親と離れて暮らすと、親の身体機能の低下が気になることはありませんか?
今回は、親の身体機能の低下を見つけるポイントを紹介します。
帰省する時にチェックしてみてくださいね。
帰省する時はここをみよう
親と一緒に暮らしていると、気づけないこともあります。
「足腰が弱くなった」「食が細くなった」など、久しぶりに帰省した時だからこそわかるものです。
ささいな変化に気づくか気づかないかで、今後が大きく変わってきます。
これから紹介することをチェックして、親の変化を見逃さないようにしてくださいね。
部屋がきちんと整えられているか
・「もともときれい好きだったのに、部屋が散らかっている」 ・「掃除がまったく行き届いていない」 ・「新聞や雑誌を捨てれずに、ためこんでいる」 |
上記のようなことがみられませんか?
「部屋をきれいにして、子どもや孫を迎えたい」と思っていても、加齢によって筋力や体力が低下しているため、片付けや掃除が負担になっているのです。
もともときれい好きでしっかり掃除をしていても、今部屋が散らかっていると「親も認知症かな」と思うかもしれません。
ただ片付けたい気持ちはあっても、身体的に負担になってしまうのです。
立ち座りや歩行が不安定になっていないか
・「椅子から立ったり座ったりする時に時間がかかったり、きつそう」 ・「歩くスピードが遅くなった」 ・「足が上がらず、すり足で歩いてたり、つまづく」 ・「まとまった時間を歩きたがらない」 |
上記の事柄も、筋力や体力が低下しているから起こる症状です。
筋力や体力が低下すると、外出の機会が減ります。
動かなくなることが多くなり、悪循環になってさらに筋力や体力が低下します。
こうなると今までできていたことができなくなり、介護が必要な状態になるのです。
外出や運動量が減っていないか
・「買い物など出かけるのは1週間に1回くらい」 ・「歩く量が少なく、5,000歩も歩いていない」 ・「散歩など定期的に運動する習慣がない」 ・「以前は乗っていた自転車に乗らなくなった」 |
外出の機会が減ると、身体機能の低下につながると前述しました。
運動が苦手な人でも身体機能の維持や認知症予防のため、運動習慣を持つのは大切です。
毎日5,000歩以上歩いている人は認知症発症の確率が低いと言われています。
毎日体を動かしたり、外出する機会を持ちましょう。
筋力が低下していないか
・「買い物をすると、ペットボトルや米などの重たいものが持てない」 ・「ペットボトルのふたを開けらない」 |
重たいものなので子どもが持とうとしますが、親に持ってもらうことで筋力低下をみることができます。
まず親の能力をみてから、手助けをしましょう。
また、握力が弱くなると自力で開けるのが難しくなります。
握力は全身の筋力が備わっているかもみるため、弱くなっていると筋力が弱くなっている証拠だからです。
親にペットボトルを渡してふたを開けてもらうことで簡単にチェックできます。
筋力は、「フレイル」や「サルコペニア」を避けるためにも重要です。
「フレイル」と「サルコペニア」について、後ほど詳しく説明します。
食事時に変わったことがみられないか
食事中の変化は特に重要です。以下の事柄を見落とさないようにしましょう。
食事や水分補給の頻度や量が少なくないか
身体機能の低下は、食事の影響を受けています。
1日3食、しっかり栄養のとれた食事を摂るようにしましょう。
脱水予防のためにも、水分もしっかり摂ることが重要です。
お肉を食べているか
お肉などのタンパク質は、筋肉の維持のためにも必要です。
筋肉は体を動かしたり、内臓を守る働きがあります。
固いものを食べれるか
口腔の機能が低下すると、歯も弱くなります。
歯が弱くなると、固いものが食べられず、やわらかいものばかり食べます。
そうすると、歯が弱くなるだけでなく、栄養もかたよってしまうのです。
食事中にムセていないか
食事中にムセてしまうのは、嚥下が上手にできないことで食べ物や唾液が気道に入り込み、誤嚥性肺炎になることにつながります。
食べるのがつらそうだったり、不自由そうだったりしていないか、見極めましょう。
半年以内に体重が2~3kg以上減った
十分な栄養が摂れていなかったり、内臓の病気を抱えている可能性があります。
低栄養状態では、フレイルやサルコペニアに直結しやすくなるのです。
また、持病がある場合しっかり栄養を摂っていないと病気の進行を早めてしまいます。
新たな症状を招く可能性も高まりますので、注意が必要です。
睡眠の状態はどうか
寝ることは人間にとってとても重要です。夜の就寝時間にどのような行動をとっているか、チェックすることも重要です。
夜中にトイレに2回以上行っている
トイレの回数が多くなると睡眠時間が分断されてしまい、深い眠りにならないので疲れがとれません。
起床時間と就寝時間が日によって数時間単位で異なる
例えば、早い時は23時頃寝るのに、遅い時は2時頃寝たりするとします。
すると、体内時計が狂ってしまい、体のバランスがとれなくなってしまいます。
就寝時間が23時以降
寝るのに1番良いと言われている時間は、21〜23時です。
この時間に寝る時間を習慣にしていると、身体状態も良くなります。
周囲の人に話を聞く
親の周囲にいて、普段の親の状況を知っている人に話を聞くことも重要です。
普段親が付き合っている同居家族や近所の人など
最近の言動の変化、食事や通院、服薬状況などをおさえることができます。
主治医やケアマネ
最近の体調の変化や日々の暮らしでの注意すべき点を聞くことができます。
例えば、「最近足元がふらついているようです」と情報を得たとします。
この情報から、手すりをつけたりリフォームをしたりと、早めの対策ができるのです。
この時注意すべき点は、本人がいない時に話を聞くことです。
本人の目の前で聞くと、相手も気をつかって本当のことを話しづらくなるからです。
本人がいない状況で、「親が普段から、ちゃんと暮らしているか心配」などと、一言そえてみましょう。
親の本当の姿を話してくれるようになります。
本人がいない時に話を聞くことで、本当の姿が知れるのです。
フレイルとサルコペニア
「フレイル」とは、加齢によって心身が衰え、介護が必要となる一歩手前の状態です。
健康な高齢者と要介護状態の高齢者の中間と言われており、段階を追って要介護状態になります。
「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減ったり筋力が低下するなど、身体機能が低下した状態です。
握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)、歩く速度が低下(0.8/m秒以下)しています。
「フレイル」の人は「サルコペニア」を合併していることも多くみられます。
まとめ
ここまで、帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントについて、紹介してきました。
・部屋がきちんと整えられているか ・立ち座りや歩行が不安定になっていないか ・外出や運動量が減っていないか ・筋力が低下していないか ・食事時に変わったことがみられないか ・睡眠の状態はどうか ・周囲の人に話を聞く |
帰省時には、上記のポイントをしっかりチェックしましょう。
親の身体機能の低下を見逃すと、短期間で介護が必要な状態になります。
親は加齢から簡単に弱くなりやすいからです。
要介護状態を予防するためにも、帰省時にはポイントをしっかりチェックすることが重要です。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。