介護保険外のサービスとは?メリット・デメリットやサービス内容を解説!

profile img

narumi

contents section

介護保険サービスは、要介護度によって利用できるサービス内容や量が決まっています。

ですが、保険内のサービスだけでは充分とはいえません。

そこで使えるのが介護保険外サービスです。

保険外のサービスを上手に組み込むことで介護保険ではまかないきれない部分に手が届き、介護負担を軽減できます。

厚生労働省も、地域包括ケアの一環として介護保険のサービスと介護保険外のサービスを併用することを推奨しています。

本記事では、介護保険外サービスのメリットやデメリット運営者やその内容について解説しています。

ぜひ最後までお読みください。

介護保険外サービスとは

介護保険外サービスとは、介護保険制度の対象外のサービスで、介護保険では補えないサービスを原則自己負担で受けられるサービスです。

厚生労働省の地域包括ケアシステムの構築と「保険外サービス活用ガイドブック」についての中に記載があり、国が推進する地域包括ケアの一部に組み込まれています。

介護保険では受けられないサービスもあるので、介護を受ける方だけではなく、介護している家族の生活も充実させられます。

介護保険外サービスを利用するメリットとデメリット

介護保険外のサービスを上手に活用するためには、メリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。

介護保険外サービスを利用するメリット

介護保険外サービスを利用するメリットには以下のものがあります。

  • 介護負担が軽減する
  • サービスの提供時間を長くすることができる
  • 家族に対する支援もある
  • 自由なサービス選択ができる

では、一つずつ解説します。

介護負担が軽減する

介護保険外サービスを利用する一番の目的は介護負担を軽減させることです。

保険でまかなえないサービスを受けられるので、介護者の負担が減り、高齢者本人も安心して生活を送ることに繋がります。

サービスの提供時間を長くすることができる

サービス提供者と合意できれば長時間のサービスを受けられます。

介護保険を使って訪問介護などのサービスを受ける場合は、1回30分などと時間が決められています。

介護保険外で、サービスの時間を長めに設定することでサービスの不足感を軽減することが可能です。

家族に対する支援もある

介護保険外のサービスでは、介護する家族もサービスを受けられます。

例えば、高齢者夫婦の2人暮らしで、夫が要介護、妻は介護保険の対象外だった場合、介護保険では夫に対するサービスしか受けられません。

妻の洗濯や妻のための買物、布団干しなどは原則として対象外になります。

この場合、妻が介護保険外サービスを利用できれば、妻の負担を大きく減らすことができます。

自由なサービス選択ができる

介護保険外のサービスは、サービス内容や量、同居家族などのサービスを受ける対象者を自由に選択できます。

その分料金はかかりますが、上手に活用することで、介護を受ける本人や介護する家族のそれぞれが望む生活に一歩近づきます。

介護保険外サービスを利用するデメリット

介護保険外サービスを利用する上での一番のデメリットは費用がかさむことです。

介護保険のサービスは利用料金の7〜9割を保険でまかない、利用者は残りの1〜3割を負担します。

ですが、介護保険外サービスは保険が使えないので全額負担しなければなりません。

運営者やサービス内容などによって金額にばらつきがあるので、利用前に具体的な料金体系について確認しておきましょう。

介護保険外サービスの運営者と内容

介護保険外サービスを受けたい時はどこに相談すればよいのでしょうか。

運営者やサービス内容もさまざまですので、代表的なものを説明します。

市区町村による独自サービス

市区町村が独自に行っているサービスで、基本は介護者がそれぞれの利用者の自宅に訪問してサービスを提供する形になります。

主なものは、

  • おむつの配送
  • 訪問理美容
  • 配食サービス
  • 緊急時の連絡システム
  • 受診や外出時の移送サービスなど

各自治体が独自に行っているサービスなので、全ての市区町村で提供されているわけではありません。

ホームページや広報誌で確認したり、地域包括支援センターに相談したりしてみるとよいでしょう。

市区町村が中心になって実施する「介護予防・日常生活支援総合事業」

2017年にスタートした地域支援事業の一つで、市区町村が中心となって地域の実情に合わせたサービスを提供するものです。

住民が主体となり、要支援者に対し効果的で効率的な支援を目指しています。

内容は、以下の通りです。

  • 訪問介護事業所やNPOなどの住民ボランティアが行う訪問による生活援助
  • 主に食事用意や掃除などの家事援助や外出の支援
  • デイサービスや高齢者会館で提供する通所による活動援助サービス
  • 主に運動やレクリエーション、口腔機能改善など
  • 住民の交流の場にもなっている

サービスを利用するには地域包括支援センターによるケアマネジメントが必要なので、まずは相談してみましょう。

介護サービス事業所

普段介護保険サービスを提供している事業所が、通常のサービスの延長で提供している保険外のサービスです。

サービス内容は

  • 訪問介護ではできない手間のかかる掃除や洗濯
  • 入院中の衣類の引き取りや洗濯などの世話
  • お泊まりデイサービスなど

介護保険で対応できない部分を補うためのサービスとなりますが、通常のサービスとは別枠の料金で、すべて自己負担になるので料金の確認が必要です。

社会福祉協議会の高齢者支援サービス、シルバー人材センターの家事・福祉支援サービス

全国の社会福祉協議会や、高齢者の雇用促進を目的とするシルバー人材センターによる有償ボランティアです。

  • 介護保険では対応できない調理や洗濯、買物、掃除など
  • 入院中の世話
  • 冠婚葬祭の付き添い
  • 認知症の方の見守り支援サービスなど

市区町村による総合事業として提供されていることもあるので、地域包括支援センターで受けられるサービスを相談してみるのも一つです。

民間企業の介護サービスや高齢者支援サービス

介護分野ではない企業が間接的に介護保険サービスを提供していることもあります。

  • コンビニエンスストアや生協などによる配食サービス
  • タクシー会社による介護タクシーや通院介助
  • フィットネスクラブによるスポーツプログラムなど

市区町村によるサービスより費用は高めですが、サービスの種類が豊富で介護保険では足りない部分をサポートできます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、介護保険外サービスのメリットやデメリット、運営者やその内容について解説しました。

 

  • 介護保険外サービスは介護保険制度の対象外のサービスで、介護保険では補えないサービスを原則自己負担で受けられるサービス
  • 地域包括ケアの一環として厚生労働省も推奨している
  • 介護保険外サービスを利用するメリットは、介護負担が軽減する、サービスの提供時間を長くすることができる、家族に対する支援もある、自由なサービス選択ができる 等
  • デメリットは、保険内のサービスに比べ費用がかかる
  • 運営者やその内容は、市区町村による独自サービス、市区町村が中心となって実施する「介護予防・日常生活支援総合事業」、介護サービス事業所、社会福祉協議会やシルバー人材センターによる有償ボランティア、民間企業の介護サービスや高齢者支援サービス 等

介護保険外のサービスを上手に活用することで、利用者本人だけでなく介護している家族の生活も豊かになります。

介護が必要にあっても、住み慣れた地域での生活を続けるために、制度やサービスを充分に活用できるように家族で話し合ってみましょう。