事業」は、正式には「介護予防・日常生活支援総合事業」といいます。 安心して高齢者が暮らしを続けられるように地域全体で支える、介護予防の取り組みです。 要介護認定を受けていない人でも、利用できます。  国が提供するサービスの「訪問介護」と「通所介護」は廃止され 自治体が提供するサービスの4つにわかれています。  総合事業(自治体が提供するサービス) ・訪問型サービス ・通所型サービス ・生活支援サービス ・一般介護予防事業  「総合事業」は自治体が提供するため、それぞれの自治体によって、サービス内容や料金が異なります。   介護保険認定の結果に納得できない時 ・「今まで要介護1だったのに、更新したら要支援2になった」 ・「新規で申請して要介護1が出ると思ったのに、要支援2だった」 ・「更新で要介護1だったが、今はもっと元気なのに」  など、介護保険認定の結果に納得できない時がありませんか? こういった場合は、「不服申し立て」ができます。  では、どうやって「不服申し立て」をすることができるのか、紹介します。   介護保険審査会に申し立て  結果に不服を感じた時は、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に申し立てを行うことができます。 方法は、口頭か文書で行うようになっています。 申し立てを申請できる期限は「認定結果の通知を受けた翌日から3ヶ月以内」と、決まっています。 期限を過ぎると、申し立てを受け付けてもらえません。  ちなみに、申し立てをしてから結果が出るまでに、少なくとも3ヶ月程度かかります。    まとめ ここまで、要支援2と要介護1の違いを紹介してきました。 ・要支援2も要介護も1も、要介護基準時間は「32分以上50分未満」。  ・要支援2と要介護1の違いは、「理解力の低下」と「状態が不安定」かどうか。  該当すれば、要介護1になることが多い。  ・要支援2は、介護が必要な状態ではないが、なにかしらの社会的支援が必要な状態。 ・介護度に応じて利用できる限度額は、要支援2では、105,310円。  要介護1では、167,650円。 ・要支援2の人は、「訪問介護」と「通所介護」は、利用できない。  自治体が提供する「総合事業」で受ける。  ・介護保険認定結果に納得できない時は、3ヶ月以内であれば、「介護保険審査会」に不服   申し立てができる。  結果が出るまでに、3ヶ月程度かかる。   要支援2と要介護1の違いを、お分かりいただけましたか? 料金の限度額や利用できるサービスが違ってきますので、頭の片隅に置いておくと良いです。 親に適切なサービスを受けさせることができるからです。 この記事を参考に、親に必要なサービスを受けてもらい、要介護状態を防いでもらえれば幸いです。

  • 介護現場のIT化とは?介護現場の現状とIT化の重要性について解説

    世間ではさまざまな分野でIT化が進んでいます。 では、介護現場ではどのようになっているのでしょうか? ここでは介護現場のIT化の現状や介護現場のIT化を進めるにはどうすれば良いかについて、現役介護職の立場からお伝えしていきます。 これからITを導入したいという方の、お力になれれば幸いです。 介護のIT化は遅れている!! 介護現場のIT化について結論から言うと、他の業種に比べて非常に遅れています。 例を挙げると、以下のような内容です。 ・記録や議事録が手書き ・事業所間の書類のやり取りが、メールではなくFAX これには、下記の理由があります。 ・パソコンに慣れていない職員が多い ・「アナログなやり方が美徳」という考えを持つ職員が多い ・情報漏洩防止の為 しかし、世の中ではIT化の進んでいる業種が数多く存在しています。 なぜ介護のIT化は遅れているのか、その理由についてお伝えしていきます。 介護のIT化が遅れている理由 では、介護現場でIT化が進んでいない理由について、詳しく確認してみましょう。 1,パソコンに慣れていない職員が多い 介護現場のIT化が遅れている理由の1つとして、パソコン操作に慣れていないということが挙げられます。 自宅にパソコンがなく、触る機会がない ・WordやExcel等の使い方が分からない という理由から、パソコンに慣れておらず、記録や議事録作成に時間を取られてしまうのです。 例えば記録であれば、同一の文章であればコピー&ペーストすれば作業時間を短縮することができます。 また議事録を手書きで作成するとなると、膨大な時間がかかりますし、途中で間違えたら訂正印を押せば可能であっても、何回も訂正印を押してしまうと、見づらくなってしまいます。 パソコンで議事録を作れば、間違っても簡単に修正できますし、早い人であればその日の内に議事録を作成することが可能です。 しかし手書きの場合、数時間かかる人もおり、それでは効率が悪いといえます。 2,「アナログなやり方が美徳」という考えを持つ職員が多い ではなぜ、膨大な時間がかかってもアナログなやり方を行うのでしょうか。 それは「昔ながらのやり方が、良い」という古い考えを持つ職員が多いからです。 というのも、介護施設の上層部は、50代から60代の年配職員が多いからです。 その職員は書類作成等の事務仕事をほとんど行ってこなかったので、パソコン操作ができないのです。 でも、新しいやり方を覚えるのが苦手なので「今までこうしてきたから、良いんだ」という考えから離れられず、結果的に時間がかかってもアナログなやり方を続けているのです。 3,情報漏洩防止の為  例えば病院から施設に入居する時、病院は施設側に患者の情報をFAXで送ります。 「メールで送った方が効率的ではないの?」と思いますよね。 しかし病院や介護施設等で使われているパソコンやデバイスは、基本的にインターネットが繋がらないシステムになっているのです。 これは個人情報の漏洩防止という点もありますが、もう1つ理由があります。 それは「双方が受け取ったかどうかを確認できる」という点です。 FAXであれば、送受信履歴が残るので、お互い受け取ったかどうか分かります。 しかしメールの場合、アドレスによっては迷惑メールのフォルダに入ってしまう可能性があるので、確認できないのです。 なので、事業者間のやり取りは、FAXが主流になっているのです。 IT化を進めるにはどうすれば良いか 上記で、介護のIT化がなぜ遅れているのかについてお伝えしてきました。 ここからは、介護のIT化を進めるにはどうすれば良いか、その方法について紹介していきます。 やり方としては以下の通りになります。 ・介護業務の中で、時間がかかっているものは何か。   それをIT化で改善できないか分析する ・IT化を進めると、介護職員にとってどのようなメリットがあるのか理解してもらう ・誰でもパソコンやデバイスを使えるようにする、やり方や環境設定を行う では、それぞれの項目について詳しくお伝えしていきます。 1,介護業務の中で時間がかかっているものをIT化で改善できないか分析する 介護現場でIT化を進めようと考えたら、まず「今の介護業務」に着目しましょう。 介護職員が、何に時間がかかっているのかを把握します。 例を挙げると ・記録や議事録作成 ・巡視 ・入居者の情報収集 等があります。 多くの介護施設で時間がかかると感じているのは「記録や議事録作成」ですよね。 おすすめなのが「ほのぼの」というソフトウェアです。 ほのぼのは、介護記録や介護保険だけでなく、障がい福祉や財務、給与計算など幅広く活用できます。 またタイピングが苦手という人でも音声入力に対応しているので扱いやすいです。 2,IT化を進めることのメリットについて理解してもらう いくらパソコンを用意してソフトを入れたとしても、介護職員が使わなければ意味がありません。 介護現場のIT化を進める前に、現場で働く介護職員にメリットを伝えましょう。 ・パソコンで記録や議事録を作成することで、時間短縮にもなる。 ・数十人いる入居者や利用者の情報の中から、見たい情報だけを選んで確認することができる 等、具体的な例を交えて説明することで、納得する確率が高くなります。 3.誰でもパソコンやデバイスを使えるようにやり方や環境設定を行う メリットを伝えて介護職員がやる気になっても、やり方が分からなかったり、パソコンを使える環境が整っていないと、使いづらくなってしまいます。 また年配の職員の中には、「パソコン触らないから分からない」と使うのに消極的な人もいます。 そのような方でも使えるように以下の対応が必要です。 ・タイピングだけでなく、音声入力もできるよう設定する ・パソコンはステーションなど、誰でも使えるところに設置する  (事務所だと、職員によっては入りづらいと感じる人がいるので) IT化によって業務の負担が軽減した例を紹介 ここからは、IT化で作業時間の短縮や離職者が減った例について紹介していきます。 山形県酒田市にある「イデアルファーロ」という事業所では、情報共有が難しく、指示がいき渡りにくいという課題がありました。 事業所には訪問介護に従事する職員もいるのですが、利用者の情報を得るには本部まで行かなければならず、それが効率化を阻んでいました。 また以下のような事態が起こり、離職者も多いくなってしまったのです。 ・情報が次々に継ぎ足され、特定部署の人しか情報が分からない ・若手の職員が情報を把握しきれない そこで2017年に社内対話用にスマホから入力できるチャットツールを導入しました。 また書類や利用者の情報を本部のサーバーではなく、インターネット経由でいつでもどこでも閲覧できるクラウド上で共有できるようにしました。 これにより介護職員の移動時間が短縮されただけでなく、外出先でも書類を確認・作成できるようになった為、印刷費用も10分の1になったのです。 さらに業務上のストレスも少なくなったことで離職者が減り、人手不足も軽減されたそうです。 このように、IT化を進めることで人手不足も解消される例も数多く存在しています。 まとめ いかがでしょうか。 この記事では、以下のことについてお伝えしてきました。 ・介護現場のIT化は他業種に比べて非常に遅れている。 ・理由として「パソコンに慣れていない職員が多い」「アナログなやり方が美徳な考え方がある」「情報漏洩防止の為、メールではなくFAXを使わざるをえない」 IT化を進める方法 ・介護業務の中で何に一番時間がかかっているのか分析し、ITで改善できないか考える ・介護職員に、IT導入によるメリットを具体的に伝える ・介護職員が、パソコンやデバイスを使えるよう、使用方法を工夫したり、いつでも使える場所に配置する 最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 経験者だからわかる良い介護施設の選び方とは?職員や施設の内情のチェック方法を解説!

    そろそろ家族を介護施設へと検討している人向けに、介護施設での勤務経験者が教える、良い介護施設の特徴や、選び方についてお伝えしていきます。 介護施設勤務経験者が伝える良い介護施設の見分け方 ではどのようなことに気を付けて良い施設を見つければよいのか、そのポイントについてご紹介します。 1,入居者の身だしなみが整っている ここでいう身だしなみとは以下の事柄を指します。 ・髭が剃られている ・髪が整えられている ・服が汚れていない、皺が寄ってくちゃくちゃになっていないできちんと着られている 介護施設の場合、朝方は特に忙しいです。 数人の高齢者を介護職員1人で起こさなければなりません。 1人の着替えや更衣を行いながら、他の入居者から呼ばれたら対応しなければいけないので、バタバタします。 そんな忙しい中でも、整容を心掛けることができる介護職員がいる施設は、良い介護施設の特徴の1つです。 2,どんな人にも挨拶をする ブラックな介護施設の特徴として以下のことが挙げられることが多いです。 ・職員の表情に覇気がない ・疲れ切っている ・職員の身だしなみが整えられていない 良い介護職員の特徴としては「誰にでも挨拶をする」ことが挙げられます。 介護施設にはリネン業者や清掃業者など外部の業者も出入りしていますので、外部の方と接触する機会が案外多いものなのです。 しかし、介護職員の中には、家族には挨拶をするけれど外部の業者には挨拶をしないという人が多いです。 なぜなら「外部の業者にまで挨拶をする、精神的な余裕がない」からです。 良い介護職員は、外部の業者に会ったら挨拶して会釈します。 これは「誰にでも挨拶をする」という考えもあるのですが、もう1つ理由があります。 それは「外部の業者がどんな人なのか」を把握しておくためです。 清掃業者は、入居者や利用者の居室に入り掃除をすることがあります。 居室には入居者や利用者の私物があり、高価な物が置かれている場合もあるのです。 「清掃業者が居室の掃除をしているフリをして、物を盗んだ」ということも起こりえます。 なので良い介護職員はこうした防犯上の理由から、外部の業者にも挨拶し、どんな人が出入りしているのかを把握しているのです。 3,整理整頓されている これは介護施設に限らずどこの職場においても共通されていることですが、整理整頓は、仕事を効率的に進めるにあたって、必要不可欠です。 介護施設の場合は多くの物があります 物が散らかっているとどこに何があるのか探すだけで時間がかかるだけでなく、無くなったものが書類や薬などだと大きな問題になってしまいます。 しかし、日中は入居者や利用者の対応をしなければいけないので、整理整頓をするのは難しいです。 そのため夜勤の空いている時間に整理整頓をしたり、薬や書類を必要な場所に保管するといった作業を行うことが多いです。 もし介護施設を見学する機会があれば、入居者や利用者が集まる食堂の様子を見ることをおすすめします。 以下のような施設は要注意です。 ・入居者や利用者の塗り絵や貼り絵が無造作に置かれている ・通いで来ている利用者の連絡帳が適切な場所に置かれていない ・薬が出しっぱなしである 4.換気がされている 新型コロナウイルスが流行し始めてから注目され始めたのが「換気」です。 介護施設ではコロナが流行る前から「標準予防策」として、換気や消毒が日常的に行われています。 良い介護施設が行っている換気方法としては以下のようなものがあります。 ・入居者や利用者が食堂にいるときに、居室の窓を開けて換気をしている。 ・居室に戻る少し前に窓を閉め、その日の気温に合わせて温度を調節している。 ・居室で寝たきりの人は入浴に行っている間に窓を開け、入浴から戻ってくる少し前に窓を閉めている。 この方法は、介護職員にとっては「手間」です。 しかし換気を行わないと居室に匂いがこもってしまうため、入居者や利用者が不快な思いをするだけでなく、体調不良等何かあったときに、介護職員が気づきにくいことがあるのです。 5,介護施設にいるどの職種の人も、爪が切られている 「なぜ爪?」と思う人もいるかもしれません。 介護施設では介護職員や看護師だけでなく、ケアマネジャーや事務職の人も入居者や利用者と関わります。 爪が伸びていると入居者や利用者の皮膚を引っ掻いてしまい、ケガをさせてしまう可能性があるのです。 「家族を介護施設に利用させたい」と考えているのであれば、現場の職員だけでなく事務職の爪もさりげなく確認しましょう。 爪が切りそろえられていれば、入居者や利用者と関わっても安心な、良い介護施設であると言えます。 良い介護施設を見分けるにはどうすれば良いか ここまで、良い介護施設の特徴についてお伝えしてきました。 しかし、「良い介護施設を見分けるにはどうすれば良いか」「見学に行く時間もそんなに取れない」と悩む人も多いのではないでしょうか。 ここからは良い介護施設を見分ける方法について3つのポイントを紹介していきます。 1,利用する本人や家族にとって「何を最優先にするか」を明確にしておく 良い介護施設を見分けるに当たってまずやるべきことは、「何を最優先にするか」をはっきりとしておくことです。 ・本人が介護が必要になり、日中見てくれるところであればどこでも良い ・自宅から近く、何かあれば駆けつけられる ・送迎の時間を柔軟に対応してくれる ・緊急の泊まりにも対応してくれる 等、在宅介護において本人や家族の生活上、介護施設に何を求めているかは各家庭によって異なります。 ケアマネジャーに要望を伝えやすくする為にも、「その介護施設に何を1番求めるか」を明確にしておきましょう。 2,複数の施設を候補として挙げておく 介護施設を利用すると決めたら、複数の介護施設を候補として挙げましょう。 この時注意してもらいたいのは「ネットの評判や口コミ情報はあてにならない」ということです。 介護施設を探すときに最も良く使われる手段はネットです。 その介護施設の評価を投稿できるサイトも数多くありますが、悪評が多くなりがちです。 例えば利用している本人が「泊まったときに何回も呼んだけれど、来てくれなかった」と家族に言ったとします。 この言葉だけ聞くと、「なんて対応の悪い介護施設だ」と思いますよね。 しかし実際は数分おきに何てこと無い用事で呼び、その内の1回のことを言っていたのであれば、どうでしょうか。 誰だって仕事中に何回も呼ばれたら、嫌になってしまいます。 このようにネットで書かれている評判の多くは個人の一方的な意見なので、あまり参考にしないことをおすすめします。 3,質問に対し、分かりやすく説明してくれるか ・泊まるときに何が必要か、持っていって悪いものは何か ・利用料金はどの程度かかるのか 等の質問に対し、介護施設側が家族側に説明する場面があります。 その時、専門用語を使わずに一般的な言葉で説明してくれる職員であれば、良い介護施設であると言えます。 「施設側でもケガや転倒がないように最善は尽くしますが、夜間は職員が少なく、対応しきれない場合もあります。その点ご理解頂けると幸いです」等と、予めデメリットも家族側に伝える施設であれば尚良いです。 介護施設側にとって、デメリットを伝えるということは「施設の欠点を伝える」ことになります。 しかしこうした欠点を伝え、かつ「もし○○ということが起きた場合△△という対応を取らせていただきます」と介護施設側から説明を受けていればもし利用中に何かあっても、安心です。 施設見学のときに質問できる機会があったら、デメリットについても聞いてみましょう。 まとめ 良い介護施設のポイント ・入居者や利用者の身だしなみが整えられている ・職員が家族だけでなく、外部の業者にも挨拶をする ・食堂や居室が整理整頓されている ・換気がされている ・介護職員だけでなく、事務職も爪が切りそろえられている 良い介護施設を見分ける特徴 ・「介護施設に何を求めるか」を明確にする ・選ぶときは事前に複数候補として挙げる。介護施設の評判サイトは個人的意見が強いので当てにしない ・デメリットについても説明してくれるかどうか確認する     最後までお読みいただきましてありがとうございます。

  • 特定施設に入居すると何がどう変わるの!?特徴やメリット・デメリットをご紹介!

    介護サービスを必要とする高齢者が安心して生活を送るために重要な「特定施設」。 今回は、特定施設の特徴メリット・デメリットを紹介します。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、特定施設の入居者が受けられる介護保険サービスです。 入居者はサービスを受けるために、毎月利用料を支払う必要があります。 特定施設入居者生活介護には、「一般型」と「外部サービス利用型」の2種類があります。 一般型は、特定施設の事業者が介護サービスをすべて提供するものです。 外部サービス利用型は、マネジメントは事業者が行い、介護サービスは外部に委託します。 入居者が自立した生活ができるよう、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて介護サービスを提供します。 他にも、身体機能の回復を目的としたリハビリテーションなどの機能訓練家事や食事などの日常生活上の支援サービスを行います。 特定施設の入居対象 下の表に、特定施設の種類とそれぞれの入居対象に必要な条件を記載しています。 都道府県の指定種別 入居対象 特定施設入居者生活介護 介護専用型 要介護1〜5 特定施設入居者生活介護 混合型 自立・要支援1〜2、要介護1〜5 地域密着型特定施設入居者生活介護 同市区町村に住民票があり要介護1以上 介護予防特定施設入居者生活介護 要支援1〜2 出典:学研ココファン 特定施設には、「介護専用型」「混合型」「地域密着型」「介護予防型」の4種類があります。 混合型と介護予防型は、高齢者の入居施設の中でも要支援の方でも利用できる施設です。 都道府県からどの指定を受けているかによって、それぞれ入居対象者が異なります。 「要介護」や「要支援」は、介護をどのくらい必要とするかを7段階で表す要介護度状態区分で、以下の表のように区分されます。 介護度 状態 要支援1 家事などの身の回りの世話の一部に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に一部の介助を必要とすることがある。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 要支援2 家事や整容などの身の回りの世話に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 要介護1 家事や整容などの身の回りの世話に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事はほとんどひとりで行える。 混乱や理解の低下が見られることがある。 要介護2 家事や整容などの身の回りの世話全般に見守りや手助けを必要とする。 立つ、歩くなどの動作に支えを必要とする。 排泄や食事に見守りや手助けを必要とすることがある。 混乱や理解の低下が見られることがある。 要介護3 家事や整容などの身の回りの世話をひとりで行えない。 立つ、歩くなどの動作をひとりで行えない。 排泄がひとりで行えない。 認知機能の低下が見られることがある。 要介護4 家事や整容などの身の回りの世話がほとんどできない。 立つ、歩くなどの動作がほとんどできない。 排泄がほとんどできない。 認知機能の低下が見られることがある。 要介護5 家事や整容などの身の回りの世話ができない。 立つ、歩くなどの動作ができない。 排泄や食事ができない。 認知機能の低下が見られることがある。 出典:パナソニックのエイジフリー 要支援1は、生活する上で見守りや一部の介助を必要とする方、要介護5は、ほぼ寝たきりの方と言えます。 介護度は、身体的な面だけではなく、認知機能や不安症状などの内面的、精神的な面も影響します。 特定施設に該当する施設 特定施設に該当する施設は以下の4つです。 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(一部のみ) ケアハウス(経費老人ホーム) 養護老人ホーム 特定施設それぞれの特徴と、どのような人におすすめであるか解説します。 有料老人ホーム 有料老人ホームは、高齢者が心身の健康を維持しながら生活できるように配慮された住宅です。 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 主に要介護者向けの「介護付き」 自立から要介護者まで入居可能な「住宅型」 自立している方対象の「健康型」 食事、家事援助、介護、健康管理などのサービスを受けられます。 どのような高齢者におすすめ? 有料老人ホームは、共有スペースを設けている場合も多く、他者とコミュニケーションを取りたい人に向いている施設です。 レクリエーションなど他の入居者との交流の場が設けられるため、孤独を感じることなく生活できることが魅力です。 新しい人との繋がりも期待できます。 参考となる有料老人ホームはこちら サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サ高住は、国土交通省・厚生労働省が所管する施設であり、バリアフリー設計で、高齢者が安心して住める環境が整っていることが魅力です。 施設によっては、日常の外出や買い物、旅行など自由な生活を送ることができます。 どのような高齢者におすすめ? サ高住は、一人で暮らすことに不安のある人、自宅と変わらない生活を送りたい人に向いている施設です。 家族や友人との外出や外泊などに関するルールが少なく、施設に入居しても家族や友人との関わりも十分に確保できます。 家族や友人との時間も大切にしたい人に最適です。 参考となるサ高住はこちら ケアハウス ケアハウスは、自治体の助成を受けて運営されている経費老人ホームであり、「自立型」と「介護型」の2種類があります。 「自立型」のケアハウスは60歳以上で、家族による支援が受けられない高齢者が対象となります。 また、介護が必要になると外部の事業者との契約が必要です。 「介護型」のケアハウスは、常駐する介護スタッフから食事・入浴・排泄などのサービスが受けられます。 どのような高齢者におすすめ? ケアハウスは、一人暮らしに不安があり費用を抑えて生活を送りたい人向けの施設です。 ケアハウスは自治体の助成を受けているため、比較的安価で入居できることが魅力です。 参考となるケアハウスはこちら 養護老人ホーム 養護老人ホームは、精神的・経済的な理由で在宅生活が困難な高齢者の社会復帰を促す施設です。 入居基準は自立している高齢者で、自治体による調査と判定が必要となります。 長期的な利用はできず、自立した生活が送れるようになると退去します。 どのような高齢者におすすめ? 収入がない、身寄りがいないなどの不安を抱えている高齢者に向いている施設です。 生活費は公費で賄われるため、費用面の負担も少なく、一時的に入居したいと考えている方に最適です。 参考になる養護老人ホームはこちら 特定施設に入居するとどう変わる? では、特定施設に入居するとどのような変化があるのでしょうか? 特定施設のメリット、デメリット 特定施設のメリットは以下の通りです。 毎月定額で介護サービスを利用できる。 施設によっては、一人暮らしと変わらない自由な生活を送ることができる。 24時間365日、身体介護や生活支援等の介護サービスを受けられる。 入居者に合わせた介護計画を立ててもらえる。 病気の進行や老化によって介護度が上がっても、継続して入居できる。 特定施設のデメリットは以下のことが考えられます。 外部のサービスを受けられなくなる。 毎月定額のため、自立しているなど介護度が低いと割高になる場合がある。 特定施設に入居すること 特定施設のメリットやデメリットを踏まえ、特定施設に入居するとどう変わるのか説明します。 家族と生活したり住み慣れた環境で暮らしていた高齢者が、突然知らない方たちと生活することは簡単なことではありません。 近くに家族がいないことや共同生活でのルールなど、不安は付き物です。 しかし、特定施設は人員基準により人員の配置が整っています。 看護や介護の専門スタッフが揃っており、日常生活をより安心して過ごせることが特徴です。 24時間の介護サービスも受けられるため、緊急時にも対応してもらえます。 入居者も家族も安心できる環境であることが特定施設の魅力です。 まとめ 今回は、特定施設の特徴や、メリット・デメリットについてお伝えしました。 利用者の介護度に応じて入居可能な特定施設が異なる。 特定施設には、有料老人ホーム、サ高住、ケアハウス、養護老人ホームの4種類がある。 特定施設は、24時間介護サービスを受けられるため長期的な入居が可能である。 特定施設に入居すると、入居者も家族も安心して生活できる。 最後までご覧くださり、ありがとうございます。  

  • ケアマネの適正担当者数は?居宅と施設の業務内容違いを解説

    高齢化率が上昇している日本において、ケアマネの役割はますます重要になってきています。 2022年9月に総務省が発表した、日本の総人口における高齢者(65歳以上)の割合は29.1%です。 これはざっくり言うと10人に3人は高齢者ということです。 しかし、ケアマネの受験者数は年々減少しています。 これには「業務負担の増加」「やらなければならない業務が多く負担が大きい」「対価が低い」などの理由が挙げられます。 これらについて1つ1つ見ていきましょう。 ケアマネって何をする人? そもそもケアマネの業務には以下のようなものがあります。 ・状態の把握 ・課題の抽出 ・利用者、家族からの聞き取り ・ケアプランの作成 ・担当者会議の開催 ケアマネの業務を進める中で、他職種の専門的な意見を聞いたりすることも重要です。 リハビリが必要な利用者であれば理学療法士や作業療法士、または言語聴覚士といったリハビリの専門家、医療的なケアが必要であれば医師や看護師などです。 デイサービスや訪問介護、福祉用具等々それぞれの専門家に意見を募ることができれば、多角的な視点でより良いケアプランが作成できる可能性も高まります。  居宅と施設で違いがあるものの、どちらのケアマネもメイン業務は利用者の困りごとを解決していくことだといえます。 ただ、居宅ケアマネと施設ケアマネでは業務内容には違いがあります。  居宅ケアマネの業務             新たな利用者への居宅ケアマネの最初の仕事は、利用者宅を訪問して面談し、アセスメントを取ることです。 その上で、困りごとや課題を抽出し、ケアプランの原案を作成します。 そして担当者会議を開催といった流れがオーソドックスでしょう。 そこで出た意見を検討し、必要であればプランを修正、その後にモニタリング(当初のケアプランを継続してもよいか、それとも変更の必要があるかの確認・検討を行うこと)を行っていきます。  また、その他で居宅ケアマネで重要なことは「介護度に応じて設定されている『区分支給限度額(介護保険では介護度に応じて給付される上限額が決まっておりその限度額のこと)』を越えないように、月のサービス利用状況を把握すること」です。 限度額を超えると介護保険は利用できず、自費で支払いを行わなくてはならなくなってしまいますので、充分気を付けなくてはいけません。 施設ケアマネの業務 施設ケアマネは、その施設で過ごされる方のプランを作成します。 利用者宅の訪問がない他は、居宅ケアマネと流れは一緒です。 流れは一緒とはいえ、自宅と施設では環境面で大きな違いがあるため、同一の利用者の方でも在宅か施設課で大きくケアプランは変わってくるでしょう。 また、施設ケアマネは人手が足りないときには介護職の手伝いをしたり、夜勤に入ったりするというケースも見聞きします。 生活相談員のヘルプをしている施設もあります。 そういった中で、ケアプランを立案・作成し、担当者会議を開催していくことになります。 さらに毎月のモニタリング等々の業務があるというわけです。  ケアマネの担当件数は何件まで? これらの業務をこなしながら、ケアマネ一人当たりが受け持てる件数はどれくらいなのでしょうか。  居宅ケアマネについては、その事業所がICT(業務の効率化を図るためにコンピュータ技術を活用すること)を導入しているかどうかで変わってきます。 ・居宅ケアマネ(ICTを導入している場合)➡44件まで ・居宅ケアマネ(ICTを導入していない場合)➡39件まで ・施設ケアマネ➡99件まで  ただし、上記を越える件数を受け持ってはいけないわけではありません。 1件当たりの報酬は減額されてしまいますが、受け持つこと自体は可能です。 なお、要支援の利用者は2件で要介護1件相当という計算になります。  ところで、居宅ケアマネと施設ケアマネで担当件数が大きく違うのはなぜでしょうか。 居宅ケアマネは、利用者の自宅はもちろんのこと、これから利用するかもしれないデイサービスの見学や、入院している利用者様の状態把握のために病院に行ったり、カンファレンスに呼ばれることもあります。 そのため、各事業所や役所、病院、地域包括支援センターなどの関係機関を訪問する機会も多く、面談や移動などにも多くの時間を割かなければなりません。  それに対し、施設ケアマネは多くの業務が施設内で完結できますので、その分、対応可能な件数も多く設定されています。  ケアマネの適正な担当件数は? 1人のケアマネで99人の利用者を受け持つことが可能なのでしょうか。 可能だとしても、それが利用者のためだといえるのでしょうか。 この点では疑問を感じざるを得ません。 それは居宅ケアマネでも施設ケアマネでも同様です。 1ヵ月の稼働時間の中で、39人ないし44人、もしくは100人の利用者を担当し、ケアプランを作成し、加えて担当者会議を行わなくてはいけません。 その他にも、入退院の調整が必要な場合もあるでしょうし、居宅ケアマネは要介護の方には訪問してモニタリングを行わなくてはなりません。 また、事業所の見学に行くこともあれば、家族と話し合うこともあるでしょう。 加えて研修があったり、管理者であれば事業所内での問題の解決にも当たる必要があります。 当然ケアマネとしては利用者の状態を把握していなければなりません。 つまり、常時40人以上の利用者の状態を把握しておくということですが、利用者ご本人からは大きな変化がないと連絡をくれないケースも多々あります。 それを考えると、担当件数ギリギリまで受け持つのは好ましいとはいえないでしょう。  ケアマネの担当件数は年々増加傾向 しかし、ケアマネ1人当たりの担当件数は年々増加傾向にあります。  担当可能件数ギリギリまで受け持つかどうかは、事業所の方針によるところも大きいので、ケアマネ業務を考えている方は必ず確認しておくとよいでしょう。  担当件数が増加しているのは次のような要因が考えられます。 ①     高齢者の増加 ②     ケアマネが不足している ③     待遇が改善されない  介護保険を利用する方が増加している昨今、ケアプランを作成するケアマネの人数も増加しなければ、1人当たりが受け持つ人数も増加していくのは必然です。  しかし、冒頭で触れたようにケアマネの受験者数は年々減少傾向です。 2018年には前年に比べて、なんと6割以上も受験者が減少するという衝撃的な数字でした。 ケアマネの報酬は適切なのか? この原因は、1つにはケアマネの業務内容と報酬が釣り合っていないからだと言われています。  介護職に対する処遇改善は進んでいますが、ケアマネについては責任の大きさの割にはそういった恩恵が少なく、待遇面に満足できないという方が多くいます。 一時期は介護職の待遇が社会的にも問題となっていましたが、今はケアマネの社会的な評価の低さが問題視されるようになってきています。 そのためケアマネを志す人も少なく、また現在ケアマネ業務に従事していても、離れて行ってしまう方も多くなってきています。 現在はケアマネの待遇改善を望む声も多くなりました。  まとめ 最後に今回の記事の要点をまとめます。  ・ケアマネの業務は多岐にわたるが、メインは利用者の困りごとを解決するケアプランを作成すること ・居宅と施設ではケアマネの業務には大きな違いがある ・ケアマネ1人当たりの担当件数は以下のとおり ①     ICT活用居宅事業所は44件 ②     ICT未活用居宅事業所は39件 ③     施設ケアマネは99件  これ以上担当することも可能だが、1件当たりの報酬が減額される ・担当件数ギリギリまで受け持つと、業務が回らなくなる恐れがある ・ケアマネを志望する人は減少傾向 ・ケアマネの待遇改善が求められている ・実際に何人を受け持つかは、最終的には事業所の判断になる  ケアマネは資格を取るにも、また更新時も長時間の研修が必要になります。 利用者・ご家族と向き合って問題を解決していくチームの中心者ともいうべき役割といえるでしょう。 責任が重い分、やりがいのある仕事です。 それだけに1人1人の利用者に丁寧に対応していくためにも、適切な担当件数で働ける事業所を選択するのも一つの手段です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな施設?特徴や有料老人ホームとの違いを解説!

    一人で生活することが難しい高齢者をサポートする住宅が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。 今回は、サ高住の特徴や有料老人ホームとの違いを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅の特徴は? サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、国土交通省が管轄する賃貸住宅であり、「一般型」と「介護型」の2種類があります。 一般型のサ高住は、日中は介護スタッフが常駐、夜間は緊急通報システムが整備されています。 また、介護サービスが必要な場合、外部のサービスを利用しなければなりません。 そのため、要介護度が高くなると退去になる可能性があります。 一方、介護型のサ高住は、介護度に関係なく入居可能です。 施設には、看護師が常駐、介護スタッフは24時間常駐しており、さまざまなサービスを受けられます。 特に、安否確認サービス、生活支援サービスが特徴です。 安否確認サービスは、介護スタッフが定期的に各居室を巡回し安否の確認をします。 体調不良や転落、転倒などの急なトラブルにも対応でき、必要に応じて医療機関との連携を図ります。 生活支援サービスは、身の回りの介助を必要とする方に入浴や食事、買い物などのサービスを 提供することです。 自立している方から介護を必要とする方まで、自宅とほぼ変わらない生活ができます。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や施設内容 次に、サ高住の入居条件や施設内容を解説します。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サ高住は、60歳以上の高齢者、または60歳未満で要介護者認定を受けた方が入居の対象となります。 配偶者や60歳以上の親族、要介護者認定を受けている方、特別な理由があると知事に認められた方であれば同居することも可能です。 ほとんどの施設では、連帯保証人・身元引受人が必要となります。 また、認知症ではない、感染症を持っていないなど独自の条件を設けている施設もあります。 サービス付き高齢者向け住宅の施設内容 サ高住の居室には、以下のようなポイントがあります。 各居住部分の床面積が最低18平方メートル、原則25平方メートル以上 キッチン、水洗トイレ、クローゼット、洗面設備、浴室が完備 段差がなく、手すりなどが設置されたバリアフリー設計 バリアフリー設計の広々とした居室であるため、高齢者の一人暮らしでも安心です。 自宅と同じように自分で料理や入浴をすることができます。 また、サ高住には共有スペースである入浴施設やカラオケルーム、レストランなどを設けている施設もあります。 レストランでの食事やカラオケなどのレクリエーションを行うことで、入居者同士で交流の機会を持つことも可能です。 レクリエーションや入居者同士のコミュニケーションは、認知機能や身体機能の低下を防ぐ役割を果たします。 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 また、サ高住には人員配置の基準があります。 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員 医師 看護師 介護福祉士やヘルパー2級以上の資格を持つスタッフ 介護支援専門員 以上のいずれかの者が日中に常駐しなければいけません。 医師や看護師が在籍する施設もあり、医療ケアが必要な方でも入居可能な施設があります。 施設内には専門の知識を持つスタッフがいるため安心です。 サービス付き高齢者向け住宅の費用は? 下の表は、サ高住の「一般型」と「介護型」それぞれの費用をまとめています。 一般型 介護型 契約形態 賃貸借契約 利用権契約 月額費用 約5万〜25万円 (家賃、管理費) 約15万〜40万円 (家賃、管理費、食費) サ高住の費用は、「一般型」と「介護型」で異なります。 一般型のサ高住は賃貸借契約であり、初期費用として敷金や保証金が必要となる場合があります。 一方、介護型のサ高住は、入居時に一時金を支払う利用権契約です。 そのため、初期費用は一時金として数十万円から数百万かかることもあります。 また、月額費用は一般型よりも高額です。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは? 下の表では、サ高住と有料老人ホームの特徴をまとめています。 サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 入居条件 60歳以上または 介護者認定を受けた60歳未満 自立または軽度の要介護の60歳以上 サービス内容 安否確認、生活支援全般 食事提供、レクリエーション 自由度 低い 高い 管轄 国土交通省 厚生労働省   有料老人ホームは自立か軽度の要介護者が対象ですが、サ高住は介護度の高さに関係なく入居できます。 有料老人ホームのサービス内容は、食事の提供やレクリエーション活動がメインです。 サ高住のサービス内容には、安否確認や、入浴、食事、買い物など生活支援全般が含まれます。 サ高住は外出や外泊に関するルールがほとんどないため、自由度が高いです。 一方、有料老人ホームは、外出などには制限があり自由度は低くなります。 また、サ高住は国土交通省が管轄する賃貸住宅で、有料老人ホームは厚生労働省が管轄する介護施設です。 サービス付き高齢者向け住宅のメリット、デメリット サ高住のメリットは以下の通りです。 入浴や食事、買い物など必要に応じてサービスを受けられます。 バリアフリー設計であり、高齢者も生活しやすい環境です。 外泊や来客などの制限が緩く、自宅と変わらない生活ができます。 高齢者でも簡単に契約ができ、安心して一人暮らしができます。 日中は看護師や介護スタッフが常駐しているため、緊急時も安心です。 サ高住のデメリットは以下のことが考えられます。 入浴や食事は共用の住宅もあり、ストレスを感じることがあります。 住宅によって、夜間は専門スタッフがいない場合もあります。 賃貸住宅であるため、連帯保証人が必要です。 介護度の高さによっては、転居しなくてはいけない場合もあります。 まとめ 最後までご覧くださりありがとうございます。 今回は、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や有料老人ホームとの違いについてお伝えしました。 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーであり安否確認や生活支援を受けられる賃貸住宅である。 サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者と介護者認定を受けた60歳未満の方が入居可能である。 サービス付き高齢者向け住宅の入居は自由度が高く自宅と変わらない生活を送れるものである。 住宅の種類によって、常駐するスタッフが異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までお読みいただきありがとうございます。