ディサービスに通う一番の目的といえば、認知症の改善や予防や健康寿命を伸ばすことではないでしょうか。
それにせっかくなら楽しくデイサービスに通いたいものです。
そこで今回は実際にディサービスで働いている私が、通ってみたくなるデイサービスのポイントを
5つご紹介します。
通ってみたくなるディサービス・ポイント5つ
ディサービスには場所によりサービスの内容が異なります。
その中でも楽しいディサービスには以下のようなポイントがあります。
ぜひ参考にしてみてください。
(1)ディサービスで過ごす間、手の空く時間が少ない
注目したいのが「利用者の方が空き時間をどう過ごされているのか」ということです。
つまり職員もなるべく一緒に利用者の方が手持ち無沙汰にならないように意識しているのかどうか、が重要になります。
ここでは、認知症の改善を感じることができる、空き時間の使い方の例を紹介します。
そこでは模造紙に描かれたイラストに貼り絵を行っていました。
イラストの線を理解し色分けして貼り絵をすることは、認知症の方にとっては非常に難しいことです。
しかし何度も繰り返す中で上達して、最終的には職員と協力し素敵な作品が完成しました。
このように認知症の改善には空き時間を有効的に使うことはとても重要です。
認知症もあまりなく、周りとのコミュニケーションに心配のない利用者の方なら問題ありませんが、「認知症の改善や予防を重点的に」と考えている方は大切にしたいポイントです。
定員の多いディサービスの場合、利用者の方が手持ち無沙汰になってしまうことがよくあります。
施設に到着後、お風呂、食事、運動と忙しくはあるのですが、それらが済んでしまった後「さて、何をしようか」となってしまうことも少なくありません。
要介護度の低い方同士であればお話をされたり、オセロや囲碁などのテーブルゲームを楽しむこともできます。
ただそういったことが難しい利用者の方は、テレビを見たり、横になったりして時間を過ごします。
ご家族の方からすると、せっかく認知症の改善のためのディサービスなのになんだか物足りなく感じてしまいがちです。
だからこそ、空き時間のバリエーション豊かな解消法を知っているデイサービスは、通ってみたいデイサービスであると言えます。
(2)デイサービスでのレク活動やリハビリ設備が整っている
リハビリ設備が整っていることや一日の中で運動の機会が多いことは、ディサービスで過ごす上で楽しめるポイントとなります。
ディサービスに通っている方の多くは身体を動かすことを目的にしています。
利用者の方には「これ以上身体が動かなくなったら・・・」と心配している方も非常に多いです。
でもせっかく身体を動かすなら楽しく行いたいものです。
レクリエーション活動を設けているディサービスもあります。
例えば棒を一本ずつ持ち球を転がしてチームでゴールを目指す棒サッカーや、スプーンでピンポン球を渡すスプーンリレーなどが挙げられます。
これらはあまり会話をしない利用者の方でも声を上げて楽しく参加できます。
しっかり笑って普段関わらない人と会話をするという体験は脳に刺激を与え、認知症の改善に有効です。
多くのディサービスはリハビリ設備が備わっていますが、どの程度力を入れているかは様々です。
自転車漕ぎなどの簡単なマシーンのみが置いてある施設もあれば、ウォーターべッドや酸素カプセルまで用意されてある施設もあったりと本当に十人十色です。
もちろんマシーンで身体を動かし、脳を活性化させることも大切です。
ですがウォーターベッドなどでリラックスし、副交感神経を優位にすることもまた認知症の改善には有効と言われています。
アロマテラピーでストレスの緩和や精神的ケアが得られることと同じです。
レクリエーションとリハビリ設備が充実していることは【通ってみたくなるディサービス】の外せないポイントです。
(3)認知症の改善に大切な”お風呂”に力を入れている
お風呂に力を入れているというのは、脱衣所や浴室のデザインや清潔感を考慮しているということです。
例えば家族の誘いで初めてディサービスを利用される方の中には、「他の人と入浴するなんて抵抗がある」と仰る方も多くいらっしゃいます。
けれどご家族の方の多くは、ディサービスでの入浴を希望されています。
利用者の方とご家族の方の希望にずれがあったとしても、見学の際に旅館の大浴場をイメージさせるような清潔感のある浴室であれば、「ここのお風呂なら入ってもいいな」と家族の悩みの解消をしてくれる手助けとなります。
その後実際に来られた際には、快く入浴してくださるケースがほとんどです。
また認知症を患う利用者の方は日によって「今日はお風呂に入りたくない」という気分になり、一生懸命お話してもなかなか難しい場合があります。
そういう時にも「お風呂に入りたい!」と思えるようなステキな内装であれば、利用者の方がポジティブな気持ちに切り替えてくださることもあります。
私たちも普段「面倒だな」なんて思っていた入浴が旅館やホテルの大浴場だとテンションが上がったりしますよね。
またお風呂は認知症の改善や予防にとても大切で、入浴で得られるリラックス効果に期待ができます。
さらに清潔・不潔の意識は認知症かどうかの判断材料にもなり、≪お風呂に何日も入らない≫や≪着替えに対して意欲がない≫というのは心配です。
認知症の改善という面でもご自宅での負担軽減という面でも、デイサービスでの入浴はご家族の方にとって気になるところです。
清潔感があり少し非日常を感じさせるようなお風呂であれば、通ってみたいと思う条件の一つになります。
(4)ディサービスでの昼食が充実している
厨房が併設されているディサービスであれば温かい料理がそのまま運ばれてきますので、出来立ての昼食を食べることができます。
施設によって昼食は差がある部分で、厨房が併設されていない場合はお弁当を外部から取り寄せることがほとんどです。
外部のお弁当は少し冷えている場合も多く、やはり出来立ての料理と比較すると物足りない気持ちになる方もいます。
さらに利用者の方が急に腹痛など体調を崩されたとしても、すぐにその状況にあった昼食に対応できることもメリットです。
利用者の方の中にはお独りで住んでいる方や、一緒にお住まいの方もご高齢で宅配弁当のサービスを利用している場合も少なくありません。
だからこそ、利用者の方の中には本当にデイサービスの食事を楽しみに来ておられる方が多くいらっしゃいます。
美味しいものを食べるというのは脳が刺激されて、認知症の改善にとっても重要なポイントの一つです。
他の利用者の方と楽しく食事を摂ることは認知症の改善や予防にとても大切なこと。
歳を重ねるにつれてアクティブに活動することがどうしても難しくなります。
”食事”という楽しみを大切にしているディサービスはそれだけでも高い満足感を得ることができます。
(5)ディサービスの利用者の方を大切にしている
最後の5つめは当たり前ではありますが、最も重要なポイントになります。
飲食店でも差があるのと同じように、実は施設によっても差が出やすい部分です。
まずは接遇やマナーの点です。
今でこそ注意されることの増えてきた接遇ですが、敬語を使わずサービスを提供している施設もあります。
人生の先輩であり、お客様である利用者の方に対して敬意を払って接しているディサービスに通いたいものです。
またもう一点がご家族に対して些細な報告もしっかり行っているかどうかです。
ご家族の方が一緒に住んでいたとしても、日々の介護に一生懸命で見落としてしまう変化が必ずあります。
しかしお風呂介助を行う職員がしっかりと注目していることで、小さなひっかき傷や痣、湿疹などが見つかる可能性があります。
もちろんお風呂だけではなく、その日の利用者の方の状態は多くの職員が日ごろから意識して見ています。
職員にとってそれが見覚えのないものであれば、ご家族の方に報告することで必要であれば通院して治療をすることができます。
認知症の方はそれが以前からあった傷かどうか覚えておらず、ご家族の方も気づかない場合も多いので、こういった些細な報告は大切です。
信頼のできるディサービスであれば、利用者の方にとってもご家族の方にとっても、安心して通うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
介護士の目線で通ってみたくなるディサービスをご紹介させていただきました。
・入浴、昼食以外の時間にも認知症の改善を意識した時間づくりを行っており、利用者の方がなるべく手持ち無沙汰にならないよう意識している。 ・運動とリラックス、どちらの面でも対応できるリハビリ設備があったり、レクリエーションの時間を設けて他利用者の方とのコミュニケーションを大切にしている。 ・ただ入浴するためだけの施設ではなく、デザインや清潔感に手を抜かず、お風呂に入りたくなるような環境づくりをしている。 ・温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供が可能な厨房の併設しているディサービスだと食事も楽しめる。 ・接遇やマナーがきちんとしていることや、利用者の方の些細な変化に気づくことができていることで安心できる。 |
最後までお読みいただき、ありがとうございました。