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2022年11月の記事一覧

  • 介護職からケアマネに転身する際に知っておいたほうが良い知識とは?その他の資格についてもご紹介

    介護職からケアマネジャーに転身しようと考えているが、仕事内容に対して不安を感じている人は多いのではないでしょうか? ここでは介護職からケアマネジャーへ転身する際に知っておいた方が良い知識について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには 介護職からケアマネジャーになるには、介護福祉士の場合、最短で5年の実務経験が必要です。 ケアマネジャー試験の要件として、 「指定の国家資格にもとづく業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」または「施設などで相談援助業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」している事とされています。 施設などでの相談業務については、老人福祉施設での生活相談員または老人保健施設での支援相談員、障害者施設での計画相談に携わる相談支援専門員などが対象となり、主に社会福祉士などの有資格者が対象となります。 ケアマネジャーの試験は2017年まで法定資格がなくても、実務経験が10年以上あれば試験を受ける事ができましたが、2018年より無資格による受験は出来なくなりました。 受験対象となる指定の国家資格 ケアマネジャーの試験には以下のいずれかの国家資格を保有していることが条件です。 ・医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 ・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士・社会福祉士 ・精神保健福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士 ・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 ・柔道整復師・栄養士 無資格の介護職からケアマネジャーへ転身するには、3年の実務経験を経て介護福祉士試験に合格し、5年の実務経験後、ケアマネジャーを目指すケースが多いです。 居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの違い ケアマネジャーは居宅介護支援事業所の居宅ケアマネジャーと老人福祉施設や老人保健施設などの施設ケアマネジャーに区分されます。 居宅ケアマネジャーは約35件程度の担当利用者のケアマネジメントを行い、利用者の在宅生活に対する課題を分析し継続した生活が出来るよう、居宅サービスを組み合わせ居宅サービス計画書を作成します。 一方、施設ケアマネジャーは施設規模によりますが、約100件程度の入居者のケアマネジメントを行い施設内で本人らしい生活が継続できるよう施設サービス計画書を作成します。 居宅ケアマネと施設ケアマネでは担当件数の違いはあるものの、ケアマネジメントのプロセスは一緒は一緒なので働き方にあわせて選ぶとよいでしょう。 ケアマネジメントのプロセス ケアマネジャーは利用者が在宅や施設で自分らしい生活を継続出来るよう支援していくため、次のケアマネジメントの過程を行う必要があります。 ケアマネジメントの流れ インテーク(初回面接) アセスメント(課題分析) ケアプランの作成 担当者会議 サービス開始 モニタリング 状況に応じてアセスメントに戻ることがあります。 インテークの注意点 インテークの際、利用者に対して複数のサービス事業所などを紹介し、選択できるようにする必要があります。 サービス事業所の選定理由も説明できるようにしなければなりません。 アセスメントの注意点 アセスメントはケアプランのサービス内容に対して根拠となるよう、23項目の課題分析標準項目について客観的に評価分析する必要があります。 ケアマネジャーの質問力によって利用者の課題の抽出が異なる場合があるため注意が必要です。 ケアプラン作成の注意点 特定事業所加算を算定している居宅介護支援事業所は、ケアプランにインフォーマルサービスの位置づけをしなくてはいけません。 多様な主体などが提供する生活支援として、社会資源の調整や介護保険外のサービスについての知識や情報も必要です。 モニタリングの注意点 ケアプラン作成後、月に一回以上利用者とのモニタリング訪問面談を実施し、結果を記録しなければなりません。 利用者や家族の満足度の確認のほか、新たな課題が発生していないか、サービス状況の聞き取りだけではなく、実際の生活環境から観察することも必要です。 その他、担当者会議の開催やケアプランの交付など、ケアマネジメントが適切に行えていない場合には運営基準減算となってしまうので注意が必要です。 要介護認定と認定調査 ケアマネジャーの業務として、介護認定更新の申請代行や認定調査の委託業務があります。 ケアマネジャーは利用者が切れ目がなく適切にサービスが受けられるよう、介護保険証の確認、必要に応じ、更新に伴う手続きに対して支援しなければなりません。 福祉用具貸与サービスの中には、車椅子や特殊寝台など、要介護2以上でなければ基本使用できないサービスや、要介護3以上が入所要件となる特別養護老人ホームなどがあります。 要介護度によって使えるサービスに制限があるため、利用者の状況に応じ区分変更申請を行うことも必要な業務の一つでしょう。 要介護認定におけるプロセス 要介護認定の申請 認定調査 主治医意見書 介護認定審査会 要介護及び支援の認定 認定調査は市町村職員または市町村から委託を受けた事業者の介護支援専門員が、全国一律の基準と様式を使用し調査を行います。 認定調査項目を理解することで利用者の介護状態を予測し、サービス調整が図れるでしょう。 給付管理・請求業務 ケアマネジャーの業務に給付管理があります。 国保連への請求業務はサービス提供月の翌月10日までに行わなければなりません。 居宅介護支援事業所の請求業務はサービス事業所のサービス提供票の実績を確認し、「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」を作成します。 給付管理に誤りがあるとサービス提供事業所に支払いが行われなくなるため、細心の注意が必要です。 期間中は通常業務をこなしながらレセプト提出準備をしなければならないため、スケジュール管理にも留意しましょう。 地域包括支援センターとの関わり 居宅介護支援事業や小規模多機能型居宅介護などのケアマネジャーは、予防支援の委託業務に携わることがあります。 予防支援の委託業務に携わる場合、介護予防支援や介護予防ケアマネジメントにより、要支援者などに対し総合事業によるサービス等が適切に提供できるよう、ケアマネジメントしていく必要があります。 地域包括支援センターの主な業務 介護予防マネジメント ケアマネジャー支援 総合相談 権利擁護 地域包括支援センターはさまざまな地域課題に対応できるよう、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師などの3つの専門職がいるため、困難事例を抱えた場合でも助言や情報提供をしてもらえるので、積極的に関わっていくとよいでしょう。 業務で役立つ資格 ケアマネジャーはケアマネジメントや各種の介護申請以外に各種書類の作成などにも対応しなければなりません。 介護請求業務や認知症の方の権利擁護、高齢者虐待など地域の問題などにも多岐にわたるため 業務に役立つ資格を活用してみましょう。  業務で役立つ資格は以下のようなものがあります。 介護事務管理士 福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター 認知症介護実践者研修 社会福祉士 介護事務管理士 介護保険施設や居宅介護支援事業所などで介護サービスにかかる費用の請求や、ケアマネジャーの補助的な事務をする専門職です。 介護報酬明細書などの作成業務に対する知識や過誤請求対応などのトラブルを防ぐことができます。 福祉用具専門相談員 福祉用具専門員は利用者の心身の状況、希望や置かれている環境などに応じ、専門的な知識にもとづき福祉用具の選定や使用についての助言、福祉用具の機能、安全性、衛生状態などについての点検・調整を行います。 福祉用具貸与サービスや特定福祉用具購入をプランニングする際に活用できる資格の一つです。 福祉住環境コーディネーター 高齢者や障がい者などに配慮した住宅の改修や生活環境のあり方について提案したり、住宅改修のプランニングなどを行います。 介護保険の住宅改修の「住宅改修が必要な理由書」の作成に対しての知識を学ぶことができます。 認知症介護実践者研修 認知症介護実践者研修では、認知症介護について深く学ぶことができます。 グループホームや小規模多機能型居宅介護で働くケアマネジャーや計画作成担当者などは、認知症介護実践者研修の修了者を配置する義務があります。 2021年4月からは無資格で働く介護職は認知症介護基礎研修の受講が義務化されたこともあり、認知症ケアについての知識についてはさらに必要となってくるでしょう。 社会福祉士 社会福祉士は高齢者や身体障がい者、知的障がい者、児童など援護を必要とする人や、その家族に対し相談や助言、指導、援助を行います。 地域包括支援センターの必須専門職の一つであるとともに、地域福祉のコーディネーターとしての役割や権利擁護など、利用者を取り巻く社会問題の解決に対する知識やネットワークを構築する資格であり、ケアマネジャーの業務でも役立つ資格の一つです。 まとめ 介護職からケアマネジャーになる場合、最短でも介護福祉士で5年の経験年数が必要です。 ケアマネジメントは、一定のプロセスを遵守する必要があり、適切なプロセスを行わないと基準違反となってしまいます。 居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、さまざまな居宅サービス事業所のサービスについての理解も必要です。 しかし、利用者の望む生活を支援するため、介護職の経験をいかし、障がい者自立支援や医療保険サービス、地域のインフォーマルなサービスなどを、活用できるケアマネジャーを目指してみてはどうでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  • 早めの対応が大切! 帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントとは

     親と離れて暮らすと、親の身体機能の低下が気になることはありませんか? 今回は、親の身体機能の低下を見つけるポイントを紹介します。 帰省する時にチェックしてみてくださいね。  帰省する時はここをみよう 親と一緒に暮らしていると、気づけないこともあります。 「足腰が弱くなった」「食が細くなった」など、久しぶりに帰省した時だからこそわかるものです。 ささいな変化に気づくか気づかないかで、今後が大きく変わってきます。 これから紹介することをチェックして、親の変化を見逃さないようにしてくださいね。   部屋がきちんと整えられているか ・「もともときれい好きだったのに、部屋が散らかっている」 ・「掃除がまったく行き届いていない」 ・「新聞や雑誌を捨てれずに、ためこんでいる」  上記のようなことがみられませんか?  「部屋をきれいにして、子どもや孫を迎えたい」と思っていても、加齢によって筋力や体力が低下しているため、片付けや掃除が負担になっているのです。 もともときれい好きでしっかり掃除をしていても、今部屋が散らかっていると「親も認知症かな」と思うかもしれません。 ただ片付けたい気持ちはあっても、身体的に負担になってしまうのです。   立ち座りや歩行が不安定になっていないか  ・「椅子から立ったり座ったりする時に時間がかかったり、きつそう」 ・「歩くスピードが遅くなった」 ・「足が上がらず、すり足で歩いてたり、つまづく」 ・「まとまった時間を歩きたがらない」 上記の事柄も、筋力や体力が低下しているから起こる症状です。 筋力や体力が低下すると、外出の機会が減ります。 動かなくなることが多くなり、悪循環になってさらに筋力や体力が低下します。 こうなると今までできていたことができなくなり、介護が必要な状態になるのです。   外出や運動量が減っていないか ・「買い物など出かけるのは1週間に1回くらい」 ・「歩く量が少なく、5,000歩も歩いていない」 ・「散歩など定期的に運動する習慣がない」 ・「以前は乗っていた自転車に乗らなくなった」  外出の機会が減ると、身体機能の低下につながると前述しました。 運動が苦手な人でも身体機能の維持や認知症予防のため、運動習慣を持つのは大切です。 毎日5,000歩以上歩いている人は認知症発症の確率が低いと言われています。 毎日体を動かしたり、外出する機会を持ちましょう。   筋力が低下していないか  ・「買い物をすると、ペットボトルや米などの重たいものが持てない」 ・「ペットボトルのふたを開けらない」 重たいものなので子どもが持とうとしますが、親に持ってもらうことで筋力低下をみることができます。 まず親の能力をみてから、手助けをしましょう。 また、握力が弱くなると自力で開けるのが難しくなります。 握力は全身の筋力が備わっているかもみるため、弱くなっていると筋力が弱くなっている証拠だからです。 親にペットボトルを渡してふたを開けてもらうことで簡単にチェックできます。  筋力は、「フレイル」や「サルコペニア」を避けるためにも重要です。 「フレイル」と「サルコペニア」について、後ほど詳しく説明します。   食事時に変わったことがみられないか 食事中の変化は特に重要です。以下の事柄を見落とさないようにしましょう。 食事や水分補給の頻度や量が少なくないか 身体機能の低下は、食事の影響を受けています。 1日3食、しっかり栄養のとれた食事を摂るようにしましょう。 脱水予防のためにも、水分もしっかり摂ることが重要です。  お肉を食べているか お肉などのタンパク質は、筋肉の維持のためにも必要です。 筋肉は体を動かしたり、内臓を守る働きがあります。  固いものを食べれるか 口腔の機能が低下すると、歯も弱くなります。 歯が弱くなると、固いものが食べられず、やわらかいものばかり食べます。 そうすると、歯が弱くなるだけでなく、栄養もかたよってしまうのです。 食事中にムセていないか 食事中にムセてしまうのは、嚥下が上手にできないことで食べ物や唾液が気道に入り込み、誤嚥性肺炎になることにつながります。 食べるのがつらそうだったり、不自由そうだったりしていないか、見極めましょう。  半年以内に体重が2~3kg以上減った 十分な栄養が摂れていなかったり、内臓の病気を抱えている可能性があります。 低栄養状態では、フレイルやサルコペニアに直結しやすくなるのです。 また、持病がある場合しっかり栄養を摂っていないと病気の進行を早めてしまいます。 新たな症状を招く可能性も高まりますので、注意が必要です。   睡眠の状態はどうか 寝ることは人間にとってとても重要です。夜の就寝時間にどのような行動をとっているか、チェックすることも重要です。 夜中にトイレに2回以上行っている トイレの回数が多くなると睡眠時間が分断されてしまい、深い眠りにならないので疲れがとれません。  起床時間と就寝時間が日によって数時間単位で異なる 例えば、早い時は23時頃寝るのに、遅い時は2時頃寝たりするとします。 すると、体内時計が狂ってしまい、体のバランスがとれなくなってしまいます。  就寝時間が23時以降 寝るのに1番良いと言われている時間は、21〜23時です。 この時間に寝る時間を習慣にしていると、身体状態も良くなります。   周囲の人に話を聞く  親の周囲にいて、普段の親の状況を知っている人に話を聞くことも重要です。 普段親が付き合っている同居家族や近所の人など 最近の言動の変化、食事や通院、服薬状況などをおさえることができます。 主治医やケアマネ 最近の体調の変化や日々の暮らしでの注意すべき点を聞くことができます。 例えば、「最近足元がふらついているようです」と情報を得たとします。 この情報から、手すりをつけたりリフォームをしたりと、早めの対策ができるのです。 この時注意すべき点は、本人がいない時に話を聞くことです。 本人の目の前で聞くと、相手も気をつかって本当のことを話しづらくなるからです。 本人がいない状況で、「親が普段から、ちゃんと暮らしているか心配」などと、一言そえてみましょう。 親の本当の姿を話してくれるようになります。 本人がいない時に話を聞くことで、本当の姿が知れるのです。 フレイルとサルコペニア 「フレイル」とは、加齢によって心身が衰え、介護が必要となる一歩手前の状態です。 健康な高齢者と要介護状態の高齢者の中間と言われており、段階を追って要介護状態になります。  「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減ったり筋力が低下するなど、身体機能が低下した状態です。 握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)、歩く速度が低下(0.8/m秒以下)しています。 「フレイル」の人は「サルコペニア」を合併していることも多くみられます。  まとめ  ここまで、帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントについて、紹介してきました。 ・部屋がきちんと整えられているか ・立ち座りや歩行が不安定になっていないか ・外出や運動量が減っていないか ・筋力が低下していないか ・食事時に変わったことがみられないか ・睡眠の状態はどうか ・周囲の人に話を聞く 帰省時には、上記のポイントをしっかりチェックしましょう。 親の身体機能の低下を見逃すと、短期間で介護が必要な状態になります。 親は加齢から簡単に弱くなりやすいからです。 要介護状態を予防するためにも、帰省時にはポイントをしっかりチェックすることが重要です。  最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

  • 介護の現場の悩みとはどんなものがある?対処方法もあわせてご紹介!

    仕事をする上でお悩みはつきものです。 介護の現場も同様でさまざまなお悩みがあります。 今回は、介護現場でのお悩みと対処法を紹介します。 介護現場での悩みと対処法 介護現場でよくある以下の5つのお悩みと対処法を紹介します。 介護スキルでのお悩み 利用者とのコミュニケーションでのお悩み 人間関係でのお悩み 生活リズムでのお悩み 体調管理でのお悩み 介護スキルでの悩み 初心者によくあるお悩みの一つが「介護スキル」です。 身体が不自由な方を車椅子からベッドに移乗する、飲み込みが悪い方の食事を介助するなどさまざまな介護スキルが必要です。 介護現場では知識や技術がなければ働けません。 そのため、上手く介助ができないという悩みが介護現場での最大の悩みです。 また、サービスを提供する介護は命に関わる仕事です。 一つのミスが大きな事故に繋がることもあります。 介護スキルでの悩みの対処法 介護スキルは、「経験を積むこと」で初心者でも身につけられます。 そのため、とにかく積極的に行動することが大切です。 また、排泄介助や移乗・移動介助にはコツがあります。 経験から学ぶことも多いため、積極的に先輩や上司に教えてもらいましょう。 同じ体格や力のスタッフに教えてもらうとより参考になります。 介護スキルを身につけていないと、事故につながることや自分の身体を壊す原因にもなるため、注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションでの悩み 介護職はなにより介護をする相手である、利用者と上手にコミュニケーションをとることが重要です。 そのため、上手にコミュニケーションが取れず、それが悩みになってしまうことがあります。 高齢者とのコミュニケーション 介護現場でのお悩みには「高齢者とのコミュニケーション」があります。 人見知りな方や頑固な方などさまざまです。 介護を拒否される、声掛けに対しての反応が冷たいなど、信頼関係の構築に苦労するスタッフもよく見かけます。 認知症の利用者とのコミュニケーション 「認知症の利用者とのコミュニケーション」においては、難しい場面が多くなります。 認知症を患っている利用者でも性格は異なります。 そのため、利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必要です。 認知症の代表的な症状は、短期記憶です。 例えば、食事したことを忘れてしまい「お腹が空いた」と言われる方、何度もトイレに行きたがる方がいます。 また、お風呂やトイレなどを嫌う利用者を促すことに苦戦するスタッフもいます。 体力的に嫌がる方もいますが、不潔と清潔の正しい判断ができなくなる方が多くなります。 上手くコミュニケーションを図れないと、利用者の機嫌を損ねることもあるため注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションの対処法 利用者とのコミュニケーションの対処法は、「利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ること」です。 利用者の性格などをしっかり把握するために、スタッフ同士での情報共有も重要になります。 上手くコミュニケーションが取れているスタッフを真似してみましょう。 また、サービスを拒否されたりコミュニケーションを図ってもらえない時、自分の話し方に原因があるかもしれません。 介護を利用する高齢者は、経験が豊富でプライドもあります。 長期的に付き合って信頼関係を構築することが理想的です。 人間関係でのお悩み 介護職とかかわりがあるのは、利用者だけではありません。 さまざまな人たちと関わることがあるので、人間関係に悩むこともよくあります。 従業員同士 チームワークを必要とする介護現場では「従業員同士の人間関係」のお悩みもつきものです。 例えば、「性格が合わない」「意見の食い違い」などがあげられます。 丁寧に時間をかけて業務を行うスタッフとスピードを重視するスタッフが一緒に仕事をすると、お互いに気になる点がでてきます。 丁寧さを大事にするスタッフは相手の雑さが気になり、スピード重視のスタッフは時間がかかることが気になってしまうのです。 上下関係 介護現場でも「上下関係」のお悩みはつきものです。 介護現場にも、リーダーやマネジャーなど上司にあたる役職が存在します。 サービスを提供する上で、上司からの指示や許可をもらわなければいけない場面もあります。 サービス提供方針は基本的に上司の考え方がメインになるため、方針が合わないと仕事がやりにくくなることもあります。 人間関係でのお悩みの対処法 従業員同士の人間関係の対処法は、「従業員とコミュニケーションを図ること」です。 介護に関する考え方を理解して、相手の良さを引き出しましょう。 お互いの短所を補い合える関係性が理想的です。 上下関係の対処法は、「仕事でアピールすること」です。 仕事ができる介護スタッフの意見は取り入れてもらいやすくなります。 利用者に最も近いのは現場の介護スタッフのため、介護スタッフの意見は利用者にとって役に立つこともあります。 現場の意見を積極的に取り入れてくれる上司がいるのが理想的です。 生活リズムでのお悩み 介護の仕事は、「生活リズム」が崩れやすくなります。 日勤だけではなく夜勤もあり、毎日の勤務時間が異なります。 夜勤の場合、午前中に帰宅するため眠りにつきにくく、生活リズムは乱れやすくなります。 生活リズムの対処法 生活リズムの対処法は、「食事や入浴、睡眠の時間をなるべく変えないこと」です。 これらは生活リズムを作る大きな役割を果たします。 夜勤の場合は、午前中に睡眠時間を取りすぎないように注意しましょう。 夜に寝られなくなり、生活リズムが崩れる原因となります。 体調管理でのお悩み 体力を必要とする介護現場では、体調管理のお悩みも多くなります。 身体的負担 入浴介助や、身体が不自由な方、身体の大きい方を移動・移乗することは簡単なことではありません。 介護者が体が小さい方の場合、身体的な負担が大きくなることがあります。 精神的負担 これまで述べてきた一つひとつのお悩みからストレスが溜まり、「精神的負担」が生まれることもあります。 精神的な負担があると睡眠不足や食欲低下などにより体力がなくなり、悪循環になります。 体調管理でのお悩みの対処法 身体的負担の対処法は、「セルフケアすること」「身体に負担をかけない介護スキルを身につけること」です。 まずは、湯船に浸かる時間や睡眠時間を確保することが大事です。 それでも疲れが取れない場合は、業務上で身体に大きな負担がかかっていることが考えられます。 介護現場は身体が資本であり、身体を壊してしまうと仕事を続けられません。 介護にはコツがあるため、積極的に取り入れることが重要です。 精神的負担の対処法は、「セルフケアすること」「相談すること」です。 セルフケアには、食事や睡眠など生活を見直すこと、趣味などの時間を作り気分転換することなどが挙げられます。 相談は職場の人以外の家族や友人でも構いません。 心の中でモヤモヤしていることや抱えきれないものは吐き出してみましょう。 人に聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。 他人の意見を聞いて、新しい考え方や対処法が見つかることが理想的です。 まとめ 今回は、介護現場でのお悩みと対処法についてお伝えしました。 介護スキルでのお悩みの対処法は、経験を積み先輩からコツを教わること。 利用者とのコミュニケーションの対処法は、一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を見つけること。 人間関係でのお悩みには、従業員同士と上下関係がありお互いを理解して働きやすい環境を作ることや先輩や上司に認めてもらうことが重要。 生活リズムの対処法は、食事や睡眠の時間を大きく変えないようにすること。 体調管理の対処法は、セルフケアして心身共にリラックスする時間を作ることである。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 親の為の介護施設を選ぶために。安心して任せられるポイントをご紹介!

    「そろそろ親の為の介護施設を考えなくてはならない」 そんな時の為に、本記事では親の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントを解説します。 介護施設とは 介護施設とは、介護を受けながら生活できる施設の総称です。 代表的な施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム等があります。 介護保険の制度は複雑で介護施設は他にもたくさんありますが、介護を受けながら生活する施設として代表的なのは上記4施設です。 その人の要介護度や心身機能の状態、経済状況等によって選択肢が変わってきます。 親の為の介護施設を考えるタイミング 介護施設に自分から入りたいと考えている人はほとんどいないでしょう。 住み慣れた自宅でいつまでも暮らしたいと思うのは当然のことです。 しかし、病気や加齢によって身の回りのことが少しづつできなくなり、家族だけで介護していくのが難しい場合もあります。 在宅介護を続けられるかどうか見極めるポイントになるのは「排泄」と「移動」です。 この2つができなくなると、介護している家族の負担がとても大きくなります。 「排泄」と「移動」が難しくなった時には施設への入所を考えることになるでしょう。 今は核家族化が進み、家庭内での介護の担い手が極端に少ない状況です。 たいていのケースは、子や嫁といった「家庭内の誰か」に介護の負担が集中しています。 在宅介護を続けるか、施設入所を考えるかは、介護していく上で非常に大きな分岐点です。 これまでの人生で本人や家族が大切にしてきたこと、今の心身機能や経済的な状況、将来にわたって受けたい介護や医療をもとに在宅介護を続けるか施設入所を考えるかを検討します。 次からは、親の為の介護施設を探すときの安心して任せられるポイントについて説明します。 親の為の介護施設を探す時のポイント 施設に入所するには、施設選び→見学・申込み→必要書類の準備→面談→入所判定→契約というのが 一般的な流れです。 施設を選ぶ際に着目すべきポイントは以下の通りです。 費用 スタッフ 利用者 居室 医療体制 生活の様子 面会状況 一つずつ解説していきます。 ①費用 介護施設を利用する上で、費用面の確認は必須です。 年金内で収まるのか、月々どの程度の支援が必要なのかを確認します。 特別養護老人ホームや老人保健施設では、年金や預貯金、住民税の課税状況によって食費や居住費が段階的に減額される制度もあります。 介護施設にかかる費用をまずは確認しましょう。 ②スタッフ 自分の親を直接世話してくれるスタッフにどんな人がいるのかは大切なポイントです。 介護士の配置人数や資格保有者の割合、看護師は配置されているか、他にどのような職種のスタッフが配置されているのか。 また、介護の仕事は人手不足が叫ばれている為、外国人スタッフを 雇用している施設も多くあります。 スタッフの国籍や性別のバランス、どのような職種が配置されているのかを確認します。 見学の際にはスタッフの表情も見てみましょう。 挨拶は心地よい印象を与えているか、スタッフ間のコミュニケーションはとれているか、笑顔で働いているかどうかを見ることで、施設の雰囲気を感じ取ることができます。 ③利用者 親が施設へ入所したら他の利用者と一緒に暮らすことになります。 男女比や年齢層等は確認しておくとよいでしょう。 施設によってはフロアやユニット毎に認知症の症状の強い人や医療依存度の高い人を中心にしたグループを作っている場合もあります。 また、スタッフ同様笑顔で過ごせているかでケアの質や施設の雰囲気を感じ取れることもあります。 ④居室 居室は大きく個室か多床室に分かれます。 ユニット型の施設は基本的には全室個室です。 一部多床室を併設している施設もあります。 従来型の施設は4人部屋を基本に、個室や2人部屋もあります。 個室と多床室では利用料金の他、個人のスペースの広さや持ち込める家具家電も変わる為、必ず事前に確認しましょう。 ⑤医療体制 介護施設はあくまで生活の場です。 老人保健施設以外の介護施設では医師は常駐していないことが大半で、1〜2週間に一度の往診が基本です。 その為、施設によって対応できる医療行為が限られています。 場合によっては医療行為が必要になると退所しなければならないこともあります。 胃ろうや鼻腔栄養、バルーンカテーテルやインシュリン注射等、対応できる医療行為については入所前に確認が必要です。 また、看取り介護は行っているか、受診が必要になった時の家族の役割について確認しておくとよいでしょう。 ⑥生活の様子 生活の様子については入所する本人が一番気になるポイントです。 朝起きてから夜寝るまでの一日の流れや食事の内容、催し物やレクリエーションの頻度等、本人が気になりそうな点を確認しておきます。 新型コロナウィルスの流行に伴い、ボランティアや訪問マッサージ等の外部業者を受け入れていない施設も増えています。 少しでも本人が快適に過ごせるよう確認しておきましょう。 ⑦面会状況 新型コロナウィルスの流行によりほとんどの施設は何らかの面会制限をしているでしょう。 面会方法としては「窓越し面会」「アクリル板越しの面会」「zoomやLINEを活用したオンライン面会」等があります。 看取り介護の時期や今後の方針を決める上で必要な時等は直接会えるようにしている施設もあります。 いずれにせよ15分程度の時間制限はあることが多いので、見学の際に面会の体制について確認しましょう。 親が介護施設に入ったら家族の生活はこう変わる 介護施設に入所したら、本人だけでなく家族の生活にも変化があります。 まず一番大きな変化は日々の介護から解放されるということでしょう。 「転んでいないか」「体調の変化はないか」「火元は大丈夫か」という在宅介護ならではの心配はなくなります。 プロに任せている安心感もあります。 時間に余裕ができて体の負担も軽くなるでしょう。 逆に、施設生活に馴染めているか心配になったり、体調が急変して夜中に呼び出されたりといった負担はあります。 「施設から電話がかかってくると身構えてしまう」という声はよく聞きます。 メリットもデメリットもありますが身体的な負担は大きく軽減しますし、介護が理由で仕事ができないということはなくなります。 家族の生活を守ることも介護施設の大きな役目です。 プロに任せられることは任せて家族の生活を整えることも重要です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 親の為の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントについて解説しました。 最後にまとめになりますが、ポイントは以下の7つです。 ①費用・・年金内で収まるか、費用を抑えるために使える制度はあるか ②スタッフ・・男女比、国籍、職種 ③利用者・・男女比、年齢構成、ユニットやフロア毎の利用者の属性 ④居室・・個室か多床室か、間取り、持ち込める家具家電 ⑤医療体制・・対応できる医療行為、看取り介護、緊急時の体制 ⑥生活の様子・・一日の流れ、行事等のプログラム、リハビリ、催し物 ⑦面会状況・・面会の実施状況、方法 これらの全てが理想通りの施設を探すのはとても難しいものです。 優先順位をつけて、どういう施設なら入所する本人やそれを支える家族が幸せに過ごせるかを考えることが大切です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 上手なショートステイの使い方とは?施設の利用で”介護疲れ”をリフレッシュしよう

    特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスやヘルパーなど介護には様々なサービスがあります。 その中に二泊三日など一時的に施設に入所する”ショートステイ”というサービスは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。 今回はショートステイの利用方法やメリットの注意点を解説します。 家族の方が介護疲れをリフレッシュできるよう、ぜひ参考にしてみてください。 ショートステイとは?利用方法は?費用は? ショートステイとは”短期入所”とも呼ばれ、主に高齢者の方が一時的に介護施設に入所するサービスを言います。 家族の方の都合で一泊や二泊のみの利用の方もいれば、一週間や二週間いらっしゃる方もいたりと、利用日数については利用する方の都合によって差があります。 ショートステイで過ごす間は、そこに入所している利用者の方と基本的に同じように生活します。 そしてショートステイには介護保険を利用する場合と、そうでない場合の2パターンあります。 大きな違いは利用施設と費用、利用方法、そして施設の雰囲気です。 介護保険を利用する場合 介護認定を受けていることが利用の必須条件となります。 【短期入所生活介護】と【短期入所療養介護】と二つに分かれ、利用施設も異なります。 短期入所生活介護の場合の多くは特別養護老人ホームになり、入浴などの生活サポートの他、レクリエーションやリハビリを行います。 短期入所療養介護の場合は老人保健施設が主となり、生活サポートだけでなく医療や看護のサポートも充実しており、医療型ショートステイとも呼ばれています。 両者の価格を比較すると、短期入所療養介護の方が少し高く設定されています。 しかし、どちらとも介護保険を使っての利用となりますので基本的に1割か、所得に応じて2〜3割の負担となります。 金銭的負担も少ないことはメリットなのですが、利用する方も多く空きがない場合もよくあることがデメリットです。 利用方法はまず担当のケアマネージャーに相談しましょう。 お盆や年末年始など時期によっては空きがない場合も多いので、そういった時期に利用したい場合は早めに相談してください。 そうでない場合もなるべく早めに相談した方が希望が通りやすくなるので気を付けておきましょう。 ケアマネージャーに相談して空きがあったあとは、ケアマネージャーと利用施設の担当者でケアプランを作成します。 その後事業者と契約し、ショートステイの利用が可能となります。 施設の雰囲気はどちらも認知症や自立度の低い方など一人での生活が難しい方が集まる施設です。 自立度の高い方が利用するには、少し落ち着かない場合もあります。 事前に施設の情報や雰囲気を情報収集し、なるべく「次回の利用はしたくない」とならないよう、ケアマネージャーに相談して決めましょう。 介護保険を利用しない場合 利用施設は有料老人ホームとなります。 費用については介護保険を利用できないので、全額自己負担となり金銭的に心配なのがデメリットです。 しかし、介護保険を必要としないということは介護認定の有無は問われないということなので、どなたでも利用できる点はメリットでもあります。 入所されている方も比較的自立度の高い方が多いので、度の低い方や介護認定のされていない方がショートステイとして利用する場合も馴染みやすい雰囲気です。 また介護保険を使ったショートステイと違い金銭的負担が大きいため、空きがある場合も多いです。 利用したい場合は基本的にまず施設に問い合わせをしてみましょう。 ショートステイによって家族の方の介護疲れが一時的に和らいでも、生活する中で介護の負担はかかるものです。 ショートステイにポジティブなイメージを持ってもらい、次の利用につながるよう特に初回の施設は慎重に選びましょう。 ショートステイを利用するメリット ショートステイを利用するメリットには、以下のことが考えられます。 家族の方の場合 やはり一番大きいのは日々の介護の負担軽減と言えます。 家で介護をするというのは身体的負担だけでなく、精神的にも負担があります。 やりたいこと、行きたい場所があってもなかなか行動できないことで、介護疲れの心配がでてきます。 デイサービスやヘルパーで日中の負担の軽減も大切ですが、介護の生活から一旦離れることで介護疲れを癒しましょう。 またリフレッシュの目的だけでなく、自身が入院や体調を崩すこともあります。 その際他に介護できる方がいない場合にも、ショートステイを利用していれば安心して家を空けることができます。 急にショートステイを利用しなければならない事態に備えるためにも、事前にショートステイを利用して練習しておくと良いでしょう。 利用者の方の場合 一番の利点は施設に慣れることができるという点です。 ショートステイを何回も利用したり、長期間利用している施設に入所することになる場合もあります。 そこの施設の職員や利用者の方と顔見知りになれたり、施設の空気に慣れていれば入所のストレスは 軽減されます。 たとえ認知症を患っており覚えていなかったとしても、職員がその方にあったケアやサポートを事前に知ってくれているのは安心です。 ショートステイで気をつけておきたいこと ショートステイを利用することはメリットだけではありません。 注意点もあることを十分念頭に置いておくことが必要です。 介護保険においての注意点 まず気をつけたいのがショートステイは1か月で30日しか利用できない決まりだということです。 31日目は全額自己負担となり、その後また1日目から介護保険を使用できます。 次に要介護度で利用日数に制限があることです。 というのも、介護認定を受けるにあたって要介護度別に与えられる単位数に違いがあります。 その単位数を超えない範囲でショートステイを利用しましょう。 超えてしまうと自費になってしまいますので、ケアマネージャーに確認しながら利用日数を決めてください。 ショートステイで過ごす上での注意点 まずは持ち物に関してです。 毎日飲んでいる薬や湿布など、服用しているものがあれば必ず忘れないようしましょう。 ショートステイを利用する方の中に、まれにですがご家族の方が慌てて薬を持ってこられる場合があります。 薬だけでなくこれがないと落ち着かない、だったり、初めてや慣れない場所で緊張する方もいます。 いつも以上に持ち物には配慮しましょう。 また下着や衣服、ハンカチなど自宅から持っていくものには全て名前を書きましょう。 入所している方は本当に色んな方がいらっしゃり、自分のものと勘違いされる方もいます。 トラブルを防ぐためにもきちんと名前を書いておいてください。 そして一番大切なのが利用する方の意見や感想を大切にすること。 個室なのか多床室なのか、職員の雰囲気などショートステイの施設にも違いがたくさんあります。 利用する前と後でギャップをなるべく減らすために、資料やネットの情報だけでなくケアマネージャーから情報を得たり、見学してみるのも良いでしょう。 初めてのショートステイで利用中に「帰りたい」や「もう来たくない」と言う利用者の方も多くいらっしゃいます。 帰宅後、ショートステイはどうだったか、もし嫌だったのであれば何が嫌だったのかを聞いてみてください。 他施設で改善できそうなのか、ショートステイ自体が難しそうなのか、話し合ってみましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 日々の介護で介護者は身体的だけでなく、精神的にも非常に負担がかかっているものです。 ショートステイを上手く利用して、心と身体をしっかりとリフレッシュしましょう。 ・介護保険を使用するショートステイは金銭的負担は少ないが、空きがない場合も多いので数か月前にケアマネージャーに相談しましょう。 ・介護保険を使用しない場合のショートステイは全額自己負担のため、金銭的負担は大きいがその分空いている可能性も高い。 ・利用する側も介護者側も一度ショートステイをして施設の雰囲気に慣れることで練習となる。 ・ショートステイは一か月に30日までしか利用できない。 ・介護度によって介護保険内で利用できる日数も違ってくるので、ケアマネージャーと事前に確認しておく。 ・日ごろから服用している薬は日数分忘れないよう持参して持ち物には全て名前を記入する。 ・利用する本人の希望や感想を大切にして、ショートステイにネガティブな印象をなるべく持たないよう配慮する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  • デイサービスでの機能訓練とはどんなもの?本人だけでなく家族にも出る効果をご紹介!

    親が弱くなってきた時に考えるのが、デイサービス利用です。 元気で過ごしてもらうためにも、デイサービスでの機能訓練は効果があります。 今回は、デイサービスの機能訓練についてご紹介します。 デイサービスとは? デイサービスは、利用者が家に閉じこもっているのを防いで、交流を広げることができる場所です。 家族の介護負担を軽くするという目的もあります。 利用者が家で暮らしを続けられるように、利用者に様々なサービスが提供されるからです。 日帰りかつ自宅までの送迎もあるので、本人も受け入れやすくなっているのもポイント。 ですので、デイサービスは閉じこもり予防ができ、交流の場になるのです。 デイサービスの提供サービスは、以下のようなものがあります。 食事 入浴 機能訓練 口腔機能向上サービス 「入浴」、「機能訓練」、「口腔機能向上サービス」を受けるためには、加算が算定されます。 加算が算定されますが、充実したサービスを受けることが可能です。 デイサービスの提供サービスの中でも、「機能訓練」について説明していきます。 デイサービスでの機能訓練の効果とは デイサービスで機能訓練を受けると、様々な効果があります。 本人だけでなく、家族にも効果があるのです。 自宅での暮らしを続けることができる 1人でできることが増える 自宅への閉じこもりを防げる 認知症予防になる 加齢による起こりやすい病気(誤嚥性肺炎など)を予防できる 家族の介護負担を軽くできる デイサービスでの機能訓練 機能訓練は、利用者が住みなれた家で元気に暮らしを続けられるように、アプローチするものです。 機能訓練は、デイサービスでは「個別機能訓練加算」という項目があり、大きな役割を担っています。 機能訓練とは? 機能訓練とは、生活していくために必要な動きを保ったり、改善を図るものです。 歳を重ねると身体機能が低下し、これまでできていたことが難しくなったりします。 例えば、家に閉じこもりがちになったり、ひどくなると寝たきりになります。 本人だけでなく、家族の介護量も増えます。 こういったことを防ぐ役割があるのが、機能訓練です。 機能訓練を行うことで、生活していくために必要な動きを保ったり、改善することが可能なのです。 機能訓練は、身体機能のみにアプローチするものではありません。 要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。 ※指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第92条より 精神面や家族の介護負担軽減にも、アプローチする必要があるのが特徴です。 機能訓練の内容は? 機能訓練の内容として、大きく3つに分けることができます。 身体機能の改善 生活機能の改善 疾病や疾患の維持・予防 それぞれ紹介します。 身体機能の改善 関節や筋肉に、直接アプローチします。 例えば、「歩く時にフラフラしなくなった」、「腕があがるようになった」などです。 歩行訓練や関節可動域訓練、筋力増強訓練などです。 生活機能の改善 自立した生活を送るために、アプローチします。 例えば、「1人でトイレに行くことができる」、「1人でお風呂に入ることができる」などです。 ズボンの上げ下ろしの動作や、浴槽をまたぐ動作の練習を行います。 なれてきたら、実際に現場で行います。 疾病や疾患の維持・予防 加齢とともにさまざまな機能が低下して、疾病を引き起こします。 例えば、誤嚥性肺炎です。 誤嚥予防のために、摂食訓練や嚥下訓練を行います。 機能訓練を行う人は? デイサービスでの機能訓練は、医師の指示は必要ありません。 ですが、スタッフの誰もが機能訓練を実施するわけではありません。 国家資格保有者である「機能訓練指導員」が、機能訓練を担当します。 医療知識のある職種のスタッフが行うため、抱えている悩みも相談できます。 機能訓練を実施できる人 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 看護師 准看護師 柔道整復師 あん摩マッサージ指圧師 実際に機能訓練をしよう デイサービスで機能訓練をするためには、流れがあります。 しっかり流れを踏んで、親に機能訓練に取り組んでもらいましょう。 すでにケアマネとデイサービスと契約した前提で、機能訓練実施の流れを紹介します。 機能訓練指導員の居宅訪問がある 機能訓練指導員が作成した「個別機能訓練計画書」に署名と捺印 機能訓練指導員が作成した「機能訓練メニュー」に取り組む 定期的に機能訓練の効果判定を受ける ※これを3ヶ月サイクルで繰り返す 居宅訪問 ケアマネージャーなどが自宅への訪問(居宅訪問)することがあります。 利用者の家での生活能力や問題点をしっかり把握するためです。 利用者の生活環境に合った機能訓練を実施するためにも、必要になっています。 このため、居宅訪問が必要になるのです。 個別機能訓練計画書、機能訓練メニュー 居宅訪問が終わると、機能訓練指導員が個別機能訓練計画書を作成します。 居宅訪問の結果を内容に反映しなければならないので、ひとりひとり内容が異なっているのです。 内容は、家での生活を続けていく上での目標や機能訓練メニューが設定されています。 説明を受け十分に納得してから、計画書に署名と捺印をしましょう。 これで、機能訓練がスタートです。 機能訓練メニューに沿って、取り組んでいきましょう。 気になることがあれば、機能訓練指導員に尋ねてください。 効果判定 機能訓練に取り組んだら、終わりではありません。 3ヶ月に1回、効果判定があります。 それぞれのデイサービスで内容は異なりますが、体力測定で身体機能を評価するところが多いです。 機能訓練に取り組んできた内容が正解だったのか、目標設定をクリアしたのかみるために、重要です。 まとめ ここまで、デイサービスでの機能訓練について、紹介してきました。 デイサービスは、利用者が家で暮らしを続けられるように、様々なサービスが提供されます。 機能訓練の効果には以下のものがあります。 1人でできることが増える 自宅への閉じこもりを防げる 認知症予防になる 加齢による起こりやすい病気(誤嚥性肺炎など)を予防できる 家族の介護負担を軽くできる 機能訓練は、身体機能のみでなく、精神面や家族の介護負担軽減にもアプローチする 機能訓練の内容は、「身体機能の改善」、「生活機能の改善」、「疾病や疾患の維持・予防」 機能訓練は、国家資格保有者の「機能訓練指導員」が担当する 機能訓練は、3ヶ月サイクルで効果判定があり、繰り返される 親が弱くなってきたなと感じたら、デイサービスで機能訓練に取り組むことを考えましょう。 親に機能訓練に取り組んでもらうことで、いつまでも元気で家で過ごしてもらえるからです。 デイサービスは体験利用があっているところも多く、お試しで1回利用してみるのも手です。 親が介護を必要とする状態になる前に、デイサービスで機能訓練を受けてみてください。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 在宅介護するうえで家族が知っておきたいポイントとは?在宅介護の前後で確認することを解説

    近年、高齢者の増加に伴う老老介護や障害や病気などで両親や兄弟姉妹の介護を担うヤングケアラーが社会的な問題になっています。 介護者は人に介護を話せず社会と孤立する可能性があり、年々その傾向が増加傾向にあります。 この記事は、ご家族の介護が必要になった場合や今後介護を担う家族に向けて、ぜひ知っておいてほしいポイントを紹介します。 介護を始める前の準備から介護を始めてから気をつける点など、家族に参考になる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。 介護を担う家族が知っておきたいポイント3つ 在宅介護は、これから介護者となる家族の気持ちだけでは続けられません。 介護に関する情報をしっかり確認しておかないと、介護する側もされる側も、ストレスを抱え、お互いが望んだ介護にはならないでしょう。 ここでは、これから介護者となる家族が知っておきたいポイントを3つ、紹介します。 ①介護のメリット・デメリットを知っておく はじめに、自宅で介護するメリット・デメリットを知っておきましょう。 まずは、大きなメリットとして、次の3つです。 自宅で過ごせる安心感が得られる 施設に比べて、介護費用が減らせる 自分なりの介護方法が見つかり、家族の不安が解消する 施設に預けている罪悪感を感じない 一方、デメリットとして次のようなものがあります。 家族の負担が大きい 社会からの孤立感を持ち、周囲に助けを求めず、一人で抱えてしまう可能性がある 肉体的、精神的な疲労が積み重なる 介護期間によっては経済的な負担が増え、先行きが不安になる このように、在宅介護には、メリットだけでなく、必ずデメリットも存在するのです。 ②介護保険、介護サービスの内容を知っておく 介護保険では、さまざまな介護サービスが利用できます。 介護保険を利用することで、介護者の支出が抑えられ、経済的な負担が軽減できるのです。 介護保険制度は、要介護者や介護者の介護を支える制度なので、事前に内容を知っておくことが大切です。 注意すべき点は、住民票がある市区町村の福祉課または地域包括センターに「要介護(要支援)認定」を申請して介護度の認定を受けてからの利用になるため、早めの対応が必要になります。 ③会社の就業規則や制度を知っておく 会社へお勤めの方は、介護を始める前に会社の就業規則や制度を知っておかなければ、仕事と介護の両立ができません。 一般的に介護に関する会社の制度は育児・介護休業法で定められており、「介護休暇」や「介護休業」が取得できます。 その他、会社によっては個別の福祉制度を持っていることもあるため、労務担当者へ確認しておくとよいでしょう。 介護休暇 介護休業 取得可能日数 介護対象家族1人で最大5日。 介護対象家族2名以上で最大10日。 介護対象家族1人で最大93日。 (3回まで分割取得可能) 賃金・給付金 原則、無給。 原則、無給。 但し、条件を満たせば、介護休業制度の利用により、決められた算出方法で受給可能。 申請方法 当日の申請も可能であるが、会社によっては事前申請が必要な場合もある 休業取得開始2週間前までに書面で申請する。 利用可能対象者 雇用期間6か月以上。(要介護の家族介護が条件) 同一の会社で雇用期間1年以上。 また介護休業93日取得後も、半年以上の雇用契約を約束できる人 (要介護の家族介護が条件) ここでいう介護対象家族とは、配偶者・実の父母(養父母含む)、子、義父母、祖父母、孫、兄弟姉妹です。 介護を始める前に確認しておくポイント6つ 家族の介護を決断しても、すぐに介護生活に入るとさまざまな課題が見つかるものです。 それでは安心できる介護ができません。 ここでは、介護を始める前に確認しておきたいポイントを6つ紹介します。 ①家族の中で主に介護を担う人を決める 初めに、家族の中で主に介護を担う人を決めておく必要があります。 また、できる限り家族にも協力を促し、役割分担も決めておきましょう。 介護者は、介護サービスや訪問医療、訪問看護の利用のためにさまざまな手続きやサポート体制の打合せが必要になります。 手続きや申請などで中心となる介護者が不在になることも考慮しておくことも重要です。 そのため、家族の協力は欠かせません。 ②介護認定を受けておく 介護保険制度を利用するためには、要介護認定を受けるための申請が必要です。 要介護度によって利用できる介護サービスの内容が変わるため、各自治体の介護保険関係の窓口で申請書を受け取り、必要な書類を確認後要介護者の住民票がある市町村長の窓口で申請しておきましょう。 その際、介護認定審査日を決めて審査を受ければ、認定区分が決定し、通知されます。 ③利用する施設やサービスを決めておく 介護保険で受けられるサービスには、「通所サービス」「訪問サービス」「短期入所サービス」があります。 通所サービス・・・・デイサービス、通所リハビリテーション 訪問サービス・・・・訪問介護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション 短期入所サービス・・看護小規模多機能ホームなどショートステイ利用可能施設 また医療保険では、訪問診療や訪問看護、訪問介護サービスも利用できることを知っておきましょう。 ④介護を始める生活環境を確認しておく 介護は想像以上に生活環境が大切になるため、介護環境を確認し、整備することも必要です。 利用する施設が決まれば、担当するケアマネージャーも決まります。 介護ベッドの位置、車椅子への移乗や移動、福祉用具の設置位置など、介護に精通するケアマネージャーの存在は欠かせません。 ケアマネジャーの提案を尊重し、可能な限り快適な介護環境を作っておきましょう。 ⑤福祉用具を準備する ケアマネジャーから提案された福祉用具は、在宅介護を始めるまでの事前準備時間に余裕を持って準備しておきましよう。 介護する部屋に福祉用具を置き、ストレスを感じない配置になっているか確認しておくことも大切です。 また可能であれば、家族の意見を聞いておくことも考えてください。 ⑥家族の介護スキルを伸ばす 介護者に留まらず、協力できる家族の介護スキルを伸ばしておくことは少しでも楽な介護を続けるためには必要です。 介護者によって介護方法が変わると、要介護者にストレスを与えます。 最低限のスキルは持ち、場合によっては、介護当初は、訪問介護サービスを利用しながら 実際に介護方法を学ぶのも1つの方法です。 在宅介護当初に確認すべきポイント4つ 介護当初では、介護にかかわるさまざまな条件など、考慮しておきたい点があります。 ここでは、介護当初に確認すべきポイントを4つ、紹介します。 ①介護用品は買いだめしない 介護当初からおむつカバーや尿取りパッドなどの介護用品の買いだめはしないことをおすすめします。 病院や施設は介護者に負担感の少ない介護用品を使用しているとは限りません。 介護を始めてから徐々に身体の負担感の少ない介護用品に変えていくことも必要です。 ②健康状態に気を配る 要介護者の健康状態に気を配るようにしてください。 周囲の環境によって要介護者が変調をきたす場合もあります。 医療従事者やケアマネジャーなどに確認し、慌てずに対処することが大切です。 ③自宅内の動線を確保する 介護は朝から夜まで部屋の移動を繰り返しています。 部屋の移動の妨げになる介護用品は、部屋の隅などに移動、保管しておきましょう。 ④医療従事者や介護士とのコミュニケーションを大切にする 医療従事者や介護士とのコミュニケーションを大切にすることも在宅介護では必要です。 特に体調の変化は介護者の情報が頼りです。 医療や介護に関する情報は可能な限り連絡し、情報共有しておくことで、信頼関係が構築できます。 介護に慣れた時点で確認すべきポイント3つ 介護が生活の一部になってくるので、生活パターンを振り返る時間も必要です。 ここでは、介護に慣れた時点で確認しておきたいポイントを3つご紹介します。 ①自分なりの介護リズムを見つけたか? 自分なりの介護リズムを見つけていますか。 体調の変化に気づいた介護になっているか確認してください。 毎日時間どおりに確実に介護をしても、独りよがりの介護になっているかもしれません。 今までの介護のやり方がすべて正しいとは限りません。 時間に追われた介護になっていないか、形通りの介護になっていないか、時には振り返る時間も必要です。 ②福祉用具を見極めたか? 福祉用具を見極めていますか。 特に介護ベッドは、さまざまなタイプがあります。 介護度に合わせた福祉用具への変更を検討するタイミングを見逃さないでください。 ③積極的に介護サービスを利用しているか? 積極的に介護サービスを利用しているか、再度ケアプランなどの確認もしておきましょう。 在宅介護が続くと今の介護方法が当たり前のようになり、日頃の介護疲れの蓄積に意外と気づかないものです。 一度利用している介護サービスを確認し、介護者も気分転換できる時間が持てるように見直していきましょう。 まとめ 介護者には人それぞれ、自分なりの介護方法があります。 特に介護経験が長くなると、基本的なスキルは同じでも少しずつオリジナルな介護になっていくのです。 ただし、介護経験の浅い介護者は昨日の介護を反省し、今日は100%の介護を目指そうとします。 その介護はやがてはストレスとなり、介護疲れやストレスの蓄積につながるのです。 介護を担う人が疲れを感じた場合は、介護サービスを最大限に活用し、負担を感じない介護に変えるタイミングも時には必要です。

  • 通ってみたくなるディサービスとは?認知症改善やリハビリ整備など確認したいポイントを解説!

    ディサービスに通う一番の目的といえば、認知症の改善や予防や健康寿命を伸ばすことではないでしょうか。 それにせっかくなら楽しくデイサービスに通いたいものです。 そこで今回は実際にディサービスで働いている私が、通ってみたくなるデイサービスのポイントを 5つご紹介します。 通ってみたくなるディサービス・ポイント5つ ディサービスには場所によりサービスの内容が異なります。 その中でも楽しいディサービスには以下のようなポイントがあります。 ぜひ参考にしてみてください。 (1)ディサービスで過ごす間、手の空く時間が少ない 注目したいのが「利用者の方が空き時間をどう過ごされているのか」ということです。 つまり職員もなるべく一緒に利用者の方が手持ち無沙汰にならないように意識しているのかどうか、が重要になります。 ここでは、認知症の改善を感じることができる、空き時間の使い方の例を紹介します。 そこでは模造紙に描かれたイラストに貼り絵を行っていました。 イラストの線を理解し色分けして貼り絵をすることは、認知症の方にとっては非常に難しいことです。 しかし何度も繰り返す中で上達して、最終的には職員と協力し素敵な作品が完成しました。 このように認知症の改善には空き時間を有効的に使うことはとても重要です。 認知症もあまりなく、周りとのコミュニケーションに心配のない利用者の方なら問題ありませんが、「認知症の改善や予防を重点的に」と考えている方は大切にしたいポイントです。 定員の多いディサービスの場合、利用者の方が手持ち無沙汰になってしまうことがよくあります。 施設に到着後、お風呂、食事、運動と忙しくはあるのですが、それらが済んでしまった後「さて、何をしようか」となってしまうことも少なくありません。 要介護度の低い方同士であればお話をされたり、オセロや囲碁などのテーブルゲームを楽しむこともできます。 ただそういったことが難しい利用者の方は、テレビを見たり、横になったりして時間を過ごします。 ご家族の方からすると、せっかく認知症の改善のためのディサービスなのになんだか物足りなく感じてしまいがちです。 だからこそ、空き時間のバリエーション豊かな解消法を知っているデイサービスは、通ってみたいデイサービスであると言えます。 (2)デイサービスでのレク活動やリハビリ設備が整っている リハビリ設備が整っていることや一日の中で運動の機会が多いことは、ディサービスで過ごす上で楽しめるポイントとなります。 ディサービスに通っている方の多くは身体を動かすことを目的にしています。 利用者の方には「これ以上身体が動かなくなったら・・・」と心配している方も非常に多いです。 でもせっかく身体を動かすなら楽しく行いたいものです。 レクリエーション活動を設けているディサービスもあります。 例えば棒を一本ずつ持ち球を転がしてチームでゴールを目指す棒サッカーや、スプーンでピンポン球を渡すスプーンリレーなどが挙げられます。 これらはあまり会話をしない利用者の方でも声を上げて楽しく参加できます。 しっかり笑って普段関わらない人と会話をするという体験は脳に刺激を与え、認知症の改善に有効です。 多くのディサービスはリハビリ設備が備わっていますが、どの程度力を入れているかは様々です。 自転車漕ぎなどの簡単なマシーンのみが置いてある施設もあれば、ウォーターべッドや酸素カプセルまで用意されてある施設もあったりと本当に十人十色です。 もちろんマシーンで身体を動かし、脳を活性化させることも大切です。 ですがウォーターベッドなどでリラックスし、副交感神経を優位にすることもまた認知症の改善には有効と言われています。 アロマテラピーでストレスの緩和や精神的ケアが得られることと同じです。 レクリエーションとリハビリ設備が充実していることは【通ってみたくなるディサービス】の外せないポイントです。 (3)認知症の改善に大切な”お風呂”に力を入れている お風呂に力を入れているというのは、脱衣所や浴室のデザインや清潔感を考慮しているということです。 例えば家族の誘いで初めてディサービスを利用される方の中には、「他の人と入浴するなんて抵抗がある」と仰る方も多くいらっしゃいます。 けれどご家族の方の多くは、ディサービスでの入浴を希望されています。 利用者の方とご家族の方の希望にずれがあったとしても、見学の際に旅館の大浴場をイメージさせるような清潔感のある浴室であれば、「ここのお風呂なら入ってもいいな」と家族の悩みの解消をしてくれる手助けとなります。 その後実際に来られた際には、快く入浴してくださるケースがほとんどです。 また認知症を患う利用者の方は日によって「今日はお風呂に入りたくない」という気分になり、一生懸命お話してもなかなか難しい場合があります。 そういう時にも「お風呂に入りたい!」と思えるようなステキな内装であれば、利用者の方がポジティブな気持ちに切り替えてくださることもあります。 私たちも普段「面倒だな」なんて思っていた入浴が旅館やホテルの大浴場だとテンションが上がったりしますよね。 またお風呂は認知症の改善や予防にとても大切で、入浴で得られるリラックス効果に期待ができます。 さらに清潔・不潔の意識は認知症かどうかの判断材料にもなり、≪お風呂に何日も入らない≫や≪着替えに対して意欲がない≫というのは心配です。 認知症の改善という面でもご自宅での負担軽減という面でも、デイサービスでの入浴はご家族の方にとって気になるところです。 清潔感があり少し非日常を感じさせるようなお風呂であれば、通ってみたいと思う条件の一つになります。 (4)ディサービスでの昼食が充実している 厨房が併設されているディサービスであれば温かい料理がそのまま運ばれてきますので、出来立ての昼食を食べることができます。 施設によって昼食は差がある部分で、厨房が併設されていない場合はお弁当を外部から取り寄せることがほとんどです。 外部のお弁当は少し冷えている場合も多く、やはり出来立ての料理と比較すると物足りない気持ちになる方もいます。 さらに利用者の方が急に腹痛など体調を崩されたとしても、すぐにその状況にあった昼食に対応できることもメリットです。 利用者の方の中にはお独りで住んでいる方や、一緒にお住まいの方もご高齢で宅配弁当のサービスを利用している場合も少なくありません。 だからこそ、利用者の方の中には本当にデイサービスの食事を楽しみに来ておられる方が多くいらっしゃいます。 美味しいものを食べるというのは脳が刺激されて、認知症の改善にとっても重要なポイントの一つです。 他の利用者の方と楽しく食事を摂ることは認知症の改善や予防にとても大切なこと。 歳を重ねるにつれてアクティブに活動することがどうしても難しくなります。 ”食事”という楽しみを大切にしているディサービスはそれだけでも高い満足感を得ることができます。 (5)ディサービスの利用者の方を大切にしている 最後の5つめは当たり前ではありますが、最も重要なポイントになります。 飲食店でも差があるのと同じように、実は施設によっても差が出やすい部分です。 まずは接遇やマナーの点です。 今でこそ注意されることの増えてきた接遇ですが、敬語を使わずサービスを提供している施設もあります。 人生の先輩であり、お客様である利用者の方に対して敬意を払って接しているディサービスに通いたいものです。 またもう一点がご家族に対して些細な報告もしっかり行っているかどうかです。 ご家族の方が一緒に住んでいたとしても、日々の介護に一生懸命で見落としてしまう変化が必ずあります。 しかしお風呂介助を行う職員がしっかりと注目していることで、小さなひっかき傷や痣、湿疹などが見つかる可能性があります。 もちろんお風呂だけではなく、その日の利用者の方の状態は多くの職員が日ごろから意識して見ています。 職員にとってそれが見覚えのないものであれば、ご家族の方に報告することで必要であれば通院して治療をすることができます。 認知症の方はそれが以前からあった傷かどうか覚えておらず、ご家族の方も気づかない場合も多いので、こういった些細な報告は大切です。 信頼のできるディサービスであれば、利用者の方にとってもご家族の方にとっても、安心して通うことができます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 介護士の目線で通ってみたくなるディサービスをご紹介させていただきました。 ・入浴、昼食以外の時間にも認知症の改善を意識した時間づくりを行っており、利用者の方がなるべく手持ち無沙汰にならないよう意識している。 ・運動とリラックス、どちらの面でも対応できるリハビリ設備があったり、レクリエーションの時間を設けて他利用者の方とのコミュニケーションを大切にしている。 ・ただ入浴するためだけの施設ではなく、デザインや清潔感に手を抜かず、お風呂に入りたくなるような環境づくりをしている。 ・温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供が可能な厨房の併設しているディサービスだと食事も楽しめる。 ・接遇やマナーがきちんとしていることや、利用者の方の些細な変化に気づくことができていることで安心できる。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。    

  • 介護保険で使用できる福祉用具とは?レンタルする方法や注意点などについてご紹介

    要支援・要介護認定を受け、介護保険が利用できるようになったら、福祉用具を生活に取り入れることを検討してみましょう。 購入するとなると高額でも、介護保険を使って比較的安価でレンタルすることができる福祉用具も数多くあります。 今回は介護保険を使って福祉用具をレンタルする手順から、福祉用具の紹介、そして注意点までをご紹介します。 介護保険使用して福祉用具をレンタルする手順 介護保険を使って福祉用具をレンタルするには、要支援や要介護の認定を受けていることが必須条件です。 介護保険を使用した場合、福祉用具のレンタル料金は基本的に自己負担1割となります。 ただし所得に応じて、2割〜3割になることもありますので、自分は一体何割負担となるのかを、ケアマネージャーに事前に確認しておきましょう。 それでは、福祉用具をレンタルしたい場合、どのような手順で行うのかをご紹介します。 ①ケアマネージャーに相談しましょう。 福祉用具もその方にあったものを提供しなければなりません。 地域包括支援センターに相談する方法もありますが、普段からその方の身体の状態をよく理解してくれているケアマネージャーであれば安心です。 その後ケアマネージャーと共にケアプランを立てて、問題ないかを確認します。 ②福祉用具の選定 例えば車いすをレンタルするにしても、自分でも操作できる自走式かそうでないかを決めなければなりません。 このように福祉用具にはそれぞれ違いがあります。 その方の望む福祉用具と実際に使う福祉用具にギャップがないように確認します。 ③申し込みと契約の確認 使いたい福祉用具が決定したら、ケアマネージャーに連絡します。 その後、使用料金や契約内容に相違がないかを確認します。 ④いよいよレンタルの開始 福祉用具が手元に届きます。 組み立てが必要なものだったり、設置が必要なものは福祉用具貸与事業者にお願いします。 使用する上で確認したいことがあれば、この際に確認して下さい。 初めての福祉用具レンタルの場合、手順が分からず不安を感じる方もいるでしょう。 しかしケアマネージャーに不安点も相談すれば問題ありません。 実際使ってみて「思っていた福祉用具と違う」とならないように、自分の希望をしっかり伝えることを忘れずに、ケアマネージャーと一緒にケアプランをたてましょう。 介護保険を使用してレンタルされることの多い福祉用具 介護保険を使用して使える福祉用具にはかなり種類があります。 「こんなものまで!?」と驚くような福祉用具まであるかもしれません。 今回は在宅介護でよく使われるような福祉用具をご紹介します。 ①車いす 車いすは普段もよく目にしますし、レンタルされる福祉用具の中でもかなり上位です。 自走式と介助式があり、自走式は自分でも他人でも操作できるタイプ、介助式は他人しか操作できないタイプです。 また電動タイプのものもあります。 街で電動で車いすを操作している方を見かけたことがあるのではないでしょうか。 操作方法だけでなく、デザインや座り心地も多種多様で、好みが出る部分です。 座り心地に関しては長時間座っているとお尻や腰を痛めることもありますので、こだわりたい部分です。 ②歩行器・歩行車 こちらは比較的自立して歩くことのできる方が使用する福祉用具です。 歩行器はコマのついていない四つの脚がついているもの、歩行車はコマがついていてお買い物などの際によく使われる福祉用具です。 ここで注意したいのが歩行車は介護保険の対象ですが、シルバーカーは対象外であることです。 大きな違いはシルバーカーには座面がついていること、ハンドル部分が歩行車のようにコの字型ではなく真っすぐになっていることです。 レンタルする際はカタログを見て選んだりケアマネージャーと相談しながら決めますので、誤って対象外のシルバーカーを選んでしまうことは考えづらいですが、念のため注意しましょう。 ③手すり 手すりというと改修工事が必要だと思われがちですが、介護保険を使用すると置き型手すりや突っ張り型手すりをレンタルすることができます。 置いたり突っ張るだけで設置完了となり、設置できる場所に制限が少なく、居住スペースに取り入れやすいことが特徴です。 立ち上がったり起き上がったり室内では大きな動作が意外と多く、転倒リスクが高いと言われています。 形もバリエーション豊かなので、目的に合った手すりを選びましょう。 ④シャワーチェア 浴室用の福祉用具です。 普段私たちが入浴する際は小さな椅子を使用することが多いですが、高さが低いので高齢者の方では座ったり立ち上がったりすることが困難です。 シャワーチェアはリビングなどで使われる椅子と同じように、高さがあり肘置きもあるので動作しやすく、転倒のリスクが軽減されます。 また一人で入浴できず、誰かの介助を必要とする方も多くいらっしゃいます。 高さがあるため介助者も腰を痛めたりする心配も少なく、介助者にとっても取り入れたい福祉用具の一つです。 ⑤介護用ベッド 介護用ベッドも介護保険を使用してレンタルすることができます。 自動で背上げ機能で起き上がりのサポートをしたり、脚上げ機能でむくみ防止をサポートします。 気になるのがレンタルできる福祉用具の中で高価な点です。 しかし使用者の方だけでなく、介助者の負担軽減のためにも検討したい福祉用具です。 介護保険を使用できるレンタル福祉用具は今回ご紹介したものだけではありません。 ケアマネージャーや福祉用具専門相談員にアドバイスをもらいながら、目的にあった福祉用具を取り入れましょう。 介護保険を使用して福祉用具をレンタルする際の注意点 福祉用具をレンタルするときには、さまざまな注意点があります。 介護者に遭った福祉用具をレンタルするためにも、以下のことに気を付けるようにしましょう。 ①認定された介護度によってレンタルできる福祉用具に制限がある 介護度が低いとレンタルすることができない福祉用具があります。 車いす関連の福祉用具や老人徘徊感知機器は、要支援の方はレンタルすることができません。 要支援の方は自立度やADLが高いので必要ではないと判断されているためです。 ただし例外給付もあります。 例えばパーキンソン病を患っており、時間帯や日によって状態が大きく変わる場合です。 そうでなかったとしても上記の福祉用具が必要となれば、ひとまずはケアマネージャーの方に相談しましょう。 ②福祉用具によっては、購入は介護保険の適用外となる 介護保険を使用してレンタルすることはできても、購入する際は介護保険が適用できないものがあります。 今回紹介した中であれば、手すり、車いす、ベッド、歩行器・歩行車は使用できません。 シャワーチェアのみ適用内となります。 介護保険を使用して購入できる福祉用具は”特定福祉用具”と呼ばれており、その基準は直接肌が触れるかどうかとなっています。 長く利用するのであればレンタルではなく、購入した方がお得と感じる方もいらっしゃいますが、特定福祉用具以外を購入する際は自費負担となります。 慎重に検討しましょう。 ③定期的なメンテナンスが必要 福祉用具を使用する上で最も大切なことです。 日々使っていると、ネジがゆるんだり高さが合わなくなったり、不具合が出てきます。 不具合で事故が発生することもあります。 レンタルを開始して終わりではなく、不具合がないかどうか日ごろから意識して、万が一不具合があった場合はすぐに福祉用具専門相談員に連絡しましょう。 まとめ いかがでしたか? 福祉用具を取り入れることで、生活の質が上がりご本人にとっても、介助者にとっても負担が軽減されることとなります。 ・レンタル料金は原則1割負担。収入によっては2割〜3割となることもある。 ・介護保険を使用して福祉用具を使いたいと思ったら、まずは自身の身体のことをよく理解してくれているケアマネージャーに相談する。 ・どの福祉用具にも様々なバリエーションがあるため、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員のアドバイスを受けながら選ぶ。 ・介護度によって介護保険適用内でレンタルできない福祉用具がある。 ・特定福祉用具以外は購入する際に介護保険は使用できない。 ・日々福祉用具を使用する中で不具合がないかどうかチェックし、定期的なメンテナンスを行う。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • 【ケアマネ必読!】福祉用具を取り入れるポイントは?取り入れる流れについてもご紹介

    福祉用具は需要の高い、介護保険のサービスの1つです。 福祉用具には様々なものがあるため、選定も悩みどころです。 今回はケアマネが福祉用具を取り入れるポイントや流れを紹介します。 福祉用具とは? 福祉用具は、要介護認定を受けた人などが生活の幅を広げることができる用具です。 福祉用具を使用することで、自立した毎日を送る手助けになるからです。 福祉用具は、本人だけでなく家族の介護量を減らすこともできます。  たとえば、ベッドから起き上がれない人の生活圏はベッドで、限られています。 そこで、ベッドのそばに手すりを置いてみると、手すりにつかまって1人で起き上がることができ、生活圏が広がります。 動作ができるようになるだけでなく、「自分1人でできた!」という、自信も出てくるのです。 家族も起きるための手伝いをしなくて良くなり、介護量が減ります。  このように、福祉用具は介護認定を受けた人だけでなく、家族の生活も良くする用具なのです。 ですが、種類も多く、どれを導入すればよいかわかりにくいですよね。 福祉用具を取り入れる時はポイントがありますので、紹介していきます。 福祉用具にはどんな品目がある? 福祉用具は、大きくわけて2種類あります。 レンタルの「福祉用具貸与」と、購入の「特定福祉用具販売」です。  福祉用具は基本的には「貸与」が原則となっていますが、外れるものもあります。 それが、入浴や排泄時に使用する「特定福祉用具販売」です。 衛生面の観点からみても、他者が再利用するには心理的に抵抗感があるものになるからです。 たとえば、ポータブルトイレ、シャワーチェアなどがあります。 ポータブルトイレやシャワーチェアなどは、直接肌が触れたり摩耗します。 このため、「福祉用具貸与」ではなく、「特定福祉用具販売」で対応します。 福祉用具貸与(13品目) 以下の福祉用具はレンタルすることができます。 車いす 車いす付属品 特殊寝台 特殊寝台付属品 床ずれ防止用具 体位変換器 移動用リフト(つり具の部分を除く) 認知症老人徘徊感知機器 自動排泄処理装置 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 原則として、要支援1・2、要介護1の人は「手すり」「スロープ」「歩行器」「歩行補助杖」以外は利用できません。 また、要支援1・2、要介護1・2・3の人は「自動排泄処理装置」は利用できません。 これらの用具を利用する状態が想定しづらいからです。 利用料金は、所得によって異なりますが、費用の1〜3割です。 介護度に応じた支給限度額が決まっているため、その額の中で必要に応じて貸与します。  特定福祉用具販売(6品目) 購入する福祉用具は以下の6品です。 腰掛便座 自動排泄処理装置の交換可能部品 排泄予測支援機器 簡易浴槽 移動用リフトのつり具の部分 入浴補助具  特定福祉用具販売は、1年間で購入できる金額は10万円までと決まっています。 そのうちの自己負担分は、所得によりことなりますが、1~3万円です。 1度全額負担支払う必要があり、手続き後に自己負担分以外が返ってきます。 10万円を超えると、超えた分は自己負担になりますので、注意してください。 福祉用具を取り入れるポイントは? 福祉用具を取り入れるポイントは、「福祉用具を使って、利用者の生活の質が上がっているか」です。 福祉用具は、「日常生活の便宜を図ったり機能訓練のための用具で介護保険の給付対象」とされているからです。 福祉用具を取り入れることで、状態が悪くなったり、過ごしにくくなってしまっては、意味がありません。 例えば、歩行が不安定になったからといって、杖を取り入れるのが一概に正しいとはいえません。 認知面の低下が強い利用者に杖を取り入れても、正しく使用するのは難しくなります。 杖を自分の足に引っかけるなど、かえって転倒リスクが高まってしまうのです。 転倒すると痛みが出たり、場合によっては骨折してしまい、生活の質が低下してしまいます。 福祉用具が利用者の生活のさまたげになっていないか、質が上がっているか必ず確認してください。 また、現在の利用者の状態に合っているかをチェックするのも大切です。 例えば、現在は車いすを自走できるのに、先を見据えて介助式の車いすを選んだとします。 これは利用者のできる力を奪ってしまうため、間違った選択です。 自立どころか、介護が必要な状態になってしまいます。 逆もしかりで、現在の能力では扱うのが難しい福祉用具を選択するのは避けましょう。 このため、状態に合わせて福祉用具を選ぶことが大切なのです。 細かく利用者の状態を評価して、必要な福祉用具を検討する必要があります。 また、福祉用具は、以下の点をおさえると、取り入れやすくなります。 利用者や家族のニーズを確認する。 利用者のアセスメント(課題を分析して、要望をくみ取ること)をしっかり行う。 可能な場合は即決せずに、福祉用具を試用する。 (できれば、特定福祉用具は実物をみる) 本人にも介護者にも使いやすいものを選ぶ。 リハビリ職や福祉用具事業所の職員から助言をもらう。 また、継続して長く使うものは「特定福祉用具販売」を、体の状態に合わせて定期的に交換の検討が必要なものは「福祉用具貸与」がおすすめです。 福祉用具購入は費用面で負担が大きくなったり、返却ができないため状態が変わった時に使い道がなく、困ることがあります。 大きいものやメンテナンスが必要なものは、「福祉用具貸与」がおすすめです。 場所をとるような大きなものだと、必要なくなった時に撤去するのに大変です。 メンテナンスは定期的に行う必要がありますし、専門的な知識や道具が必要なことがあります。 福祉用具を利用するには? 福祉用具を利用するためには、手続きを行う必要があります。 手続きなどの流れを守らなければ、福祉用具を利用できないからです。 福祉用具を利用するためには、「ケアプラン」などの計画書が必要になります。 福祉用具を利用するための手続きの流れを紹介します。 ① 利用者がケアマネに「福祉用具利用希望」を申し出る。 ② ケアマネが「ケアプラン」を作成、利用者に同意を得る。 ③ ケアマネが福祉用具事業所に依頼する。 ④ 福祉用具事業所は「福祉用具サービス計画書」を作成し、利用者に同意を得る。 ⑤ 福祉用具事業所は「福祉用具」を選定。利用者と契約後、サービス開始。 ⑥ 福祉用具事業所はモニタリングを行い、ケアマネに報告する。 まとめ ここまで、福祉用具を取り入れるポイントや流れについて、紹介してきました。 福祉用具には、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」がある。 「福祉用具貸与」には13品目あり、要介護認定を受けた人すべてが使えるわけではない。 「特定福祉用具販売」は6品目あり、1年間で購入できるのは10万円まで。 福祉用具を取り入れるポイントは、「利用者の生活の質が上がっているか」をみること。 現在の状態に合った福祉用具を取り入れる。 利用者や家族のニーズを把握し、アセスメントを行い、状態を把握する。 可能な場合は、福祉用具を日常生活で試用させてもらう。 使いやすい福祉用具を選ぶ。 プロの職種からアドバイスをもらう。 福祉用具を利用するためには、ケアプランなど計画書が必要。 ぜひ、福祉用具を取り入れるポイントを押さえましょう。 ぴったりな福祉用具を利用者や家族に、自信を持ってすすめられるからです。 利用者に合った福祉用具を選べば、利用者のできることが増え、自立を促すことができます。 福祉用具を取り入れるポイントを必ず押さえて、ぴったりな福祉用具を選びましょう。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 介護職からケアマネに転身する際に知っておいたほうが良い知識とは?その他の資格についてもご紹介

    介護職からケアマネジャーに転身しようと考えているが、仕事内容に対して不安を感じている人は多いのではないでしょうか? ここでは介護職からケアマネジャーへ転身する際に知っておいた方が良い知識について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには 介護職からケアマネジャーになるには、介護福祉士の場合、最短で5年の実務経験が必要です。 ケアマネジャー試験の要件として、 「指定の国家資格にもとづく業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」または「施設などで相談援助業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」している事とされています。 施設などでの相談業務については、老人福祉施設での生活相談員または老人保健施設での支援相談員、障害者施設での計画相談に携わる相談支援専門員などが対象となり、主に社会福祉士などの有資格者が対象となります。 ケアマネジャーの試験は2017年まで法定資格がなくても、実務経験が10年以上あれば試験を受ける事ができましたが、2018年より無資格による受験は出来なくなりました。 受験対象となる指定の国家資格 ケアマネジャーの試験には以下のいずれかの国家資格を保有していることが条件です。 ・医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 ・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士・社会福祉士 ・精神保健福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士 ・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 ・柔道整復師・栄養士 無資格の介護職からケアマネジャーへ転身するには、3年の実務経験を経て介護福祉士試験に合格し、5年の実務経験後、ケアマネジャーを目指すケースが多いです。 居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの違い ケアマネジャーは居宅介護支援事業所の居宅ケアマネジャーと老人福祉施設や老人保健施設などの施設ケアマネジャーに区分されます。 居宅ケアマネジャーは約35件程度の担当利用者のケアマネジメントを行い、利用者の在宅生活に対する課題を分析し継続した生活が出来るよう、居宅サービスを組み合わせ居宅サービス計画書を作成します。 一方、施設ケアマネジャーは施設規模によりますが、約100件程度の入居者のケアマネジメントを行い施設内で本人らしい生活が継続できるよう施設サービス計画書を作成します。 居宅ケアマネと施設ケアマネでは担当件数の違いはあるものの、ケアマネジメントのプロセスは一緒は一緒なので働き方にあわせて選ぶとよいでしょう。 ケアマネジメントのプロセス ケアマネジャーは利用者が在宅や施設で自分らしい生活を継続出来るよう支援していくため、次のケアマネジメントの過程を行う必要があります。 ケアマネジメントの流れ インテーク(初回面接) アセスメント(課題分析) ケアプランの作成 担当者会議 サービス開始 モニタリング 状況に応じてアセスメントに戻ることがあります。 インテークの注意点 インテークの際、利用者に対して複数のサービス事業所などを紹介し、選択できるようにする必要があります。 サービス事業所の選定理由も説明できるようにしなければなりません。 アセスメントの注意点 アセスメントはケアプランのサービス内容に対して根拠となるよう、23項目の課題分析標準項目について客観的に評価分析する必要があります。 ケアマネジャーの質問力によって利用者の課題の抽出が異なる場合があるため注意が必要です。 ケアプラン作成の注意点 特定事業所加算を算定している居宅介護支援事業所は、ケアプランにインフォーマルサービスの位置づけをしなくてはいけません。 多様な主体などが提供する生活支援として、社会資源の調整や介護保険外のサービスについての知識や情報も必要です。 モニタリングの注意点 ケアプラン作成後、月に一回以上利用者とのモニタリング訪問面談を実施し、結果を記録しなければなりません。 利用者や家族の満足度の確認のほか、新たな課題が発生していないか、サービス状況の聞き取りだけではなく、実際の生活環境から観察することも必要です。 その他、担当者会議の開催やケアプランの交付など、ケアマネジメントが適切に行えていない場合には運営基準減算となってしまうので注意が必要です。 要介護認定と認定調査 ケアマネジャーの業務として、介護認定更新の申請代行や認定調査の委託業務があります。 ケアマネジャーは利用者が切れ目がなく適切にサービスが受けられるよう、介護保険証の確認、必要に応じ、更新に伴う手続きに対して支援しなければなりません。 福祉用具貸与サービスの中には、車椅子や特殊寝台など、要介護2以上でなければ基本使用できないサービスや、要介護3以上が入所要件となる特別養護老人ホームなどがあります。 要介護度によって使えるサービスに制限があるため、利用者の状況に応じ区分変更申請を行うことも必要な業務の一つでしょう。 要介護認定におけるプロセス 要介護認定の申請 認定調査 主治医意見書 介護認定審査会 要介護及び支援の認定 認定調査は市町村職員または市町村から委託を受けた事業者の介護支援専門員が、全国一律の基準と様式を使用し調査を行います。 認定調査項目を理解することで利用者の介護状態を予測し、サービス調整が図れるでしょう。 給付管理・請求業務 ケアマネジャーの業務に給付管理があります。 国保連への請求業務はサービス提供月の翌月10日までに行わなければなりません。 居宅介護支援事業所の請求業務はサービス事業所のサービス提供票の実績を確認し、「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」を作成します。 給付管理に誤りがあるとサービス提供事業所に支払いが行われなくなるため、細心の注意が必要です。 期間中は通常業務をこなしながらレセプト提出準備をしなければならないため、スケジュール管理にも留意しましょう。 地域包括支援センターとの関わり 居宅介護支援事業や小規模多機能型居宅介護などのケアマネジャーは、予防支援の委託業務に携わることがあります。 予防支援の委託業務に携わる場合、介護予防支援や介護予防ケアマネジメントにより、要支援者などに対し総合事業によるサービス等が適切に提供できるよう、ケアマネジメントしていく必要があります。 地域包括支援センターの主な業務 介護予防マネジメント ケアマネジャー支援 総合相談 権利擁護 地域包括支援センターはさまざまな地域課題に対応できるよう、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師などの3つの専門職がいるため、困難事例を抱えた場合でも助言や情報提供をしてもらえるので、積極的に関わっていくとよいでしょう。 業務で役立つ資格 ケアマネジャーはケアマネジメントや各種の介護申請以外に各種書類の作成などにも対応しなければなりません。 介護請求業務や認知症の方の権利擁護、高齢者虐待など地域の問題などにも多岐にわたるため 業務に役立つ資格を活用してみましょう。  業務で役立つ資格は以下のようなものがあります。 介護事務管理士 福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター 認知症介護実践者研修 社会福祉士 介護事務管理士 介護保険施設や居宅介護支援事業所などで介護サービスにかかる費用の請求や、ケアマネジャーの補助的な事務をする専門職です。 介護報酬明細書などの作成業務に対する知識や過誤請求対応などのトラブルを防ぐことができます。 福祉用具専門相談員 福祉用具専門員は利用者の心身の状況、希望や置かれている環境などに応じ、専門的な知識にもとづき福祉用具の選定や使用についての助言、福祉用具の機能、安全性、衛生状態などについての点検・調整を行います。 福祉用具貸与サービスや特定福祉用具購入をプランニングする際に活用できる資格の一つです。 福祉住環境コーディネーター 高齢者や障がい者などに配慮した住宅の改修や生活環境のあり方について提案したり、住宅改修のプランニングなどを行います。 介護保険の住宅改修の「住宅改修が必要な理由書」の作成に対しての知識を学ぶことができます。 認知症介護実践者研修 認知症介護実践者研修では、認知症介護について深く学ぶことができます。 グループホームや小規模多機能型居宅介護で働くケアマネジャーや計画作成担当者などは、認知症介護実践者研修の修了者を配置する義務があります。 2021年4月からは無資格で働く介護職は認知症介護基礎研修の受講が義務化されたこともあり、認知症ケアについての知識についてはさらに必要となってくるでしょう。 社会福祉士 社会福祉士は高齢者や身体障がい者、知的障がい者、児童など援護を必要とする人や、その家族に対し相談や助言、指導、援助を行います。 地域包括支援センターの必須専門職の一つであるとともに、地域福祉のコーディネーターとしての役割や権利擁護など、利用者を取り巻く社会問題の解決に対する知識やネットワークを構築する資格であり、ケアマネジャーの業務でも役立つ資格の一つです。 まとめ 介護職からケアマネジャーになる場合、最短でも介護福祉士で5年の経験年数が必要です。 ケアマネジメントは、一定のプロセスを遵守する必要があり、適切なプロセスを行わないと基準違反となってしまいます。 居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、さまざまな居宅サービス事業所のサービスについての理解も必要です。 しかし、利用者の望む生活を支援するため、介護職の経験をいかし、障がい者自立支援や医療保険サービス、地域のインフォーマルなサービスなどを、活用できるケアマネジャーを目指してみてはどうでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  • 早めの対応が大切! 帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントとは

     親と離れて暮らすと、親の身体機能の低下が気になることはありませんか? 今回は、親の身体機能の低下を見つけるポイントを紹介します。 帰省する時にチェックしてみてくださいね。  帰省する時はここをみよう 親と一緒に暮らしていると、気づけないこともあります。 「足腰が弱くなった」「食が細くなった」など、久しぶりに帰省した時だからこそわかるものです。 ささいな変化に気づくか気づかないかで、今後が大きく変わってきます。 これから紹介することをチェックして、親の変化を見逃さないようにしてくださいね。   部屋がきちんと整えられているか ・「もともときれい好きだったのに、部屋が散らかっている」 ・「掃除がまったく行き届いていない」 ・「新聞や雑誌を捨てれずに、ためこんでいる」  上記のようなことがみられませんか?  「部屋をきれいにして、子どもや孫を迎えたい」と思っていても、加齢によって筋力や体力が低下しているため、片付けや掃除が負担になっているのです。 もともときれい好きでしっかり掃除をしていても、今部屋が散らかっていると「親も認知症かな」と思うかもしれません。 ただ片付けたい気持ちはあっても、身体的に負担になってしまうのです。   立ち座りや歩行が不安定になっていないか  ・「椅子から立ったり座ったりする時に時間がかかったり、きつそう」 ・「歩くスピードが遅くなった」 ・「足が上がらず、すり足で歩いてたり、つまづく」 ・「まとまった時間を歩きたがらない」 上記の事柄も、筋力や体力が低下しているから起こる症状です。 筋力や体力が低下すると、外出の機会が減ります。 動かなくなることが多くなり、悪循環になってさらに筋力や体力が低下します。 こうなると今までできていたことができなくなり、介護が必要な状態になるのです。   外出や運動量が減っていないか ・「買い物など出かけるのは1週間に1回くらい」 ・「歩く量が少なく、5,000歩も歩いていない」 ・「散歩など定期的に運動する習慣がない」 ・「以前は乗っていた自転車に乗らなくなった」  外出の機会が減ると、身体機能の低下につながると前述しました。 運動が苦手な人でも身体機能の維持や認知症予防のため、運動習慣を持つのは大切です。 毎日5,000歩以上歩いている人は認知症発症の確率が低いと言われています。 毎日体を動かしたり、外出する機会を持ちましょう。   筋力が低下していないか  ・「買い物をすると、ペットボトルや米などの重たいものが持てない」 ・「ペットボトルのふたを開けらない」 重たいものなので子どもが持とうとしますが、親に持ってもらうことで筋力低下をみることができます。 まず親の能力をみてから、手助けをしましょう。 また、握力が弱くなると自力で開けるのが難しくなります。 握力は全身の筋力が備わっているかもみるため、弱くなっていると筋力が弱くなっている証拠だからです。 親にペットボトルを渡してふたを開けてもらうことで簡単にチェックできます。  筋力は、「フレイル」や「サルコペニア」を避けるためにも重要です。 「フレイル」と「サルコペニア」について、後ほど詳しく説明します。   食事時に変わったことがみられないか 食事中の変化は特に重要です。以下の事柄を見落とさないようにしましょう。 食事や水分補給の頻度や量が少なくないか 身体機能の低下は、食事の影響を受けています。 1日3食、しっかり栄養のとれた食事を摂るようにしましょう。 脱水予防のためにも、水分もしっかり摂ることが重要です。  お肉を食べているか お肉などのタンパク質は、筋肉の維持のためにも必要です。 筋肉は体を動かしたり、内臓を守る働きがあります。  固いものを食べれるか 口腔の機能が低下すると、歯も弱くなります。 歯が弱くなると、固いものが食べられず、やわらかいものばかり食べます。 そうすると、歯が弱くなるだけでなく、栄養もかたよってしまうのです。 食事中にムセていないか 食事中にムセてしまうのは、嚥下が上手にできないことで食べ物や唾液が気道に入り込み、誤嚥性肺炎になることにつながります。 食べるのがつらそうだったり、不自由そうだったりしていないか、見極めましょう。  半年以内に体重が2~3kg以上減った 十分な栄養が摂れていなかったり、内臓の病気を抱えている可能性があります。 低栄養状態では、フレイルやサルコペニアに直結しやすくなるのです。 また、持病がある場合しっかり栄養を摂っていないと病気の進行を早めてしまいます。 新たな症状を招く可能性も高まりますので、注意が必要です。   睡眠の状態はどうか 寝ることは人間にとってとても重要です。夜の就寝時間にどのような行動をとっているか、チェックすることも重要です。 夜中にトイレに2回以上行っている トイレの回数が多くなると睡眠時間が分断されてしまい、深い眠りにならないので疲れがとれません。  起床時間と就寝時間が日によって数時間単位で異なる 例えば、早い時は23時頃寝るのに、遅い時は2時頃寝たりするとします。 すると、体内時計が狂ってしまい、体のバランスがとれなくなってしまいます。  就寝時間が23時以降 寝るのに1番良いと言われている時間は、21〜23時です。 この時間に寝る時間を習慣にしていると、身体状態も良くなります。   周囲の人に話を聞く  親の周囲にいて、普段の親の状況を知っている人に話を聞くことも重要です。 普段親が付き合っている同居家族や近所の人など 最近の言動の変化、食事や通院、服薬状況などをおさえることができます。 主治医やケアマネ 最近の体調の変化や日々の暮らしでの注意すべき点を聞くことができます。 例えば、「最近足元がふらついているようです」と情報を得たとします。 この情報から、手すりをつけたりリフォームをしたりと、早めの対策ができるのです。 この時注意すべき点は、本人がいない時に話を聞くことです。 本人の目の前で聞くと、相手も気をつかって本当のことを話しづらくなるからです。 本人がいない状況で、「親が普段から、ちゃんと暮らしているか心配」などと、一言そえてみましょう。 親の本当の姿を話してくれるようになります。 本人がいない時に話を聞くことで、本当の姿が知れるのです。 フレイルとサルコペニア 「フレイル」とは、加齢によって心身が衰え、介護が必要となる一歩手前の状態です。 健康な高齢者と要介護状態の高齢者の中間と言われており、段階を追って要介護状態になります。  「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減ったり筋力が低下するなど、身体機能が低下した状態です。 握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)、歩く速度が低下(0.8/m秒以下)しています。 「フレイル」の人は「サルコペニア」を合併していることも多くみられます。  まとめ  ここまで、帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントについて、紹介してきました。 ・部屋がきちんと整えられているか ・立ち座りや歩行が不安定になっていないか ・外出や運動量が減っていないか ・筋力が低下していないか ・食事時に変わったことがみられないか ・睡眠の状態はどうか ・周囲の人に話を聞く 帰省時には、上記のポイントをしっかりチェックしましょう。 親の身体機能の低下を見逃すと、短期間で介護が必要な状態になります。 親は加齢から簡単に弱くなりやすいからです。 要介護状態を予防するためにも、帰省時にはポイントをしっかりチェックすることが重要です。  最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

  • 介護の現場の悩みとはどんなものがある?対処方法もあわせてご紹介!

    仕事をする上でお悩みはつきものです。 介護の現場も同様でさまざまなお悩みがあります。 今回は、介護現場でのお悩みと対処法を紹介します。 介護現場での悩みと対処法 介護現場でよくある以下の5つのお悩みと対処法を紹介します。 介護スキルでのお悩み 利用者とのコミュニケーションでのお悩み 人間関係でのお悩み 生活リズムでのお悩み 体調管理でのお悩み 介護スキルでの悩み 初心者によくあるお悩みの一つが「介護スキル」です。 身体が不自由な方を車椅子からベッドに移乗する、飲み込みが悪い方の食事を介助するなどさまざまな介護スキルが必要です。 介護現場では知識や技術がなければ働けません。 そのため、上手く介助ができないという悩みが介護現場での最大の悩みです。 また、サービスを提供する介護は命に関わる仕事です。 一つのミスが大きな事故に繋がることもあります。 介護スキルでの悩みの対処法 介護スキルは、「経験を積むこと」で初心者でも身につけられます。 そのため、とにかく積極的に行動することが大切です。 また、排泄介助や移乗・移動介助にはコツがあります。 経験から学ぶことも多いため、積極的に先輩や上司に教えてもらいましょう。 同じ体格や力のスタッフに教えてもらうとより参考になります。 介護スキルを身につけていないと、事故につながることや自分の身体を壊す原因にもなるため、注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションでの悩み 介護職はなにより介護をする相手である、利用者と上手にコミュニケーションをとることが重要です。 そのため、上手にコミュニケーションが取れず、それが悩みになってしまうことがあります。 高齢者とのコミュニケーション 介護現場でのお悩みには「高齢者とのコミュニケーション」があります。 人見知りな方や頑固な方などさまざまです。 介護を拒否される、声掛けに対しての反応が冷たいなど、信頼関係の構築に苦労するスタッフもよく見かけます。 認知症の利用者とのコミュニケーション 「認知症の利用者とのコミュニケーション」においては、難しい場面が多くなります。 認知症を患っている利用者でも性格は異なります。 そのため、利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必要です。 認知症の代表的な症状は、短期記憶です。 例えば、食事したことを忘れてしまい「お腹が空いた」と言われる方、何度もトイレに行きたがる方がいます。 また、お風呂やトイレなどを嫌う利用者を促すことに苦戦するスタッフもいます。 体力的に嫌がる方もいますが、不潔と清潔の正しい判断ができなくなる方が多くなります。 上手くコミュニケーションを図れないと、利用者の機嫌を損ねることもあるため注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションの対処法 利用者とのコミュニケーションの対処法は、「利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ること」です。 利用者の性格などをしっかり把握するために、スタッフ同士での情報共有も重要になります。 上手くコミュニケーションが取れているスタッフを真似してみましょう。 また、サービスを拒否されたりコミュニケーションを図ってもらえない時、自分の話し方に原因があるかもしれません。 介護を利用する高齢者は、経験が豊富でプライドもあります。 長期的に付き合って信頼関係を構築することが理想的です。 人間関係でのお悩み 介護職とかかわりがあるのは、利用者だけではありません。 さまざまな人たちと関わることがあるので、人間関係に悩むこともよくあります。 従業員同士 チームワークを必要とする介護現場では「従業員同士の人間関係」のお悩みもつきものです。 例えば、「性格が合わない」「意見の食い違い」などがあげられます。 丁寧に時間をかけて業務を行うスタッフとスピードを重視するスタッフが一緒に仕事をすると、お互いに気になる点がでてきます。 丁寧さを大事にするスタッフは相手の雑さが気になり、スピード重視のスタッフは時間がかかることが気になってしまうのです。 上下関係 介護現場でも「上下関係」のお悩みはつきものです。 介護現場にも、リーダーやマネジャーなど上司にあたる役職が存在します。 サービスを提供する上で、上司からの指示や許可をもらわなければいけない場面もあります。 サービス提供方針は基本的に上司の考え方がメインになるため、方針が合わないと仕事がやりにくくなることもあります。 人間関係でのお悩みの対処法 従業員同士の人間関係の対処法は、「従業員とコミュニケーションを図ること」です。 介護に関する考え方を理解して、相手の良さを引き出しましょう。 お互いの短所を補い合える関係性が理想的です。 上下関係の対処法は、「仕事でアピールすること」です。 仕事ができる介護スタッフの意見は取り入れてもらいやすくなります。 利用者に最も近いのは現場の介護スタッフのため、介護スタッフの意見は利用者にとって役に立つこともあります。 現場の意見を積極的に取り入れてくれる上司がいるのが理想的です。 生活リズムでのお悩み 介護の仕事は、「生活リズム」が崩れやすくなります。 日勤だけではなく夜勤もあり、毎日の勤務時間が異なります。 夜勤の場合、午前中に帰宅するため眠りにつきにくく、生活リズムは乱れやすくなります。 生活リズムの対処法 生活リズムの対処法は、「食事や入浴、睡眠の時間をなるべく変えないこと」です。 これらは生活リズムを作る大きな役割を果たします。 夜勤の場合は、午前中に睡眠時間を取りすぎないように注意しましょう。 夜に寝られなくなり、生活リズムが崩れる原因となります。 体調管理でのお悩み 体力を必要とする介護現場では、体調管理のお悩みも多くなります。 身体的負担 入浴介助や、身体が不自由な方、身体の大きい方を移動・移乗することは簡単なことではありません。 介護者が体が小さい方の場合、身体的な負担が大きくなることがあります。 精神的負担 これまで述べてきた一つひとつのお悩みからストレスが溜まり、「精神的負担」が生まれることもあります。 精神的な負担があると睡眠不足や食欲低下などにより体力がなくなり、悪循環になります。 体調管理でのお悩みの対処法 身体的負担の対処法は、「セルフケアすること」「身体に負担をかけない介護スキルを身につけること」です。 まずは、湯船に浸かる時間や睡眠時間を確保することが大事です。 それでも疲れが取れない場合は、業務上で身体に大きな負担がかかっていることが考えられます。 介護現場は身体が資本であり、身体を壊してしまうと仕事を続けられません。 介護にはコツがあるため、積極的に取り入れることが重要です。 精神的負担の対処法は、「セルフケアすること」「相談すること」です。 セルフケアには、食事や睡眠など生活を見直すこと、趣味などの時間を作り気分転換することなどが挙げられます。 相談は職場の人以外の家族や友人でも構いません。 心の中でモヤモヤしていることや抱えきれないものは吐き出してみましょう。 人に聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。 他人の意見を聞いて、新しい考え方や対処法が見つかることが理想的です。 まとめ 今回は、介護現場でのお悩みと対処法についてお伝えしました。 介護スキルでのお悩みの対処法は、経験を積み先輩からコツを教わること。 利用者とのコミュニケーションの対処法は、一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を見つけること。 人間関係でのお悩みには、従業員同士と上下関係がありお互いを理解して働きやすい環境を作ることや先輩や上司に認めてもらうことが重要。 生活リズムの対処法は、食事や睡眠の時間を大きく変えないようにすること。 体調管理の対処法は、セルフケアして心身共にリラックスする時間を作ることである。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 親の為の介護施設を選ぶために。安心して任せられるポイントをご紹介!

    「そろそろ親の為の介護施設を考えなくてはならない」 そんな時の為に、本記事では親の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントを解説します。 介護施設とは 介護施設とは、介護を受けながら生活できる施設の総称です。 代表的な施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム等があります。 介護保険の制度は複雑で介護施設は他にもたくさんありますが、介護を受けながら生活する施設として代表的なのは上記4施設です。 その人の要介護度や心身機能の状態、経済状況等によって選択肢が変わってきます。 親の為の介護施設を考えるタイミング 介護施設に自分から入りたいと考えている人はほとんどいないでしょう。 住み慣れた自宅でいつまでも暮らしたいと思うのは当然のことです。 しかし、病気や加齢によって身の回りのことが少しづつできなくなり、家族だけで介護していくのが難しい場合もあります。 在宅介護を続けられるかどうか見極めるポイントになるのは「排泄」と「移動」です。 この2つができなくなると、介護している家族の負担がとても大きくなります。 「排泄」と「移動」が難しくなった時には施設への入所を考えることになるでしょう。 今は核家族化が進み、家庭内での介護の担い手が極端に少ない状況です。 たいていのケースは、子や嫁といった「家庭内の誰か」に介護の負担が集中しています。 在宅介護を続けるか、施設入所を考えるかは、介護していく上で非常に大きな分岐点です。 これまでの人生で本人や家族が大切にしてきたこと、今の心身機能や経済的な状況、将来にわたって受けたい介護や医療をもとに在宅介護を続けるか施設入所を考えるかを検討します。 次からは、親の為の介護施設を探すときの安心して任せられるポイントについて説明します。 親の為の介護施設を探す時のポイント 施設に入所するには、施設選び→見学・申込み→必要書類の準備→面談→入所判定→契約というのが 一般的な流れです。 施設を選ぶ際に着目すべきポイントは以下の通りです。 費用 スタッフ 利用者 居室 医療体制 生活の様子 面会状況 一つずつ解説していきます。 ①費用 介護施設を利用する上で、費用面の確認は必須です。 年金内で収まるのか、月々どの程度の支援が必要なのかを確認します。 特別養護老人ホームや老人保健施設では、年金や預貯金、住民税の課税状況によって食費や居住費が段階的に減額される制度もあります。 介護施設にかかる費用をまずは確認しましょう。 ②スタッフ 自分の親を直接世話してくれるスタッフにどんな人がいるのかは大切なポイントです。 介護士の配置人数や資格保有者の割合、看護師は配置されているか、他にどのような職種のスタッフが配置されているのか。 また、介護の仕事は人手不足が叫ばれている為、外国人スタッフを 雇用している施設も多くあります。 スタッフの国籍や性別のバランス、どのような職種が配置されているのかを確認します。 見学の際にはスタッフの表情も見てみましょう。 挨拶は心地よい印象を与えているか、スタッフ間のコミュニケーションはとれているか、笑顔で働いているかどうかを見ることで、施設の雰囲気を感じ取ることができます。 ③利用者 親が施設へ入所したら他の利用者と一緒に暮らすことになります。 男女比や年齢層等は確認しておくとよいでしょう。 施設によってはフロアやユニット毎に認知症の症状の強い人や医療依存度の高い人を中心にしたグループを作っている場合もあります。 また、スタッフ同様笑顔で過ごせているかでケアの質や施設の雰囲気を感じ取れることもあります。 ④居室 居室は大きく個室か多床室に分かれます。 ユニット型の施設は基本的には全室個室です。 一部多床室を併設している施設もあります。 従来型の施設は4人部屋を基本に、個室や2人部屋もあります。 個室と多床室では利用料金の他、個人のスペースの広さや持ち込める家具家電も変わる為、必ず事前に確認しましょう。 ⑤医療体制 介護施設はあくまで生活の場です。 老人保健施設以外の介護施設では医師は常駐していないことが大半で、1〜2週間に一度の往診が基本です。 その為、施設によって対応できる医療行為が限られています。 場合によっては医療行為が必要になると退所しなければならないこともあります。 胃ろうや鼻腔栄養、バルーンカテーテルやインシュリン注射等、対応できる医療行為については入所前に確認が必要です。 また、看取り介護は行っているか、受診が必要になった時の家族の役割について確認しておくとよいでしょう。 ⑥生活の様子 生活の様子については入所する本人が一番気になるポイントです。 朝起きてから夜寝るまでの一日の流れや食事の内容、催し物やレクリエーションの頻度等、本人が気になりそうな点を確認しておきます。 新型コロナウィルスの流行に伴い、ボランティアや訪問マッサージ等の外部業者を受け入れていない施設も増えています。 少しでも本人が快適に過ごせるよう確認しておきましょう。 ⑦面会状況 新型コロナウィルスの流行によりほとんどの施設は何らかの面会制限をしているでしょう。 面会方法としては「窓越し面会」「アクリル板越しの面会」「zoomやLINEを活用したオンライン面会」等があります。 看取り介護の時期や今後の方針を決める上で必要な時等は直接会えるようにしている施設もあります。 いずれにせよ15分程度の時間制限はあることが多いので、見学の際に面会の体制について確認しましょう。 親が介護施設に入ったら家族の生活はこう変わる 介護施設に入所したら、本人だけでなく家族の生活にも変化があります。 まず一番大きな変化は日々の介護から解放されるということでしょう。 「転んでいないか」「体調の変化はないか」「火元は大丈夫か」という在宅介護ならではの心配はなくなります。 プロに任せている安心感もあります。 時間に余裕ができて体の負担も軽くなるでしょう。 逆に、施設生活に馴染めているか心配になったり、体調が急変して夜中に呼び出されたりといった負担はあります。 「施設から電話がかかってくると身構えてしまう」という声はよく聞きます。 メリットもデメリットもありますが身体的な負担は大きく軽減しますし、介護が理由で仕事ができないということはなくなります。 家族の生活を守ることも介護施設の大きな役目です。 プロに任せられることは任せて家族の生活を整えることも重要です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 親の為の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントについて解説しました。 最後にまとめになりますが、ポイントは以下の7つです。 ①費用・・年金内で収まるか、費用を抑えるために使える制度はあるか ②スタッフ・・男女比、国籍、職種 ③利用者・・男女比、年齢構成、ユニットやフロア毎の利用者の属性 ④居室・・個室か多床室か、間取り、持ち込める家具家電 ⑤医療体制・・対応できる医療行為、看取り介護、緊急時の体制 ⑥生活の様子・・一日の流れ、行事等のプログラム、リハビリ、催し物 ⑦面会状況・・面会の実施状況、方法 これらの全てが理想通りの施設を探すのはとても難しいものです。 優先順位をつけて、どういう施設なら入所する本人やそれを支える家族が幸せに過ごせるかを考えることが大切です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 上手なショートステイの使い方とは?施設の利用で”介護疲れ”をリフレッシュしよう

    特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスやヘルパーなど介護には様々なサービスがあります。 その中に二泊三日など一時的に施設に入所する”ショートステイ”というサービスは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。 今回はショートステイの利用方法やメリットの注意点を解説します。 家族の方が介護疲れをリフレッシュできるよう、ぜひ参考にしてみてください。 ショートステイとは?利用方法は?費用は? ショートステイとは”短期入所”とも呼ばれ、主に高齢者の方が一時的に介護施設に入所するサービスを言います。 家族の方の都合で一泊や二泊のみの利用の方もいれば、一週間や二週間いらっしゃる方もいたりと、利用日数については利用する方の都合によって差があります。 ショートステイで過ごす間は、そこに入所している利用者の方と基本的に同じように生活します。 そしてショートステイには介護保険を利用する場合と、そうでない場合の2パターンあります。 大きな違いは利用施設と費用、利用方法、そして施設の雰囲気です。 介護保険を利用する場合 介護認定を受けていることが利用の必須条件となります。 【短期入所生活介護】と【短期入所療養介護】と二つに分かれ、利用施設も異なります。 短期入所生活介護の場合の多くは特別養護老人ホームになり、入浴などの生活サポートの他、レクリエーションやリハビリを行います。 短期入所療養介護の場合は老人保健施設が主となり、生活サポートだけでなく医療や看護のサポートも充実しており、医療型ショートステイとも呼ばれています。 両者の価格を比較すると、短期入所療養介護の方が少し高く設定されています。 しかし、どちらとも介護保険を使っての利用となりますので基本的に1割か、所得に応じて2〜3割の負担となります。 金銭的負担も少ないことはメリットなのですが、利用する方も多く空きがない場合もよくあることがデメリットです。 利用方法はまず担当のケアマネージャーに相談しましょう。 お盆や年末年始など時期によっては空きがない場合も多いので、そういった時期に利用したい場合は早めに相談してください。 そうでない場合もなるべく早めに相談した方が希望が通りやすくなるので気を付けておきましょう。 ケアマネージャーに相談して空きがあったあとは、ケアマネージャーと利用施設の担当者でケアプランを作成します。 その後事業者と契約し、ショートステイの利用が可能となります。 施設の雰囲気はどちらも認知症や自立度の低い方など一人での生活が難しい方が集まる施設です。 自立度の高い方が利用するには、少し落ち着かない場合もあります。 事前に施設の情報や雰囲気を情報収集し、なるべく「次回の利用はしたくない」とならないよう、ケアマネージャーに相談して決めましょう。 介護保険を利用しない場合 利用施設は有料老人ホームとなります。 費用については介護保険を利用できないので、全額自己負担となり金銭的に心配なのがデメリットです。 しかし、介護保険を必要としないということは介護認定の有無は問われないということなので、どなたでも利用できる点はメリットでもあります。 入所されている方も比較的自立度の高い方が多いので、度の低い方や介護認定のされていない方がショートステイとして利用する場合も馴染みやすい雰囲気です。 また介護保険を使ったショートステイと違い金銭的負担が大きいため、空きがある場合も多いです。 利用したい場合は基本的にまず施設に問い合わせをしてみましょう。 ショートステイによって家族の方の介護疲れが一時的に和らいでも、生活する中で介護の負担はかかるものです。 ショートステイにポジティブなイメージを持ってもらい、次の利用につながるよう特に初回の施設は慎重に選びましょう。 ショートステイを利用するメリット ショートステイを利用するメリットには、以下のことが考えられます。 家族の方の場合 やはり一番大きいのは日々の介護の負担軽減と言えます。 家で介護をするというのは身体的負担だけでなく、精神的にも負担があります。 やりたいこと、行きたい場所があってもなかなか行動できないことで、介護疲れの心配がでてきます。 デイサービスやヘルパーで日中の負担の軽減も大切ですが、介護の生活から一旦離れることで介護疲れを癒しましょう。 またリフレッシュの目的だけでなく、自身が入院や体調を崩すこともあります。 その際他に介護できる方がいない場合にも、ショートステイを利用していれば安心して家を空けることができます。 急にショートステイを利用しなければならない事態に備えるためにも、事前にショートステイを利用して練習しておくと良いでしょう。 利用者の方の場合 一番の利点は施設に慣れることができるという点です。 ショートステイを何回も利用したり、長期間利用している施設に入所することになる場合もあります。 そこの施設の職員や利用者の方と顔見知りになれたり、施設の空気に慣れていれば入所のストレスは 軽減されます。 たとえ認知症を患っており覚えていなかったとしても、職員がその方にあったケアやサポートを事前に知ってくれているのは安心です。 ショートステイで気をつけておきたいこと ショートステイを利用することはメリットだけではありません。 注意点もあることを十分念頭に置いておくことが必要です。 介護保険においての注意点 まず気をつけたいのがショートステイは1か月で30日しか利用できない決まりだということです。 31日目は全額自己負担となり、その後また1日目から介護保険を使用できます。 次に要介護度で利用日数に制限があることです。 というのも、介護認定を受けるにあたって要介護度別に与えられる単位数に違いがあります。 その単位数を超えない範囲でショートステイを利用しましょう。 超えてしまうと自費になってしまいますので、ケアマネージャーに確認しながら利用日数を決めてください。 ショートステイで過ごす上での注意点 まずは持ち物に関してです。 毎日飲んでいる薬や湿布など、服用しているものがあれば必ず忘れないようしましょう。 ショートステイを利用する方の中に、まれにですがご家族の方が慌てて薬を持ってこられる場合があります。 薬だけでなくこれがないと落ち着かない、だったり、初めてや慣れない場所で緊張する方もいます。 いつも以上に持ち物には配慮しましょう。 また下着や衣服、ハンカチなど自宅から持っていくものには全て名前を書きましょう。 入所している方は本当に色んな方がいらっしゃり、自分のものと勘違いされる方もいます。 トラブルを防ぐためにもきちんと名前を書いておいてください。 そして一番大切なのが利用する方の意見や感想を大切にすること。 個室なのか多床室なのか、職員の雰囲気などショートステイの施設にも違いがたくさんあります。 利用する前と後でギャップをなるべく減らすために、資料やネットの情報だけでなくケアマネージャーから情報を得たり、見学してみるのも良いでしょう。 初めてのショートステイで利用中に「帰りたい」や「もう来たくない」と言う利用者の方も多くいらっしゃいます。 帰宅後、ショートステイはどうだったか、もし嫌だったのであれば何が嫌だったのかを聞いてみてください。 他施設で改善できそうなのか、ショートステイ自体が難しそうなのか、話し合ってみましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 日々の介護で介護者は身体的だけでなく、精神的にも非常に負担がかかっているものです。 ショートステイを上手く利用して、心と身体をしっかりとリフレッシュしましょう。 ・介護保険を使用するショートステイは金銭的負担は少ないが、空きがない場合も多いので数か月前にケアマネージャーに相談しましょう。 ・介護保険を使用しない場合のショートステイは全額自己負担のため、金銭的負担は大きいがその分空いている可能性も高い。 ・利用する側も介護者側も一度ショートステイをして施設の雰囲気に慣れることで練習となる。 ・ショートステイは一か月に30日までしか利用できない。 ・介護度によって介護保険内で利用できる日数も違ってくるので、ケアマネージャーと事前に確認しておく。 ・日ごろから服用している薬は日数分忘れないよう持参して持ち物には全て名前を記入する。 ・利用する本人の希望や感想を大切にして、ショートステイにネガティブな印象をなるべく持たないよう配慮する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  • デイサービスでの機能訓練とはどんなもの?本人だけでなく家族にも出る効果をご紹介!

    親が弱くなってきた時に考えるのが、デイサービス利用です。 元気で過ごしてもらうためにも、デイサービスでの機能訓練は効果があります。 今回は、デイサービスの機能訓練についてご紹介します。 デイサービスとは? デイサービスは、利用者が家に閉じこもっているのを防いで、交流を広げることができる場所です。 家族の介護負担を軽くするという目的もあります。 利用者が家で暮らしを続けられるように、利用者に様々なサービスが提供されるからです。 日帰りかつ自宅までの送迎もあるので、本人も受け入れやすくなっているのもポイント。 ですので、デイサービスは閉じこもり予防ができ、交流の場になるのです。 デイサービスの提供サービスは、以下のようなものがあります。 食事 入浴 機能訓練 口腔機能向上サービス 「入浴」、「機能訓練」、「口腔機能向上サービス」を受けるためには、加算が算定されます。 加算が算定されますが、充実したサービスを受けることが可能です。 デイサービスの提供サービスの中でも、「機能訓練」について説明していきます。 デイサービスでの機能訓練の効果とは デイサービスで機能訓練を受けると、様々な効果があります。 本人だけでなく、家族にも効果があるのです。 自宅での暮らしを続けることができる 1人でできることが増える 自宅への閉じこもりを防げる 認知症予防になる 加齢による起こりやすい病気(誤嚥性肺炎など)を予防できる 家族の介護負担を軽くできる デイサービスでの機能訓練 機能訓練は、利用者が住みなれた家で元気に暮らしを続けられるように、アプローチするものです。 機能訓練は、デイサービスでは「個別機能訓練加算」という項目があり、大きな役割を担っています。 機能訓練とは? 機能訓練とは、生活していくために必要な動きを保ったり、改善を図るものです。 歳を重ねると身体機能が低下し、これまでできていたことが難しくなったりします。 例えば、家に閉じこもりがちになったり、ひどくなると寝たきりになります。 本人だけでなく、家族の介護量も増えます。 こういったことを防ぐ役割があるのが、機能訓練です。 機能訓練を行うことで、生活していくために必要な動きを保ったり、改善することが可能なのです。 機能訓練は、身体機能のみにアプローチするものではありません。 要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。 ※指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第92条より 精神面や家族の介護負担軽減にも、アプローチする必要があるのが特徴です。 機能訓練の内容は? 機能訓練の内容として、大きく3つに分けることができます。 身体機能の改善 生活機能の改善 疾病や疾患の維持・予防 それぞれ紹介します。 身体機能の改善 関節や筋肉に、直接アプローチします。 例えば、「歩く時にフラフラしなくなった」、「腕があがるようになった」などです。 歩行訓練や関節可動域訓練、筋力増強訓練などです。 生活機能の改善 自立した生活を送るために、アプローチします。 例えば、「1人でトイレに行くことができる」、「1人でお風呂に入ることができる」などです。 ズボンの上げ下ろしの動作や、浴槽をまたぐ動作の練習を行います。 なれてきたら、実際に現場で行います。 疾病や疾患の維持・予防 加齢とともにさまざまな機能が低下して、疾病を引き起こします。 例えば、誤嚥性肺炎です。 誤嚥予防のために、摂食訓練や嚥下訓練を行います。 機能訓練を行う人は? デイサービスでの機能訓練は、医師の指示は必要ありません。 ですが、スタッフの誰もが機能訓練を実施するわけではありません。 国家資格保有者である「機能訓練指導員」が、機能訓練を担当します。 医療知識のある職種のスタッフが行うため、抱えている悩みも相談できます。 機能訓練を実施できる人 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 看護師 准看護師 柔道整復師 あん摩マッサージ指圧師 実際に機能訓練をしよう デイサービスで機能訓練をするためには、流れがあります。 しっかり流れを踏んで、親に機能訓練に取り組んでもらいましょう。 すでにケアマネとデイサービスと契約した前提で、機能訓練実施の流れを紹介します。 機能訓練指導員の居宅訪問がある 機能訓練指導員が作成した「個別機能訓練計画書」に署名と捺印 機能訓練指導員が作成した「機能訓練メニュー」に取り組む 定期的に機能訓練の効果判定を受ける ※これを3ヶ月サイクルで繰り返す 居宅訪問 ケアマネージャーなどが自宅への訪問(居宅訪問)することがあります。 利用者の家での生活能力や問題点をしっかり把握するためです。 利用者の生活環境に合った機能訓練を実施するためにも、必要になっています。 このため、居宅訪問が必要になるのです。 個別機能訓練計画書、機能訓練メニュー 居宅訪問が終わると、機能訓練指導員が個別機能訓練計画書を作成します。 居宅訪問の結果を内容に反映しなければならないので、ひとりひとり内容が異なっているのです。 内容は、家での生活を続けていく上での目標や機能訓練メニューが設定されています。 説明を受け十分に納得してから、計画書に署名と捺印をしましょう。 これで、機能訓練がスタートです。 機能訓練メニューに沿って、取り組んでいきましょう。 気になることがあれば、機能訓練指導員に尋ねてください。 効果判定 機能訓練に取り組んだら、終わりではありません。 3ヶ月に1回、効果判定があります。 それぞれのデイサービスで内容は異なりますが、体力測定で身体機能を評価するところが多いです。 機能訓練に取り組んできた内容が正解だったのか、目標設定をクリアしたのかみるために、重要です。 まとめ ここまで、デイサービスでの機能訓練について、紹介してきました。 デイサービスは、利用者が家で暮らしを続けられるように、様々なサービスが提供されます。 機能訓練の効果には以下のものがあります。 1人でできることが増える 自宅への閉じこもりを防げる 認知症予防になる 加齢による起こりやすい病気(誤嚥性肺炎など)を予防できる 家族の介護負担を軽くできる 機能訓練は、身体機能のみでなく、精神面や家族の介護負担軽減にもアプローチする 機能訓練の内容は、「身体機能の改善」、「生活機能の改善」、「疾病や疾患の維持・予防」 機能訓練は、国家資格保有者の「機能訓練指導員」が担当する 機能訓練は、3ヶ月サイクルで効果判定があり、繰り返される 親が弱くなってきたなと感じたら、デイサービスで機能訓練に取り組むことを考えましょう。 親に機能訓練に取り組んでもらうことで、いつまでも元気で家で過ごしてもらえるからです。 デイサービスは体験利用があっているところも多く、お試しで1回利用してみるのも手です。 親が介護を必要とする状態になる前に、デイサービスで機能訓練を受けてみてください。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 在宅介護するうえで家族が知っておきたいポイントとは?在宅介護の前後で確認することを解説

    近年、高齢者の増加に伴う老老介護や障害や病気などで両親や兄弟姉妹の介護を担うヤングケアラーが社会的な問題になっています。 介護者は人に介護を話せず社会と孤立する可能性があり、年々その傾向が増加傾向にあります。 この記事は、ご家族の介護が必要になった場合や今後介護を担う家族に向けて、ぜひ知っておいてほしいポイントを紹介します。 介護を始める前の準備から介護を始めてから気をつける点など、家族に参考になる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。 介護を担う家族が知っておきたいポイント3つ 在宅介護は、これから介護者となる家族の気持ちだけでは続けられません。 介護に関する情報をしっかり確認しておかないと、介護する側もされる側も、ストレスを抱え、お互いが望んだ介護にはならないでしょう。 ここでは、これから介護者となる家族が知っておきたいポイントを3つ、紹介します。 ①介護のメリット・デメリットを知っておく はじめに、自宅で介護するメリット・デメリットを知っておきましょう。 まずは、大きなメリットとして、次の3つです。 自宅で過ごせる安心感が得られる 施設に比べて、介護費用が減らせる 自分なりの介護方法が見つかり、家族の不安が解消する 施設に預けている罪悪感を感じない 一方、デメリットとして次のようなものがあります。 家族の負担が大きい 社会からの孤立感を持ち、周囲に助けを求めず、一人で抱えてしまう可能性がある 肉体的、精神的な疲労が積み重なる 介護期間によっては経済的な負担が増え、先行きが不安になる このように、在宅介護には、メリットだけでなく、必ずデメリットも存在するのです。 ②介護保険、介護サービスの内容を知っておく 介護保険では、さまざまな介護サービスが利用できます。 介護保険を利用することで、介護者の支出が抑えられ、経済的な負担が軽減できるのです。 介護保険制度は、要介護者や介護者の介護を支える制度なので、事前に内容を知っておくことが大切です。 注意すべき点は、住民票がある市区町村の福祉課または地域包括センターに「要介護(要支援)認定」を申請して介護度の認定を受けてからの利用になるため、早めの対応が必要になります。 ③会社の就業規則や制度を知っておく 会社へお勤めの方は、介護を始める前に会社の就業規則や制度を知っておかなければ、仕事と介護の両立ができません。 一般的に介護に関する会社の制度は育児・介護休業法で定められており、「介護休暇」や「介護休業」が取得できます。 その他、会社によっては個別の福祉制度を持っていることもあるため、労務担当者へ確認しておくとよいでしょう。 介護休暇 介護休業 取得可能日数 介護対象家族1人で最大5日。 介護対象家族2名以上で最大10日。 介護対象家族1人で最大93日。 (3回まで分割取得可能) 賃金・給付金 原則、無給。 原則、無給。 但し、条件を満たせば、介護休業制度の利用により、決められた算出方法で受給可能。 申請方法 当日の申請も可能であるが、会社によっては事前申請が必要な場合もある 休業取得開始2週間前までに書面で申請する。 利用可能対象者 雇用期間6か月以上。(要介護の家族介護が条件) 同一の会社で雇用期間1年以上。 また介護休業93日取得後も、半年以上の雇用契約を約束できる人 (要介護の家族介護が条件) ここでいう介護対象家族とは、配偶者・実の父母(養父母含む)、子、義父母、祖父母、孫、兄弟姉妹です。 介護を始める前に確認しておくポイント6つ 家族の介護を決断しても、すぐに介護生活に入るとさまざまな課題が見つかるものです。 それでは安心できる介護ができません。 ここでは、介護を始める前に確認しておきたいポイントを6つ紹介します。 ①家族の中で主に介護を担う人を決める 初めに、家族の中で主に介護を担う人を決めておく必要があります。 また、できる限り家族にも協力を促し、役割分担も決めておきましょう。 介護者は、介護サービスや訪問医療、訪問看護の利用のためにさまざまな手続きやサポート体制の打合せが必要になります。 手続きや申請などで中心となる介護者が不在になることも考慮しておくことも重要です。 そのため、家族の協力は欠かせません。 ②介護認定を受けておく 介護保険制度を利用するためには、要介護認定を受けるための申請が必要です。 要介護度によって利用できる介護サービスの内容が変わるため、各自治体の介護保険関係の窓口で申請書を受け取り、必要な書類を確認後要介護者の住民票がある市町村長の窓口で申請しておきましょう。 その際、介護認定審査日を決めて審査を受ければ、認定区分が決定し、通知されます。 ③利用する施設やサービスを決めておく 介護保険で受けられるサービスには、「通所サービス」「訪問サービス」「短期入所サービス」があります。 通所サービス・・・・デイサービス、通所リハビリテーション 訪問サービス・・・・訪問介護、訪問入浴介護、訪問リハビリテーション 短期入所サービス・・看護小規模多機能ホームなどショートステイ利用可能施設 また医療保険では、訪問診療や訪問看護、訪問介護サービスも利用できることを知っておきましょう。 ④介護を始める生活環境を確認しておく 介護は想像以上に生活環境が大切になるため、介護環境を確認し、整備することも必要です。 利用する施設が決まれば、担当するケアマネージャーも決まります。 介護ベッドの位置、車椅子への移乗や移動、福祉用具の設置位置など、介護に精通するケアマネージャーの存在は欠かせません。 ケアマネジャーの提案を尊重し、可能な限り快適な介護環境を作っておきましょう。 ⑤福祉用具を準備する ケアマネジャーから提案された福祉用具は、在宅介護を始めるまでの事前準備時間に余裕を持って準備しておきましよう。 介護する部屋に福祉用具を置き、ストレスを感じない配置になっているか確認しておくことも大切です。 また可能であれば、家族の意見を聞いておくことも考えてください。 ⑥家族の介護スキルを伸ばす 介護者に留まらず、協力できる家族の介護スキルを伸ばしておくことは少しでも楽な介護を続けるためには必要です。 介護者によって介護方法が変わると、要介護者にストレスを与えます。 最低限のスキルは持ち、場合によっては、介護当初は、訪問介護サービスを利用しながら 実際に介護方法を学ぶのも1つの方法です。 在宅介護当初に確認すべきポイント4つ 介護当初では、介護にかかわるさまざまな条件など、考慮しておきたい点があります。 ここでは、介護当初に確認すべきポイントを4つ、紹介します。 ①介護用品は買いだめしない 介護当初からおむつカバーや尿取りパッドなどの介護用品の買いだめはしないことをおすすめします。 病院や施設は介護者に負担感の少ない介護用品を使用しているとは限りません。 介護を始めてから徐々に身体の負担感の少ない介護用品に変えていくことも必要です。 ②健康状態に気を配る 要介護者の健康状態に気を配るようにしてください。 周囲の環境によって要介護者が変調をきたす場合もあります。 医療従事者やケアマネジャーなどに確認し、慌てずに対処することが大切です。 ③自宅内の動線を確保する 介護は朝から夜まで部屋の移動を繰り返しています。 部屋の移動の妨げになる介護用品は、部屋の隅などに移動、保管しておきましょう。 ④医療従事者や介護士とのコミュニケーションを大切にする 医療従事者や介護士とのコミュニケーションを大切にすることも在宅介護では必要です。 特に体調の変化は介護者の情報が頼りです。 医療や介護に関する情報は可能な限り連絡し、情報共有しておくことで、信頼関係が構築できます。 介護に慣れた時点で確認すべきポイント3つ 介護が生活の一部になってくるので、生活パターンを振り返る時間も必要です。 ここでは、介護に慣れた時点で確認しておきたいポイントを3つご紹介します。 ①自分なりの介護リズムを見つけたか? 自分なりの介護リズムを見つけていますか。 体調の変化に気づいた介護になっているか確認してください。 毎日時間どおりに確実に介護をしても、独りよがりの介護になっているかもしれません。 今までの介護のやり方がすべて正しいとは限りません。 時間に追われた介護になっていないか、形通りの介護になっていないか、時には振り返る時間も必要です。 ②福祉用具を見極めたか? 福祉用具を見極めていますか。 特に介護ベッドは、さまざまなタイプがあります。 介護度に合わせた福祉用具への変更を検討するタイミングを見逃さないでください。 ③積極的に介護サービスを利用しているか? 積極的に介護サービスを利用しているか、再度ケアプランなどの確認もしておきましょう。 在宅介護が続くと今の介護方法が当たり前のようになり、日頃の介護疲れの蓄積に意外と気づかないものです。 一度利用している介護サービスを確認し、介護者も気分転換できる時間が持てるように見直していきましょう。 まとめ 介護者には人それぞれ、自分なりの介護方法があります。 特に介護経験が長くなると、基本的なスキルは同じでも少しずつオリジナルな介護になっていくのです。 ただし、介護経験の浅い介護者は昨日の介護を反省し、今日は100%の介護を目指そうとします。 その介護はやがてはストレスとなり、介護疲れやストレスの蓄積につながるのです。 介護を担う人が疲れを感じた場合は、介護サービスを最大限に活用し、負担を感じない介護に変えるタイミングも時には必要です。

  • 通ってみたくなるディサービスとは?認知症改善やリハビリ整備など確認したいポイントを解説!

    ディサービスに通う一番の目的といえば、認知症の改善や予防や健康寿命を伸ばすことではないでしょうか。 それにせっかくなら楽しくデイサービスに通いたいものです。 そこで今回は実際にディサービスで働いている私が、通ってみたくなるデイサービスのポイントを 5つご紹介します。 通ってみたくなるディサービス・ポイント5つ ディサービスには場所によりサービスの内容が異なります。 その中でも楽しいディサービスには以下のようなポイントがあります。 ぜひ参考にしてみてください。 (1)ディサービスで過ごす間、手の空く時間が少ない 注目したいのが「利用者の方が空き時間をどう過ごされているのか」ということです。 つまり職員もなるべく一緒に利用者の方が手持ち無沙汰にならないように意識しているのかどうか、が重要になります。 ここでは、認知症の改善を感じることができる、空き時間の使い方の例を紹介します。 そこでは模造紙に描かれたイラストに貼り絵を行っていました。 イラストの線を理解し色分けして貼り絵をすることは、認知症の方にとっては非常に難しいことです。 しかし何度も繰り返す中で上達して、最終的には職員と協力し素敵な作品が完成しました。 このように認知症の改善には空き時間を有効的に使うことはとても重要です。 認知症もあまりなく、周りとのコミュニケーションに心配のない利用者の方なら問題ありませんが、「認知症の改善や予防を重点的に」と考えている方は大切にしたいポイントです。 定員の多いディサービスの場合、利用者の方が手持ち無沙汰になってしまうことがよくあります。 施設に到着後、お風呂、食事、運動と忙しくはあるのですが、それらが済んでしまった後「さて、何をしようか」となってしまうことも少なくありません。 要介護度の低い方同士であればお話をされたり、オセロや囲碁などのテーブルゲームを楽しむこともできます。 ただそういったことが難しい利用者の方は、テレビを見たり、横になったりして時間を過ごします。 ご家族の方からすると、せっかく認知症の改善のためのディサービスなのになんだか物足りなく感じてしまいがちです。 だからこそ、空き時間のバリエーション豊かな解消法を知っているデイサービスは、通ってみたいデイサービスであると言えます。 (2)デイサービスでのレク活動やリハビリ設備が整っている リハビリ設備が整っていることや一日の中で運動の機会が多いことは、ディサービスで過ごす上で楽しめるポイントとなります。 ディサービスに通っている方の多くは身体を動かすことを目的にしています。 利用者の方には「これ以上身体が動かなくなったら・・・」と心配している方も非常に多いです。 でもせっかく身体を動かすなら楽しく行いたいものです。 レクリエーション活動を設けているディサービスもあります。 例えば棒を一本ずつ持ち球を転がしてチームでゴールを目指す棒サッカーや、スプーンでピンポン球を渡すスプーンリレーなどが挙げられます。 これらはあまり会話をしない利用者の方でも声を上げて楽しく参加できます。 しっかり笑って普段関わらない人と会話をするという体験は脳に刺激を与え、認知症の改善に有効です。 多くのディサービスはリハビリ設備が備わっていますが、どの程度力を入れているかは様々です。 自転車漕ぎなどの簡単なマシーンのみが置いてある施設もあれば、ウォーターべッドや酸素カプセルまで用意されてある施設もあったりと本当に十人十色です。 もちろんマシーンで身体を動かし、脳を活性化させることも大切です。 ですがウォーターベッドなどでリラックスし、副交感神経を優位にすることもまた認知症の改善には有効と言われています。 アロマテラピーでストレスの緩和や精神的ケアが得られることと同じです。 レクリエーションとリハビリ設備が充実していることは【通ってみたくなるディサービス】の外せないポイントです。 (3)認知症の改善に大切な”お風呂”に力を入れている お風呂に力を入れているというのは、脱衣所や浴室のデザインや清潔感を考慮しているということです。 例えば家族の誘いで初めてディサービスを利用される方の中には、「他の人と入浴するなんて抵抗がある」と仰る方も多くいらっしゃいます。 けれどご家族の方の多くは、ディサービスでの入浴を希望されています。 利用者の方とご家族の方の希望にずれがあったとしても、見学の際に旅館の大浴場をイメージさせるような清潔感のある浴室であれば、「ここのお風呂なら入ってもいいな」と家族の悩みの解消をしてくれる手助けとなります。 その後実際に来られた際には、快く入浴してくださるケースがほとんどです。 また認知症を患う利用者の方は日によって「今日はお風呂に入りたくない」という気分になり、一生懸命お話してもなかなか難しい場合があります。 そういう時にも「お風呂に入りたい!」と思えるようなステキな内装であれば、利用者の方がポジティブな気持ちに切り替えてくださることもあります。 私たちも普段「面倒だな」なんて思っていた入浴が旅館やホテルの大浴場だとテンションが上がったりしますよね。 またお風呂は認知症の改善や予防にとても大切で、入浴で得られるリラックス効果に期待ができます。 さらに清潔・不潔の意識は認知症かどうかの判断材料にもなり、≪お風呂に何日も入らない≫や≪着替えに対して意欲がない≫というのは心配です。 認知症の改善という面でもご自宅での負担軽減という面でも、デイサービスでの入浴はご家族の方にとって気になるところです。 清潔感があり少し非日常を感じさせるようなお風呂であれば、通ってみたいと思う条件の一つになります。 (4)ディサービスでの昼食が充実している 厨房が併設されているディサービスであれば温かい料理がそのまま運ばれてきますので、出来立ての昼食を食べることができます。 施設によって昼食は差がある部分で、厨房が併設されていない場合はお弁当を外部から取り寄せることがほとんどです。 外部のお弁当は少し冷えている場合も多く、やはり出来立ての料理と比較すると物足りない気持ちになる方もいます。 さらに利用者の方が急に腹痛など体調を崩されたとしても、すぐにその状況にあった昼食に対応できることもメリットです。 利用者の方の中にはお独りで住んでいる方や、一緒にお住まいの方もご高齢で宅配弁当のサービスを利用している場合も少なくありません。 だからこそ、利用者の方の中には本当にデイサービスの食事を楽しみに来ておられる方が多くいらっしゃいます。 美味しいものを食べるというのは脳が刺激されて、認知症の改善にとっても重要なポイントの一つです。 他の利用者の方と楽しく食事を摂ることは認知症の改善や予防にとても大切なこと。 歳を重ねるにつれてアクティブに活動することがどうしても難しくなります。 ”食事”という楽しみを大切にしているディサービスはそれだけでも高い満足感を得ることができます。 (5)ディサービスの利用者の方を大切にしている 最後の5つめは当たり前ではありますが、最も重要なポイントになります。 飲食店でも差があるのと同じように、実は施設によっても差が出やすい部分です。 まずは接遇やマナーの点です。 今でこそ注意されることの増えてきた接遇ですが、敬語を使わずサービスを提供している施設もあります。 人生の先輩であり、お客様である利用者の方に対して敬意を払って接しているディサービスに通いたいものです。 またもう一点がご家族に対して些細な報告もしっかり行っているかどうかです。 ご家族の方が一緒に住んでいたとしても、日々の介護に一生懸命で見落としてしまう変化が必ずあります。 しかしお風呂介助を行う職員がしっかりと注目していることで、小さなひっかき傷や痣、湿疹などが見つかる可能性があります。 もちろんお風呂だけではなく、その日の利用者の方の状態は多くの職員が日ごろから意識して見ています。 職員にとってそれが見覚えのないものであれば、ご家族の方に報告することで必要であれば通院して治療をすることができます。 認知症の方はそれが以前からあった傷かどうか覚えておらず、ご家族の方も気づかない場合も多いので、こういった些細な報告は大切です。 信頼のできるディサービスであれば、利用者の方にとってもご家族の方にとっても、安心して通うことができます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 介護士の目線で通ってみたくなるディサービスをご紹介させていただきました。 ・入浴、昼食以外の時間にも認知症の改善を意識した時間づくりを行っており、利用者の方がなるべく手持ち無沙汰にならないよう意識している。 ・運動とリラックス、どちらの面でも対応できるリハビリ設備があったり、レクリエーションの時間を設けて他利用者の方とのコミュニケーションを大切にしている。 ・ただ入浴するためだけの施設ではなく、デザインや清潔感に手を抜かず、お風呂に入りたくなるような環境づくりをしている。 ・温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供が可能な厨房の併設しているディサービスだと食事も楽しめる。 ・接遇やマナーがきちんとしていることや、利用者の方の些細な変化に気づくことができていることで安心できる。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。    

  • 介護保険で使用できる福祉用具とは?レンタルする方法や注意点などについてご紹介

    要支援・要介護認定を受け、介護保険が利用できるようになったら、福祉用具を生活に取り入れることを検討してみましょう。 購入するとなると高額でも、介護保険を使って比較的安価でレンタルすることができる福祉用具も数多くあります。 今回は介護保険を使って福祉用具をレンタルする手順から、福祉用具の紹介、そして注意点までをご紹介します。 介護保険使用して福祉用具をレンタルする手順 介護保険を使って福祉用具をレンタルするには、要支援や要介護の認定を受けていることが必須条件です。 介護保険を使用した場合、福祉用具のレンタル料金は基本的に自己負担1割となります。 ただし所得に応じて、2割〜3割になることもありますので、自分は一体何割負担となるのかを、ケアマネージャーに事前に確認しておきましょう。 それでは、福祉用具をレンタルしたい場合、どのような手順で行うのかをご紹介します。 ①ケアマネージャーに相談しましょう。 福祉用具もその方にあったものを提供しなければなりません。 地域包括支援センターに相談する方法もありますが、普段からその方の身体の状態をよく理解してくれているケアマネージャーであれば安心です。 その後ケアマネージャーと共にケアプランを立てて、問題ないかを確認します。 ②福祉用具の選定 例えば車いすをレンタルするにしても、自分でも操作できる自走式かそうでないかを決めなければなりません。 このように福祉用具にはそれぞれ違いがあります。 その方の望む福祉用具と実際に使う福祉用具にギャップがないように確認します。 ③申し込みと契約の確認 使いたい福祉用具が決定したら、ケアマネージャーに連絡します。 その後、使用料金や契約内容に相違がないかを確認します。 ④いよいよレンタルの開始 福祉用具が手元に届きます。 組み立てが必要なものだったり、設置が必要なものは福祉用具貸与事業者にお願いします。 使用する上で確認したいことがあれば、この際に確認して下さい。 初めての福祉用具レンタルの場合、手順が分からず不安を感じる方もいるでしょう。 しかしケアマネージャーに不安点も相談すれば問題ありません。 実際使ってみて「思っていた福祉用具と違う」とならないように、自分の希望をしっかり伝えることを忘れずに、ケアマネージャーと一緒にケアプランをたてましょう。 介護保険を使用してレンタルされることの多い福祉用具 介護保険を使用して使える福祉用具にはかなり種類があります。 「こんなものまで!?」と驚くような福祉用具まであるかもしれません。 今回は在宅介護でよく使われるような福祉用具をご紹介します。 ①車いす 車いすは普段もよく目にしますし、レンタルされる福祉用具の中でもかなり上位です。 自走式と介助式があり、自走式は自分でも他人でも操作できるタイプ、介助式は他人しか操作できないタイプです。 また電動タイプのものもあります。 街で電動で車いすを操作している方を見かけたことがあるのではないでしょうか。 操作方法だけでなく、デザインや座り心地も多種多様で、好みが出る部分です。 座り心地に関しては長時間座っているとお尻や腰を痛めることもありますので、こだわりたい部分です。 ②歩行器・歩行車 こちらは比較的自立して歩くことのできる方が使用する福祉用具です。 歩行器はコマのついていない四つの脚がついているもの、歩行車はコマがついていてお買い物などの際によく使われる福祉用具です。 ここで注意したいのが歩行車は介護保険の対象ですが、シルバーカーは対象外であることです。 大きな違いはシルバーカーには座面がついていること、ハンドル部分が歩行車のようにコの字型ではなく真っすぐになっていることです。 レンタルする際はカタログを見て選んだりケアマネージャーと相談しながら決めますので、誤って対象外のシルバーカーを選んでしまうことは考えづらいですが、念のため注意しましょう。 ③手すり 手すりというと改修工事が必要だと思われがちですが、介護保険を使用すると置き型手すりや突っ張り型手すりをレンタルすることができます。 置いたり突っ張るだけで設置完了となり、設置できる場所に制限が少なく、居住スペースに取り入れやすいことが特徴です。 立ち上がったり起き上がったり室内では大きな動作が意外と多く、転倒リスクが高いと言われています。 形もバリエーション豊かなので、目的に合った手すりを選びましょう。 ④シャワーチェア 浴室用の福祉用具です。 普段私たちが入浴する際は小さな椅子を使用することが多いですが、高さが低いので高齢者の方では座ったり立ち上がったりすることが困難です。 シャワーチェアはリビングなどで使われる椅子と同じように、高さがあり肘置きもあるので動作しやすく、転倒のリスクが軽減されます。 また一人で入浴できず、誰かの介助を必要とする方も多くいらっしゃいます。 高さがあるため介助者も腰を痛めたりする心配も少なく、介助者にとっても取り入れたい福祉用具の一つです。 ⑤介護用ベッド 介護用ベッドも介護保険を使用してレンタルすることができます。 自動で背上げ機能で起き上がりのサポートをしたり、脚上げ機能でむくみ防止をサポートします。 気になるのがレンタルできる福祉用具の中で高価な点です。 しかし使用者の方だけでなく、介助者の負担軽減のためにも検討したい福祉用具です。 介護保険を使用できるレンタル福祉用具は今回ご紹介したものだけではありません。 ケアマネージャーや福祉用具専門相談員にアドバイスをもらいながら、目的にあった福祉用具を取り入れましょう。 介護保険を使用して福祉用具をレンタルする際の注意点 福祉用具をレンタルするときには、さまざまな注意点があります。 介護者に遭った福祉用具をレンタルするためにも、以下のことに気を付けるようにしましょう。 ①認定された介護度によってレンタルできる福祉用具に制限がある 介護度が低いとレンタルすることができない福祉用具があります。 車いす関連の福祉用具や老人徘徊感知機器は、要支援の方はレンタルすることができません。 要支援の方は自立度やADLが高いので必要ではないと判断されているためです。 ただし例外給付もあります。 例えばパーキンソン病を患っており、時間帯や日によって状態が大きく変わる場合です。 そうでなかったとしても上記の福祉用具が必要となれば、ひとまずはケアマネージャーの方に相談しましょう。 ②福祉用具によっては、購入は介護保険の適用外となる 介護保険を使用してレンタルすることはできても、購入する際は介護保険が適用できないものがあります。 今回紹介した中であれば、手すり、車いす、ベッド、歩行器・歩行車は使用できません。 シャワーチェアのみ適用内となります。 介護保険を使用して購入できる福祉用具は”特定福祉用具”と呼ばれており、その基準は直接肌が触れるかどうかとなっています。 長く利用するのであればレンタルではなく、購入した方がお得と感じる方もいらっしゃいますが、特定福祉用具以外を購入する際は自費負担となります。 慎重に検討しましょう。 ③定期的なメンテナンスが必要 福祉用具を使用する上で最も大切なことです。 日々使っていると、ネジがゆるんだり高さが合わなくなったり、不具合が出てきます。 不具合で事故が発生することもあります。 レンタルを開始して終わりではなく、不具合がないかどうか日ごろから意識して、万が一不具合があった場合はすぐに福祉用具専門相談員に連絡しましょう。 まとめ いかがでしたか? 福祉用具を取り入れることで、生活の質が上がりご本人にとっても、介助者にとっても負担が軽減されることとなります。 ・レンタル料金は原則1割負担。収入によっては2割〜3割となることもある。 ・介護保険を使用して福祉用具を使いたいと思ったら、まずは自身の身体のことをよく理解してくれているケアマネージャーに相談する。 ・どの福祉用具にも様々なバリエーションがあるため、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員のアドバイスを受けながら選ぶ。 ・介護度によって介護保険適用内でレンタルできない福祉用具がある。 ・特定福祉用具以外は購入する際に介護保険は使用できない。 ・日々福祉用具を使用する中で不具合がないかどうかチェックし、定期的なメンテナンスを行う。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  • 【ケアマネ必読!】福祉用具を取り入れるポイントは?取り入れる流れについてもご紹介

    福祉用具は需要の高い、介護保険のサービスの1つです。 福祉用具には様々なものがあるため、選定も悩みどころです。 今回はケアマネが福祉用具を取り入れるポイントや流れを紹介します。 福祉用具とは? 福祉用具は、要介護認定を受けた人などが生活の幅を広げることができる用具です。 福祉用具を使用することで、自立した毎日を送る手助けになるからです。 福祉用具は、本人だけでなく家族の介護量を減らすこともできます。  たとえば、ベッドから起き上がれない人の生活圏はベッドで、限られています。 そこで、ベッドのそばに手すりを置いてみると、手すりにつかまって1人で起き上がることができ、生活圏が広がります。 動作ができるようになるだけでなく、「自分1人でできた!」という、自信も出てくるのです。 家族も起きるための手伝いをしなくて良くなり、介護量が減ります。  このように、福祉用具は介護認定を受けた人だけでなく、家族の生活も良くする用具なのです。 ですが、種類も多く、どれを導入すればよいかわかりにくいですよね。 福祉用具を取り入れる時はポイントがありますので、紹介していきます。 福祉用具にはどんな品目がある? 福祉用具は、大きくわけて2種類あります。 レンタルの「福祉用具貸与」と、購入の「特定福祉用具販売」です。  福祉用具は基本的には「貸与」が原則となっていますが、外れるものもあります。 それが、入浴や排泄時に使用する「特定福祉用具販売」です。 衛生面の観点からみても、他者が再利用するには心理的に抵抗感があるものになるからです。 たとえば、ポータブルトイレ、シャワーチェアなどがあります。 ポータブルトイレやシャワーチェアなどは、直接肌が触れたり摩耗します。 このため、「福祉用具貸与」ではなく、「特定福祉用具販売」で対応します。 福祉用具貸与(13品目) 以下の福祉用具はレンタルすることができます。 車いす 車いす付属品 特殊寝台 特殊寝台付属品 床ずれ防止用具 体位変換器 移動用リフト(つり具の部分を除く) 認知症老人徘徊感知機器 自動排泄処理装置 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 原則として、要支援1・2、要介護1の人は「手すり」「スロープ」「歩行器」「歩行補助杖」以外は利用できません。 また、要支援1・2、要介護1・2・3の人は「自動排泄処理装置」は利用できません。 これらの用具を利用する状態が想定しづらいからです。 利用料金は、所得によって異なりますが、費用の1〜3割です。 介護度に応じた支給限度額が決まっているため、その額の中で必要に応じて貸与します。  特定福祉用具販売(6品目) 購入する福祉用具は以下の6品です。 腰掛便座 自動排泄処理装置の交換可能部品 排泄予測支援機器 簡易浴槽 移動用リフトのつり具の部分 入浴補助具  特定福祉用具販売は、1年間で購入できる金額は10万円までと決まっています。 そのうちの自己負担分は、所得によりことなりますが、1~3万円です。 1度全額負担支払う必要があり、手続き後に自己負担分以外が返ってきます。 10万円を超えると、超えた分は自己負担になりますので、注意してください。 福祉用具を取り入れるポイントは? 福祉用具を取り入れるポイントは、「福祉用具を使って、利用者の生活の質が上がっているか」です。 福祉用具は、「日常生活の便宜を図ったり機能訓練のための用具で介護保険の給付対象」とされているからです。 福祉用具を取り入れることで、状態が悪くなったり、過ごしにくくなってしまっては、意味がありません。 例えば、歩行が不安定になったからといって、杖を取り入れるのが一概に正しいとはいえません。 認知面の低下が強い利用者に杖を取り入れても、正しく使用するのは難しくなります。 杖を自分の足に引っかけるなど、かえって転倒リスクが高まってしまうのです。 転倒すると痛みが出たり、場合によっては骨折してしまい、生活の質が低下してしまいます。 福祉用具が利用者の生活のさまたげになっていないか、質が上がっているか必ず確認してください。 また、現在の利用者の状態に合っているかをチェックするのも大切です。 例えば、現在は車いすを自走できるのに、先を見据えて介助式の車いすを選んだとします。 これは利用者のできる力を奪ってしまうため、間違った選択です。 自立どころか、介護が必要な状態になってしまいます。 逆もしかりで、現在の能力では扱うのが難しい福祉用具を選択するのは避けましょう。 このため、状態に合わせて福祉用具を選ぶことが大切なのです。 細かく利用者の状態を評価して、必要な福祉用具を検討する必要があります。 また、福祉用具は、以下の点をおさえると、取り入れやすくなります。 利用者や家族のニーズを確認する。 利用者のアセスメント(課題を分析して、要望をくみ取ること)をしっかり行う。 可能な場合は即決せずに、福祉用具を試用する。 (できれば、特定福祉用具は実物をみる) 本人にも介護者にも使いやすいものを選ぶ。 リハビリ職や福祉用具事業所の職員から助言をもらう。 また、継続して長く使うものは「特定福祉用具販売」を、体の状態に合わせて定期的に交換の検討が必要なものは「福祉用具貸与」がおすすめです。 福祉用具購入は費用面で負担が大きくなったり、返却ができないため状態が変わった時に使い道がなく、困ることがあります。 大きいものやメンテナンスが必要なものは、「福祉用具貸与」がおすすめです。 場所をとるような大きなものだと、必要なくなった時に撤去するのに大変です。 メンテナンスは定期的に行う必要がありますし、専門的な知識や道具が必要なことがあります。 福祉用具を利用するには? 福祉用具を利用するためには、手続きを行う必要があります。 手続きなどの流れを守らなければ、福祉用具を利用できないからです。 福祉用具を利用するためには、「ケアプラン」などの計画書が必要になります。 福祉用具を利用するための手続きの流れを紹介します。 ① 利用者がケアマネに「福祉用具利用希望」を申し出る。 ② ケアマネが「ケアプラン」を作成、利用者に同意を得る。 ③ ケアマネが福祉用具事業所に依頼する。 ④ 福祉用具事業所は「福祉用具サービス計画書」を作成し、利用者に同意を得る。 ⑤ 福祉用具事業所は「福祉用具」を選定。利用者と契約後、サービス開始。 ⑥ 福祉用具事業所はモニタリングを行い、ケアマネに報告する。 まとめ ここまで、福祉用具を取り入れるポイントや流れについて、紹介してきました。 福祉用具には、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」がある。 「福祉用具貸与」には13品目あり、要介護認定を受けた人すべてが使えるわけではない。 「特定福祉用具販売」は6品目あり、1年間で購入できるのは10万円まで。 福祉用具を取り入れるポイントは、「利用者の生活の質が上がっているか」をみること。 現在の状態に合った福祉用具を取り入れる。 利用者や家族のニーズを把握し、アセスメントを行い、状態を把握する。 可能な場合は、福祉用具を日常生活で試用させてもらう。 使いやすい福祉用具を選ぶ。 プロの職種からアドバイスをもらう。 福祉用具を利用するためには、ケアプランなど計画書が必要。 ぜひ、福祉用具を取り入れるポイントを押さえましょう。 ぴったりな福祉用具を利用者や家族に、自信を持ってすすめられるからです。 利用者に合った福祉用具を選べば、利用者のできることが増え、自立を促すことができます。 福祉用具を取り入れるポイントを必ず押さえて、ぴったりな福祉用具を選びましょう。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。