認知症を改善・予防する3つの方法とは?食べ物や運動の効果について解説

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narumi

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「認知症の症状を改善したい」
「認知症にならないように予防したい」
そう考えることはないでしょうか。

認知症の症状は正しいケアをすることで改善できます。

また生活習慣を整えることによって認知症は予防することが可能です。

この記事では認知症の症状の改善や認知症の予防について解説していきます。

認知症の予防にはカレーがおすすめ

みんな大好きなカレー、もはや国民食と言っても良いでしょう。

そんなカレーですが、実は認知症の予防に効果があると言われてます。

カレーを食べれば認知症予防になる!カレーの3つの効果

ではカレーはどのような理由から認知症予防に効果があると言われているのでしょうか。

詳しく解説していきます。

【効果①】カレーに含まれるスパイスの一種クルクミンに秘密がある

カレーに含まれる代表的なスパイスにターメリックがあります。

そのターメリックにはポリフェノールの一種であるクルクミンが含まれていますが、そのクルクミンに認知症の原因となる「アミロイドβ」の生成を防ぎ、分解する作用があると言われています。

実際にシンガポールに住む60歳から93歳の1,000人を調査した結果によると、カレーを一ヶ月に一回食べる人は、まったく食べない人と比較して認知症の発症率が50%も低かったという調査もあります。

【効果②】カレーはバランスの良い優秀な食べ物。

カレーは肉や野菜など様々な具材が入っているバランスの良い食事です。

バランスの良い食事は低栄養状態を防ぎ、筋肉量の低下を防ぐことにも繋がります。

筋肉量の低下を防げれば転倒防止になり、寝たきりリスクを減らすこが可能です。

寝たきり状態は認知症リスクを高めるため、いかに転倒しないよう注意するかが大切です。

筋肉量を維持するためにもバランスの良い食事を心がけましょう。

【効果③】料理をすること自体が認知症予防になる

カレーだけでなく料理全般に言えることですが、料理は脳と身体を使います。

同時に脳と身体を使うことにより認知症の予防になると言われています。

料理は「献立を考える」「具材の買出し」「料理の段取りを考える」「実際に料理をする」「味を整える」「盛り付ける」など複数の工程から成り立ちます。

複数のことを同時に進めるには、脳の司令塔である「前頭葉」を使うため、脳に良い刺激となるため、認知症予防になると言われています。

また、作った料理を誰かに食べてもらう喜びも、感情的に脳に良い刺激になるでしょう。

認知症の予防には適度な運動が最適

運動が健康に良いと良く言われていますが、これは本当のことです。

では認知症の予防に対してどこまで効果があるのでしょうか。

なぜ運動が認知症予防になるのか?4つの理由

運動すればすぐに認知症予防になるわけではなく、継続的に運動を続けていく必要があります。

その理由について以下で解説していきます。

①運動することで脳への血流が改善し、栄養や酸素が行き渡りやすくなる

高齢者やアルツハイマー型認知症の方は、若い人と比較して脳への血流低下が見られます。

そのため脳に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、脳機能に影響を及ぼすと言われています。

しかし、定期的に運動すれば身体の血流が改善され、脳に必要な栄養や酸素が行き届くようになります。

また歩くことで脳の血流を良くするアセチルコリンの分泌が増えるとも言われています。

②運動することで物理的に脳が成長する

運動をすると脳の神経を成長させるBDNFという物質が海馬で分泌されます。

BDNFには 代表的な効果に「脳細胞の新生を促す」「脳細胞の老化を遅らせる」「脳細胞が傷つかないように保護する」などがあります。

運動することでBDNFを分泌させ、海馬の機能維持や成長に効果を得るのです。

海馬は記憶を司る機能があるため、海馬の機能維持や成長を促すことは認知症予防に大きな効果があります。

③運動によって認知症の危険因子である高血圧、肥満、糖尿病のリスクを減らせる

肥満、高血圧、糖尿病は認知症の危険因子とも言われています。

実際に成人後期のBMI(体格指数)が「肥満」と判定された人は、「正常」な範囲内にある人と比較して、認知症を発症するリスクが3割も増加するというデータがあるほどです。

認知症を予防するためにはこれらの危険因子を改善する必要があります。

定期的な運動は肥満の解消になり、ひいては高血圧や糖尿病リスクも軽減させることが可能です。

当然ですが運動をしても暴飲暴食をしては意味がないので、あわせて食生活も整えていきましょう。

④運動により認知症の原因物質が取り除かれる。

認知症を予防するためには、「アミロイドβ」や「タウたんぱく」という毒素を脳内から取り除く必要があります。

なぜなら、認知症は「アミロイドβ」や「タウたんぱく」といった毒素が脳内に溜まることで発症すると言われているからです。

「運動習慣のない人」の脳内には「アミロイドβ」や「タウたんぱく」が排出されないことが判明しています。

その詳しいメカニズムは解明されていませんが、運動により脳内の血流が改善し、結果として老廃物と一緒に原因物質が排出されるのではないかと言われています。

認知症予防にはどんな運動が効果的?

では実際に認知症予防に効果的な運動はどういったものか解説していきます。

認知症の予防では決して激しい運動をする必要はありません。

逆に無理のない範囲で行える有酸素運動が効果的であると言われています。

①ウォーキング

「歩く」ことは認知症の予防に効果的です。

血圧があまり上がらない程度の無理のない歩行を行うと、海馬でのアセチルコリン(脳の血流を良くする物質)の分泌量が増え、海馬の血流が良くなります。

1日3.2㎞歩くと、認知症発生率は42%低下するというデータもあります。

歩行する際の目安は1日30分以上、週3回を目安に取り組みましょう。

②コグニサイズ

コグニサイズは英語のcognition (認知) とexercise (運動)を組み合わせた造語で、国立長寿医療研究センターが開発した「ながら運動」になります。

コグニサイズ(ながら運動)は、身体運動と同時に認知課題に取り組むことによって、認知症予防を目的としたエクササイズになります。

具体的には、①身体運動(歩行や足踏み運動など)と②認知課題(足し算引き算などの計算)を同時に、30秒で1セットを目安に行います。

国立長寿医療研究センターが愛知県で行った調査によると、軽度認知症と診断された高齢者のうち、コグニサイズを行ったグループは記憶テストの成績が改善し、脳萎縮の進行も抑えられたというデータもあります。

水分を飲むことで認知症の周辺症状が改善する

脱水により引き起こされる症状には認知症の周辺症状によく似た症状があるため、認知症と間違われてしまうことがよくあります。

ただ、しっかりと水分を摂取し脱水を防ぐことにより症状は治まります。

脱水による症状にはどういうものがある?

まずは認知症の周辺症状によく似た脱水の症状には「せん妄」があります。

せん妄は一種の意識精神障害で、高齢者に多く見られる症状です。

せん妄の症状は「見当識障害(時間や場所を上手く認識できなくなる)」「思考力の低下」「注意力の低下」「感情の変動」など認知症の症状と非常によく似ています。

せん妄は脱水のほかに身体疾患や薬の影響などでも症状が現れることがあります。

また、以下のような症状が起きることもあるので。注意が必要です。

  • 傾眠脱水…意識が朦朧としてウトウトとする状態
  • 便秘…水分摂取が少なくなることで、便が硬くなり排便することが困難になる。

脱水にならないためには?

脱水にならないためには1日に2,500㎖の水分摂取が必要と言われています。

「そんなにたくさん飲めない」と感じるのではないでしょうか。

しかし、水分は飲むだけでなく、食事からも摂取できます。

例えば、味噌汁、果物、野菜などが挙げられます。

一般的に普段の食事から1,000㎖は摂取しているので、純粋な水分からの必要摂取量は1,500㎖ほどで大丈夫です。

効率的に水分を取って頂くために

高齢者や認知症のかたに一日1,500㎖の水分を摂取して頂くのは難しいものです。

以下のような方法で水分摂取を促してみましょう。

  • お茶の時間を定期的に設ける
  • ゼリーや寒天を上手に使う
  • 本人の好みに応じた水分を提供する
  • スポーツ飲料などの吸収率の良いものを活用する
  • 体操やレクリエーションの後に飲んでもらう
  • 散歩時に外で水分を飲んでもらう

まとめ

ここまで認知症の周辺症状に効果のあることや、認知症予防に効果のあることを解説してきました。

  • 認知症予防にはカレーがおすすめである

  ・クルクミンが認知症に効果的

  ・バランスの良い食事が認知症予防になる

  ・料理をすることで認知症予防である

  • 認知症予防には軽い運動がおすすめである

  ・30分程度のウォーキングを週に3回程度行う

  ・頭と身体を使ったコグニサイズを取り入れる

  • 脱水を防げば認知症の周辺症状を改善できる

  ・1日1,500㎖の水分摂取を目標にする

  ・寒天やゼリー、本人の好みを意識して水分を飲んでもらう

最後までお読みいただきありがとうございました。