上手なショートステイの使い方とは?施設の利用で”介護疲れ”をリフレッシュしよう

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narumi

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特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスやヘルパーなど介護には様々なサービスがあります。

その中に二泊三日など一時的に施設に入所する”ショートステイ”というサービスは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回はショートステイの利用方法やメリットの注意点を解説します。

家族の方が介護疲れをリフレッシュできるよう、ぜひ参考にしてみてください。

ショートステイとは?利用方法は?費用は?

ショートステイとは”短期入所”とも呼ばれ、主に高齢者の方が一時的に介護施設に入所するサービスを言います。

家族の方の都合で一泊や二泊のみの利用の方もいれば、一週間や二週間いらっしゃる方もいたりと、利用日数については利用する方の都合によって差があります。

ショートステイで過ごす間は、そこに入所している利用者の方と基本的に同じように生活します。

そしてショートステイには介護保険を利用する場合と、そうでない場合の2パターンあります。

大きな違いは利用施設と費用、利用方法、そして施設の雰囲気です。

介護保険を利用する場合

介護認定を受けていることが利用の必須条件となります。

【短期入所生活介護】と【短期入所療養介護】と二つに分かれ、利用施設も異なります。

短期入所生活介護の場合の多くは特別養護老人ホームになり、入浴などの生活サポートの他、レクリエーションやリハビリを行います。

短期入所療養介護の場合は老人保健施設が主となり、生活サポートだけでなく医療や看護のサポートも充実しており、医療型ショートステイとも呼ばれています。

両者の価格を比較すると、短期入所療養介護の方が少し高く設定されています。

しかし、どちらとも介護保険を使っての利用となりますので基本的に1割か、所得に応じて2〜3割の負担となります。

金銭的負担も少ないことはメリットなのですが、利用する方も多く空きがない場合もよくあることがデメリットです。

利用方法はまず担当のケアマネージャーに相談しましょう。

お盆や年末年始など時期によっては空きがない場合も多いので、そういった時期に利用したい場合は早めに相談してください。

そうでない場合もなるべく早めに相談した方が希望が通りやすくなるので気を付けておきましょう。

ケアマネージャーに相談して空きがあったあとは、ケアマネージャーと利用施設の担当者でケアプランを作成します。

その後事業者と契約し、ショートステイの利用が可能となります。

施設の雰囲気はどちらも認知症や自立度の低い方など一人での生活が難しい方が集まる施設です。

自立度の高い方が利用するには、少し落ち着かない場合もあります。

事前に施設の情報や雰囲気を情報収集し、なるべく「次回の利用はしたくない」とならないよう、ケアマネージャーに相談して決めましょう。

介護保険を利用しない場合

利用施設は有料老人ホームとなります。

費用については介護保険を利用できないので、全額自己負担となり金銭的に心配なのがデメリットです。

しかし、介護保険を必要としないということは介護認定の有無は問われないということなので、どなたでも利用できる点はメリットでもあります。

入所されている方も比較的自立度の高い方が多いので、度の低い方や介護認定のされていない方がショートステイとして利用する場合も馴染みやすい雰囲気です。

また介護保険を使ったショートステイと違い金銭的負担が大きいため、空きがある場合も多いです。

利用したい場合は基本的にまず施設に問い合わせをしてみましょう。

ショートステイによって家族の方の介護疲れが一時的に和らいでも、生活する中で介護の負担はかかるものです。

ショートステイにポジティブなイメージを持ってもらい、次の利用につながるよう特に初回の施設は慎重に選びましょう。

ショートステイを利用するメリット

ショートステイを利用するメリットには、以下のことが考えられます。

家族の方の場合

やはり一番大きいのは日々の介護の負担軽減と言えます。

家で介護をするというのは身体的負担だけでなく、精神的にも負担があります。

やりたいこと、行きたい場所があってもなかなか行動できないことで、介護疲れの心配がでてきます。

デイサービスやヘルパーで日中の負担の軽減も大切ですが、介護の生活から一旦離れることで介護疲れを癒しましょう。

またリフレッシュの目的だけでなく、自身が入院や体調を崩すこともあります。

その際他に介護できる方がいない場合にも、ショートステイを利用していれば安心して家を空けることができます。

急にショートステイを利用しなければならない事態に備えるためにも、事前にショートステイを利用して練習しておくと良いでしょう。

利用者の方の場合

一番の利点は施設に慣れることができるという点です。

ショートステイを何回も利用したり、長期間利用している施設に入所することになる場合もあります。

そこの施設の職員や利用者の方と顔見知りになれたり、施設の空気に慣れていれば入所のストレスは
軽減されます。

たとえ認知症を患っており覚えていなかったとしても、職員がその方にあったケアやサポートを事前に知ってくれているのは安心です。

ショートステイで気をつけておきたいこと

ショートステイを利用することはメリットだけではありません。

注意点もあることを十分念頭に置いておくことが必要です。

介護保険においての注意点

まず気をつけたいのがショートステイは1か月で30日しか利用できない決まりだということです。

31日目は全額自己負担となり、その後また1日目から介護保険を使用できます。

次に要介護度で利用日数に制限があることです。

というのも、介護認定を受けるにあたって要介護度別に与えられる単位数に違いがあります。

その単位数を超えない範囲でショートステイを利用しましょう。

超えてしまうと自費になってしまいますので、ケアマネージャーに確認しながら利用日数を決めてください。

ショートステイで過ごす上での注意点

まずは持ち物に関してです。

毎日飲んでいる薬や湿布など、服用しているものがあれば必ず忘れないようしましょう。

ショートステイを利用する方の中に、まれにですがご家族の方が慌てて薬を持ってこられる場合があります。

薬だけでなくこれがないと落ち着かない、だったり、初めてや慣れない場所で緊張する方もいます。

いつも以上に持ち物には配慮しましょう。

また下着や衣服、ハンカチなど自宅から持っていくものには全て名前を書きましょう。

入所している方は本当に色んな方がいらっしゃり、自分のものと勘違いされる方もいます。

トラブルを防ぐためにもきちんと名前を書いておいてください。

そして一番大切なのが利用する方の意見や感想を大切にすること。

個室なのか多床室なのか、職員の雰囲気などショートステイの施設にも違いがたくさんあります。

利用する前と後でギャップをなるべく減らすために、資料やネットの情報だけでなくケアマネージャーから情報を得たり、見学してみるのも良いでしょう。

初めてのショートステイで利用中に「帰りたい」や「もう来たくない」と言う利用者の方も多くいらっしゃいます。

帰宅後、ショートステイはどうだったか、もし嫌だったのであれば何が嫌だったのかを聞いてみてください。

他施設で改善できそうなのか、ショートステイ自体が難しそうなのか、話し合ってみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日々の介護で介護者は身体的だけでなく、精神的にも非常に負担がかかっているものです。

ショートステイを上手く利用して、心と身体をしっかりとリフレッシュしましょう。

・介護保険を使用するショートステイは金銭的負担は少ないが、空きがない場合も多いので数か月前にケアマネージャーに相談しましょう。

・介護保険を使用しない場合のショートステイは全額自己負担のため、金銭的負担は大きいがその分空いている可能性も高い。

・利用する側も介護者側も一度ショートステイをして施設の雰囲気に慣れることで練習となる。

・ショートステイは一か月に30日までしか利用できない。

・介護度によって介護保険内で利用できる日数も違ってくるので、ケアマネージャーと事前に確認しておく。

・日ごろから服用している薬は日数分忘れないよう持参して持ち物には全て名前を記入する。

・利用する本人の希望や感想を大切にして、ショートステイにネガティブな印象をなるべく持たないよう配慮する。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。