有効求人倍率15倍!? ヘルパーが働き続けたくなる環境とはどんな職場?

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narumi

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介護の職場は有効求人倍率15倍と言われています。

人材難の介護業界でヘルパーが働き続けるには何が必要なのでしょうか。

ここでは介護の人材難に向き合う課題についてご紹介していきます。

ヘルパーが働きやすい職場が少ない

介護業界はどこも人材が圧倒的に足りていません。

同じ職場に定着する人の割合が他の業界に比べて少ないことが人手不足の要因にあげられています。

例えば、新卒からずっと同じ職場で働いていると言う職員を筆者はあまり見たことがありません。

ではヘルパーが介護業界で定着しやすい職場はどんなところなのでしょうか。

まずはヘルパーの離職の原因から確認していきます。

 

ヘルパー離職の原因

職場の人間関係

介護ヘルパーが同じ職場で働き続けたくなくなる理由の1つ目は、職場の人間関係です。

この理由は他職種でもあるかもしれませんが、介護の現場においては特に重要なものになります。

介護の仕事は、夜勤、日勤、遅番などのシフト制がほとんどで、ご利用者様の状態や業務の引き継ぎが必要になります。

それは職員とのやりとりが多くあるということです。

他にも日中の業務で連携をとりながら仕事をする必要もあります。

その際のちょっとした言葉の行き違いなどから不快感を感じ、その積み重ねで徐々に険悪になる職員を多く見てきました。

人は皆違う人生と価値観で生きています。

ちょっとした事から関係性が悪くなり退職する人は多いようです。

そんな事例からも、職場の人間関係が安定している事業所は働きやすく、結果として離職率が低いと言えます。

慢性的な人手不足


ヘルパー離職の理由の2つ目は、慢性的な人手不足です。

介護の仕事は基本的にマンパワーが必要になってきます。

例えば24時間対応の施設系の職場であれば、早番、日勤、遅番、夜勤と最低でも1日のシフトで4人の職員が必要です。

この環境で職員が1人辞めると、3人で現場を回す必要があります。

これは体験しなければわからないことですが、場合によっては休憩が出来ないこともあります。

最悪の場合、時間外で残業をしなければ現場が回らないこともあります。

これが1日だけであればまだ続けようと思えますが、職員の補充があるまでずっと続くところもあります。

職員の補充を求めたとしても、すぐに入ってくるとは限りません。

例え入職してくれる人がいたとしても、そのまま長く続けてくれるとは限りません。

余談ですが、ある時入職した翌日に家族の急病を理由に休んだ新入職員がいました。

そしてそのまま音信不通になり、復職することはありませんでした。

このような事からも、介護業界での定着率は低い傾向がわかります。

給料や待遇面

離職率の高い理由3番目は、介護のヘルパーの給料や待遇は仕事の大変さのわりに低い点です。

さらに昨今、一般企業のサラリーマンやOLとの差は更に開いてきていると感じます。

筆者は社会福祉法人の施設に勤務するまで、ボーナスをもらったことがありませんでした。

それぐらい、介護業界の給料は低い設定になっていて、介護職の定着に大きな影響を与えています。

健康の不安が原因

離職率の高い理由4番目は、健康の悪化です。

特に介護ヘルパーの仕事をしていると痛めるのが腰です。

腰は日常生活でも大切な部分ですが、その腰を酷使する仕事でもあるため、介護の仕事をしてから腰が悪くなったと言う人は多いです。

介護現場では、腰にコルセットを巻かないと仕事ができない人が多くいて、その大半が女性でした。

高齢者は体重の重い人から軽い人まで色々な人がいます。

介助の仕方、技術次第で腰を痛めないも方法もありますが、逆に介助方法を間違えて痛めてしまうこともあります。

なので、介護ヘルパーの健康不安要因1番は腰の痛みです。

その他では、感染症に感染することがあります。

高齢者は免疫力が低下していることもあり、感染症にかかりやすい可能性が高いです。

そのため介護ヘルパーもそこからの2次感染の確率は高く、その点においても健康を害するリスクは高いです。

高齢者の健全な生活を守るヘルパーは、健康面においても離職しやすい環境であると言えます。

 

ヘルパーが働きたくなる職場とは

先の紹介で介護ヘルパーが、仕事を続けたくなくなる環境のご説明をしてきました。

ではヘルパーが働き続けたくなる職場とはどのような環境なのでしょうか。

将来を描きやすい職場づくり

ヘルパーの仕事は、営業などのタスク達成型の仕事と違い、1日の仕事がルーティンワークに近いため、マンネリ化しやすく目標が見えにくい仕事です。

そのため、この仕事を続けても将来が見えないという理由で、他の業界に転職する人も多くいます。

福祉という特徴から、目標にコミットしてそれを達成するという環境づくりが難しい面もあるのです。

なので入職した職員が、この職場でどうなっていけるのかなど将来性を提示できる環境があれば職員の定着率も上がり、求人への応募も増えるのではないでしょうか。

介護現場ではヘルパー自身が未来を描きやすい環境整備が最も重要です。

この職場で働きたいと思える職場づくり


介護ヘルパーが、この職場で働きたいと思える職場作りも、応募してもらうために必要なことです。

全ての環境を他の職場よりベストにできればいいのですが、そう簡単にはいきません。

なので、ご自分の職場でここなら改善できて、うちの職場の魅力としてアピールできるであろうと思うところを見つけて宣伝しましょう。

最初の方でお伝えした、給料、福利厚生、職場の人間関係、研修環境、労働環境など、入職する人によって職場を選ぶ基準は様々です。

ご自身の事業所や職場で改善できる点を取り上げて求人倍率の向上に繋げるようにしましょう。

悩みを抱え込ませない職場づくり

退職で多い理由の人間関係の問題など、各職員が抱えている悩みを出来る限り抱え込ませない環境を作りましょう。

実際に働いてみて感じますが、職員間の対人関係の悩みは尽きません。

それぞれ違う人生を生きてきているわけですから、価値観の違いですれ違いや喧嘩をすることもあります。

個々人の問題であると言えばそれまでですが、その問題はできる限り目を瞑らずに環境改善に取り組むべきです。

例えば、上司の面談をある一定の期間で設定するとか、ストレスチェックシートを書いてもらうなどの対応もいいでしょう。

他にも、上司と職員間での日々のコミュニケーションも大事です。

何か問題などがあれば言いやすい環境づくりは、役職者の責務とも言えます。

悩みを抱え込ませないためにも、コミュニケーションによる運営者側の努力が必要になります。

仕事のオンとオフができる職場づくり


介護ヘルパーの仕事でよくあるのが、仕事のオンとオフが難しい環境であることがあります。

特に中間管理職の職員に多いですが、休みの日にも仕事の電話が鳴り止まず、なかなか休めない人もいます。

一般職員でも、休みの日に引き継ぎの件で確認の電話があったり、人員不足で夜勤明けからの日勤業務で昼まで働くなど過酷な環境があります。

ひどい時だと、日勤をしてから夜勤をするなどの勤務もあります。

一言で言えば過重労働なのです。

このような仕事の切り替えがしづらい環境を変えるために、職員が定着したくなる環境を作り運営していく必要があります。

まとめ

結論として求人倍率15倍の環境を作るためには、シンプルにこの職場にいたいと思える場所を作るのが最短です。

そのためには、給料、福利厚生、職場の人間関係、研修環境、労働環境これらの環境改善を行い、求人票状でも魅力的な職場を作る必要があります。

また、実際にヘルパー同士のコミュニケーションをしっかりと図り、働きやすい環境づくりが必要です。

簡単ではありませんが、1番の近道はコツコツ積み上げて作り上げていくことが大切です。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。