ユニット型特養とはどんなもの?従来型との違いやメリット・デメリットを解説!

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narumi

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老人ホーム探しで「ユニット型特養」という言葉を良く見たりしませんか?

しかし、ほとんどの方が「ユニット型特養」についての概要がよくわからないのではないでしょうか。

ここではユニット型特養とはどんなところなのか、ユニットケアとはどんなものなのかについてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

ユニットケアとは??

厚生労働省のユニットケアの定義では、「居宅に近い居住環境の下、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うこと、すなわち、生活単位と介護単位を一致させたケア」と定義しています。

こういう言い回しではわかりずらいので、具体的に説明します。

介護を必要とする方を10名から12名で1つのユニットとします。

お部屋は個別に提供し、そこにはその方にとってなじみのあるもの、例えば家具や仏壇などを置くことで、「アパートやマンション」に引っ越してきたという感覚で生活していただけます。

入居されている方は、自由に居室や食堂を行き来できますし、顔なじみになった介護スタッフが常時いるので、在宅にいた時と同じように安心して生活のサポートを受けられると言ったほうがしっくりくるかもしれません。

従来型とユニット型特養の違いとは?

今までは従来型として経営してきた特養が、どんどんユニット型特養に移行しています。

それは、個別での居室を求められる方が増えてきていることが影響しているのかもしれません。

それでは従来型とユニット型特養の違いとはなんでしょうか?

従来型特養の特長

従来型特養とは、入居者の居室の人数が2名から4名、1フロア40名〜50名の入居者の介護を集団で行う場所です。

1フロアでは最大6名から8名の介護職の皆さんがシフト制で動いていると言われています。

病院のような環境な為、以下のような問題点が挙げられます。

・家族だけで面会するのが難しい。
・カーテン1枚だけで仕切られているため、プライバシーがあまり保たれていない。
・入居される方の好きなものが置けない。
・常に職員が動いているので、家族が確認したいことをその場で聞けず解決できない。

ユニット型特養の特長

ユニット型は、10名から12名の入居者のグループになっています。

入居者の身体状況や自立具合によって、ユニットごとに異なったケアを行っている特養です。

従来型は、「集団」対応となりますが、ユニット型特養は「個別」対応を目指している施設となります。

例えば排泄介助を入居者さんのペースで行ったり、予め決まった時間に食事を摂る必要もありません。

食堂兼リビングで過ごしてもいいですし、居室でゆっくり過ごしていても問題ありません。

食事についてもごはんや味噌汁は、ユニットのキッチンで作り、入居者の皆さんの食欲を促す工夫をしている施設もあります。

また、職員の数が固定されていることは「入居者が気持ちを伝えやすい」という最大のメリットもあります。

ユニット型特養のデメリット



ユニット型特養でもやはりデメリットはあります。

それは入居されている方同士の人間関係の問題です。

中には「ボス的存在」の入居者さんがいて、集団で特定の入居者さんへ攻撃したり、周りに迷惑をかけてクレームやケンカをしたりすることもあります。

また介護度の高い入居者さんや認知症の症状が強くて、周りを歩き回る方や大声を出したりする方もいます。

集団生活がもともと苦手という方で金銭的な余裕がある場合は、有料施設などの方が向いている場合もあるでしょう。

従来型とユニット型特養の値段の違いについて

従来型の特養の月々の費用は、全国平均で8〜9万円と言われています。

ユニット型特養ですと、月々の費用は全国平均で12万〜14万と言われています。

これは個室にかかる居住費・備品代・光熱費や電気代などが含まれている為です。

年金だけで入居したい、あるいはさせたいという場合の選択肢は従来型となりますが、そちらは希望される方も多く、入所の空き待ちに時間がかかっています。

その点、ユニット型では費用面の課題がクリアされれば比較的早く入所できる場合も多く、残された人生を快適に過ごさせたい、プライバシーを充実させてあげたいと思う場合におすすめです。

もちろんご本人の希望もありますから、よく話し合って決めることが大事です。

従来型特養とユニット型特養、どっちがおすすめ?

従来型特養とユニット型特養の費用や仕組みについてはお話ししてまいりました。

従来型とユニット型特養のどちらが良いかは、施設の特性がその方とマッチするのかが重要となります。

従来型特養というと、寝たきりの方が多く入居されるケースが多いのですが、ユニット型特養は、どちらかというとある程度自立で行動できる方が向いていると言えます。

ある程度自立されている人から寝たきりの方まで幅広く介護を必要とする人への受け入れ態勢のあるのがユニット型特養です。

・手厚い介護を最期までしてもらいたい。
・入居される方の自立に合わせた介護をしてもらいたい

このようなご希望のある方にはユニット型特養のほうがオススメと言えそうです。

ユニット型特養へ入居の検討をされている方へ

ユニット型特養は時間の流れがゆっくりなので、入居されてる方もゆっくり過ごせます。

そのため、決められた食事や入浴以外はリビングで他の入居者さんとおしゃべりしたり、お部屋でテレビを見て好きなように過ごすことが可能です。

実際に入居されている方のお部屋を見ますと、思い出の品や趣味などを楽しんで生活されている方もいらっしゃいます。

また、介護スタッフと簡単なレクレーションをしたり、普段は食べられないおやつを作って食べたりして楽しむ機会が多くあるのがユニット型特養の大きな特徴です。

また、従来型特養とは異なりユニット型特養はプライバシーが守られているので、家族の面会はお部屋でゆっくりできます。

中にはスタッフに助けてもらいながら携帯電話で家族に電話したり、好きなパソコンで家族との通話をする方もいらっしゃいます。

敷地が広いユニット型特養や自然に囲まれたユニット型特養だと、外を散歩できたりミニ家庭菜園を作って水やりをしたり成長を見たりしながら収穫を楽しみにしている入居者様もいらっしゃいます。

従来型特養に比べると月々の料金は上がってしまいますが、立地や入居条件、入居される方の希望などに沿ったユニット型特養を探してみてはいかがでしょうか?

また、ユニット型特養には短期入所(ショートステイ)が併用されている施設や、最近では小規模多機能施設を併用している施設もあります。

まずはお試しという形で利用してみて、どんな生活ぶりか体験することも可能です。

実際にあるユニット型特養のショートステイでは、一度ロングステイとして長く入居体験して、そのまま入居されたという方もいらっしゃいます。

もちろん、入居希望の方には見学だけでもできます。

気になるユニット型特養があれば直接でも構いませんし、ケアマネージャーさんを通して問い合わせをしてみましょう。

まとめ

ユニット型特養に実際に働いていて、気づいた点をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

近年、「集団ケア」から「個別ケア」への転換が行われております。

今まで従来型だった特養がユニット型特養に変わったり、グループホームや有料老人ホームでも個室化され、個別ケアが行われています。

ユニット型特養はこれからも色々な形で進化して介護施設の魁として業界を盛り上げてくれることでしょう。

老人ホームを探すに当たっては、立地や空きの有無、経済面など様々な課題をクリアしていかなければいけません。

しかし、介護が必要なご本人が納得して入居されることが一番重要です。

そのご本人の意向を良く聞き、実際に見学して様子を体験していただいたうえでその方にあったユニット型特養を探すための参考にしていただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。