訪問介護の仕事は楽しいこともあるけども、辛い事もあります。
今回の記事では、実際に訪問介護を経験した筆者が、その体験を基に辛かったことをお伝えします。
訪問介護の辛いところ
介護の仕事は人に感謝されるいい仕事です。
介護以外の仕事も経験してよりわかった介護の仕事の魅力は、他者からの感謝を本当の意味で受け取れるところに魅力があります。
そんな中「きつい、しんどい、きたない」と言われるこの仕事を、喜んでしたいと言う人が少ないのも現実です。
個人的には魅力的だと思える介護の仕事ですが、今回は筆者が体験した訪問介護での辛かった体験をお伝えし、その対応策も付け加えようと思います。
それでは始めていきます。
自転車移動が辛かった
これはシンプルに訪問するための自転車移動が辛かったです。
都市部での訪問介護の仕事は、自転車移動が基本になります。
地方の移動距離が長い事業所なんかだと、車で移動するところもあるようですが、都心部での基本は自転車です。
自転車移動での足腰への負担は、1件1件の移動を毎日積み重なると大きく、なかなか辛い経験でした。
電動自転車になってからはかなり楽になりましたが、それ以前はまるで足腰を鍛える修行をしているような物でした。
また事業所によっては、1日の訪問件数が多いところもあります。
筆者は、割と短めのケアを複数訪問していたため、1日の訪問件数は平均して15件前後でした。
この数字は、訪問介護業界の方でないとピンとこないかもしれません。
参考までに、筆者が聞いた他事業所の訪問件数は、1日平均5件ぐらいが基本でした。
若い訪問介護員でも多くて10件程度だそうです。
私は毎日3倍走っていたことになります。
訪問介護はご自宅同士の距離が遠いこともあるため、件数が短くても距離が遠かったりしてその移動で疲れるという事もあります。体力に自信のある方や身体を鍛えたい方などにはよいかもしれませんが、そうでない場合は電動自転車をおすすめします。
ご利用者様との人間関係
これも筆者の訪問先にいたあるご利用者様ですが、そのお宅はお風呂とトイレが共同の家でした。
部屋は6畳1間で、家賃も1ヶ月1万円程度のお宅でした。
そこのご利用者様は、服薬確認と安否確認だけのサービスでしたが訪問するや否や罵詈雑言の嵐でした。
さらに提供したいサービスを受けてくれないものですから終わりたくても終われない事もしばしばでした。
最終的に何もせずに帰らざる終えない時もありましたが、このようなご利用者様もいました。
ただ全ての人がこのような人ばかりと言うわけではありません。
あくまで一部のご利用者様だけなので、今紹介したような方はごく稀です。
他にも訪問先でご利用者様の家族に手を握られたり、セクハラのようなことをされた時もあります。
そういう事があった時は、訪問介護が辛いなと思ったりもしました。
ゴミ屋敷への訪問
表現が難しいのですが、いわゆる衛生環境が極端に良くないお宅は一定数あり、その割合は少なくありません。
筆者が経験した訪問先で、訪問するたびにスリッパを使用して入室する訪問先がありました。
そのお宅はマンションのとある一室でしたが、廊下にいるだけで異臭が立ち込めてきて、部屋の中はゴミでいっぱいでした。
訪問介護サービスを利用すると言うこともあって、入り口や洗面台、トイレや浴室などの介護で使用する場所は多少掃除されていました。
しかし衛生的とは言えませんでした。
私たちもプロですので、その環境下で介護をしました。
他にも、訪問先のお宅の中を土足で入ることになっているお宅もありました。
このお宅は、訪問入浴のサービスがありお風呂だけはすごく綺麗だったのを覚えています。
しかしそれ以外は足の踏み場もないぐらいゴミ袋の山でした。
必ずしもそのようなお宅ばかりではないですが、そのような環境を見たことが無い筆者にとっては、なかなか衝撃的で辛い経験だったのを覚えています。
1人で仕事していること
元も子もない話ですが、1人で仕事をしていることが辛い時もありました。
訪問介護は、基本的に1人で介護をして1人で完結して訪問先を退出します。
ほとんどの場合、家族はおらずご利用者様1人の時が多いです。
例えばご利用者様にトラブルがあったり、その他のアクシデントなどは1人で対応しなければいけません。
また介護保険以外のサービスの要求をしてくるご利用者様や、そのご家族がいたこともあります。
そのようなときに全て1人で対応するという面が、施設型の介護と違う大変さでした。
他にも、筆者が1人の訪問で辛いと感じたのは、1日の中であまり会話がない時でした。
自立度が高いご利用者様だと会話を多く交わして退出できるのですが、自立度の低いご利用者様だと、失語症などの理由で会話をできずにサービスを終えてしまうことが多かったです。
職員にもよりますが訪問介護の場合、他の職員との会話もあまりないため、ご利用者様とその家族と会話をしない限り、会話をする機会がありませんでした。
そのため、仕事はしているけれど淡々と目の前の仕事をこなし続けていることを、辛いと思う時期が何度かありました。
もちろん職員全員に当てはまることではありませんが、少なくとも筆者はそのように感じる場面がいくつかありました。
訪問介護が辛いと思った時の対処法
訪問介護が辛いと思ったときは現状を変えるためにも以下のような方法をとると良いでしょう。
管理者に相談
例えば、訪問先のご利用者様からセクハラや、モラハラを受けている時はまず上司に話しましょう。
筆者は実際にそのようなお宅があったときに、当時の管理者に相談しています。
訪問介護員も人間ですので、辛いときは無理をしてはいけません。
筆者の場合正直にそのときの現状を伝えた結果、訪問先を変更してくれました。
他にも、自転車移動の距離が長く移動が辛いことも話しました。
改めて訪問先の見直しをしてくれて、結果的に移動がかなり楽になり体への負担が減りました。
介護は体を使う仕事ですので、他の負担は極力減らした方がいいですね。
困った時は、管理者に相談してください。
最初の課題解決の動きだしは、まずそこからかもしれません。
環境を変える
環境を変えるのも1つの手です。
筆者は異動や、転職は行いませんでしたが、他の職員で異動をして仕事環境が変わり、前よりイキイキと仕事をしている職員がいました。
会社の規模にもよりますが、社内で異動が叶うのであれば事業所を変えてみるといいです。
その行動だけで、世界が大きく変わってきます。
もし事業所を移動できなかったり、異動しても環境が変わらず辛い時は、転職も選択肢に入れてください。
訪問介護の事業所は、探せば多くあります。
できればご自身が働いたことが無い地域がいいかもしれません。
事業所の環境や、雇用条件など見るところは多くありますが、転職をして今以上に良い環境で働いている職員もいたため、1つの選択肢としておすすめです。
まとめ
今回、実際に働いた体験談をもとに、訪問介護で辛かったことをお伝えしました。
しかし、訪問介護は何も辛いことばかりではありません。
仕事をしていて楽しいことももちろんあります。
辛いと言う点も個人差があり、上に挙げたもの以外にも辛いと思うポイントはあるのではないでしょうか。
大切なのは、その環境下で自分自身がどうしたいかです。
それを考えられる記事になっていれば嬉しいです。