レクリエーションの目的とは?効果的なレクレーションを取り入れて生活に活力を!

profile img

narumi

contents section

介護施設では必ずと言っていいほど一日のスケジュールの中に「レクリエーション」の時間が組み込まれています。

介護にとって身近なレクリエーションですが、楽しめるということは勿論、得られる効果は様々です。

今回はレクリエーションの目的と、効果的に行うための注意点についてご紹介します。

レクリエーションの目的って?

レクレーションには3つの目的があると言われています。

ただ参加するのではなく、得られる効果や目的を意識して行いましょう。

①身体機能の維持や向上が期待できる

介護施設を利用する方のみならず、どんな方でも少なからず年をとるにつれて身体機能は低下していきます。

例えば転びやすくなったり、着脱や入浴など生活の動作が難しくなったりしていくのです。

介護施設で働いていると、転倒やケガを恐れて今まで気軽に外出していた方の行動範囲が狭くなってしまうという話はよく耳にします。

そういった方の運動の機会は日常生活の動作のみとなりますが、その運動量だけでは十分とは言えません。

さらに身体への影響だけではなく、運動量の低下で精神的なストレスとなる可能性も考えられます。

また今は日常生活に支障なく過ごせている方でも今後は分かりません。

そこで必要となるのが介護施設で行う運動や体操です。

身体を動かすレクリエーションの主な目的は、日常生活のサポートや運動機能低下の予防となります。

低下してきている身体機能を今以上に落ちないようにしたり、より向上したりする効果が期待できます。

②脳の活性化につながる

運動することで身体だけでなく脳の活性化にもつながります。

身体を動かすと「筋肉を動かす」という命令が脳から神経を通って筋肉へ、さらに筋肉から脳へ信号が発信されます。

つまり筋肉と脳は密接な関係にあり、「運動する」ということは認知症の予防や改善に効果があるということです。

また運動のレクリエーションだけではなく、オセロや麻雀、塗り絵やクイズなどそういった活動も脳の活性化につながります。

笑ったり、大きな声を出したりすると認知症の予防にも効果的です。

③コミュニケーションの場となる

個人で行うものもあれば、皆で一緒に参加できるものも多いレクリエーションもあります。

チーム戦で勝利するために協力したり、話をしながら一緒に間違い探しをしたりなどコミュニケーションをとる機会が多々取り入れることが可能です。

普段はあまり会話をされなくても、レクリエーションでゲームをする時だけは明るく笑顔を見せてくださる方もいらっしゃいます。

1人暮らしをしている方はどうしても他の人と話したり笑ったりする機会は少ないですよね。

また家族と暮らしている方でも家族だけとコミュニケーションをとるのではなく、いつもと違った人と会話をすることも大切です。

交流の場があることで前向きでポジティブになれることがレクリエーションの魅力です。

レクリエーションの内容は?

レクリエーションを行うときには、目的に合わせて決めることも大切です。

①個人のレクリエーション

塗り絵や間違い探しなど1人でも楽しめるレクリエーションのことです。

話すことが苦手だったり、できなかったりする方でも行えるのが利点です。

利用者の方の中に本当に上手に絵を描かれる方がいらっしゃって、聞くと昔は絵を描くことを趣味としていたようです。

そのうち趣味を再開して自宅で描いた絵を持ってきてくださるようになりました。

ただ楽しむだけでなく、過去のことを思い出しながら行うことでより脳の活性化につながります。

②集団のレクリエーション

スプーンリレーや棒サッカーなど皆で協力して行うレクリエーションです。

個人戦も良いですがチーム戦にすることで非常に盛り上がり、得られる効果も大きくなります。

もし参加することが難しくても、観戦で応援して一緒に盛り上がれることができるので一丸となって楽しめます。

どうやったら勝てるのか頭や身体を使ったり、応援のため大きな声を出したりするので心身ともに効果があります。

③運動のレクリエーション

デイサービスなどでよく目にする運動マシンをつかった活動です。

理学療法士や機能訓練指導員の元、適切に身体を使って運動機能の維持や向上を目指します。

日常生活の動作とは全く違う動きができるので、運動不足を感じている方もここで補えます。

④外出のレクリエーション

付近の公園で季節の花を見たり、普段行かない場所に買い物に行ったりするレクリエーションです。

いつも屋内で過ごすのではなく屋外に出ることでリフレッシュできるため楽しみにする方も多くいます。

また自身の足では外出が難しい方にとっては介護スタッフが一緒なので安心して参加できます。

以前外出レクリエーションで紫陽花を見に行ったことで、外に出ることに対して前向きになった利用者の方がいらっしゃいました。

その後その方は最寄りのコンサートを見に行かれて、会場で友人をつくったという話を聞かせてくださいました。

レクリエーションの結果、運動や脳の活性化だけでなく、外出できるきっかけになることもあります。

こんなレクリエーションを行うデイサービスも!?

スリーA「予防ディサービス 折り梅」

「スリーA」とは「かるく、たまをつかって、きらめない」の頭文字から来ている言葉です。

予防ディサービス 折り梅」では、そんなスリーAを意識したサービスを展開されています。

こちらは静岡県内の病院で看護師長として勤務されていた増田未知子氏が立ち上げた施設です。

認知症の進行を食い止めることだけでなく、今よりさらに良い状態になれることを目指しており、楽しく認知症予防に取り組めるようになっています。

さらには毎月第二水曜日に介護保険の有無にかかわらず、付近に住む方たちが気軽に参加できる「さわやか教室」を開催し、スリーA方式のリハビリで認知症予防を行っています。

カジノ型デイサービス「ラスベガス」

東京を中心に全国に展開している「ラスベガス」というデイサービスがあります。

介護施設らしくない黒のミニバンで送迎し、施設内では機能訓練や食事だけでなく、麻雀やパチンコも楽しめます。

運動したりゲームに勝ったりすると「ベガス」と呼ばれる仮想通貨が得られ、まるで本当のラスベガスで遊んでいるようなデイサービスです。

しかし機能訓練の時間もしっかりと設けられていて、デイサービスとしての機能も十分発揮しています。

このような施設はここだけでなく全国で増加しており、楽しんで通うことでより効果を得られます。

レクリエーションの注意点は?

①無理に参加させない

麻痺などで参加が難しい方は勿論ですが、精神的に参加したくない方もいます。

ご家族からなるべく参加するようお願いされている場合を除き、無理矢理に参加させるのは逆効果です。

それにより怒ってしまったり、デイサービスの場合利用中止になってしまう可能性もゼロではありません。

その方の表情を見て参加をお願いしましょう。

②トラブルが起きないように注意する

「ズルをした」「負けて悔しい」などがきっかけでトラブルに繋がるケースを目にしたことがあります。

ゲームのレクリエーションは盛り上がるのですが、利用者の方によっては本気になりすぎてケンカとなる場合もあります。

そういったトラブルが起きないように相性を考えながらチームを組んだり、職員は盛り上げつつも注意して進行したりすることが大切です。

万が一トラブルとなってしまった場合は、職員が間に入って話を聞いたり、他のことに意識がうつるように会話の内容を変えたりしましょう。

③ケガには十分気をつける

レクリエーションは日常生活とは違った動きをすることも多いです。

転倒やケガなどには気をつけて行ってください。

特にゲームや外出をする場合は、本番を行う前に職員同士で実践したり、想像できる危険性を話し合ったりすると良いでしょう。

④マイナスな評価はしない

利用者の方の意欲を削ぐような発言は控えましょう。

例えば絵であれば「この花はこんな色じゃない」「塗り絵の色がはみ出ている」など評価する必要はありません。

レクリエーションは楽しむため、心身機能のために行っていることを忘れずにいてください。

利用者の方がポジティブな気持ちで楽しめるよう職員はサポートすることに努めましょう。

⑤大きな声でハッキリ明るく進める

ゲームなどを進行する際は大きな声でゆっくりと分かりやすく、そして明るく行いましょう。

私たちでもテーマパークなどの進行係の方が楽しく進めてくれると、気分がのってより楽しめます。

それと同じように利用者の方の気分を盛り上げることが大切です。

また中には聴力の弱い方もいるので、全員が平等に参加できるように進行しましょう。

まとめ

この記事では、レクリエーションの目的や効果、注意点などについて解説しました。

・レクリエーションの目的は「身体機能の維持や向上」「脳の活性化につながる」「コミュニケーションの場となる」の3つである。

・コミュニケーションの苦手な方にとって塗り絵などの個人のレクリエーションは良い。

・ゲームで協力して盛り上がることで脳の活性化につながる。

・専門職員指導のもと日常生活とは違った運動で行うことで、身体機能の維持や向上に期待ができる。

・普段外出のできない方でも外出レクリエーションは、安心して参加でき、気持ちのリフレッシュにもなる。

・無理矢理参加させることはしない。

・利用者間でトラブルが起きないように職員は注意する。

・日常とは違う動きとなる可能性もあるので安全に行う。

・楽しんで行うことが大切なのでマイナスな評価はしないようにする。

・大きな声でハッキリと明るく進行して、全員が楽しめるようにサポートする。

最後までご覧いただきありがとうございました。