将来介護されることになったら不安ですよね。
不安を解消するには、早め早めの対応と備えが大切です。
今回は、将来介護されることになった時の備えを紹介します。
将来介護されることになった時の不安な理由は?
将来介護されることになった時の不安な理由は、家族に迷惑をかけたくない、頼れる人がいない、病気に対する不安、経済面が心配、など人によって様々です。
中にはよく分からないけど、不安を抱えているという人もいます。
この章では、内閣府が55歳以上の人を対象に、介護の不安に対する調査を行った結果を元に具体的な理由を紹介します。
まずは自分が何に対して不安を感じているのか整理してみましょう。
介護に対する不安な内容
①家族に肉体的・精神的負担をかけること 50.6% ②身体の自由が感じられなくなること 40.5% ③介護に要する経済的負担が大きいこと 28.8% ④特に理由はないが、漠然と不安を感じる 22.2% ⑤人生の楽しみが感じられなくなること 20.6% ⑥希望する介護施設等に入られないこと 17.8% ⑦収入がなくなること 16.7% ⑧特に不安なことはない 15.6% ⑨介護をしてくれる家族がいないこと 14.1% ⑩現在の住宅構造に問題があること 10.5% |
約半数の人が、家族に肉体的・精神的負担をかけることを不安に感じていました。
一番の理想は住み慣れた家で最後を過ごすことですが、核家族が多い中では難しいのが現実です。
また、他にも身体面や経済面が不安といった内容も多かったです。
環境面では介護状態になった場合、現在の家に住めなくなるという心配点もあります。
不安な理由は、5つに分類できます。
次の章では、不安な理由を分類し今からできる備えをご紹介します。
将来介護されることになった時の解決策と備え
介護をされることになった時に不安を感じる具体的な内容が分かった所で
理由を分類すると大きく5つに分かれます。
①家族 ②身体面 ③経済面 ④環境面 ⑤生きがい |
この分類を元に不安に対する対策を考えていきましょう。
①家族について
解決方法は、家族に自分が思っていることを正直に話すことです。
具体的な内容は自分が不安に思っていること、自分の生活や人間関係、必要であればお金のことや希望の施設があれば話しておくと安心です。
直接話すのが難しい場合は、紙に書いておくと分かりやすいです。
子どもが遠くに住んでいたり、配偶者が先立っている場合があります。
いざという時の保証人を決めておきましょう。
介護施設を利用する場合、「緊急時に対応してくれる人」が必要です。
保証人がいないとなると利用できない場合があります。
調査結果で一番多かった回答が「家族に迷惑かけたくない」というものでした。
核家族がすすみ、介護は家族がするものという価値は変化しています。
まずは、自分自身ができることから始めましょう。
②身体面
運動や規則正しい生活をしたり、定期的に病院に通うなど、いわゆる「介護予防」をしておくことが大切です。
介護予防とは要介護状態の発生をできるだけ遅らせることと定義されています。
具体的な内容は、運動機能の維持や食生活の見直しなどがあげられます。
身体のことだけではなく、社会参加や生活の中での役割を持って
生きがいがある生活を送っていくことも大切です。
参考サイト:厚生労働省 介護予防について
③経済面
まずは毎月の収支やどれだけのお金を持っているか金銭面の把握をしましょう。
預貯金以外にも、契約している保険や不動産関係も確認しておくと安心です。
老後の費用を「増やす」という方法もあります。
増やす方法は、貯蓄・投資・保険の3種類です。
・現在の収支から出来る範囲でお金を貯めていく「貯蓄」 ・投資信託や株式などを購入し利益を見込む「投資」 ・日常で起こるリスクに備えて準備をしておく「保険」 |
それぞれに経済状況が違うので自分にあった方法を活用することも大事です。
④環境面
家の中の片付けや不用品の処理を元気なうちにしておくと安心です。
高齢になると筋力の低下とともに転倒するリスクが高くなります。
そして、転倒する多くの場所が自宅内なので、片づけをすることで転倒予防になります。
また、自宅内の転倒が多い場所は以下の通りです。
①お風呂場 ②庭・駐車場 ③ベット・布団 ④玄関・勝手口 ⑤階段 |
転倒の原因は滑る・つまずく・ふらつく・移動している時・引っ掛かるなどです。
家をバリアフリーにするにはお金が掛かりますし、賃貸の場合は住宅の改修ができません。
家の片づけはすぐできるので動線を確保したり、使用頻度が高い物は取りやすくしておくなど住宅を見直ししておきましょう。
参照サイト:消費者庁
⑤生きがい
生きがいとは、「人生の価値」や「生きていく喜び」などと表記されています。
価値や喜びは人それぞれ違うので、生きがいもその人によって異なります。
シニア世代は仕事を退職したり、子育てがひと段落するので、生活に張り合いがなくなったと感じる人が多いです。
そこで「生きがい」が大切になってきます。
では「生きがい」はどうやってみつけるのでしょうか。
生きがいを見つける4つのポイント
①自分が楽しい・嬉しいと感じること ②社会参加や役割を持つ ③新しいことにチャレンジする ④暮らしの中で幸せを感じるよう意識する |
これを軸としてこの機会に生きがいを考えてみてくださいね。
将来の介護に対する不安に対しての具体例を紹介
ここの章では、高齢期に備えてみんながどんな備えをしているのか、アンケートを行った結果をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
①健康維持・体力作り 64% ②日々の節約・体力作り 51% ③身の回りの整理をしておく 36% (不用品の処分、通帳、クレジットカードなど重要書類の整理、運転免許証納品など) ④資産形成 35% (金融商品への投資、保険商品の加入など各種資産運用) ⑤長く続けられる趣味・娯楽を始める 33% ⑥老後の家計予想・シミュレーション 30% ⑦家族、親戚、知人、近隣などとの付き合いや交流の拡充・維持 19% ⑧高齢期に住む住宅の検討または購入 11% |
アンケートの中身を具体的に見ていくと、健康に対する意識は、9割以上が日頃から自分の健康状態に気を付けて生活しているとの回答があがっています。
また、「定期的な健康診断」「食事の管理」「適度な運動スポーツ」を行っている人が6割です。
健康に関しては、日頃から取り組んでいる人が多いという結果でした。
参考サイト:2019年10月高齢期の暮らしに関する意識調査・実態調査
将来介護される前に備えておくことが大事
将来、介護されるのは誰だって嫌だし不安ですよね。
筆者自身、介護職として約10年間施設で働いていましたが、介護をしてほしいという人はいませんでした。
可能であれば、自分でできることは自分でしたい、身の回りのことは自分でしたいという人が大半です。
しかし、早めに対策しておくことで介護が必要になった時の備えはできます。
人それぞれに価値観や環境が違うので、出来ることから自分に合った備えをしていきましょう。
まとめ
今回は、将来介護が必要になった時の備えについてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
・将来介護が必要になった時の不安な理由を整理しておくこと大事である ・不安な理由を大まかに分類すると①家族②身体面③経済面④環境面⑤生きがいについての5つである ・この理由を元に将来介護が必要になった時の備えをしていく方法がある ・平成29年に実施したアンケート結果を参考にしてみる ・将来介護が必要にる前に出来ることから早めに対策しておくことで備えができる |
最後まで読んでいただきありがとうございました。