高齢化率が上昇している日本において、ケアマネの役割はますます重要になってきています。 2022年9月に総務省が発表した、日本の総人口における高齢者(65歳以上)の割合は29.1%です。 これはざっくり言うと10人に3人は高齢者ということです。 しかし、ケアマネの受験者数は年々減少しています。 これには「業務負担の増加」「やらなければならない業務が多く負担が大きい」「対価が低い」などの理由が挙げられます。 これらについて1つ1つ見ていきましょう。 ケアマネって何をする人? そもそもケアマネの業務には以下のようなものがあります。 ・状態の把握 ・課題の抽出 ・利用者、家族からの聞き取り ・ケアプランの作成 ・担当者会議の開催 ケアマネの業務を進める中で、他職種の専門的な意見を聞いたりすることも重要です。 リハビリが必要な利用者であれば理学療法士や作業療法士、または言語聴覚士といったリハビリの専門家、医療的なケアが必要であれば医師や看護師などです。 デイサービスや訪問介護、福祉用具等々それぞれの専門家に意見を募ることができれば、多角的な視点でより良いケアプランが作成できる可能性も高まります。 居宅と施設で違いがあるものの、どちらのケアマネもメイン業務は利用者の困りごとを解決していくことだといえます。 ただ、居宅ケアマネと施設ケアマネでは業務内容には違いがあります。 居宅ケアマネの業務 新たな利用者への居宅ケアマネの最初の仕事は、利用者宅を訪問して面談し、アセスメントを取ることです。 その上で、困りごとや課題を抽出し、ケアプランの原案を作成します。 そして担当者会議を開催といった流れがオーソドックスでしょう。 そこで出た意見を検討し、必要であればプランを修正、その後にモニタリング(当初のケアプランを継続してもよいか、それとも変更の必要があるかの確認・検討を行うこと)を行っていきます。 また、その他で居宅ケアマネで重要なことは「介護度に応じて設定されている『区分支給限度額(介護保険では介護度に応じて給付される上限額が決まっておりその限度額のこと)』を越えないように、月のサービス利用状況を把握すること」です。 限度額を超えると介護保険は利用できず、自費で支払いを行わなくてはならなくなってしまいますので、充分気を付けなくてはいけません。 施設ケアマネの業務 施設ケアマネは、その施設で過ごされる方のプランを作成します。 利用者宅の訪問がない他は、居宅ケアマネと流れは一緒です。 流れは一緒とはいえ、自宅と施設では環境面で大きな違いがあるため、同一の利用者の方でも在宅か施設課で大きくケアプランは変わってくるでしょう。 また、施設ケアマネは人手が足りないときには介護職の手伝いをしたり、夜勤に入ったりするというケースも見聞きします。 生活相談員のヘルプをしている施設もあります。 そういった中で、ケアプランを立案・作成し、担当者会議を開催していくことになります。 さらに毎月のモニタリング等々の業務があるというわけです。 ケアマネの担当件数は何件まで? これらの業務をこなしながら、ケアマネ一人当たりが受け持てる件数はどれくらいなのでしょうか。 居宅ケアマネについては、その事業所がICT(業務の効率化を図るためにコンピュータ技術を活用すること)を導入しているかどうかで変わってきます。 ・居宅ケアマネ(ICTを導入している場合)➡44件まで ・居宅ケアマネ(ICTを導入していない場合)➡39件まで ・施設ケアマネ➡99件まで ただし、上記を越える件数を受け持ってはいけないわけではありません。 1件当たりの報酬は減額されてしまいますが、受け持つこと自体は可能です。 なお、要支援の利用者は2件で要介護1件相当という計算になります。 ところで、居宅ケアマネと施設ケアマネで担当件数が大きく違うのはなぜでしょうか。 居宅ケアマネは、利用者の自宅はもちろんのこと、これから利用するかもしれないデイサービスの見学や、入院している利用者様の状態把握のために病院に行ったり、カンファレンスに呼ばれることもあります。 そのため、各事業所や役所、病院、地域包括支援センターなどの関係機関を訪問する機会も多く、面談や移動などにも多くの時間を割かなければなりません。 それに対し、施設ケアマネは多くの業務が施設内で完結できますので、その分、対応可能な件数も多く設定されています。 ケアマネの適正な担当件数は? 1人のケアマネで99人の利用者を受け持つことが可能なのでしょうか。 可能だとしても、それが利用者のためだといえるのでしょうか。 この点では疑問を感じざるを得ません。 それは居宅ケアマネでも施設ケアマネでも同様です。 1ヵ月の稼働時間の中で、39人ないし44人、もしくは100人の利用者を担当し、ケアプランを作成し、加えて担当者会議を行わなくてはいけません。 その他にも、入退院の調整が必要な場合もあるでしょうし、居宅ケアマネは要介護の方には訪問してモニタリングを行わなくてはなりません。 また、事業所の見学に行くこともあれば、家族と話し合うこともあるでしょう。 加えて研修があったり、管理者であれば事業所内での問題の解決にも当たる必要があります。 当然ケアマネとしては利用者の状態を把握していなければなりません。 つまり、常時40人以上の利用者の状態を把握しておくということですが、利用者ご本人からは大きな変化がないと連絡をくれないケースも多々あります。 それを考えると、担当件数ギリギリまで受け持つのは好ましいとはいえないでしょう。 ケアマネの担当件数は年々増加傾向 しかし、ケアマネ1人当たりの担当件数は年々増加傾向にあります。 担当可能件数ギリギリまで受け持つかどうかは、事業所の方針によるところも大きいので、ケアマネ業務を考えている方は必ず確認しておくとよいでしょう。 担当件数が増加しているのは次のような要因が考えられます。 ① 高齢者の増加 ② ケアマネが不足している ③ 待遇が改善されない 介護保険を利用する方が増加している昨今、ケアプランを作成するケアマネの人数も増加しなければ、1人当たりが受け持つ人数も増加していくのは必然です。 しかし、冒頭で触れたようにケアマネの受験者数は年々減少傾向です。 2018年には前年に比べて、なんと6割以上も受験者が減少するという衝撃的な数字でした。 ケアマネの報酬は適切なのか? この原因は、1つにはケアマネの業務内容と報酬が釣り合っていないからだと言われています。 介護職に対する処遇改善は進んでいますが、ケアマネについては責任の大きさの割にはそういった恩恵が少なく、待遇面に満足できないという方が多くいます。 一時期は介護職の待遇が社会的にも問題となっていましたが、今はケアマネの社会的な評価の低さが問題視されるようになってきています。 そのためケアマネを志す人も少なく、また現在ケアマネ業務に従事していても、離れて行ってしまう方も多くなってきています。 現在はケアマネの待遇改善を望む声も多くなりました。 まとめ 最後に今回の記事の要点をまとめます。 ・ケアマネの業務は多岐にわたるが、メインは利用者の困りごとを解決するケアプランを作成すること ・居宅と施設ではケアマネの業務には大きな違いがある ・ケアマネ1人当たりの担当件数は以下のとおり ① ICT活用居宅事業所は44件 ② ICT未活用居宅事業所は39件 ③ 施設ケアマネは99件 これ以上担当することも可能だが、1件当たりの報酬が減額される ・担当件数ギリギリまで受け持つと、業務が回らなくなる恐れがある ・ケアマネを志望する人は減少傾向 ・ケアマネの待遇改善が求められている ・実際に何人を受け持つかは、最終的には事業所の判断になる ケアマネは資格を取るにも、また更新時も長時間の研修が必要になります。 利用者・ご家族と向き合って問題を解決していくチームの中心者ともいうべき役割といえるでしょう。 責任が重い分、やりがいのある仕事です。 それだけに1人1人の利用者に丁寧に対応していくためにも、適切な担当件数で働ける事業所を選択するのも一つの手段です。 最後までお読みいただきありがとうございます。
やるべきことが多すぎて本来のケアマネジャーの仕事が出来ない!と思われているケアマネージャーは結構多いものです。 ケアマネジャーは介護保険制度内の他職種と対比した場合、サービス提供時間やサービス内容も明確にされていないのが現状です。 ここでは居宅ケアマネジャーを悩ませる業務について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)の本来の仕事内容とは? ケアマネジャーとは要介護・要支援の状態にある高齢者の心身状況に応じ、適切な介護サービスが利用できるようケアプランを作成し、市町村やサービス事業所や介護保険施設と連絡・調整を行う専門職です。 ケアマネジャーは居宅ケアマネジャー、施設ケアマネジャー、介護予防マネジメントの大きく3つに分別されます。 居宅ケアマネジャー 居宅ケアマネジャーは自宅で介護を受ける人を対象にケアプランを作成します。 サービス利用者の自宅を訪問して状況を確認し、利用者がスムーズにサービスを受けられるよう、関係各所との調整を行います。 施設ケアマネジャー 施設ケアマネジャーは介護老人福祉施設などに勤務し、入所者のケアプランを作成します。 施設ケアマネジャーは入居者の状態変化を把握しやすい反面、担当件数が居宅ケアマネジャーより多く各職種とのチームワークが必要となります。 介護予防ケアマネジメント(総合事業) 介護予防マネジメントとは、要支援の認定を受けた人が、要介護状態にならないようにサポートする取り組みです。 介護予防ケアマネジメントは地域包括支援センターが統括しており、委託を受けた居宅介護支援事業所でも行う事が出来ます。 ケアマネージャーの主な仕事内容 ケアマネージャーの主な仕事内容は、以下の通りです。 ・インテーク ・アセスメント(課題分析) ・ケアプランや各種書類の作成 ・月1回のモニタリング訪問 ・介護保険関係の手続き ・各事業所、医療機関とのやり取り ・請求業務(給付管理) ケアマネジャーはケアマネジメントを開始するにあたって、初回の顔合わせ(インテーク)を通じて、介護サービスやケアマネジャーの役割を利用者やその家族に伝え、契約を行います。 契約後、利用者や家族の意向を確認し、本人の身体状況や置かれている環境、介護保険外の支援などを分析し(アセスメント)総合的な援助方針を検討します。 ケアマネジャーの仕事には利用者の権利擁護やサービスの公平・中立性のほか、プライバシー保護などの倫理が求められます。 インフォーマルな社会資源の活用などを駆使し、利用者やその家族が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的な知識と技術が必要になります。 ケアマネジャーの主な仕事内容は業務範囲外になりやすい 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると65歳以上の者がいる世帯は、全世帯の約半分で単独世帯や夫婦のみ世帯が全体の過半数と、一人暮らしの高齢者は年々増加しています。 家族情景やケアマネジャーという職種の把握からか、担当ケアマネジャーが家族の役割を担うようになり、本来の業務ではない仕事が際限なく増えています。 主な仕事内容である「ケアマネジャーは月1回のモニタリング訪問をして必要時にケアプランを作成」「各関係機関とのやり取りや請求業務を行う」は、いわばやれて当たり前なのです。 ケアマネジャーの仕事がこれだけで済むのであれば平穏な日々を過ごせます。 ケアマネジャーを悩ませる業務外の仕事とは ケアマネジャーを悩ませる業務範囲外は突然やってきます。 高齢者は加齢に伴う生理的老化の進行によって臓器機能、自律神経、免疫機能等の低下、病気の併存などの身体的特徴が多く、複数の症状や病気を抱えがちです。 そのため、急変などのサービスの調整や業務範囲外の仕事が発生しやすくなります。 高齢者は退職による「職業や社会的立場の喪失」と併せ、身体面の老化といった心理的、肉体上の喪失体験も重なり精神的機能の低下により頑固になることが多々あります。 また、保守的傾向になる事が多く、町内会や自治会など、域コミュニティから孤立する高齢者も増えてきているのです。 そのため、問題が表面化されず突然、行政から連絡が入ることもあります。 居宅ケアマネジャーを悩ませる業務範囲外の仕事 ケアマネージャーに発生しがちな業務範囲外の仕事は以下のようなものがあります。 救急搬送や受診同行 ケアマネジャーは救急車への同乗や搬送先への同行を求められることがあります。 治療が必要な疾患や症状を放置している高齢者が急変することや、受診を拒むため受診予約にあわせた通院ができず訪問介護の通院介助などのサービス調整が難しい場合等、ケアマネジャー通院時の付き添いをすることは多く見られます。 親族が近くにいない、身寄りがないなどの場合、救急搬送はもちろん、病院の入院手続き入院時の必要物品準備などを医療機関から依頼されることもあり、一日のスケジュールが狂ってしまうこともあります。 近隣住民からの苦情対応 住居から悪臭や異臭を放っていたり、敷地外に大量のゴミや不用品が溢れ、近隣住民からケアマネジャーへ対応を求めてくる場合もあります。 ゴミの分別ができず、指定日にゴミを出さないなどと近隣とトラブルになっていたり、室内がゴミ屋敷で足の踏み場もないなんてこともあるのです。 65歳以上の高齢者の住宅火災による死者数は平成27年は611人で、全死者数に占める割合は66.8%と高くなっています。 本人は全く気にはしていなくても「火事になるのでは?」「どうして施設に入所させないんだ」などと近隣住民より不安を煽られることもあります。 地域から疎外され心を閉ざした高齢者の心を解きほぐすにはさらに時間を要し、訪問介護の生活援助も大掃除は出来ないため、介入出来る環境までを作るためにケアマネジャーが関わる場合があります。 金銭・財産管理の欠如 生活費のほとんどをアルコールやギャンブルに散財していたり、家賃や公共料金などが数カ月にわたり滞納している場合があります。 この場合でも、関係業者へケアマネジャーが対応することがあるのです。 生計の理解が乏しくなる反面、必要な支払いをしている家族がお金を盗んだと思い込む事や、必要な公共料金さえも「そんなものは払わなくていい」などと支払いを滞っている場合もあります。 そのため、居宅サービスの依頼をうけ、いざ訪問をしたら電気・ガス・水道などのライフラインが止まりそう、なんてこともよくあることです。 金銭管理ができないことや金銭感覚など、認知面や性格的な部分への介入や後見人制度の手続きを含め、ケアマネジャーが一役をかうことになるでしょう。 認知症への対応 認知症高齢者が行方不明になり家族や警察と認知症高齢者の捜索をしたり、消費者被害の対応をケアマネジャーがすることもあります。 行政からの必要書類が郵送されていても紛失している事があり、必要書類の再発行や郵便物の配達にあわせて訪問したり、仕分け等も必要時に応じて行なうことがあります。 知らないうちに電話勧誘販売や無料キャンペーンなどを強調し、初回以外や一定期間内に解約をしないことで料金が発生する無料商法などの消費者被害にあって多額の借金を背負っていたり、金銭を搾取されている場合があります。 また、ペットの飼育が出来なくなっていたり、野良猫などに餌をあたえ、猫屋敷になったまま放置されているなど、多頭飼育崩壊していることもあります。 ケアマネジャーが業務範囲外の仕事をする理由とは ケアマネジャーが業務範囲外の仕事をするのはケアマネの業務範囲が明確ではなく、利用者や家族の介護保険への理解、多職種や業種によるケアマネジャー本来の仕事に対して共通認識が出来ていないからです。 境界線を張り「ここまでは自分の仕事」として割り切ることを提言する行政や、上司なども多いですが要支援・要介護の高齢者を地域で支えていく仕組みの中で、ケアマネが足りない部分を補う非常に重要な役割を担っているのも現実です。 ケアマネの業務範囲外の仕事を断る対処法とは そもそもケアマネが業務範囲外の事を請け負う必要はありません。 利用者さんやその家族が困っているから、と、そのすべてを引き受けていたら、ケアマネが倒れてしまいます。 ケアマネの業務範囲外の事を頼まれたら適切に対応し、本来のケアマネの仕事をきちんとできるようにすることがとても重要です。 では、実際にケアマネの業務範囲外の仕事を頼まれたときにどう対処すればよいか、その方法についてご紹介します。 対応できない理由を利用者や家族に伝える そもそもケアマネージャーはなんでも屋ではありません。 できない理由を丁寧に伝えしっかりと断るようにしましょう。 そうすることでケアマネとしてやるべき本来の仕事が円滑にできるようになります。 そのくらい対応できる、と引き受けていると、頼まれる内容がどんどん増大になることが考えられます。 1人のケアマネージャーが業務外のことを行ってしまうと、他のケアマネージャーにも迷惑がかかってしまうこともありますので、毅然とした態度でお断りすることが重要です。 行政や管理者に相談する 利用者やその家族に業務範囲外の事を頼まれて困ってしまったら、まずは施設の管理者などに相談するようにしましょう。 もし、ここで対応するように言われたら、そこで働くことを検討することをおすすめします。 何にせよ、誰にも話さずに一人でなんとかしようとしては行けません。 利用者様や家族との信頼関係が壊れる、と悩む方もいるかもしれませんが、まずはケアマネとしての仕事がスムーズにできるようになることが重要です。 なにより、他の利用者様の対応がおろそかになってしまいます。 あまりにも悪質な場合は行政に相談しましょう。 まずは自分をきちんと守ってあげることが重要です。 まとめ ケアマネジャーは介護保険の基本理念である「利用者本位」を実現するうえで、各関係機関とのサービス調整を行う専門職です。 ケアマネジャーの業務は多岐にわたり、地域共生型社会の実現に向け、高齢者の支援にとどまらず、障害や児童のケアマネジメントにも目を向けて職域を広げる活動をしています。 本人らしい生活を支え、身近で相談しやすい存在であり、ときに人生の最終段階までの伴奏者となる対人援助の専門職であるからこそ、利用者の生活全般に関わる事になります。 そのため、時に制度のはざまにある人への支援として「なんでも屋」にならざる得ないのが現状です。 しかし、それだけ高齢者にとって重要な役割を担った職務であるといえます。
誰かの役に立ちたい」という想いからこの業界で働くことを選んだ方も多いのではないでしょうか。 本来、介護やケアマネの仕事は魅力に満ちあふれています。 しかし、その想いを保ち続けることは容易ではないこともまた事実です。 半面、メンタルダウンを上手に乗り越える人もいます。 また、介護職員は常に人手不足です。 特にケアマネージャーの仕事は人手不足が問題となっています。 今回の記事では、「ケアマネージャーや介護職の人手不足の原因」や「介護職員のモチベーションアップのコツ」を見ていきましょう。 ケアマネージャーの仕事内容 ケアマネージャーは「ケアマネ」と略されることがありますが、正式名称では「介護支援専門員」といいます。 ケアマネージャーの仕事は、要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成し、市町村やサービス事業者、本人、家族との連絡調整をする専門職です。 専門職であるため、ケアマネージャーになるには資格が必要です。 ケアマネージャーの資格の取得方法 ケアマネージャーの資格を取得するためには、指定業務を5年以上かつ900日以上経験するという条件をクリアし、試験に合格する必要があります。 ケアマネージャーの資格試験は年に1回10月に行われています。 主任ケアマネージャーとは ケアマネージャーの上位には主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)という職業があり、2021年3月施行の改正介護保険法では「居宅介護支援事業所の管理者は、原則主任ケアマネでなければならない」と改訂されています。 そのため、主任ケアマネージャーは現在とても重要視されています。 主任ケアマネージャーになるには特に資格試験があるわけではありません。 以下の条件を満たしたうえで、「主任介護支援専門員研修」を受講する必要があります。 専任のケアマネジャーとして勤務していた期間が、通算で5年(60カ月)以上である人 ケアマネジメントリーダー養成研修を修めた人で、さらに専任のケアマネジャーとして働いた期間が通算して3年(36か月)以上である人 主任介護支援専門員に準ずる者として、地域包括支援センターに配置されている人 ケアマネジャーの業務に関し十分な知識と経験を持っており、都道府県によって認められた人 ケアマネージャーが人手不足な理由 ケアマネージャーや主任ケアマネージャーは常に人手不足が問題となっています。 ケアマネージャーの人手不足が続いているには、以下の理由が考えられます。 資格取得が難しい ケアマネージャーの資格試験の合格率は10~20%程度を推移しています。 そのうえ、毎年受験者数も減ってきているのです。 受験者数が減ってきているのは、頑張って資格を取得しても給料などの待遇面がよくならないことが考えられます。 給料などの待遇面が悪い 令和3年現在、ケアマネージャーの平均年収は約410万円です。 介護職全体での給料平均は約380万円とされているので、年収としてみると30万円のアップになります。 しかし、全国的な年収で見ると決して高いといえる金額ではありません。 そのため、2019年には「介護職員等特定処遇改善加算」が実施されていますが、すべての事業所が対象ではないため、大きな改善にはいたってはいません。 介護職員のモチベーションを下げる要因 介護職員が増えない理由にはモチベーションを保つことができないことも挙げられています。 では、介護従事者のやる気が削られてしまうのか、要因を1つ1つ見ていきましょう。 給料が安い 介護業界で働いていると、他の業界に比べて待遇の悪さを感じる人が多いようです。 また、同じ介護業界でも介護職・相談員・ケアマネなどの職種によっても待遇に差があります。 夜勤がある施設の介護職は、夜勤手当がある分他の職種や夜勤なしの介護職(たとえばデイサービスの職員など)に比べると給与は若干良くなるでしょう。 また、同じ介護職でも勤め先によって待遇差が生じます。 当然ながら業績により賞与には差が出ますし、特養などの公的施設と有料老人ホームなどの民間施設では利用者が支払う利用料にも差があるので、当然といえば当然です。 しかし、国が介護士の処遇改善に乗り出してくれたこともあり、一昔前に比べれば介護士の給与は良くなってきていると言えます。 また、役職が上がれば責任も伴いますが、手当も上がります。 役職に就く見込みがあるのかどうかを見極めることも大切になってくるでしょう。 職場の人間関係がツラい 介護業界の魅力を半減させてしまう要素は、何も給与などの待遇面だけではありません。 人間関係も大きな要素になっています。 アンケートによっては、この人間関係が退職理由の1位になっているものもあるくらいです。 介護士やケアマネは1人で利用者のケアをすることはできません。 必然的に他の介護士や他職種と連携を取る場面が多くなってきます。 そこでの人間関係に問題がなければよいのですが、やはり何人か集まれば合わない人も出てくるのが世の常です。 仕事だからとお互いが割り切れればよいのですが、何かにつけて粗さがしをしてくる人はどの業界にもいるものです。 そういった人間関係がイヤで「職場を離れる」「介護を辞める」という声も聞きます。 でも、どの業界・どの職場にも、自分に合わない人は一定数いるもの。 上司に相談したり、うまくストレス解消をしながら、乗り越えていきましょう。 家族からのクレーム 近年よく耳にするようになった「カスタマーハラスメント」 介護業界も例外ではありません。 介護保険法でできることとできないことが決まっていますが、それに納得がいかずに利用者本人やご家族からもクレームになるのはよく聞くケースです。 また、最近では入所施設でコロナ禍で思うように面会できず、ご家族の知らない間にADLが低下していてクレームになるというケースも増えています。 それが常識の範囲内であればまだしも、度を越えたクレームに心をやられてしまう職員も少なくないようです。 カスハラは社会的にも問題になっています。 こういった問題に直面した場合は、迷わず上司に相談しましょう。 人手不足など職場の体制 ご存知のように、介護業界では多くの事業所が人手不足です。 その中を、今いる人手でなんとかやりくりしているのが現状です。 そうした中で、さらに辞める人が出てくると、残った職員にしわ寄せが行ってしまいます。 夜勤に月10回前後入るとか、休日出勤する人もいます。 どこの事業所も必死に募集をかけており、派遣や紹介会社を活用して、人員確保に東奔西走しています。 しかし、身体が資本ですのであまりに長い間改善されないのであれば、自分の身体を第一に考えた選択肢を視野に入れてもいいのではないでしょうか。 実地検査・行政指導 筆者の知り合いのケアマネでは実地指導がイヤで、ケアマネ業務を離れた人もいます。 いわく「休日返上で利用者やご家族の要望に応えようと頑張っているのに、実地検査ではかなり厳しく細かいところまで追及された。微々たるものだが返還も発生してしまった。今までの頑張りを否定された気分になった」とのことでした。 普段から定められたことを守って業務ができていればまったく問題ありませんが、時には気付かずに業務を進行してしまうこともあるでしょう。 複数の目で定期的に確認しながら業務を進めていくことが大切ですね。 事業所の理念に不満 法人や事業所の理念・考え方についていけずに退職をするケースもあります。 人手不足なのに職員が入る前にどんどん新規利用者を獲得したり、現場の声に耳を傾けてくれない決定ばかりだと「やっぱり経営陣は何もわかってくれない」と愛想を尽かしてしまう方が多くいます。 ろくに休みも取れずに働いているのに労いの言葉がなかったりすれば、そうなってしまうのも仕方ないと言えるかもしれません。 モチベーションが低下した時の対処法 これまで見てきたような不満が溜まりに溜まってしまい、やる気を失くしてしまう職員は多いものです。 それでは、どのようにモチベーションアップを図ればよいのでしょうか。 いくつかの方法をご紹介します。 研修に参加する 研修に参加する本来の目的は知識やスキルをアップさせることですが、「知識よりもモチベーションをアップした」という方も、実は多くいます。 積極的に活用するのも一つの手です。 職場の良い点を紙に書き出す どんな職場でも良いところは必ずあるものです。 それを書き出すことで、あらためて認識できるようになるかもしれません。 たとえば ・気の合う仲間がいる ・他に比べて給与が高い ・家から近くて通うのに便利 などを書き出すことにより、意識していなかったことを脳が認識する効果もあります。 「仕事だから」と割り切る 「今は仕事だから」と割り切ってしまいましょう。 「仕事だから楽しいことばかりではない」と思って、せめて自宅にまでは落ち込んだ気持ちを持ち込まないように努めてみてはいかがでしょうか。 家であれこれ考えても余計ストレスが溜まるだけです。 周囲に相談する 問題の中には自分一人では解決できそうにないことも多いですし、時間が解決してくれないものもあります。 そういう時は思いきって周囲に相談するのも良い方法です。 話しを聞いてもらうだけでスッキリすることもありますし、もし相談したのが職場の人であれば解決に向かって動き出すこともあるでしょう。 しっかり休む 介護職員やケアマネが笑顔や元気でいることが、良いパフォーマンスを提供することにつながります。 しかし、人間ですから、どんな対策を講じても気分が解消されないこともあります。 そんな時には思い切って休むことも大切です。 一番大事なのは、ご自身の健康です。 休職して心身ともにリフレッシュさせるのも1つの方法です。 真面目な方は「人手不足なのに私だけ休むなんて」と考えてしまいます。 しかし、1番大事なのはご自身の心と体の健康です。 自分を守ってあげられるのは自分だけです。 まとめ 最後に要点をまとめておきます。 ケアマネージャーの仕事とは ・要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成と調整 ケアマネージャーの人手不足の原因 ・給料などの待遇面の悪さ モチベーションを低下させる、介護の魅力を奪うもの 給与 人間関係 クレーム 人手不足 実地指導 事業所の理念 モチベーションを上げる方法 研修に参加する 職場のいいところを紙に書き出す 仕事と割り切る 周囲に相談する しっかり休む ご自分にあったリフレッシュ方法を見つけ出して、上手にストレス発散してください。
家政婦さんと間違えられてしまう訪問介護ですが、実際は目的や意義が全く違う仕事です。 そのなかでも今回は家政婦さんとは違う「訪問介護が担う自立支援」とは?についてお伝えします。 「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違い 「家政婦さん」と聞いてまず思い浮かぶのは、以下のようなイメージではないでしょうか。 ・「家政婦さんは裕福な家に居る何でも助けてくれる人」 ・「料理や洗濯などの家事全般をしてくれる人」 では次に「訪問介護員(ホームヘルパー)」と聞いて思い浮かぶのはどのようなイメージでしょうか? ・「自宅で介護士さんに助けてもらって生活を出来るようにしてもらう」 ・「元気で病気もしていないけれど、一人にしておくのは不安だから介護士さんに様子を見てもらおう」 どちらも「自宅で家族の身の回りお世話を行う」ことや「家族の手助けをする」部分で大きな違いはありません。 訪問介護の成り立ちをひも解いてみますと、以前は「家庭内で家族のお世話をする」という状態が当たり前でした。 戦後20年が経ち、戦争による生活困窮者のために訪問介護の前身である「家庭養護婦」と言う仕事が誕生し時を経て「訪問介護」に変わりました。 家政婦さんの場合は家族全員が対象になり、家族に関わることであればどんな事でも行いますし、本人が出来ることであっても代わりに行います。 介護士の場合は、助けが必要な人が誰なのか、介護士の基本の一つである自立支援を目的としているかの2点で、目的と仕事の内容が違います。 「訪問介護とは」 訪問介護とは、ご利用者様が在宅における生活の中で自立した日常生活が行えるように、訪問介護員がご利用者様のご自宅へ訪問をし身体的な支援や介助を行う「身体介護」と、家事などを支援したり介助する「生活援助」の2種類があります。 介護保険が始まる前は「ホームヘルプ」と呼ばれ、介護保険開始後は「訪問介護」の名称に変わりました。 訪問介護には高齢者の方達だけではなく、「障害者総合支援法」という障害者の方を支援し介助も行います。 訪問介護では「日常生活の援助に該当しない行為」は行えません。 例えば草むしり・ペットのお世話・大掃除等のご利用者様本人に関わることでないと訪問介護を行う事ができません。 「介護保険が始まる前と始まった後の違い」 介護や支援を求める方が増えて、2000年より介護保険の制度が始まりました。 高齢者や障害者の方の自宅を訪問し、「身体介護」「生活援助」の二つを行う事には介護保険が開始される前後で大きく変わりません。 介護保険開始前は自宅での介護福祉は各都道府県の市町村にある社会福祉協議会や福祉公社になどによる措置の制度であった為、サービス内容を選べず利用料は所得に応じた負担になっていました。 変わった部分として、介護保険開始後は利用者または家族が申請して利用できるようになり、サービスも選べるようになったことです。 現在は介護保険の法整備が進み、社会保険の制度の一つになっています。 サービス提供に様々な民間団体や法人組織が参加しており、自分や家族に必要なサービスを選択し提供してもらう形になっています。 介護保険が始まった当初は「介護」を行う上で「ご利用者様の出来ないことを代りに行う」ことを中心に行っており、家政婦さんとの違いもはっきりとは認識されておらず家政婦さんのように利用する方もいました。 その結果「自分で出来ること」を奪ってしまう事になり、次第に「介護」を必要とするひとが増える要因の一つになりました。 この問題に対して2001年に「介護を必要とする人の出来ること」に注目をして様々な要因や環境を見つけ出し、生活の全体像を掴み支援や介助を行う考え方が提唱され、QOL※の向上や自立支援に注目するようになりました。 ※QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは 一般にひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。 「訪問介護が担う自立支援」 自立支援とはご利用者様に「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」です。 「できる限り自分の力で生活するためのサポート」と一言でいってもご利用者様ひとりひとり状況と状態が違い、はじめは信頼関係もなく一人で行う事が難しく、なかなか上手くいかない事に落ち込んだりやる気を出せないでいるご利用者様もいます。 そういう様々なご利用者様に対して、一人で行えるようまたは行いやすくなる為の道具の提案を行ったり、環境を整えて一人でも行える様にする事が介護員の役目になります。 では現場ではどのようにして「自立支援」が行われているかの事例を紹介します。 自立支援の事例 介護員が女性のご利用者様のご自宅に訪問をしました。 ご利用者様に元気がないため、どうしたのか尋ねると「最近こけてばかりだから、庭の草むしりをしないでほしいと家族に言われた」との言葉が返ってきました。 ご利用者様は「草むしりをすることで少しでも家族の役に立ちたい」「草むしり中に近所の方と話すのが楽しみ」と介護員に話をしました。 そこで介護員はご利用者様の希望の「草むしり」を安全に行えない原因を考えました。 ・なぜこけたのか。 ・なにが危険なのか。 ・どうすれば安全にできるか。 この3点について、ご本人様と家族様、話を伺い様々な事がわかりました。 ・腰が少し曲がっていて、前のめりの姿勢である。 ・腰が少し曲がっている為、前のめりにこけてしまっている。 ・前のめりにこけてしまうので、何度も頭をぶつけている。 ・庭が広く、草むしりをするために、移動する必要がある。 そこで介護員は、庭が広く移動しながら「草むしり」をしている為に転倒してしまう可能性が高いと考え、ご自宅にあった「小さな椅子」を使って少しづつ移動しながら、座って草むしりを出来ないかと、ご利用者様と家族様に提案してみました。 後日、訪問した際にご利用者様より「座って(草むしり)したら1度も危ないことにならず、転倒する心配もなくなった。ありがとう」「生き甲斐が戻ってきた」と草むしりが継続して出来ることを喜ばれました。 ご家族様からは「安全にできる方法を考えてくれたおかげでおばあちゃんに笑顔が戻ってきて嬉しいです。」との言葉をいただきました。 ご家族からの「危ないからやめてほしい」との声で全て制限してしまえば、活気や生活の楽しみが失われ生活の質が低下してしまっていたでしょう。 また、以前のように「なんでもしてしまう介護」や家政婦さんに「やってもらう」という利用が続いていれば、「草むしり」という一つのやりがいが失われ、活動量の低下や元気がなくなりさらなる介護が必要になっていたかもしれません。 今回の事例のように、「自立支援」や「QOLの向上」に注目をし、訪問をしているからこそ気付き、アドバイスすることで、ご利用者様は活気を取り戻されてご近所付き合いも継続出るようになりました。 ご家族様もおばあちゃんに活気が戻り、以前のような生活に戻ったことを安心される結果に繋がりました。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違いについて、「介護保険が始まった前と後の違い」について、そして最後に「訪問介護の担う自立支援」について事例を交えてお伝えしました。 ・「家政婦さん」と「訪問介護員」の違いは資格の有無や専門知識があるかないか できることに制限があるかないか。 ・自立支援とは「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」。 ・訪問介護が担っている自立支援は、ご本人様・家族・関わる人全てに繋がる援助。 最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護職からケアマネジャーに転身しようと考えているが、仕事内容に対して不安を感じている人は多いのではないでしょうか? ここでは介護職からケアマネジャーへ転身する際に知っておいた方が良い知識について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには 介護職からケアマネジャーになるには、介護福祉士の場合、最短で5年の実務経験が必要です。 ケアマネジャー試験の要件として、 「指定の国家資格にもとづく業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」または「施設などで相談援助業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」している事とされています。 施設などでの相談業務については、老人福祉施設での生活相談員または老人保健施設での支援相談員、障害者施設での計画相談に携わる相談支援専門員などが対象となり、主に社会福祉士などの有資格者が対象となります。 ケアマネジャーの試験は2017年まで法定資格がなくても、実務経験が10年以上あれば試験を受ける事ができましたが、2018年より無資格による受験は出来なくなりました。 受験対象となる指定の国家資格 ケアマネジャーの試験には以下のいずれかの国家資格を保有していることが条件です。 ・医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 ・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士・社会福祉士 ・精神保健福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士 ・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 ・柔道整復師・栄養士 無資格の介護職からケアマネジャーへ転身するには、3年の実務経験を経て介護福祉士試験に合格し、5年の実務経験後、ケアマネジャーを目指すケースが多いです。 居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの違い ケアマネジャーは居宅介護支援事業所の居宅ケアマネジャーと老人福祉施設や老人保健施設などの施設ケアマネジャーに区分されます。 居宅ケアマネジャーは約35件程度の担当利用者のケアマネジメントを行い、利用者の在宅生活に対する課題を分析し継続した生活が出来るよう、居宅サービスを組み合わせ居宅サービス計画書を作成します。 一方、施設ケアマネジャーは施設規模によりますが、約100件程度の入居者のケアマネジメントを行い施設内で本人らしい生活が継続できるよう施設サービス計画書を作成します。 居宅ケアマネと施設ケアマネでは担当件数の違いはあるものの、ケアマネジメントのプロセスは一緒は一緒なので働き方にあわせて選ぶとよいでしょう。 ケアマネジメントのプロセス ケアマネジャーは利用者が在宅や施設で自分らしい生活を継続出来るよう支援していくため、次のケアマネジメントの過程を行う必要があります。 ケアマネジメントの流れ インテーク(初回面接) アセスメント(課題分析) ケアプランの作成 担当者会議 サービス開始 モニタリング 状況に応じてアセスメントに戻ることがあります。 インテークの注意点 インテークの際、利用者に対して複数のサービス事業所などを紹介し、選択できるようにする必要があります。 サービス事業所の選定理由も説明できるようにしなければなりません。 アセスメントの注意点 アセスメントはケアプランのサービス内容に対して根拠となるよう、23項目の課題分析標準項目について客観的に評価分析する必要があります。 ケアマネジャーの質問力によって利用者の課題の抽出が異なる場合があるため注意が必要です。 ケアプラン作成の注意点 特定事業所加算を算定している居宅介護支援事業所は、ケアプランにインフォーマルサービスの位置づけをしなくてはいけません。 多様な主体などが提供する生活支援として、社会資源の調整や介護保険外のサービスについての知識や情報も必要です。 モニタリングの注意点 ケアプラン作成後、月に一回以上利用者とのモニタリング訪問面談を実施し、結果を記録しなければなりません。 利用者や家族の満足度の確認のほか、新たな課題が発生していないか、サービス状況の聞き取りだけではなく、実際の生活環境から観察することも必要です。 その他、担当者会議の開催やケアプランの交付など、ケアマネジメントが適切に行えていない場合には運営基準減算となってしまうので注意が必要です。 要介護認定と認定調査 ケアマネジャーの業務として、介護認定更新の申請代行や認定調査の委託業務があります。 ケアマネジャーは利用者が切れ目がなく適切にサービスが受けられるよう、介護保険証の確認、必要に応じ、更新に伴う手続きに対して支援しなければなりません。 福祉用具貸与サービスの中には、車椅子や特殊寝台など、要介護2以上でなければ基本使用できないサービスや、要介護3以上が入所要件となる特別養護老人ホームなどがあります。 要介護度によって使えるサービスに制限があるため、利用者の状況に応じ区分変更申請を行うことも必要な業務の一つでしょう。 要介護認定におけるプロセス 要介護認定の申請 認定調査 主治医意見書 介護認定審査会 要介護及び支援の認定 認定調査は市町村職員または市町村から委託を受けた事業者の介護支援専門員が、全国一律の基準と様式を使用し調査を行います。 認定調査項目を理解することで利用者の介護状態を予測し、サービス調整が図れるでしょう。 給付管理・請求業務 ケアマネジャーの業務に給付管理があります。 国保連への請求業務はサービス提供月の翌月10日までに行わなければなりません。 居宅介護支援事業所の請求業務はサービス事業所のサービス提供票の実績を確認し、「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」を作成します。 給付管理に誤りがあるとサービス提供事業所に支払いが行われなくなるため、細心の注意が必要です。 期間中は通常業務をこなしながらレセプト提出準備をしなければならないため、スケジュール管理にも留意しましょう。 地域包括支援センターとの関わり 居宅介護支援事業や小規模多機能型居宅介護などのケアマネジャーは、予防支援の委託業務に携わることがあります。 予防支援の委託業務に携わる場合、介護予防支援や介護予防ケアマネジメントにより、要支援者などに対し総合事業によるサービス等が適切に提供できるよう、ケアマネジメントしていく必要があります。 地域包括支援センターの主な業務 介護予防マネジメント ケアマネジャー支援 総合相談 権利擁護 地域包括支援センターはさまざまな地域課題に対応できるよう、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師などの3つの専門職がいるため、困難事例を抱えた場合でも助言や情報提供をしてもらえるので、積極的に関わっていくとよいでしょう。 業務で役立つ資格 ケアマネジャーはケアマネジメントや各種の介護申請以外に各種書類の作成などにも対応しなければなりません。 介護請求業務や認知症の方の権利擁護、高齢者虐待など地域の問題などにも多岐にわたるため 業務に役立つ資格を活用してみましょう。 業務で役立つ資格は以下のようなものがあります。 介護事務管理士 福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター 認知症介護実践者研修 社会福祉士 介護事務管理士 介護保険施設や居宅介護支援事業所などで介護サービスにかかる費用の請求や、ケアマネジャーの補助的な事務をする専門職です。 介護報酬明細書などの作成業務に対する知識や過誤請求対応などのトラブルを防ぐことができます。 福祉用具専門相談員 福祉用具専門員は利用者の心身の状況、希望や置かれている環境などに応じ、専門的な知識にもとづき福祉用具の選定や使用についての助言、福祉用具の機能、安全性、衛生状態などについての点検・調整を行います。 福祉用具貸与サービスや特定福祉用具購入をプランニングする際に活用できる資格の一つです。 福祉住環境コーディネーター 高齢者や障がい者などに配慮した住宅の改修や生活環境のあり方について提案したり、住宅改修のプランニングなどを行います。 介護保険の住宅改修の「住宅改修が必要な理由書」の作成に対しての知識を学ぶことができます。 認知症介護実践者研修 認知症介護実践者研修では、認知症介護について深く学ぶことができます。 グループホームや小規模多機能型居宅介護で働くケアマネジャーや計画作成担当者などは、認知症介護実践者研修の修了者を配置する義務があります。 2021年4月からは無資格で働く介護職は認知症介護基礎研修の受講が義務化されたこともあり、認知症ケアについての知識についてはさらに必要となってくるでしょう。 社会福祉士 社会福祉士は高齢者や身体障がい者、知的障がい者、児童など援護を必要とする人や、その家族に対し相談や助言、指導、援助を行います。 地域包括支援センターの必須専門職の一つであるとともに、地域福祉のコーディネーターとしての役割や権利擁護など、利用者を取り巻く社会問題の解決に対する知識やネットワークを構築する資格であり、ケアマネジャーの業務でも役立つ資格の一つです。 まとめ 介護職からケアマネジャーになる場合、最短でも介護福祉士で5年の経験年数が必要です。 ケアマネジメントは、一定のプロセスを遵守する必要があり、適切なプロセスを行わないと基準違反となってしまいます。 居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、さまざまな居宅サービス事業所のサービスについての理解も必要です。 しかし、利用者の望む生活を支援するため、介護職の経験をいかし、障がい者自立支援や医療保険サービス、地域のインフォーマルなサービスなどを、活用できるケアマネジャーを目指してみてはどうでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。
仕事をする上でお悩みはつきものです。 介護の現場も同様でさまざまなお悩みがあります。 今回は、介護現場でのお悩みと対処法を紹介します。 介護現場での悩みと対処法 介護現場でよくある以下の5つのお悩みと対処法を紹介します。 介護スキルでのお悩み 利用者とのコミュニケーションでのお悩み 人間関係でのお悩み 生活リズムでのお悩み 体調管理でのお悩み 介護スキルでの悩み 初心者によくあるお悩みの一つが「介護スキル」です。 身体が不自由な方を車椅子からベッドに移乗する、飲み込みが悪い方の食事を介助するなどさまざまな介護スキルが必要です。 介護現場では知識や技術がなければ働けません。 そのため、上手く介助ができないという悩みが介護現場での最大の悩みです。 また、サービスを提供する介護は命に関わる仕事です。 一つのミスが大きな事故に繋がることもあります。 介護スキルでの悩みの対処法 介護スキルは、「経験を積むこと」で初心者でも身につけられます。 そのため、とにかく積極的に行動することが大切です。 また、排泄介助や移乗・移動介助にはコツがあります。 経験から学ぶことも多いため、積極的に先輩や上司に教えてもらいましょう。 同じ体格や力のスタッフに教えてもらうとより参考になります。 介護スキルを身につけていないと、事故につながることや自分の身体を壊す原因にもなるため、注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションでの悩み 介護職はなにより介護をする相手である、利用者と上手にコミュニケーションをとることが重要です。 そのため、上手にコミュニケーションが取れず、それが悩みになってしまうことがあります。 高齢者とのコミュニケーション 介護現場でのお悩みには「高齢者とのコミュニケーション」があります。 人見知りな方や頑固な方などさまざまです。 介護を拒否される、声掛けに対しての反応が冷たいなど、信頼関係の構築に苦労するスタッフもよく見かけます。 認知症の利用者とのコミュニケーション 「認知症の利用者とのコミュニケーション」においては、難しい場面が多くなります。 認知症を患っている利用者でも性格は異なります。 そのため、利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必要です。 認知症の代表的な症状は、短期記憶です。 例えば、食事したことを忘れてしまい「お腹が空いた」と言われる方、何度もトイレに行きたがる方がいます。 また、お風呂やトイレなどを嫌う利用者を促すことに苦戦するスタッフもいます。 体力的に嫌がる方もいますが、不潔と清潔の正しい判断ができなくなる方が多くなります。 上手くコミュニケーションを図れないと、利用者の機嫌を損ねることもあるため注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションの対処法 利用者とのコミュニケーションの対処法は、「利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ること」です。 利用者の性格などをしっかり把握するために、スタッフ同士での情報共有も重要になります。 上手くコミュニケーションが取れているスタッフを真似してみましょう。 また、サービスを拒否されたりコミュニケーションを図ってもらえない時、自分の話し方に原因があるかもしれません。 介護を利用する高齢者は、経験が豊富でプライドもあります。 長期的に付き合って信頼関係を構築することが理想的です。 人間関係でのお悩み 介護職とかかわりがあるのは、利用者だけではありません。 さまざまな人たちと関わることがあるので、人間関係に悩むこともよくあります。 従業員同士 チームワークを必要とする介護現場では「従業員同士の人間関係」のお悩みもつきものです。 例えば、「性格が合わない」「意見の食い違い」などがあげられます。 丁寧に時間をかけて業務を行うスタッフとスピードを重視するスタッフが一緒に仕事をすると、お互いに気になる点がでてきます。 丁寧さを大事にするスタッフは相手の雑さが気になり、スピード重視のスタッフは時間がかかることが気になってしまうのです。 上下関係 介護現場でも「上下関係」のお悩みはつきものです。 介護現場にも、リーダーやマネジャーなど上司にあたる役職が存在します。 サービスを提供する上で、上司からの指示や許可をもらわなければいけない場面もあります。 サービス提供方針は基本的に上司の考え方がメインになるため、方針が合わないと仕事がやりにくくなることもあります。 人間関係でのお悩みの対処法 従業員同士の人間関係の対処法は、「従業員とコミュニケーションを図ること」です。 介護に関する考え方を理解して、相手の良さを引き出しましょう。 お互いの短所を補い合える関係性が理想的です。 上下関係の対処法は、「仕事でアピールすること」です。 仕事ができる介護スタッフの意見は取り入れてもらいやすくなります。 利用者に最も近いのは現場の介護スタッフのため、介護スタッフの意見は利用者にとって役に立つこともあります。 現場の意見を積極的に取り入れてくれる上司がいるのが理想的です。 生活リズムでのお悩み 介護の仕事は、「生活リズム」が崩れやすくなります。 日勤だけではなく夜勤もあり、毎日の勤務時間が異なります。 夜勤の場合、午前中に帰宅するため眠りにつきにくく、生活リズムは乱れやすくなります。 生活リズムの対処法 生活リズムの対処法は、「食事や入浴、睡眠の時間をなるべく変えないこと」です。 これらは生活リズムを作る大きな役割を果たします。 夜勤の場合は、午前中に睡眠時間を取りすぎないように注意しましょう。 夜に寝られなくなり、生活リズムが崩れる原因となります。 体調管理でのお悩み 体力を必要とする介護現場では、体調管理のお悩みも多くなります。 身体的負担 入浴介助や、身体が不自由な方、身体の大きい方を移動・移乗することは簡単なことではありません。 介護者が体が小さい方の場合、身体的な負担が大きくなることがあります。 精神的負担 これまで述べてきた一つひとつのお悩みからストレスが溜まり、「精神的負担」が生まれることもあります。 精神的な負担があると睡眠不足や食欲低下などにより体力がなくなり、悪循環になります。 体調管理でのお悩みの対処法 身体的負担の対処法は、「セルフケアすること」「身体に負担をかけない介護スキルを身につけること」です。 まずは、湯船に浸かる時間や睡眠時間を確保することが大事です。 それでも疲れが取れない場合は、業務上で身体に大きな負担がかかっていることが考えられます。 介護現場は身体が資本であり、身体を壊してしまうと仕事を続けられません。 介護にはコツがあるため、積極的に取り入れることが重要です。 精神的負担の対処法は、「セルフケアすること」「相談すること」です。 セルフケアには、食事や睡眠など生活を見直すこと、趣味などの時間を作り気分転換することなどが挙げられます。 相談は職場の人以外の家族や友人でも構いません。 心の中でモヤモヤしていることや抱えきれないものは吐き出してみましょう。 人に聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。 他人の意見を聞いて、新しい考え方や対処法が見つかることが理想的です。 まとめ 今回は、介護現場でのお悩みと対処法についてお伝えしました。 介護スキルでのお悩みの対処法は、経験を積み先輩からコツを教わること。 利用者とのコミュニケーションの対処法は、一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を見つけること。 人間関係でのお悩みには、従業員同士と上下関係がありお互いを理解して働きやすい環境を作ることや先輩や上司に認めてもらうことが重要。 生活リズムの対処法は、食事や睡眠の時間を大きく変えないようにすること。 体調管理の対処法は、セルフケアして心身共にリラックスする時間を作ることである。 最後までご覧いただきありがとうございます。
福祉用具は需要の高い、介護保険のサービスの1つです。 福祉用具には様々なものがあるため、選定も悩みどころです。 今回はケアマネが福祉用具を取り入れるポイントや流れを紹介します。 福祉用具とは? 福祉用具は、要介護認定を受けた人などが生活の幅を広げることができる用具です。 福祉用具を使用することで、自立した毎日を送る手助けになるからです。 福祉用具は、本人だけでなく家族の介護量を減らすこともできます。 たとえば、ベッドから起き上がれない人の生活圏はベッドで、限られています。 そこで、ベッドのそばに手すりを置いてみると、手すりにつかまって1人で起き上がることができ、生活圏が広がります。 動作ができるようになるだけでなく、「自分1人でできた!」という、自信も出てくるのです。 家族も起きるための手伝いをしなくて良くなり、介護量が減ります。 このように、福祉用具は介護認定を受けた人だけでなく、家族の生活も良くする用具なのです。 ですが、種類も多く、どれを導入すればよいかわかりにくいですよね。 福祉用具を取り入れる時はポイントがありますので、紹介していきます。 福祉用具にはどんな品目がある? 福祉用具は、大きくわけて2種類あります。 レンタルの「福祉用具貸与」と、購入の「特定福祉用具販売」です。 福祉用具は基本的には「貸与」が原則となっていますが、外れるものもあります。 それが、入浴や排泄時に使用する「特定福祉用具販売」です。 衛生面の観点からみても、他者が再利用するには心理的に抵抗感があるものになるからです。 たとえば、ポータブルトイレ、シャワーチェアなどがあります。 ポータブルトイレやシャワーチェアなどは、直接肌が触れたり摩耗します。 このため、「福祉用具貸与」ではなく、「特定福祉用具販売」で対応します。 福祉用具貸与(13品目) 以下の福祉用具はレンタルすることができます。 車いす 車いす付属品 特殊寝台 特殊寝台付属品 床ずれ防止用具 体位変換器 移動用リフト(つり具の部分を除く) 認知症老人徘徊感知機器 自動排泄処理装置 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 原則として、要支援1・2、要介護1の人は「手すり」「スロープ」「歩行器」「歩行補助杖」以外は利用できません。 また、要支援1・2、要介護1・2・3の人は「自動排泄処理装置」は利用できません。 これらの用具を利用する状態が想定しづらいからです。 利用料金は、所得によって異なりますが、費用の1〜3割です。 介護度に応じた支給限度額が決まっているため、その額の中で必要に応じて貸与します。 特定福祉用具販売(6品目) 購入する福祉用具は以下の6品です。 腰掛便座 自動排泄処理装置の交換可能部品 排泄予測支援機器 簡易浴槽 移動用リフトのつり具の部分 入浴補助具 特定福祉用具販売は、1年間で購入できる金額は10万円までと決まっています。 そのうちの自己負担分は、所得によりことなりますが、1~3万円です。 1度全額負担支払う必要があり、手続き後に自己負担分以外が返ってきます。 10万円を超えると、超えた分は自己負担になりますので、注意してください。 福祉用具を取り入れるポイントは? 福祉用具を取り入れるポイントは、「福祉用具を使って、利用者の生活の質が上がっているか」です。 福祉用具は、「日常生活の便宜を図ったり機能訓練のための用具で介護保険の給付対象」とされているからです。 福祉用具を取り入れることで、状態が悪くなったり、過ごしにくくなってしまっては、意味がありません。 例えば、歩行が不安定になったからといって、杖を取り入れるのが一概に正しいとはいえません。 認知面の低下が強い利用者に杖を取り入れても、正しく使用するのは難しくなります。 杖を自分の足に引っかけるなど、かえって転倒リスクが高まってしまうのです。 転倒すると痛みが出たり、場合によっては骨折してしまい、生活の質が低下してしまいます。 福祉用具が利用者の生活のさまたげになっていないか、質が上がっているか必ず確認してください。 また、現在の利用者の状態に合っているかをチェックするのも大切です。 例えば、現在は車いすを自走できるのに、先を見据えて介助式の車いすを選んだとします。 これは利用者のできる力を奪ってしまうため、間違った選択です。 自立どころか、介護が必要な状態になってしまいます。 逆もしかりで、現在の能力では扱うのが難しい福祉用具を選択するのは避けましょう。 このため、状態に合わせて福祉用具を選ぶことが大切なのです。 細かく利用者の状態を評価して、必要な福祉用具を検討する必要があります。 また、福祉用具は、以下の点をおさえると、取り入れやすくなります。 利用者や家族のニーズを確認する。 利用者のアセスメント(課題を分析して、要望をくみ取ること)をしっかり行う。 可能な場合は即決せずに、福祉用具を試用する。 (できれば、特定福祉用具は実物をみる) 本人にも介護者にも使いやすいものを選ぶ。 リハビリ職や福祉用具事業所の職員から助言をもらう。 また、継続して長く使うものは「特定福祉用具販売」を、体の状態に合わせて定期的に交換の検討が必要なものは「福祉用具貸与」がおすすめです。 福祉用具購入は費用面で負担が大きくなったり、返却ができないため状態が変わった時に使い道がなく、困ることがあります。 大きいものやメンテナンスが必要なものは、「福祉用具貸与」がおすすめです。 場所をとるような大きなものだと、必要なくなった時に撤去するのに大変です。 メンテナンスは定期的に行う必要がありますし、専門的な知識や道具が必要なことがあります。 福祉用具を利用するには? 福祉用具を利用するためには、手続きを行う必要があります。 手続きなどの流れを守らなければ、福祉用具を利用できないからです。 福祉用具を利用するためには、「ケアプラン」などの計画書が必要になります。 福祉用具を利用するための手続きの流れを紹介します。 ① 利用者がケアマネに「福祉用具利用希望」を申し出る。 ② ケアマネが「ケアプラン」を作成、利用者に同意を得る。 ③ ケアマネが福祉用具事業所に依頼する。 ④ 福祉用具事業所は「福祉用具サービス計画書」を作成し、利用者に同意を得る。 ⑤ 福祉用具事業所は「福祉用具」を選定。利用者と契約後、サービス開始。 ⑥ 福祉用具事業所はモニタリングを行い、ケアマネに報告する。 まとめ ここまで、福祉用具を取り入れるポイントや流れについて、紹介してきました。 福祉用具には、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」がある。 「福祉用具貸与」には13品目あり、要介護認定を受けた人すべてが使えるわけではない。 「特定福祉用具販売」は6品目あり、1年間で購入できるのは10万円まで。 福祉用具を取り入れるポイントは、「利用者の生活の質が上がっているか」をみること。 現在の状態に合った福祉用具を取り入れる。 利用者や家族のニーズを把握し、アセスメントを行い、状態を把握する。 可能な場合は、福祉用具を日常生活で試用させてもらう。 使いやすい福祉用具を選ぶ。 プロの職種からアドバイスをもらう。 福祉用具を利用するためには、ケアプランなど計画書が必要。 ぜひ、福祉用具を取り入れるポイントを押さえましょう。 ぴったりな福祉用具を利用者や家族に、自信を持ってすすめられるからです。 利用者に合った福祉用具を選べば、利用者のできることが増え、自立を促すことができます。 福祉用具を取り入れるポイントを必ず押さえて、ぴったりな福祉用具を選びましょう。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ケアマネジャーは利用者のサービス調整だけではなく、適切なケアマネジメントをするためにも、 ケアマネジャー自身のスケジューリングを意識しなければなりません。 ここでは、ケアマネジャーのスケジュール管理におすすめなケアマネ手帳について紹介します。 ケアマネジャーの月間業務 ケアマネジャーの月間業務は、利用者宅の訪問や各事業所とのサービス調整のほか、事業所の規模や委託業務などに応じ請求業務や書類作成の事務作業サービスを行ったり、認定調査認定調査などの業務調整が必要です。 ケアマネジャーの主な月間業務は以下のものがあります。 ・給付管理、請求業務 ・モニタリング訪問 ・担当者会議の開催 ・認定調査の実施 ・研修、定例会議の実施 ・利用票、サービス提供票の交付 上旬は「実績管理」などに追われることが多いです。 ケアマネジャーの月初め サービス提供票との実績管理や給付管理票と居宅介護給付費の作成といった請求業務を行います。 居宅介護給付費の請求書と給付管理票は、10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に電送しなければなりません。 月初めでも新規相談や急なサービス調整、その他のケアマネジメントのプロセスをこなしていかなければいけないため、慌てて誤請求などがないように月初めから10日までのスケジュールを管理しながら請求業務を行うことが大切です。 中旬からのモニタリング訪問スケジュール 給付管理業務が一段落した中旬からは利用者宅へのモニタリング訪問や担当者会議を行います。 認定結果やモニタリングに応じて再アセスメントを実施しサービス調整が必要になる時期でもあり、サービス担当者会議などの開催のためサービス事業所と日程設定する必要があります。 担当者会議は参加者のスケジュールを確認しつつ、開催時期を設定できるよう余裕をもって開催時期を設定することが望ましいでしょう。 モニタリングは要介護の利用者に対しては最低月1回のモニタリング訪問が義務づけられています。 利用者のサービスや受診日、家族の就労スタイルなどにも配慮し、早めにアポイントをとることを心がけることが大切です。 認定調査や研修・地域連携の活動 市町村から認定調査の委託業務を受けている場合、提出期限に留意しスケジュールを組まなければなりません。 特定事業所の算定をしている場合、利用者の情報やサービス提供上の留意事項などの伝達を目的とした会議をおおむね週1回以上、定期的に開催しなければなりません。 また、介護支援専門員に対し、計画的な研修の実施や地域包括支援センターが主催する事例検討会や、他の法人が運営する居宅介護支援事業所と共同で事例検討会や研修などを行う必要性があります。 その他にも現任者向けの研修をはじめ、ケアマネジャーの資格を更新するための更新研修や管理者要件である主任ケアマネジャーの資格習得、更新研修など研修受講の必要性があるため、年間スケジュールを管理することが必要です。 下旬のサービス 下旬にはサービス利用票・提供票を作成し、利用者と各サービス事業者に交付します。 地域包括支援センターから介護予防支援事業の受託をしている場合、地域包括支援センターが給付管理業務を行うための情報提供も必要です。 また、翌月の介護認定更新の手続き準備や、ケアプランの短期目標期間にも留意して次月のスケジュールを調整することも大切です。 おすすめのケアマネ手帳 第一法規 ケアマネスマートダイアリー2023 監修 特定非営利活動法人 千葉県介護支援専門員協議会 A5版/216頁/定価1,430円(本体1,300円+税10%) ケアマネ手帳はレイアウトや利便性を追求したデザインで、介護保険制度に伴う法令・通知・資料など、最新の介護報酬改定にも対応しています。 予定管理に役立つほか、訪問先での資料も収録されていたり、手帳によっては専用WEBサイトにダウンロードが可能な関連通知などの資料が掲載されていたりするので確認しながら業務が行えます。 薄くて軽く他資料などと鞄に持ち合わせても支障がなく、記載欄も大きく使いやすいため、現場のケアマネ必須の頼れる手帳です。 年間・月間・週間カレンダー部分はシンプルに使いやすさを追求しておりタスク管理が出来るようになっています。 ダイアリー巻末資料一覧 ・2023(令和5)年用 年齢早見表 ・令和3年度から令和5年度までの間の地域区分の適用地域 ・介護保険で利用することができる主なサービスと単位数 ・高齢者の日常生活自立度判定基準 (障害高齢者の日常生活自立度判定基準、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準) ・身体各部の名称と骨・関節の名称 ・検査項目の説明と基準値 ・私の社会資源(関係機関連絡先) 参照::ケアマネスマートダイアリー2023 中央法規 ケアマネジャー手帳2023 監修 高村成幸/編集 ケアマネジャー編集部 A5版/272頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%) 中央法規出版のケアマネジャー手帳は書き込みやすさにこだわり、使いやすいデザインで時間管理のサポートがあります。 また、いざ記載の際にペンを探すなんて事がない「ペンホルダー」付きなこともうれしいポイントです。 ケアマネジャーの質問力の著者で地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと「新しい福祉の人材育成」を掲げて活躍をしている高室氏、ケアマネジャー編集部が総力を結集してつくったケアマネ専用手帳のため、使える情報が満載の「便利帳」もついています。 便利帳 ・高室の目 ・介護保険制度 ・介護報酬算定 ・関連する制度等 ・ICTを活用したケアマネジメント ・多職種連携の必須資料 ・介護報酬の概要 ・アドレス帳 参照:ケアマネジャー・介護職 手帳2023 | 特集 | 中央法規出版 ユーキャンのケア実用手帳2023年版 著/文/編集 ユーキャン学び出版ケア実用手帳研究会 A5版/272頁/定価1,628円(本体1,480円+税10%) ユーキャンの介護職従事者向け手帳といえば、全国主要書店売上合計16年連続NO.1の実績があります。 現職ケアマネさんと共同開発ならではの工夫が満載なうえ、中面は目に優しいグリーンを基調に見やすく、表紙デザインもテキスタイル調の地に北欧風の一枚絵をあしらっておりデザインにもこだわっています。 年齢早見表は裏面の利用者向け介護保険利用フロー図が記載されており、制度の説明や厚紙製のため、押印の下じきにもなって契約の時に便利です。 今年はお客様の声をもとに以下も改善されています。 改善ポイント より軽い紙を採用 より開く製本形式に変更 ビニールカバーに「ペンホルダー」と「しおりタグ」 カラー巻頭(特集) ・介護制度改正情報 ・高齢者施設の種類 ・日常生活自立度判定基準 ・人体部位名称 ・医療的ケア ・介護/医療保険の給付対象区分 ・16種類の特定疾病 ・検査値 ・権利擁護 ・請求前チェック項目など 参照:2023年版 ユーキャンのケア実用手帳 スケジュール管理のポイントと訪問先での活用 ケアマネジャーの業務は利用者との面談以外に多くの事務作業をこなさなくてはいけません。 スケジュールを組んでいても、高齢者は体調の不良などで急遽のサービス調整が必要になることもあり、日々飛び込んでくる業務に必要な事務作業時間を確保することが大切です。 まとめ ケアマネジャーは予定外の業務に追われることが多く、タスク管理などで全ての業務を可視化しスケジュール調整を出来るようにすることが必要です。 また、訪問や担当者会議などの記録作成が出来る時間を確保するなどの仕事の抱え込みすぎを防ぐことが重要です。 ケアマネ手帳で自分のすべき「今」を把握し、効果的に物事をすすめる時間管理こそ仕事を支配する第一歩ですので、活用してみてはいかがでしょうか? 最後までお読みいただきましてありがとうございました。
デイサービスには、一日のスケジュールの中にレクリエーションが組み込まれています。 レクリエーションは、ご利用者様の楽しみの一つでもあります。 また、身体機能の維持向上や認知症予防、QOL(生活の質)の向上、ストレス発散や精神安定など、さまざま効果が期待されるものです。今回はデイサービスでよく実施されるレクリエーションを紹介いたします。 デイサービスでのレクリエーション準備 まずは挨拶をしましょう。 声を出すことで意欲向上を測れ、やる気アップにつながります。そしてその日に行うレクリエーションの説明をしましょう。 内容によって、参加するかしないかを決められる方もいらっしゃいます。 急にレクリエーションを始めてしまうと、けがや事故につながりかねません。 ゆっくりと深呼吸をして、準備体操をしましょう。 また、朝のバイタルが安定しない方など、健康状態も把握しておきましょう。 デイサービスでのレクリエーション掴み! レクリエーションでいまいち盛り上がらなかったり、途中で席をたたれたりされることのないよう『心をつかむ』事ができると、ご利用者様もスタッフも楽しくレクリエーションに入ることができます。 笑いを取りに行く!という強者スタッフさんもいらっしゃいますが、写真を見ていただいたり(最近いった場所や、赤ちゃんや子供の写真季節の風景やおいしそうな食べ物等)すると場が和み緊張感が解けリラックス出来た状態でレクリエーションに入ることができるのでおすすめです。 アイスブレイクともいいます。 楽しい雰囲気作りも心がけましょう。 デイサービスでの定番レクリエーション7選 ここではデーサービスで良く行われるレクリエーションを7選ご紹介します。 ①お手玉入れ 中心に置いた箱の周りを円で囲むようにみんなで座り、制限時間内に多く入ったチームの勝ちです。運動会の玉入れと同じ要領です。 ②歌 歌詞カードをあらかじめ作成して高齢者に人気の歌をながしてみんなで歌います。 カラオケとは違い、一人で歌うのは苦手な方や、歌うより聞きたい方、意思疎通の測れない方でも参加できます。 ③カラオケ デイサービスにマイクは結構な確率であると思います。 テレビにつないで出来るので準備もさほどいりません。 ④風船バレー 椅子に座っていても出来る高さにネットをかけ、チーム対抗で戦います。 チーム戦にすることでやる気が出ます。 ネットがない場合は床に線があるだけでもいいです。 ⑤紐通しリレー やわらかい紐に飾りつけしたトイレットペーパーの芯を用意し、対面でチームが向かい合って横に並び、横一列に長い一本の紐を伸ばします。 先頭の人がトイレットペーパーの芯をいれ、隣の人に渡します。 先に最後の人までトイレットペーパーの芯を通して運べたチームの勝ちです。 対面に相手チームの進行状況が見えるため、とても白熱した戦いになります。 ⑥棒体操 棒の代わりにタオルでもかまいません。 スタッフの体操を見ながら真似して背中や方、普段使わない筋肉も伸ばしていきましょう。 ⑦リズム体操 音楽に合わせてリズミカルに体操をします。 デイサービスによっては曲を決めてオリジナルの体操を行っているところもあります。 オリジナルの振り付けをスタッフやご利用者様で考えながら作るのも楽しみの一つになりそうです。 デイサービスでの道具を使わないレクリエーション ほんの数分の空き時間でも、レクリエーションはできます。 集団のみではなく個人で出来る楽しいレクリエーションも沢山あります。 ①パタカラ体操 『パタカラ』をつかって発声練習をします。 食事前に行うと唾液分泌を良くし、飲み込む力の弱い高齢者の誤嚥を防ぐ効果もあります。 また、発声の練習にもなります。 ②ハンドマッサージ 手にはたくさんのツボがあります。ツボを刺激することで 感覚を養ったり、リラックス効果などを得られスタッフとのコミュニケーションにもなったり、ゆっくり話す機会を作ることもでき、ご利用者様に安心感を持っていただけます。 普段聞けない話が聞けたりするので、スタッフとの信頼関係も築く事ができます。 ③なぞなぞ 考えることで、認知症予防にもつながります。 解けた時の達成感はやる気にもなることでしょう。 ④チーム対抗ジェスチャーゲーム お題を先頭のご利用者様に伝え最後のご利用者様までジェスチャーのみで伝えていき、最後にお互いで答え合わせをします。 間にスタッフも入ることで更に盛り上がります。 一人一人伝えていくので、肩をたたかれるまでは各自後ろを向いて待ちます。 座って出来るレクリエーション 利用者の方には椅子から立ちああることが難しい方も多くいらっしゃいます。 そのため、椅子に座ったままできるレクリエーションも用意しておくようにしましょう。 ①体操 高齢者向けの体操は基本的にゆっくりなので足踏みなども座ったまま行える体操がよいでしょう。 ラジオ体操座ったまま行うことが可能ですし、インターネットで調べれば座ったままできる体操を数多く見つけることができます。 ②ボウリング 椅子に座ったままボールを転がします。 対応戦にすると盛り上がるかもしれません。 ③折り紙 出来たら作品として飾ることも出来ます。 ピョンピョン跳ねるカエルを折って誰が一番遠くに跳ねるか競うことも面白いのではないでしょうか。 ④じゃんけん大会 スタッフが前にたち、全員でじゃんけんをします。 勝った人だけ残りまたじゃんけんを繰り返して最後まで勝ち残った人が優勝です。 ⑤おはじき ご利用者様が懐かしがられますし、認知症療法にもなります。 その他にも昔懐かしい遊びをとりいれてみるのもよいでしょう。 ⑥トランプ スタッフも入って、ババ抜きや七並べを楽しみます。 新しくわかりやすいトランプゲームを教えてあげるのもよいでしょう。 ⑦塗り絵 季節の塗り絵をし、完成品は飾ったり持って帰ってご家族様に見せると喜ばれます。 また、作品として展示するのもご利用者様のやる気につながります。 ホワイトボードでレクリエーション 頭を使って脳トレをしよう!ホワイトボードを使って、計算式を書いて答えてもらいます。 難しい漢字を書いて答えてもらうことも脳の活性化になります。 魚の漢字や、花の漢字は頭を使って想像力も必要とするのでお勧めです。 (例・紫陽花→アジサイ。 海月→クラゲ。 海驢→あしか など また、47都道府県を出し合ったりするのも人気です。 レクリエーションのメリット デイサービスでレクリエーションをすることには数々のメリットがあります。 ▶脳が活性化され、認知症予防にも 考えたり、笑ったり、体を動かしたり、懐かしんだりとレクリエーションを行うことで認知症予防につながります。 特に回想法といって、昔を懐かしむ事で脳内の記憶を呼び覚まし認知症予防や進行防止につながるとされています。 積極的に参加しましょう。 ▶身体機能(ADI)の向上。維持。 高齢者の方は、何もしないと身体機能が著しく低下し、寝たきりや歩行困難等生活に支障をきたす場合も少なくありません。 レクリエーションに関わらずどんなこともご自分でしていただく事が大切です。 レクリエーションを通して筋肉や脳に刺激を送り、体を動かすことを積極的に行うことで、身体機能の維持・向上を測りご利用者様の生活を守ることにもつながります。 ▶生活の質(QOI)が高くなる レクリエーションを通して、『楽しみ』や『喜び』を引き出すことで笑顔になり、人間らしく生きる幸せを感じられることにより、生活の質(QOL)を向上させます。 人はこのような事を感じなくなると、生活の質が落ち、何事にも喜べなくなり、うつ病などの精神疾患や、認知症を引き起こす原因にもなりかねません。 生き生きと生きること。笑顔になることを引き出せるようなレクリエーションを心がけましょう。 ▶コミュニケーションの場となり、精神面での安定をはかれる 人と話したり、笑ったり、理解してもらったり、達成感を味わったりすることで社会とのつながりを持て、孤独感が軽減し、ストレスの発散にもなり精神の安定にもつながります。 ご近所さんとの付き合いも年々減ってしまっているので、デイサービスに来る時しか人と話さないご利用者様も増えてきています。 また核家族が主流となり、独居生活の方も多くいらっしゃいます。 話すだけでなく手を握ったり、目をしっかり見つめたり一歩踏み込んだコミュニケーションも大切になります。 レクリエーションを行う際の注意点 ご利用者様一人一人の性格や身体機能、認知症や麻痺の有無等はあらかじめ把握しておきましょう。 自尊心を傷つけたり、不快にさせることのないように配慮しましょう。 大きな声ではきはきとしゃべりましょう。 車いす上でレクリエーションに参加する場合は、必ずフットレストを下げ両方の足の裏が床につけ、ブレーキがかかっているのを確認しましょう。 周囲の人に手などが当たらないか確認しましょう。 転倒や転落等、くれぐれも事故のないように注意しましょう。 スタッフも楽しみましょう。ご利用者様もスタッフと一緒に楽しめるほうが喜ばれます。 デイサービスでのレクリエーションはご利用者様の楽しみの一つ。 デイサービスは、毎日通っている方から週に一日だけのかたもいらっしゃいます。 スタッフやご利用者様とお話するのも楽しみにしていらっしゃる方も多いです。 少しでも多くの笑顔と喜びを引き出し、満足していただけるようにレクリエーションを工夫しましょう。 デイサービスでのレクリエーションまとめ 様々なメリットが得られるレクリエーションを紹介しました。 デイサービスには、さまざまな疾患や病気、身体機能の差があり、平等に全ての人が同じ満足感を得ることは難しいのも事実です。 そんな時は二つのレクリエーションを行うことも対策の一つです。 体を動かすチームと塗り絵など作業を行うチームと別れて行ったり、午前と午後で内容を変えてみるのも方法の一つです。 中には個人で静かに絵を描きたいという方もいらっしゃいます。 無理強いはせず、それぞれのご利用者様のニーズにあった、臨機応変な対応をすることも大事です。 介護現場は人手不足で大変なお仕事だとは思いますが、いくつになっても人間が人間らしく生きるために、楽しみや喜びの多いレクリエーションを行うことは重要です。 スタッフも一社に楽しめるレクリエーションを提供できるように心がけましょう。
街中でデイサービスの送迎車を見かけることはありませんか? デイサービスの送迎の仕事はどんな仕事なのか、と、気になっている方もいるのではないでしょうか?今回はデイサービスの送迎についてお伝えします。 デイサービスとは? デイサービスとは日帰りの介護保険サービスです。 朝、送迎車がお迎えに来て施設で1日過ごし、夕方には送迎車でお家に帰ってきます。 デイサービスの目的は主に食事、入浴、運動です。 デイサービスはご利用される高齢者の方の心身機能を保持または向上することと、ご家族の方の介護負担を軽減することが目的とされています。 ご利用者様が安心してデイサービスに来ていただくためにも、送迎業務は大切な役割になります。 またご利用者様を送迎するだけではなく、ご利用者様やご家族様とコミュニケーションを取ることができる大切な時間です。ご利用者様の近況やご家族様の悩みなどの情報収集もサービスを向上するためには必要になります。 ご利用者様やご家族様と信頼関係を築くことによって、良いサービスを築くことができます。 デイサービスの送迎業務とは? では、デイサービスの送迎の仕事とはどのようなものなのか、詳しくご紹介していきます。 ①デイサービスの送迎業務の仕事 ・朝はご利用者様のご自宅へお迎え、夕方にご利用者様をご自宅へお送りする。・乗車時のご利用者様の介助。・ご自宅へ行った際、ご家族様やご利用者様とのコミュニケーション。・ご利用者様が乗車中、ご利用者様とのコミュニケーション。・送迎車両の車両点検や管理、清掃。・送迎車両の給油。 上記以外にも送迎ルートの作成や送迎車や施設内の清掃をお願いする施設もあります。 業務内容については施設によって異なりますので、具体的にどのような業務内容か事前に確認することが必要です。 ②送迎ドライバーの必要な資格について デイサービスの送迎ドライバーは、普通自動車第一種運転免許が必要となります。 バスなどで送迎を行うデイサービスは、中型や大型自動車免許が必要です。 しかし、デイサービスはバスで送迎することは稀であり、普通自動車第一種運転免許があれば業務を行うことができます。また、デイサービスでの送迎業務は車で送迎するだけではなく、ご利用者様の介護も必要となる場合もあります。 送迎業務は介護の資格がなくても働くことはできますが、ご利用者様が安心してご利用していただくためにもヘルパー2級などの資格を取得することも大切です。 ③送迎業務で介護を行うことがあるのか? デイサービスをご利用されるご利用者様は、ご自身で歩かれる方など自立させている方だけではありません。 お身体の状態によって、歩行時に手引きで介助をすることや車椅子を操作する介助も求められることもあります。 また、ご自宅内でベッドまでの移乗介護を求められるケースもあります。 手引き介助の方法や車椅子の操作を知ることも大切です。 知らない状態で対応すると事故を起こす危険があります。 何も知らされない状態で送迎をお願いすることはありませんが、介助方法について事前に把握をすることは必要です。 ④送迎車はどのような車を運転するのか? デイサービスの送迎車は主に、軽自動車、ワンボックスカー、ハイエースクラスです。 車椅子が乗車できるよう福祉車両になっているため、操作方法を把握することが必要です。 各車両や車種によって取り扱いの方法は違います。 取り扱いを間違えると、ご利用者様が乗り降りする際に、事故の危険もあります。 そのため、正しい使用方法を覚えることは大切です。 ⑤送迎ドライバーの勤務時間について 送迎ドライバーの勤務時間については施設運営時間によって異なりますが、大まかに2種類です。1日勤務の日勤業務とスポット勤務として午前中2時間程度、午後2時間程度の送迎時間の業務があります。 例)1)8時30分〜17時30分の日勤業務。2)8時〜10時、16時〜18時の4時間勤務。 勤務時間が日勤業務として募集しているデイサービスは、送迎業務の他にも業務を求められていますので、事前に業務内容を確認することがおすすめです。 施設によっては午前中のみや午後のみの送迎を募集していることもあります。 募集している勤務の時間帯によっては、本業の空き時間として働くこともできます。 ⑥送迎範囲、どのようなルートで送迎するのか? 送迎範囲は施設によって送迎範囲が異なりますが、主に片道10km圏内(30分以内)の範囲で送迎をします。 原則としてはご自宅と施設間の送迎になります。 送迎につきましては、デイサービスでは1人ずつ送迎する訳ではありません。 車種によりますが、軽自動車では1〜3名のご利用者様の送迎を行います。 またハイエースなどの車両だと、3〜7名のご利用者様の送迎になることも多いです。 デイサービスにお越しになる1日のご利用者様の人数にもよりますが、1日の定員が50名以上のデイサービスだと2便制で送迎をするケースもあります。 送迎ルートは基本的には同じ町内などご利用者様同士のご自宅が近い方を中心に送迎ルートを組みます。デイサービスは毎日見えるご利用者様が固定されているため、送迎ルートも固定されてきます。ただ、新規でご利用者様が増えた際やお休みになった際などで送迎ルートが変更になる時もあります。 事前に余裕を持って送迎ルートを把握することが大切です。 デイサービスの送迎業務の注意点は? [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] デイサービスの送迎業務として注意する点は下記になります。 1)安全運転で安全安心の送迎をする。 事故を起こさないよう、安全運転することは当たり前です。 しかし送り迎えする際、ご利用者様の自宅に伺う時間帯はスケジュールが決まっています。交通状況やお迎えに行ったご利用者様が準備できていない場合、時間が掛かったなどのトラブルによってスケジュールが乱れてしまうことがあります。 すると、次のご利用者様の自宅に伺うのに間に合わなくなってしまい。焦ってしまうことがあるかもしれません。 特にヘルパーさんのお迎え送り出しでの配置やご家族様が仕事に出かける為、送迎時間を指定されるケースもあります。 ギリギリの時間に出発するのではなく、時間に余裕を持つことが大切です。 また、運転時は急発進や急ブレーキをしないよう安全に運転することも心がけるようにしましょう。特に車椅子で乗車されているご利用者様は、後部座席で乗車している以上に車の揺れや動きを敏感に感じます。 ちょっとした車の揺れでも怖い思いをすることも多いです。 ただ体感しないと恐怖感はわからないこともありますので、実際にご自身で車椅子に乗って車に乗車してみるのもよいでしょう。 送迎車は施設名が入っていることがあり、施設の看板として地域の方にみられています。 法定速度や車線変更、黄色信号での停車など安全に配慮した運転が必要です。 危険な運転をすることによって、施設に対する印象が悪くなります。 もちろん乗車しているご利用者様にも怖い思いをしてしまいます。 運転状況によっては、直接施設へクレームの電話をいただくこともあるので、より慎重な運転を心掛けることが必要です。 2)ご自宅、デイサービスから送迎車までの乗降車時、ご利用者様の転倒に注意する。 ご自身で歩けるご利用者様だからといって、距離感を空けて誘導すると目を離したタイミングで転んでしまう危険があります。ご自宅から送迎車から施設への移動する間は、必ずご利用者様の近くで見守りながら誘導することが大事です。近くで見守りすることによって、ふらついたり転びそうになった時にフォローできる距離感がポイントです。 どんなに自立していてもどこで転ぶのかというリスクはいつもあります。 ご利用者様が安全にデイサービスをご利用していただくためには、転倒に注意することが大切です。 3)福祉車両の使い方を覚える。 福祉車両は、車椅子も乗車できます。 軽自動車なら車椅子1台分、ハイエースなら2台の車椅子が乗車可能です。 安全に車椅子で乗車していただくためにも、使い方を覚えることは必要です。 4)挨拶と身だしなみを忘れずに ご利用者様のご自宅へ送迎する際、ご利用者様やご家族様への挨拶ははっきり元気良く対応することが大切です。 また服装などの身だしなみも清潔感がある姿も大切です。 送迎ドライバーは施設の顔でもあります。 挨拶ができない、暗い表情で対応する、服装が乱れているなどがあると、ご利用者様やご家族様から良くない印象を受けます。 送迎ドライバーの印象が良くないと、施設への印象も悪くなります。 施設の顔として元気良く清潔感ある姿が大切です。 5)送迎時は、運転免許証と携帯電話の所持をする。 当たり前ではありますが、道路交通法では運転時は運転免許証を持っていることが義務付けられています。 また送迎中、ご利用者様の自宅に時間通りに間に合わないことなどトラブルが発生した際に携帯電話を使用することがあります。 送迎に出る前に、運転免許証と携帯電話を所持しているか確認が必要です。 6)前日のアルコールが残っていないか気をつける。 送迎業務をすることによって、前日のアルコールが残っていないか気をつけることが必要です。 ドライバーとして最低限のルールです。 アルコールの分解は体質などから個人差がありますが、一般的に体重60kgの人がビール500mlを飲酒した際、アルコールを分解するには3〜4時間が必要だと言われています。 勤務前日のアルコールの取り方も気をつけないといけませんが、睡眠時間もしっかりとることが大切です。 まとめ いかがでしたでしょうか、デイサービスの送迎業務についてお伝えしました。 ・デイサービスの送迎業務は、ご利用者様の自宅の送り迎えをする仕事である。・普通自動車第一種運転免許が必要である。・福祉車両の使い方を覚える必要がある。・勤務時間は1日勤務やお迎えの朝とお送りの夕の2部制と施設によって異なる。・送迎だけではなく、ご利用者様の介護することも必要である。・送迎車は施設の看板として地域の方にみられているので、いつも以上に安全運転が必要である。・送迎ドライバーは施設の顔でもあるので、挨拶は元気良く、身だしなみは清潔感ある姿が大切である。 最後まで読んでいただきありがとうございます。
高齢化率が上昇している日本において、ケアマネの役割はますます重要になってきています。 2022年9月に総務省が発表した、日本の総人口における高齢者(65歳以上)の割合は29.1%です。 これはざっくり言うと10人に3人は高齢者ということです。 しかし、ケアマネの受験者数は年々減少しています。 これには「業務負担の増加」「やらなければならない業務が多く負担が大きい」「対価が低い」などの理由が挙げられます。 これらについて1つ1つ見ていきましょう。 ケアマネって何をする人? そもそもケアマネの業務には以下のようなものがあります。 ・状態の把握 ・課題の抽出 ・利用者、家族からの聞き取り ・ケアプランの作成 ・担当者会議の開催 ケアマネの業務を進める中で、他職種の専門的な意見を聞いたりすることも重要です。 リハビリが必要な利用者であれば理学療法士や作業療法士、または言語聴覚士といったリハビリの専門家、医療的なケアが必要であれば医師や看護師などです。 デイサービスや訪問介護、福祉用具等々それぞれの専門家に意見を募ることができれば、多角的な視点でより良いケアプランが作成できる可能性も高まります。 居宅と施設で違いがあるものの、どちらのケアマネもメイン業務は利用者の困りごとを解決していくことだといえます。 ただ、居宅ケアマネと施設ケアマネでは業務内容には違いがあります。 居宅ケアマネの業務 新たな利用者への居宅ケアマネの最初の仕事は、利用者宅を訪問して面談し、アセスメントを取ることです。 その上で、困りごとや課題を抽出し、ケアプランの原案を作成します。 そして担当者会議を開催といった流れがオーソドックスでしょう。 そこで出た意見を検討し、必要であればプランを修正、その後にモニタリング(当初のケアプランを継続してもよいか、それとも変更の必要があるかの確認・検討を行うこと)を行っていきます。 また、その他で居宅ケアマネで重要なことは「介護度に応じて設定されている『区分支給限度額(介護保険では介護度に応じて給付される上限額が決まっておりその限度額のこと)』を越えないように、月のサービス利用状況を把握すること」です。 限度額を超えると介護保険は利用できず、自費で支払いを行わなくてはならなくなってしまいますので、充分気を付けなくてはいけません。 施設ケアマネの業務 施設ケアマネは、その施設で過ごされる方のプランを作成します。 利用者宅の訪問がない他は、居宅ケアマネと流れは一緒です。 流れは一緒とはいえ、自宅と施設では環境面で大きな違いがあるため、同一の利用者の方でも在宅か施設課で大きくケアプランは変わってくるでしょう。 また、施設ケアマネは人手が足りないときには介護職の手伝いをしたり、夜勤に入ったりするというケースも見聞きします。 生活相談員のヘルプをしている施設もあります。 そういった中で、ケアプランを立案・作成し、担当者会議を開催していくことになります。 さらに毎月のモニタリング等々の業務があるというわけです。 ケアマネの担当件数は何件まで? これらの業務をこなしながら、ケアマネ一人当たりが受け持てる件数はどれくらいなのでしょうか。 居宅ケアマネについては、その事業所がICT(業務の効率化を図るためにコンピュータ技術を活用すること)を導入しているかどうかで変わってきます。 ・居宅ケアマネ(ICTを導入している場合)➡44件まで ・居宅ケアマネ(ICTを導入していない場合)➡39件まで ・施設ケアマネ➡99件まで ただし、上記を越える件数を受け持ってはいけないわけではありません。 1件当たりの報酬は減額されてしまいますが、受け持つこと自体は可能です。 なお、要支援の利用者は2件で要介護1件相当という計算になります。 ところで、居宅ケアマネと施設ケアマネで担当件数が大きく違うのはなぜでしょうか。 居宅ケアマネは、利用者の自宅はもちろんのこと、これから利用するかもしれないデイサービスの見学や、入院している利用者様の状態把握のために病院に行ったり、カンファレンスに呼ばれることもあります。 そのため、各事業所や役所、病院、地域包括支援センターなどの関係機関を訪問する機会も多く、面談や移動などにも多くの時間を割かなければなりません。 それに対し、施設ケアマネは多くの業務が施設内で完結できますので、その分、対応可能な件数も多く設定されています。 ケアマネの適正な担当件数は? 1人のケアマネで99人の利用者を受け持つことが可能なのでしょうか。 可能だとしても、それが利用者のためだといえるのでしょうか。 この点では疑問を感じざるを得ません。 それは居宅ケアマネでも施設ケアマネでも同様です。 1ヵ月の稼働時間の中で、39人ないし44人、もしくは100人の利用者を担当し、ケアプランを作成し、加えて担当者会議を行わなくてはいけません。 その他にも、入退院の調整が必要な場合もあるでしょうし、居宅ケアマネは要介護の方には訪問してモニタリングを行わなくてはなりません。 また、事業所の見学に行くこともあれば、家族と話し合うこともあるでしょう。 加えて研修があったり、管理者であれば事業所内での問題の解決にも当たる必要があります。 当然ケアマネとしては利用者の状態を把握していなければなりません。 つまり、常時40人以上の利用者の状態を把握しておくということですが、利用者ご本人からは大きな変化がないと連絡をくれないケースも多々あります。 それを考えると、担当件数ギリギリまで受け持つのは好ましいとはいえないでしょう。 ケアマネの担当件数は年々増加傾向 しかし、ケアマネ1人当たりの担当件数は年々増加傾向にあります。 担当可能件数ギリギリまで受け持つかどうかは、事業所の方針によるところも大きいので、ケアマネ業務を考えている方は必ず確認しておくとよいでしょう。 担当件数が増加しているのは次のような要因が考えられます。 ① 高齢者の増加 ② ケアマネが不足している ③ 待遇が改善されない 介護保険を利用する方が増加している昨今、ケアプランを作成するケアマネの人数も増加しなければ、1人当たりが受け持つ人数も増加していくのは必然です。 しかし、冒頭で触れたようにケアマネの受験者数は年々減少傾向です。 2018年には前年に比べて、なんと6割以上も受験者が減少するという衝撃的な数字でした。 ケアマネの報酬は適切なのか? この原因は、1つにはケアマネの業務内容と報酬が釣り合っていないからだと言われています。 介護職に対する処遇改善は進んでいますが、ケアマネについては責任の大きさの割にはそういった恩恵が少なく、待遇面に満足できないという方が多くいます。 一時期は介護職の待遇が社会的にも問題となっていましたが、今はケアマネの社会的な評価の低さが問題視されるようになってきています。 そのためケアマネを志す人も少なく、また現在ケアマネ業務に従事していても、離れて行ってしまう方も多くなってきています。 現在はケアマネの待遇改善を望む声も多くなりました。 まとめ 最後に今回の記事の要点をまとめます。 ・ケアマネの業務は多岐にわたるが、メインは利用者の困りごとを解決するケアプランを作成すること ・居宅と施設ではケアマネの業務には大きな違いがある ・ケアマネ1人当たりの担当件数は以下のとおり ① ICT活用居宅事業所は44件 ② ICT未活用居宅事業所は39件 ③ 施設ケアマネは99件 これ以上担当することも可能だが、1件当たりの報酬が減額される ・担当件数ギリギリまで受け持つと、業務が回らなくなる恐れがある ・ケアマネを志望する人は減少傾向 ・ケアマネの待遇改善が求められている ・実際に何人を受け持つかは、最終的には事業所の判断になる ケアマネは資格を取るにも、また更新時も長時間の研修が必要になります。 利用者・ご家族と向き合って問題を解決していくチームの中心者ともいうべき役割といえるでしょう。 責任が重い分、やりがいのある仕事です。 それだけに1人1人の利用者に丁寧に対応していくためにも、適切な担当件数で働ける事業所を選択するのも一つの手段です。 最後までお読みいただきありがとうございます。
やるべきことが多すぎて本来のケアマネジャーの仕事が出来ない!と思われているケアマネージャーは結構多いものです。 ケアマネジャーは介護保険制度内の他職種と対比した場合、サービス提供時間やサービス内容も明確にされていないのが現状です。 ここでは居宅ケアマネジャーを悩ませる業務について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)の本来の仕事内容とは? ケアマネジャーとは要介護・要支援の状態にある高齢者の心身状況に応じ、適切な介護サービスが利用できるようケアプランを作成し、市町村やサービス事業所や介護保険施設と連絡・調整を行う専門職です。 ケアマネジャーは居宅ケアマネジャー、施設ケアマネジャー、介護予防マネジメントの大きく3つに分別されます。 居宅ケアマネジャー 居宅ケアマネジャーは自宅で介護を受ける人を対象にケアプランを作成します。 サービス利用者の自宅を訪問して状況を確認し、利用者がスムーズにサービスを受けられるよう、関係各所との調整を行います。 施設ケアマネジャー 施設ケアマネジャーは介護老人福祉施設などに勤務し、入所者のケアプランを作成します。 施設ケアマネジャーは入居者の状態変化を把握しやすい反面、担当件数が居宅ケアマネジャーより多く各職種とのチームワークが必要となります。 介護予防ケアマネジメント(総合事業) 介護予防マネジメントとは、要支援の認定を受けた人が、要介護状態にならないようにサポートする取り組みです。 介護予防ケアマネジメントは地域包括支援センターが統括しており、委託を受けた居宅介護支援事業所でも行う事が出来ます。 ケアマネージャーの主な仕事内容 ケアマネージャーの主な仕事内容は、以下の通りです。 ・インテーク ・アセスメント(課題分析) ・ケアプランや各種書類の作成 ・月1回のモニタリング訪問 ・介護保険関係の手続き ・各事業所、医療機関とのやり取り ・請求業務(給付管理) ケアマネジャーはケアマネジメントを開始するにあたって、初回の顔合わせ(インテーク)を通じて、介護サービスやケアマネジャーの役割を利用者やその家族に伝え、契約を行います。 契約後、利用者や家族の意向を確認し、本人の身体状況や置かれている環境、介護保険外の支援などを分析し(アセスメント)総合的な援助方針を検討します。 ケアマネジャーの仕事には利用者の権利擁護やサービスの公平・中立性のほか、プライバシー保護などの倫理が求められます。 インフォーマルな社会資源の活用などを駆使し、利用者やその家族が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的な知識と技術が必要になります。 ケアマネジャーの主な仕事内容は業務範囲外になりやすい 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると65歳以上の者がいる世帯は、全世帯の約半分で単独世帯や夫婦のみ世帯が全体の過半数と、一人暮らしの高齢者は年々増加しています。 家族情景やケアマネジャーという職種の把握からか、担当ケアマネジャーが家族の役割を担うようになり、本来の業務ではない仕事が際限なく増えています。 主な仕事内容である「ケアマネジャーは月1回のモニタリング訪問をして必要時にケアプランを作成」「各関係機関とのやり取りや請求業務を行う」は、いわばやれて当たり前なのです。 ケアマネジャーの仕事がこれだけで済むのであれば平穏な日々を過ごせます。 ケアマネジャーを悩ませる業務外の仕事とは ケアマネジャーを悩ませる業務範囲外は突然やってきます。 高齢者は加齢に伴う生理的老化の進行によって臓器機能、自律神経、免疫機能等の低下、病気の併存などの身体的特徴が多く、複数の症状や病気を抱えがちです。 そのため、急変などのサービスの調整や業務範囲外の仕事が発生しやすくなります。 高齢者は退職による「職業や社会的立場の喪失」と併せ、身体面の老化といった心理的、肉体上の喪失体験も重なり精神的機能の低下により頑固になることが多々あります。 また、保守的傾向になる事が多く、町内会や自治会など、域コミュニティから孤立する高齢者も増えてきているのです。 そのため、問題が表面化されず突然、行政から連絡が入ることもあります。 居宅ケアマネジャーを悩ませる業務範囲外の仕事 ケアマネージャーに発生しがちな業務範囲外の仕事は以下のようなものがあります。 救急搬送や受診同行 ケアマネジャーは救急車への同乗や搬送先への同行を求められることがあります。 治療が必要な疾患や症状を放置している高齢者が急変することや、受診を拒むため受診予約にあわせた通院ができず訪問介護の通院介助などのサービス調整が難しい場合等、ケアマネジャー通院時の付き添いをすることは多く見られます。 親族が近くにいない、身寄りがないなどの場合、救急搬送はもちろん、病院の入院手続き入院時の必要物品準備などを医療機関から依頼されることもあり、一日のスケジュールが狂ってしまうこともあります。 近隣住民からの苦情対応 住居から悪臭や異臭を放っていたり、敷地外に大量のゴミや不用品が溢れ、近隣住民からケアマネジャーへ対応を求めてくる場合もあります。 ゴミの分別ができず、指定日にゴミを出さないなどと近隣とトラブルになっていたり、室内がゴミ屋敷で足の踏み場もないなんてこともあるのです。 65歳以上の高齢者の住宅火災による死者数は平成27年は611人で、全死者数に占める割合は66.8%と高くなっています。 本人は全く気にはしていなくても「火事になるのでは?」「どうして施設に入所させないんだ」などと近隣住民より不安を煽られることもあります。 地域から疎外され心を閉ざした高齢者の心を解きほぐすにはさらに時間を要し、訪問介護の生活援助も大掃除は出来ないため、介入出来る環境までを作るためにケアマネジャーが関わる場合があります。 金銭・財産管理の欠如 生活費のほとんどをアルコールやギャンブルに散財していたり、家賃や公共料金などが数カ月にわたり滞納している場合があります。 この場合でも、関係業者へケアマネジャーが対応することがあるのです。 生計の理解が乏しくなる反面、必要な支払いをしている家族がお金を盗んだと思い込む事や、必要な公共料金さえも「そんなものは払わなくていい」などと支払いを滞っている場合もあります。 そのため、居宅サービスの依頼をうけ、いざ訪問をしたら電気・ガス・水道などのライフラインが止まりそう、なんてこともよくあることです。 金銭管理ができないことや金銭感覚など、認知面や性格的な部分への介入や後見人制度の手続きを含め、ケアマネジャーが一役をかうことになるでしょう。 認知症への対応 認知症高齢者が行方不明になり家族や警察と認知症高齢者の捜索をしたり、消費者被害の対応をケアマネジャーがすることもあります。 行政からの必要書類が郵送されていても紛失している事があり、必要書類の再発行や郵便物の配達にあわせて訪問したり、仕分け等も必要時に応じて行なうことがあります。 知らないうちに電話勧誘販売や無料キャンペーンなどを強調し、初回以外や一定期間内に解約をしないことで料金が発生する無料商法などの消費者被害にあって多額の借金を背負っていたり、金銭を搾取されている場合があります。 また、ペットの飼育が出来なくなっていたり、野良猫などに餌をあたえ、猫屋敷になったまま放置されているなど、多頭飼育崩壊していることもあります。 ケアマネジャーが業務範囲外の仕事をする理由とは ケアマネジャーが業務範囲外の仕事をするのはケアマネの業務範囲が明確ではなく、利用者や家族の介護保険への理解、多職種や業種によるケアマネジャー本来の仕事に対して共通認識が出来ていないからです。 境界線を張り「ここまでは自分の仕事」として割り切ることを提言する行政や、上司なども多いですが要支援・要介護の高齢者を地域で支えていく仕組みの中で、ケアマネが足りない部分を補う非常に重要な役割を担っているのも現実です。 ケアマネの業務範囲外の仕事を断る対処法とは そもそもケアマネが業務範囲外の事を請け負う必要はありません。 利用者さんやその家族が困っているから、と、そのすべてを引き受けていたら、ケアマネが倒れてしまいます。 ケアマネの業務範囲外の事を頼まれたら適切に対応し、本来のケアマネの仕事をきちんとできるようにすることがとても重要です。 では、実際にケアマネの業務範囲外の仕事を頼まれたときにどう対処すればよいか、その方法についてご紹介します。 対応できない理由を利用者や家族に伝える そもそもケアマネージャーはなんでも屋ではありません。 できない理由を丁寧に伝えしっかりと断るようにしましょう。 そうすることでケアマネとしてやるべき本来の仕事が円滑にできるようになります。 そのくらい対応できる、と引き受けていると、頼まれる内容がどんどん増大になることが考えられます。 1人のケアマネージャーが業務外のことを行ってしまうと、他のケアマネージャーにも迷惑がかかってしまうこともありますので、毅然とした態度でお断りすることが重要です。 行政や管理者に相談する 利用者やその家族に業務範囲外の事を頼まれて困ってしまったら、まずは施設の管理者などに相談するようにしましょう。 もし、ここで対応するように言われたら、そこで働くことを検討することをおすすめします。 何にせよ、誰にも話さずに一人でなんとかしようとしては行けません。 利用者様や家族との信頼関係が壊れる、と悩む方もいるかもしれませんが、まずはケアマネとしての仕事がスムーズにできるようになることが重要です。 なにより、他の利用者様の対応がおろそかになってしまいます。 あまりにも悪質な場合は行政に相談しましょう。 まずは自分をきちんと守ってあげることが重要です。 まとめ ケアマネジャーは介護保険の基本理念である「利用者本位」を実現するうえで、各関係機関とのサービス調整を行う専門職です。 ケアマネジャーの業務は多岐にわたり、地域共生型社会の実現に向け、高齢者の支援にとどまらず、障害や児童のケアマネジメントにも目を向けて職域を広げる活動をしています。 本人らしい生活を支え、身近で相談しやすい存在であり、ときに人生の最終段階までの伴奏者となる対人援助の専門職であるからこそ、利用者の生活全般に関わる事になります。 そのため、時に制度のはざまにある人への支援として「なんでも屋」にならざる得ないのが現状です。 しかし、それだけ高齢者にとって重要な役割を担った職務であるといえます。
誰かの役に立ちたい」という想いからこの業界で働くことを選んだ方も多いのではないでしょうか。 本来、介護やケアマネの仕事は魅力に満ちあふれています。 しかし、その想いを保ち続けることは容易ではないこともまた事実です。 半面、メンタルダウンを上手に乗り越える人もいます。 また、介護職員は常に人手不足です。 特にケアマネージャーの仕事は人手不足が問題となっています。 今回の記事では、「ケアマネージャーや介護職の人手不足の原因」や「介護職員のモチベーションアップのコツ」を見ていきましょう。 ケアマネージャーの仕事内容 ケアマネージャーは「ケアマネ」と略されることがありますが、正式名称では「介護支援専門員」といいます。 ケアマネージャーの仕事は、要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成し、市町村やサービス事業者、本人、家族との連絡調整をする専門職です。 専門職であるため、ケアマネージャーになるには資格が必要です。 ケアマネージャーの資格の取得方法 ケアマネージャーの資格を取得するためには、指定業務を5年以上かつ900日以上経験するという条件をクリアし、試験に合格する必要があります。 ケアマネージャーの資格試験は年に1回10月に行われています。 主任ケアマネージャーとは ケアマネージャーの上位には主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)という職業があり、2021年3月施行の改正介護保険法では「居宅介護支援事業所の管理者は、原則主任ケアマネでなければならない」と改訂されています。 そのため、主任ケアマネージャーは現在とても重要視されています。 主任ケアマネージャーになるには特に資格試験があるわけではありません。 以下の条件を満たしたうえで、「主任介護支援専門員研修」を受講する必要があります。 専任のケアマネジャーとして勤務していた期間が、通算で5年(60カ月)以上である人 ケアマネジメントリーダー養成研修を修めた人で、さらに専任のケアマネジャーとして働いた期間が通算して3年(36か月)以上である人 主任介護支援専門員に準ずる者として、地域包括支援センターに配置されている人 ケアマネジャーの業務に関し十分な知識と経験を持っており、都道府県によって認められた人 ケアマネージャーが人手不足な理由 ケアマネージャーや主任ケアマネージャーは常に人手不足が問題となっています。 ケアマネージャーの人手不足が続いているには、以下の理由が考えられます。 資格取得が難しい ケアマネージャーの資格試験の合格率は10~20%程度を推移しています。 そのうえ、毎年受験者数も減ってきているのです。 受験者数が減ってきているのは、頑張って資格を取得しても給料などの待遇面がよくならないことが考えられます。 給料などの待遇面が悪い 令和3年現在、ケアマネージャーの平均年収は約410万円です。 介護職全体での給料平均は約380万円とされているので、年収としてみると30万円のアップになります。 しかし、全国的な年収で見ると決して高いといえる金額ではありません。 そのため、2019年には「介護職員等特定処遇改善加算」が実施されていますが、すべての事業所が対象ではないため、大きな改善にはいたってはいません。 介護職員のモチベーションを下げる要因 介護職員が増えない理由にはモチベーションを保つことができないことも挙げられています。 では、介護従事者のやる気が削られてしまうのか、要因を1つ1つ見ていきましょう。 給料が安い 介護業界で働いていると、他の業界に比べて待遇の悪さを感じる人が多いようです。 また、同じ介護業界でも介護職・相談員・ケアマネなどの職種によっても待遇に差があります。 夜勤がある施設の介護職は、夜勤手当がある分他の職種や夜勤なしの介護職(たとえばデイサービスの職員など)に比べると給与は若干良くなるでしょう。 また、同じ介護職でも勤め先によって待遇差が生じます。 当然ながら業績により賞与には差が出ますし、特養などの公的施設と有料老人ホームなどの民間施設では利用者が支払う利用料にも差があるので、当然といえば当然です。 しかし、国が介護士の処遇改善に乗り出してくれたこともあり、一昔前に比べれば介護士の給与は良くなってきていると言えます。 また、役職が上がれば責任も伴いますが、手当も上がります。 役職に就く見込みがあるのかどうかを見極めることも大切になってくるでしょう。 職場の人間関係がツラい 介護業界の魅力を半減させてしまう要素は、何も給与などの待遇面だけではありません。 人間関係も大きな要素になっています。 アンケートによっては、この人間関係が退職理由の1位になっているものもあるくらいです。 介護士やケアマネは1人で利用者のケアをすることはできません。 必然的に他の介護士や他職種と連携を取る場面が多くなってきます。 そこでの人間関係に問題がなければよいのですが、やはり何人か集まれば合わない人も出てくるのが世の常です。 仕事だからとお互いが割り切れればよいのですが、何かにつけて粗さがしをしてくる人はどの業界にもいるものです。 そういった人間関係がイヤで「職場を離れる」「介護を辞める」という声も聞きます。 でも、どの業界・どの職場にも、自分に合わない人は一定数いるもの。 上司に相談したり、うまくストレス解消をしながら、乗り越えていきましょう。 家族からのクレーム 近年よく耳にするようになった「カスタマーハラスメント」 介護業界も例外ではありません。 介護保険法でできることとできないことが決まっていますが、それに納得がいかずに利用者本人やご家族からもクレームになるのはよく聞くケースです。 また、最近では入所施設でコロナ禍で思うように面会できず、ご家族の知らない間にADLが低下していてクレームになるというケースも増えています。 それが常識の範囲内であればまだしも、度を越えたクレームに心をやられてしまう職員も少なくないようです。 カスハラは社会的にも問題になっています。 こういった問題に直面した場合は、迷わず上司に相談しましょう。 人手不足など職場の体制 ご存知のように、介護業界では多くの事業所が人手不足です。 その中を、今いる人手でなんとかやりくりしているのが現状です。 そうした中で、さらに辞める人が出てくると、残った職員にしわ寄せが行ってしまいます。 夜勤に月10回前後入るとか、休日出勤する人もいます。 どこの事業所も必死に募集をかけており、派遣や紹介会社を活用して、人員確保に東奔西走しています。 しかし、身体が資本ですのであまりに長い間改善されないのであれば、自分の身体を第一に考えた選択肢を視野に入れてもいいのではないでしょうか。 実地検査・行政指導 筆者の知り合いのケアマネでは実地指導がイヤで、ケアマネ業務を離れた人もいます。 いわく「休日返上で利用者やご家族の要望に応えようと頑張っているのに、実地検査ではかなり厳しく細かいところまで追及された。微々たるものだが返還も発生してしまった。今までの頑張りを否定された気分になった」とのことでした。 普段から定められたことを守って業務ができていればまったく問題ありませんが、時には気付かずに業務を進行してしまうこともあるでしょう。 複数の目で定期的に確認しながら業務を進めていくことが大切ですね。 事業所の理念に不満 法人や事業所の理念・考え方についていけずに退職をするケースもあります。 人手不足なのに職員が入る前にどんどん新規利用者を獲得したり、現場の声に耳を傾けてくれない決定ばかりだと「やっぱり経営陣は何もわかってくれない」と愛想を尽かしてしまう方が多くいます。 ろくに休みも取れずに働いているのに労いの言葉がなかったりすれば、そうなってしまうのも仕方ないと言えるかもしれません。 モチベーションが低下した時の対処法 これまで見てきたような不満が溜まりに溜まってしまい、やる気を失くしてしまう職員は多いものです。 それでは、どのようにモチベーションアップを図ればよいのでしょうか。 いくつかの方法をご紹介します。 研修に参加する 研修に参加する本来の目的は知識やスキルをアップさせることですが、「知識よりもモチベーションをアップした」という方も、実は多くいます。 積極的に活用するのも一つの手です。 職場の良い点を紙に書き出す どんな職場でも良いところは必ずあるものです。 それを書き出すことで、あらためて認識できるようになるかもしれません。 たとえば ・気の合う仲間がいる ・他に比べて給与が高い ・家から近くて通うのに便利 などを書き出すことにより、意識していなかったことを脳が認識する効果もあります。 「仕事だから」と割り切る 「今は仕事だから」と割り切ってしまいましょう。 「仕事だから楽しいことばかりではない」と思って、せめて自宅にまでは落ち込んだ気持ちを持ち込まないように努めてみてはいかがでしょうか。 家であれこれ考えても余計ストレスが溜まるだけです。 周囲に相談する 問題の中には自分一人では解決できそうにないことも多いですし、時間が解決してくれないものもあります。 そういう時は思いきって周囲に相談するのも良い方法です。 話しを聞いてもらうだけでスッキリすることもありますし、もし相談したのが職場の人であれば解決に向かって動き出すこともあるでしょう。 しっかり休む 介護職員やケアマネが笑顔や元気でいることが、良いパフォーマンスを提供することにつながります。 しかし、人間ですから、どんな対策を講じても気分が解消されないこともあります。 そんな時には思い切って休むことも大切です。 一番大事なのは、ご自身の健康です。 休職して心身ともにリフレッシュさせるのも1つの方法です。 真面目な方は「人手不足なのに私だけ休むなんて」と考えてしまいます。 しかし、1番大事なのはご自身の心と体の健康です。 自分を守ってあげられるのは自分だけです。 まとめ 最後に要点をまとめておきます。 ケアマネージャーの仕事とは ・要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成と調整 ケアマネージャーの人手不足の原因 ・給料などの待遇面の悪さ モチベーションを低下させる、介護の魅力を奪うもの 給与 人間関係 クレーム 人手不足 実地指導 事業所の理念 モチベーションを上げる方法 研修に参加する 職場のいいところを紙に書き出す 仕事と割り切る 周囲に相談する しっかり休む ご自分にあったリフレッシュ方法を見つけ出して、上手にストレス発散してください。
家政婦さんと間違えられてしまう訪問介護ですが、実際は目的や意義が全く違う仕事です。 そのなかでも今回は家政婦さんとは違う「訪問介護が担う自立支援」とは?についてお伝えします。 「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違い 「家政婦さん」と聞いてまず思い浮かぶのは、以下のようなイメージではないでしょうか。 ・「家政婦さんは裕福な家に居る何でも助けてくれる人」 ・「料理や洗濯などの家事全般をしてくれる人」 では次に「訪問介護員(ホームヘルパー)」と聞いて思い浮かぶのはどのようなイメージでしょうか? ・「自宅で介護士さんに助けてもらって生活を出来るようにしてもらう」 ・「元気で病気もしていないけれど、一人にしておくのは不安だから介護士さんに様子を見てもらおう」 どちらも「自宅で家族の身の回りお世話を行う」ことや「家族の手助けをする」部分で大きな違いはありません。 訪問介護の成り立ちをひも解いてみますと、以前は「家庭内で家族のお世話をする」という状態が当たり前でした。 戦後20年が経ち、戦争による生活困窮者のために訪問介護の前身である「家庭養護婦」と言う仕事が誕生し時を経て「訪問介護」に変わりました。 家政婦さんの場合は家族全員が対象になり、家族に関わることであればどんな事でも行いますし、本人が出来ることであっても代わりに行います。 介護士の場合は、助けが必要な人が誰なのか、介護士の基本の一つである自立支援を目的としているかの2点で、目的と仕事の内容が違います。 「訪問介護とは」 訪問介護とは、ご利用者様が在宅における生活の中で自立した日常生活が行えるように、訪問介護員がご利用者様のご自宅へ訪問をし身体的な支援や介助を行う「身体介護」と、家事などを支援したり介助する「生活援助」の2種類があります。 介護保険が始まる前は「ホームヘルプ」と呼ばれ、介護保険開始後は「訪問介護」の名称に変わりました。 訪問介護には高齢者の方達だけではなく、「障害者総合支援法」という障害者の方を支援し介助も行います。 訪問介護では「日常生活の援助に該当しない行為」は行えません。 例えば草むしり・ペットのお世話・大掃除等のご利用者様本人に関わることでないと訪問介護を行う事ができません。 「介護保険が始まる前と始まった後の違い」 介護や支援を求める方が増えて、2000年より介護保険の制度が始まりました。 高齢者や障害者の方の自宅を訪問し、「身体介護」「生活援助」の二つを行う事には介護保険が開始される前後で大きく変わりません。 介護保険開始前は自宅での介護福祉は各都道府県の市町村にある社会福祉協議会や福祉公社になどによる措置の制度であった為、サービス内容を選べず利用料は所得に応じた負担になっていました。 変わった部分として、介護保険開始後は利用者または家族が申請して利用できるようになり、サービスも選べるようになったことです。 現在は介護保険の法整備が進み、社会保険の制度の一つになっています。 サービス提供に様々な民間団体や法人組織が参加しており、自分や家族に必要なサービスを選択し提供してもらう形になっています。 介護保険が始まった当初は「介護」を行う上で「ご利用者様の出来ないことを代りに行う」ことを中心に行っており、家政婦さんとの違いもはっきりとは認識されておらず家政婦さんのように利用する方もいました。 その結果「自分で出来ること」を奪ってしまう事になり、次第に「介護」を必要とするひとが増える要因の一つになりました。 この問題に対して2001年に「介護を必要とする人の出来ること」に注目をして様々な要因や環境を見つけ出し、生活の全体像を掴み支援や介助を行う考え方が提唱され、QOL※の向上や自立支援に注目するようになりました。 ※QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは 一般にひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。 「訪問介護が担う自立支援」 自立支援とはご利用者様に「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」です。 「できる限り自分の力で生活するためのサポート」と一言でいってもご利用者様ひとりひとり状況と状態が違い、はじめは信頼関係もなく一人で行う事が難しく、なかなか上手くいかない事に落ち込んだりやる気を出せないでいるご利用者様もいます。 そういう様々なご利用者様に対して、一人で行えるようまたは行いやすくなる為の道具の提案を行ったり、環境を整えて一人でも行える様にする事が介護員の役目になります。 では現場ではどのようにして「自立支援」が行われているかの事例を紹介します。 自立支援の事例 介護員が女性のご利用者様のご自宅に訪問をしました。 ご利用者様に元気がないため、どうしたのか尋ねると「最近こけてばかりだから、庭の草むしりをしないでほしいと家族に言われた」との言葉が返ってきました。 ご利用者様は「草むしりをすることで少しでも家族の役に立ちたい」「草むしり中に近所の方と話すのが楽しみ」と介護員に話をしました。 そこで介護員はご利用者様の希望の「草むしり」を安全に行えない原因を考えました。 ・なぜこけたのか。 ・なにが危険なのか。 ・どうすれば安全にできるか。 この3点について、ご本人様と家族様、話を伺い様々な事がわかりました。 ・腰が少し曲がっていて、前のめりの姿勢である。 ・腰が少し曲がっている為、前のめりにこけてしまっている。 ・前のめりにこけてしまうので、何度も頭をぶつけている。 ・庭が広く、草むしりをするために、移動する必要がある。 そこで介護員は、庭が広く移動しながら「草むしり」をしている為に転倒してしまう可能性が高いと考え、ご自宅にあった「小さな椅子」を使って少しづつ移動しながら、座って草むしりを出来ないかと、ご利用者様と家族様に提案してみました。 後日、訪問した際にご利用者様より「座って(草むしり)したら1度も危ないことにならず、転倒する心配もなくなった。ありがとう」「生き甲斐が戻ってきた」と草むしりが継続して出来ることを喜ばれました。 ご家族様からは「安全にできる方法を考えてくれたおかげでおばあちゃんに笑顔が戻ってきて嬉しいです。」との言葉をいただきました。 ご家族からの「危ないからやめてほしい」との声で全て制限してしまえば、活気や生活の楽しみが失われ生活の質が低下してしまっていたでしょう。 また、以前のように「なんでもしてしまう介護」や家政婦さんに「やってもらう」という利用が続いていれば、「草むしり」という一つのやりがいが失われ、活動量の低下や元気がなくなりさらなる介護が必要になっていたかもしれません。 今回の事例のように、「自立支援」や「QOLの向上」に注目をし、訪問をしているからこそ気付き、アドバイスすることで、ご利用者様は活気を取り戻されてご近所付き合いも継続出るようになりました。 ご家族様もおばあちゃんに活気が戻り、以前のような生活に戻ったことを安心される結果に繋がりました。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違いについて、「介護保険が始まった前と後の違い」について、そして最後に「訪問介護の担う自立支援」について事例を交えてお伝えしました。 ・「家政婦さん」と「訪問介護員」の違いは資格の有無や専門知識があるかないか できることに制限があるかないか。 ・自立支援とは「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」。 ・訪問介護が担っている自立支援は、ご本人様・家族・関わる人全てに繋がる援助。 最後まで読んでいただきありがとうございます。
介護職からケアマネジャーに転身しようと考えているが、仕事内容に対して不安を感じている人は多いのではないでしょうか? ここでは介護職からケアマネジャーへ転身する際に知っておいた方が良い知識について説明します。 介護支援専門員(ケアマネジャー)になるには 介護職からケアマネジャーになるには、介護福祉士の場合、最短で5年の実務経験が必要です。 ケアマネジャー試験の要件として、 「指定の国家資格にもとづく業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」または「施設などで相談援助業務に通算5年以上(かつ900日以上)従事」している事とされています。 施設などでの相談業務については、老人福祉施設での生活相談員または老人保健施設での支援相談員、障害者施設での計画相談に携わる相談支援専門員などが対象となり、主に社会福祉士などの有資格者が対象となります。 ケアマネジャーの試験は2017年まで法定資格がなくても、実務経験が10年以上あれば試験を受ける事ができましたが、2018年より無資格による受験は出来なくなりました。 受験対象となる指定の国家資格 ケアマネジャーの試験には以下のいずれかの国家資格を保有していることが条件です。 ・医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師 ・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士・社会福祉士 ・精神保健福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士 ・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 ・柔道整復師・栄養士 無資格の介護職からケアマネジャーへ転身するには、3年の実務経験を経て介護福祉士試験に合格し、5年の実務経験後、ケアマネジャーを目指すケースが多いです。 居宅ケアマネジャーと施設ケアマネジャーの違い ケアマネジャーは居宅介護支援事業所の居宅ケアマネジャーと老人福祉施設や老人保健施設などの施設ケアマネジャーに区分されます。 居宅ケアマネジャーは約35件程度の担当利用者のケアマネジメントを行い、利用者の在宅生活に対する課題を分析し継続した生活が出来るよう、居宅サービスを組み合わせ居宅サービス計画書を作成します。 一方、施設ケアマネジャーは施設規模によりますが、約100件程度の入居者のケアマネジメントを行い施設内で本人らしい生活が継続できるよう施設サービス計画書を作成します。 居宅ケアマネと施設ケアマネでは担当件数の違いはあるものの、ケアマネジメントのプロセスは一緒は一緒なので働き方にあわせて選ぶとよいでしょう。 ケアマネジメントのプロセス ケアマネジャーは利用者が在宅や施設で自分らしい生活を継続出来るよう支援していくため、次のケアマネジメントの過程を行う必要があります。 ケアマネジメントの流れ インテーク(初回面接) アセスメント(課題分析) ケアプランの作成 担当者会議 サービス開始 モニタリング 状況に応じてアセスメントに戻ることがあります。 インテークの注意点 インテークの際、利用者に対して複数のサービス事業所などを紹介し、選択できるようにする必要があります。 サービス事業所の選定理由も説明できるようにしなければなりません。 アセスメントの注意点 アセスメントはケアプランのサービス内容に対して根拠となるよう、23項目の課題分析標準項目について客観的に評価分析する必要があります。 ケアマネジャーの質問力によって利用者の課題の抽出が異なる場合があるため注意が必要です。 ケアプラン作成の注意点 特定事業所加算を算定している居宅介護支援事業所は、ケアプランにインフォーマルサービスの位置づけをしなくてはいけません。 多様な主体などが提供する生活支援として、社会資源の調整や介護保険外のサービスについての知識や情報も必要です。 モニタリングの注意点 ケアプラン作成後、月に一回以上利用者とのモニタリング訪問面談を実施し、結果を記録しなければなりません。 利用者や家族の満足度の確認のほか、新たな課題が発生していないか、サービス状況の聞き取りだけではなく、実際の生活環境から観察することも必要です。 その他、担当者会議の開催やケアプランの交付など、ケアマネジメントが適切に行えていない場合には運営基準減算となってしまうので注意が必要です。 要介護認定と認定調査 ケアマネジャーの業務として、介護認定更新の申請代行や認定調査の委託業務があります。 ケアマネジャーは利用者が切れ目がなく適切にサービスが受けられるよう、介護保険証の確認、必要に応じ、更新に伴う手続きに対して支援しなければなりません。 福祉用具貸与サービスの中には、車椅子や特殊寝台など、要介護2以上でなければ基本使用できないサービスや、要介護3以上が入所要件となる特別養護老人ホームなどがあります。 要介護度によって使えるサービスに制限があるため、利用者の状況に応じ区分変更申請を行うことも必要な業務の一つでしょう。 要介護認定におけるプロセス 要介護認定の申請 認定調査 主治医意見書 介護認定審査会 要介護及び支援の認定 認定調査は市町村職員または市町村から委託を受けた事業者の介護支援専門員が、全国一律の基準と様式を使用し調査を行います。 認定調査項目を理解することで利用者の介護状態を予測し、サービス調整が図れるでしょう。 給付管理・請求業務 ケアマネジャーの業務に給付管理があります。 国保連への請求業務はサービス提供月の翌月10日までに行わなければなりません。 居宅介護支援事業所の請求業務はサービス事業所のサービス提供票の実績を確認し、「給付管理票」と「居宅介護支援介護給付費明細書」を作成します。 給付管理に誤りがあるとサービス提供事業所に支払いが行われなくなるため、細心の注意が必要です。 期間中は通常業務をこなしながらレセプト提出準備をしなければならないため、スケジュール管理にも留意しましょう。 地域包括支援センターとの関わり 居宅介護支援事業や小規模多機能型居宅介護などのケアマネジャーは、予防支援の委託業務に携わることがあります。 予防支援の委託業務に携わる場合、介護予防支援や介護予防ケアマネジメントにより、要支援者などに対し総合事業によるサービス等が適切に提供できるよう、ケアマネジメントしていく必要があります。 地域包括支援センターの主な業務 介護予防マネジメント ケアマネジャー支援 総合相談 権利擁護 地域包括支援センターはさまざまな地域課題に対応できるよう、主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師などの3つの専門職がいるため、困難事例を抱えた場合でも助言や情報提供をしてもらえるので、積極的に関わっていくとよいでしょう。 業務で役立つ資格 ケアマネジャーはケアマネジメントや各種の介護申請以外に各種書類の作成などにも対応しなければなりません。 介護請求業務や認知症の方の権利擁護、高齢者虐待など地域の問題などにも多岐にわたるため 業務に役立つ資格を活用してみましょう。 業務で役立つ資格は以下のようなものがあります。 介護事務管理士 福祉用具専門相談員 福祉住環境コーディネーター 認知症介護実践者研修 社会福祉士 介護事務管理士 介護保険施設や居宅介護支援事業所などで介護サービスにかかる費用の請求や、ケアマネジャーの補助的な事務をする専門職です。 介護報酬明細書などの作成業務に対する知識や過誤請求対応などのトラブルを防ぐことができます。 福祉用具専門相談員 福祉用具専門員は利用者の心身の状況、希望や置かれている環境などに応じ、専門的な知識にもとづき福祉用具の選定や使用についての助言、福祉用具の機能、安全性、衛生状態などについての点検・調整を行います。 福祉用具貸与サービスや特定福祉用具購入をプランニングする際に活用できる資格の一つです。 福祉住環境コーディネーター 高齢者や障がい者などに配慮した住宅の改修や生活環境のあり方について提案したり、住宅改修のプランニングなどを行います。 介護保険の住宅改修の「住宅改修が必要な理由書」の作成に対しての知識を学ぶことができます。 認知症介護実践者研修 認知症介護実践者研修では、認知症介護について深く学ぶことができます。 グループホームや小規模多機能型居宅介護で働くケアマネジャーや計画作成担当者などは、認知症介護実践者研修の修了者を配置する義務があります。 2021年4月からは無資格で働く介護職は認知症介護基礎研修の受講が義務化されたこともあり、認知症ケアについての知識についてはさらに必要となってくるでしょう。 社会福祉士 社会福祉士は高齢者や身体障がい者、知的障がい者、児童など援護を必要とする人や、その家族に対し相談や助言、指導、援助を行います。 地域包括支援センターの必須専門職の一つであるとともに、地域福祉のコーディネーターとしての役割や権利擁護など、利用者を取り巻く社会問題の解決に対する知識やネットワークを構築する資格であり、ケアマネジャーの業務でも役立つ資格の一つです。 まとめ 介護職からケアマネジャーになる場合、最短でも介護福祉士で5年の経験年数が必要です。 ケアマネジメントは、一定のプロセスを遵守する必要があり、適切なプロセスを行わないと基準違反となってしまいます。 居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、さまざまな居宅サービス事業所のサービスについての理解も必要です。 しかし、利用者の望む生活を支援するため、介護職の経験をいかし、障がい者自立支援や医療保険サービス、地域のインフォーマルなサービスなどを、活用できるケアマネジャーを目指してみてはどうでしょうか。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。
仕事をする上でお悩みはつきものです。 介護の現場も同様でさまざまなお悩みがあります。 今回は、介護現場でのお悩みと対処法を紹介します。 介護現場での悩みと対処法 介護現場でよくある以下の5つのお悩みと対処法を紹介します。 介護スキルでのお悩み 利用者とのコミュニケーションでのお悩み 人間関係でのお悩み 生活リズムでのお悩み 体調管理でのお悩み 介護スキルでの悩み 初心者によくあるお悩みの一つが「介護スキル」です。 身体が不自由な方を車椅子からベッドに移乗する、飲み込みが悪い方の食事を介助するなどさまざまな介護スキルが必要です。 介護現場では知識や技術がなければ働けません。 そのため、上手く介助ができないという悩みが介護現場での最大の悩みです。 また、サービスを提供する介護は命に関わる仕事です。 一つのミスが大きな事故に繋がることもあります。 介護スキルでの悩みの対処法 介護スキルは、「経験を積むこと」で初心者でも身につけられます。 そのため、とにかく積極的に行動することが大切です。 また、排泄介助や移乗・移動介助にはコツがあります。 経験から学ぶことも多いため、積極的に先輩や上司に教えてもらいましょう。 同じ体格や力のスタッフに教えてもらうとより参考になります。 介護スキルを身につけていないと、事故につながることや自分の身体を壊す原因にもなるため、注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションでの悩み 介護職はなにより介護をする相手である、利用者と上手にコミュニケーションをとることが重要です。 そのため、上手にコミュニケーションが取れず、それが悩みになってしまうことがあります。 高齢者とのコミュニケーション 介護現場でのお悩みには「高齢者とのコミュニケーション」があります。 人見知りな方や頑固な方などさまざまです。 介護を拒否される、声掛けに対しての反応が冷たいなど、信頼関係の構築に苦労するスタッフもよく見かけます。 認知症の利用者とのコミュニケーション 「認知症の利用者とのコミュニケーション」においては、難しい場面が多くなります。 認知症を患っている利用者でも性格は異なります。 そのため、利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必要です。 認知症の代表的な症状は、短期記憶です。 例えば、食事したことを忘れてしまい「お腹が空いた」と言われる方、何度もトイレに行きたがる方がいます。 また、お風呂やトイレなどを嫌う利用者を促すことに苦戦するスタッフもいます。 体力的に嫌がる方もいますが、不潔と清潔の正しい判断ができなくなる方が多くなります。 上手くコミュニケーションを図れないと、利用者の機嫌を損ねることもあるため注意が必要です。 利用者とのコミュニケーションの対処法 利用者とのコミュニケーションの対処法は、「利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ること」です。 利用者の性格などをしっかり把握するために、スタッフ同士での情報共有も重要になります。 上手くコミュニケーションが取れているスタッフを真似してみましょう。 また、サービスを拒否されたりコミュニケーションを図ってもらえない時、自分の話し方に原因があるかもしれません。 介護を利用する高齢者は、経験が豊富でプライドもあります。 長期的に付き合って信頼関係を構築することが理想的です。 人間関係でのお悩み 介護職とかかわりがあるのは、利用者だけではありません。 さまざまな人たちと関わることがあるので、人間関係に悩むこともよくあります。 従業員同士 チームワークを必要とする介護現場では「従業員同士の人間関係」のお悩みもつきものです。 例えば、「性格が合わない」「意見の食い違い」などがあげられます。 丁寧に時間をかけて業務を行うスタッフとスピードを重視するスタッフが一緒に仕事をすると、お互いに気になる点がでてきます。 丁寧さを大事にするスタッフは相手の雑さが気になり、スピード重視のスタッフは時間がかかることが気になってしまうのです。 上下関係 介護現場でも「上下関係」のお悩みはつきものです。 介護現場にも、リーダーやマネジャーなど上司にあたる役職が存在します。 サービスを提供する上で、上司からの指示や許可をもらわなければいけない場面もあります。 サービス提供方針は基本的に上司の考え方がメインになるため、方針が合わないと仕事がやりにくくなることもあります。 人間関係でのお悩みの対処法 従業員同士の人間関係の対処法は、「従業員とコミュニケーションを図ること」です。 介護に関する考え方を理解して、相手の良さを引き出しましょう。 お互いの短所を補い合える関係性が理想的です。 上下関係の対処法は、「仕事でアピールすること」です。 仕事ができる介護スタッフの意見は取り入れてもらいやすくなります。 利用者に最も近いのは現場の介護スタッフのため、介護スタッフの意見は利用者にとって役に立つこともあります。 現場の意見を積極的に取り入れてくれる上司がいるのが理想的です。 生活リズムでのお悩み 介護の仕事は、「生活リズム」が崩れやすくなります。 日勤だけではなく夜勤もあり、毎日の勤務時間が異なります。 夜勤の場合、午前中に帰宅するため眠りにつきにくく、生活リズムは乱れやすくなります。 生活リズムの対処法 生活リズムの対処法は、「食事や入浴、睡眠の時間をなるべく変えないこと」です。 これらは生活リズムを作る大きな役割を果たします。 夜勤の場合は、午前中に睡眠時間を取りすぎないように注意しましょう。 夜に寝られなくなり、生活リズムが崩れる原因となります。 体調管理でのお悩み 体力を必要とする介護現場では、体調管理のお悩みも多くなります。 身体的負担 入浴介助や、身体が不自由な方、身体の大きい方を移動・移乗することは簡単なことではありません。 介護者が体が小さい方の場合、身体的な負担が大きくなることがあります。 精神的負担 これまで述べてきた一つひとつのお悩みからストレスが溜まり、「精神的負担」が生まれることもあります。 精神的な負担があると睡眠不足や食欲低下などにより体力がなくなり、悪循環になります。 体調管理でのお悩みの対処法 身体的負担の対処法は、「セルフケアすること」「身体に負担をかけない介護スキルを身につけること」です。 まずは、湯船に浸かる時間や睡眠時間を確保することが大事です。 それでも疲れが取れない場合は、業務上で身体に大きな負担がかかっていることが考えられます。 介護現場は身体が資本であり、身体を壊してしまうと仕事を続けられません。 介護にはコツがあるため、積極的に取り入れることが重要です。 精神的負担の対処法は、「セルフケアすること」「相談すること」です。 セルフケアには、食事や睡眠など生活を見直すこと、趣味などの時間を作り気分転換することなどが挙げられます。 相談は職場の人以外の家族や友人でも構いません。 心の中でモヤモヤしていることや抱えきれないものは吐き出してみましょう。 人に聞いてもらうだけでスッキリすることもあります。 他人の意見を聞いて、新しい考え方や対処法が見つかることが理想的です。 まとめ 今回は、介護現場でのお悩みと対処法についてお伝えしました。 介護スキルでのお悩みの対処法は、経験を積み先輩からコツを教わること。 利用者とのコミュニケーションの対処法は、一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を見つけること。 人間関係でのお悩みには、従業員同士と上下関係がありお互いを理解して働きやすい環境を作ることや先輩や上司に認めてもらうことが重要。 生活リズムの対処法は、食事や睡眠の時間を大きく変えないようにすること。 体調管理の対処法は、セルフケアして心身共にリラックスする時間を作ることである。 最後までご覧いただきありがとうございます。
福祉用具は需要の高い、介護保険のサービスの1つです。 福祉用具には様々なものがあるため、選定も悩みどころです。 今回はケアマネが福祉用具を取り入れるポイントや流れを紹介します。 福祉用具とは? 福祉用具は、要介護認定を受けた人などが生活の幅を広げることができる用具です。 福祉用具を使用することで、自立した毎日を送る手助けになるからです。 福祉用具は、本人だけでなく家族の介護量を減らすこともできます。 たとえば、ベッドから起き上がれない人の生活圏はベッドで、限られています。 そこで、ベッドのそばに手すりを置いてみると、手すりにつかまって1人で起き上がることができ、生活圏が広がります。 動作ができるようになるだけでなく、「自分1人でできた!」という、自信も出てくるのです。 家族も起きるための手伝いをしなくて良くなり、介護量が減ります。 このように、福祉用具は介護認定を受けた人だけでなく、家族の生活も良くする用具なのです。 ですが、種類も多く、どれを導入すればよいかわかりにくいですよね。 福祉用具を取り入れる時はポイントがありますので、紹介していきます。 福祉用具にはどんな品目がある? 福祉用具は、大きくわけて2種類あります。 レンタルの「福祉用具貸与」と、購入の「特定福祉用具販売」です。 福祉用具は基本的には「貸与」が原則となっていますが、外れるものもあります。 それが、入浴や排泄時に使用する「特定福祉用具販売」です。 衛生面の観点からみても、他者が再利用するには心理的に抵抗感があるものになるからです。 たとえば、ポータブルトイレ、シャワーチェアなどがあります。 ポータブルトイレやシャワーチェアなどは、直接肌が触れたり摩耗します。 このため、「福祉用具貸与」ではなく、「特定福祉用具販売」で対応します。 福祉用具貸与(13品目) 以下の福祉用具はレンタルすることができます。 車いす 車いす付属品 特殊寝台 特殊寝台付属品 床ずれ防止用具 体位変換器 移動用リフト(つり具の部分を除く) 認知症老人徘徊感知機器 自動排泄処理装置 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 原則として、要支援1・2、要介護1の人は「手すり」「スロープ」「歩行器」「歩行補助杖」以外は利用できません。 また、要支援1・2、要介護1・2・3の人は「自動排泄処理装置」は利用できません。 これらの用具を利用する状態が想定しづらいからです。 利用料金は、所得によって異なりますが、費用の1〜3割です。 介護度に応じた支給限度額が決まっているため、その額の中で必要に応じて貸与します。 特定福祉用具販売(6品目) 購入する福祉用具は以下の6品です。 腰掛便座 自動排泄処理装置の交換可能部品 排泄予測支援機器 簡易浴槽 移動用リフトのつり具の部分 入浴補助具 特定福祉用具販売は、1年間で購入できる金額は10万円までと決まっています。 そのうちの自己負担分は、所得によりことなりますが、1~3万円です。 1度全額負担支払う必要があり、手続き後に自己負担分以外が返ってきます。 10万円を超えると、超えた分は自己負担になりますので、注意してください。 福祉用具を取り入れるポイントは? 福祉用具を取り入れるポイントは、「福祉用具を使って、利用者の生活の質が上がっているか」です。 福祉用具は、「日常生活の便宜を図ったり機能訓練のための用具で介護保険の給付対象」とされているからです。 福祉用具を取り入れることで、状態が悪くなったり、過ごしにくくなってしまっては、意味がありません。 例えば、歩行が不安定になったからといって、杖を取り入れるのが一概に正しいとはいえません。 認知面の低下が強い利用者に杖を取り入れても、正しく使用するのは難しくなります。 杖を自分の足に引っかけるなど、かえって転倒リスクが高まってしまうのです。 転倒すると痛みが出たり、場合によっては骨折してしまい、生活の質が低下してしまいます。 福祉用具が利用者の生活のさまたげになっていないか、質が上がっているか必ず確認してください。 また、現在の利用者の状態に合っているかをチェックするのも大切です。 例えば、現在は車いすを自走できるのに、先を見据えて介助式の車いすを選んだとします。 これは利用者のできる力を奪ってしまうため、間違った選択です。 自立どころか、介護が必要な状態になってしまいます。 逆もしかりで、現在の能力では扱うのが難しい福祉用具を選択するのは避けましょう。 このため、状態に合わせて福祉用具を選ぶことが大切なのです。 細かく利用者の状態を評価して、必要な福祉用具を検討する必要があります。 また、福祉用具は、以下の点をおさえると、取り入れやすくなります。 利用者や家族のニーズを確認する。 利用者のアセスメント(課題を分析して、要望をくみ取ること)をしっかり行う。 可能な場合は即決せずに、福祉用具を試用する。 (できれば、特定福祉用具は実物をみる) 本人にも介護者にも使いやすいものを選ぶ。 リハビリ職や福祉用具事業所の職員から助言をもらう。 また、継続して長く使うものは「特定福祉用具販売」を、体の状態に合わせて定期的に交換の検討が必要なものは「福祉用具貸与」がおすすめです。 福祉用具購入は費用面で負担が大きくなったり、返却ができないため状態が変わった時に使い道がなく、困ることがあります。 大きいものやメンテナンスが必要なものは、「福祉用具貸与」がおすすめです。 場所をとるような大きなものだと、必要なくなった時に撤去するのに大変です。 メンテナンスは定期的に行う必要がありますし、専門的な知識や道具が必要なことがあります。 福祉用具を利用するには? 福祉用具を利用するためには、手続きを行う必要があります。 手続きなどの流れを守らなければ、福祉用具を利用できないからです。 福祉用具を利用するためには、「ケアプラン」などの計画書が必要になります。 福祉用具を利用するための手続きの流れを紹介します。 ① 利用者がケアマネに「福祉用具利用希望」を申し出る。 ② ケアマネが「ケアプラン」を作成、利用者に同意を得る。 ③ ケアマネが福祉用具事業所に依頼する。 ④ 福祉用具事業所は「福祉用具サービス計画書」を作成し、利用者に同意を得る。 ⑤ 福祉用具事業所は「福祉用具」を選定。利用者と契約後、サービス開始。 ⑥ 福祉用具事業所はモニタリングを行い、ケアマネに報告する。 まとめ ここまで、福祉用具を取り入れるポイントや流れについて、紹介してきました。 福祉用具には、「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」がある。 「福祉用具貸与」には13品目あり、要介護認定を受けた人すべてが使えるわけではない。 「特定福祉用具販売」は6品目あり、1年間で購入できるのは10万円まで。 福祉用具を取り入れるポイントは、「利用者の生活の質が上がっているか」をみること。 現在の状態に合った福祉用具を取り入れる。 利用者や家族のニーズを把握し、アセスメントを行い、状態を把握する。 可能な場合は、福祉用具を日常生活で試用させてもらう。 使いやすい福祉用具を選ぶ。 プロの職種からアドバイスをもらう。 福祉用具を利用するためには、ケアプランなど計画書が必要。 ぜひ、福祉用具を取り入れるポイントを押さえましょう。 ぴったりな福祉用具を利用者や家族に、自信を持ってすすめられるからです。 利用者に合った福祉用具を選べば、利用者のできることが増え、自立を促すことができます。 福祉用具を取り入れるポイントを必ず押さえて、ぴったりな福祉用具を選びましょう。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ケアマネジャーは利用者のサービス調整だけではなく、適切なケアマネジメントをするためにも、 ケアマネジャー自身のスケジューリングを意識しなければなりません。 ここでは、ケアマネジャーのスケジュール管理におすすめなケアマネ手帳について紹介します。 ケアマネジャーの月間業務 ケアマネジャーの月間業務は、利用者宅の訪問や各事業所とのサービス調整のほか、事業所の規模や委託業務などに応じ請求業務や書類作成の事務作業サービスを行ったり、認定調査認定調査などの業務調整が必要です。 ケアマネジャーの主な月間業務は以下のものがあります。 ・給付管理、請求業務 ・モニタリング訪問 ・担当者会議の開催 ・認定調査の実施 ・研修、定例会議の実施 ・利用票、サービス提供票の交付 上旬は「実績管理」などに追われることが多いです。 ケアマネジャーの月初め サービス提供票との実績管理や給付管理票と居宅介護給付費の作成といった請求業務を行います。 居宅介護給付費の請求書と給付管理票は、10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に電送しなければなりません。 月初めでも新規相談や急なサービス調整、その他のケアマネジメントのプロセスをこなしていかなければいけないため、慌てて誤請求などがないように月初めから10日までのスケジュールを管理しながら請求業務を行うことが大切です。 中旬からのモニタリング訪問スケジュール 給付管理業務が一段落した中旬からは利用者宅へのモニタリング訪問や担当者会議を行います。 認定結果やモニタリングに応じて再アセスメントを実施しサービス調整が必要になる時期でもあり、サービス担当者会議などの開催のためサービス事業所と日程設定する必要があります。 担当者会議は参加者のスケジュールを確認しつつ、開催時期を設定できるよう余裕をもって開催時期を設定することが望ましいでしょう。 モニタリングは要介護の利用者に対しては最低月1回のモニタリング訪問が義務づけられています。 利用者のサービスや受診日、家族の就労スタイルなどにも配慮し、早めにアポイントをとることを心がけることが大切です。 認定調査や研修・地域連携の活動 市町村から認定調査の委託業務を受けている場合、提出期限に留意しスケジュールを組まなければなりません。 特定事業所の算定をしている場合、利用者の情報やサービス提供上の留意事項などの伝達を目的とした会議をおおむね週1回以上、定期的に開催しなければなりません。 また、介護支援専門員に対し、計画的な研修の実施や地域包括支援センターが主催する事例検討会や、他の法人が運営する居宅介護支援事業所と共同で事例検討会や研修などを行う必要性があります。 その他にも現任者向けの研修をはじめ、ケアマネジャーの資格を更新するための更新研修や管理者要件である主任ケアマネジャーの資格習得、更新研修など研修受講の必要性があるため、年間スケジュールを管理することが必要です。 下旬のサービス 下旬にはサービス利用票・提供票を作成し、利用者と各サービス事業者に交付します。 地域包括支援センターから介護予防支援事業の受託をしている場合、地域包括支援センターが給付管理業務を行うための情報提供も必要です。 また、翌月の介護認定更新の手続き準備や、ケアプランの短期目標期間にも留意して次月のスケジュールを調整することも大切です。 おすすめのケアマネ手帳 第一法規 ケアマネスマートダイアリー2023 監修 特定非営利活動法人 千葉県介護支援専門員協議会 A5版/216頁/定価1,430円(本体1,300円+税10%) ケアマネ手帳はレイアウトや利便性を追求したデザインで、介護保険制度に伴う法令・通知・資料など、最新の介護報酬改定にも対応しています。 予定管理に役立つほか、訪問先での資料も収録されていたり、手帳によっては専用WEBサイトにダウンロードが可能な関連通知などの資料が掲載されていたりするので確認しながら業務が行えます。 薄くて軽く他資料などと鞄に持ち合わせても支障がなく、記載欄も大きく使いやすいため、現場のケアマネ必須の頼れる手帳です。 年間・月間・週間カレンダー部分はシンプルに使いやすさを追求しておりタスク管理が出来るようになっています。 ダイアリー巻末資料一覧 ・2023(令和5)年用 年齢早見表 ・令和3年度から令和5年度までの間の地域区分の適用地域 ・介護保険で利用することができる主なサービスと単位数 ・高齢者の日常生活自立度判定基準 (障害高齢者の日常生活自立度判定基準、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準) ・身体各部の名称と骨・関節の名称 ・検査項目の説明と基準値 ・私の社会資源(関係機関連絡先) 参照::ケアマネスマートダイアリー2023 中央法規 ケアマネジャー手帳2023 監修 高村成幸/編集 ケアマネジャー編集部 A5版/272頁/定価1,540円(本体1,400円+税10%) 中央法規出版のケアマネジャー手帳は書き込みやすさにこだわり、使いやすいデザインで時間管理のサポートがあります。 また、いざ記載の際にペンを探すなんて事がない「ペンホルダー」付きなこともうれしいポイントです。 ケアマネジャーの質問力の著者で地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと「新しい福祉の人材育成」を掲げて活躍をしている高室氏、ケアマネジャー編集部が総力を結集してつくったケアマネ専用手帳のため、使える情報が満載の「便利帳」もついています。 便利帳 ・高室の目 ・介護保険制度 ・介護報酬算定 ・関連する制度等 ・ICTを活用したケアマネジメント ・多職種連携の必須資料 ・介護報酬の概要 ・アドレス帳 参照:ケアマネジャー・介護職 手帳2023 | 特集 | 中央法規出版 ユーキャンのケア実用手帳2023年版 著/文/編集 ユーキャン学び出版ケア実用手帳研究会 A5版/272頁/定価1,628円(本体1,480円+税10%) ユーキャンの介護職従事者向け手帳といえば、全国主要書店売上合計16年連続NO.1の実績があります。 現職ケアマネさんと共同開発ならではの工夫が満載なうえ、中面は目に優しいグリーンを基調に見やすく、表紙デザインもテキスタイル調の地に北欧風の一枚絵をあしらっておりデザインにもこだわっています。 年齢早見表は裏面の利用者向け介護保険利用フロー図が記載されており、制度の説明や厚紙製のため、押印の下じきにもなって契約の時に便利です。 今年はお客様の声をもとに以下も改善されています。 改善ポイント より軽い紙を採用 より開く製本形式に変更 ビニールカバーに「ペンホルダー」と「しおりタグ」 カラー巻頭(特集) ・介護制度改正情報 ・高齢者施設の種類 ・日常生活自立度判定基準 ・人体部位名称 ・医療的ケア ・介護/医療保険の給付対象区分 ・16種類の特定疾病 ・検査値 ・権利擁護 ・請求前チェック項目など 参照:2023年版 ユーキャンのケア実用手帳 スケジュール管理のポイントと訪問先での活用 ケアマネジャーの業務は利用者との面談以外に多くの事務作業をこなさなくてはいけません。 スケジュールを組んでいても、高齢者は体調の不良などで急遽のサービス調整が必要になることもあり、日々飛び込んでくる業務に必要な事務作業時間を確保することが大切です。 まとめ ケアマネジャーは予定外の業務に追われることが多く、タスク管理などで全ての業務を可視化しスケジュール調整を出来るようにすることが必要です。 また、訪問や担当者会議などの記録作成が出来る時間を確保するなどの仕事の抱え込みすぎを防ぐことが重要です。 ケアマネ手帳で自分のすべき「今」を把握し、効果的に物事をすすめる時間管理こそ仕事を支配する第一歩ですので、活用してみてはいかがでしょうか? 最後までお読みいただきましてありがとうございました。
デイサービスには、一日のスケジュールの中にレクリエーションが組み込まれています。 レクリエーションは、ご利用者様の楽しみの一つでもあります。 また、身体機能の維持向上や認知症予防、QOL(生活の質)の向上、ストレス発散や精神安定など、さまざま効果が期待されるものです。今回はデイサービスでよく実施されるレクリエーションを紹介いたします。 デイサービスでのレクリエーション準備 まずは挨拶をしましょう。 声を出すことで意欲向上を測れ、やる気アップにつながります。そしてその日に行うレクリエーションの説明をしましょう。 内容によって、参加するかしないかを決められる方もいらっしゃいます。 急にレクリエーションを始めてしまうと、けがや事故につながりかねません。 ゆっくりと深呼吸をして、準備体操をしましょう。 また、朝のバイタルが安定しない方など、健康状態も把握しておきましょう。 デイサービスでのレクリエーション掴み! レクリエーションでいまいち盛り上がらなかったり、途中で席をたたれたりされることのないよう『心をつかむ』事ができると、ご利用者様もスタッフも楽しくレクリエーションに入ることができます。 笑いを取りに行く!という強者スタッフさんもいらっしゃいますが、写真を見ていただいたり(最近いった場所や、赤ちゃんや子供の写真季節の風景やおいしそうな食べ物等)すると場が和み緊張感が解けリラックス出来た状態でレクリエーションに入ることができるのでおすすめです。 アイスブレイクともいいます。 楽しい雰囲気作りも心がけましょう。 デイサービスでの定番レクリエーション7選 ここではデーサービスで良く行われるレクリエーションを7選ご紹介します。 ①お手玉入れ 中心に置いた箱の周りを円で囲むようにみんなで座り、制限時間内に多く入ったチームの勝ちです。運動会の玉入れと同じ要領です。 ②歌 歌詞カードをあらかじめ作成して高齢者に人気の歌をながしてみんなで歌います。 カラオケとは違い、一人で歌うのは苦手な方や、歌うより聞きたい方、意思疎通の測れない方でも参加できます。 ③カラオケ デイサービスにマイクは結構な確率であると思います。 テレビにつないで出来るので準備もさほどいりません。 ④風船バレー 椅子に座っていても出来る高さにネットをかけ、チーム対抗で戦います。 チーム戦にすることでやる気が出ます。 ネットがない場合は床に線があるだけでもいいです。 ⑤紐通しリレー やわらかい紐に飾りつけしたトイレットペーパーの芯を用意し、対面でチームが向かい合って横に並び、横一列に長い一本の紐を伸ばします。 先頭の人がトイレットペーパーの芯をいれ、隣の人に渡します。 先に最後の人までトイレットペーパーの芯を通して運べたチームの勝ちです。 対面に相手チームの進行状況が見えるため、とても白熱した戦いになります。 ⑥棒体操 棒の代わりにタオルでもかまいません。 スタッフの体操を見ながら真似して背中や方、普段使わない筋肉も伸ばしていきましょう。 ⑦リズム体操 音楽に合わせてリズミカルに体操をします。 デイサービスによっては曲を決めてオリジナルの体操を行っているところもあります。 オリジナルの振り付けをスタッフやご利用者様で考えながら作るのも楽しみの一つになりそうです。 デイサービスでの道具を使わないレクリエーション ほんの数分の空き時間でも、レクリエーションはできます。 集団のみではなく個人で出来る楽しいレクリエーションも沢山あります。 ①パタカラ体操 『パタカラ』をつかって発声練習をします。 食事前に行うと唾液分泌を良くし、飲み込む力の弱い高齢者の誤嚥を防ぐ効果もあります。 また、発声の練習にもなります。 ②ハンドマッサージ 手にはたくさんのツボがあります。ツボを刺激することで 感覚を養ったり、リラックス効果などを得られスタッフとのコミュニケーションにもなったり、ゆっくり話す機会を作ることもでき、ご利用者様に安心感を持っていただけます。 普段聞けない話が聞けたりするので、スタッフとの信頼関係も築く事ができます。 ③なぞなぞ 考えることで、認知症予防にもつながります。 解けた時の達成感はやる気にもなることでしょう。 ④チーム対抗ジェスチャーゲーム お題を先頭のご利用者様に伝え最後のご利用者様までジェスチャーのみで伝えていき、最後にお互いで答え合わせをします。 間にスタッフも入ることで更に盛り上がります。 一人一人伝えていくので、肩をたたかれるまでは各自後ろを向いて待ちます。 座って出来るレクリエーション 利用者の方には椅子から立ちああることが難しい方も多くいらっしゃいます。 そのため、椅子に座ったままできるレクリエーションも用意しておくようにしましょう。 ①体操 高齢者向けの体操は基本的にゆっくりなので足踏みなども座ったまま行える体操がよいでしょう。 ラジオ体操座ったまま行うことが可能ですし、インターネットで調べれば座ったままできる体操を数多く見つけることができます。 ②ボウリング 椅子に座ったままボールを転がします。 対応戦にすると盛り上がるかもしれません。 ③折り紙 出来たら作品として飾ることも出来ます。 ピョンピョン跳ねるカエルを折って誰が一番遠くに跳ねるか競うことも面白いのではないでしょうか。 ④じゃんけん大会 スタッフが前にたち、全員でじゃんけんをします。 勝った人だけ残りまたじゃんけんを繰り返して最後まで勝ち残った人が優勝です。 ⑤おはじき ご利用者様が懐かしがられますし、認知症療法にもなります。 その他にも昔懐かしい遊びをとりいれてみるのもよいでしょう。 ⑥トランプ スタッフも入って、ババ抜きや七並べを楽しみます。 新しくわかりやすいトランプゲームを教えてあげるのもよいでしょう。 ⑦塗り絵 季節の塗り絵をし、完成品は飾ったり持って帰ってご家族様に見せると喜ばれます。 また、作品として展示するのもご利用者様のやる気につながります。 ホワイトボードでレクリエーション 頭を使って脳トレをしよう!ホワイトボードを使って、計算式を書いて答えてもらいます。 難しい漢字を書いて答えてもらうことも脳の活性化になります。 魚の漢字や、花の漢字は頭を使って想像力も必要とするのでお勧めです。 (例・紫陽花→アジサイ。 海月→クラゲ。 海驢→あしか など また、47都道府県を出し合ったりするのも人気です。 レクリエーションのメリット デイサービスでレクリエーションをすることには数々のメリットがあります。 ▶脳が活性化され、認知症予防にも 考えたり、笑ったり、体を動かしたり、懐かしんだりとレクリエーションを行うことで認知症予防につながります。 特に回想法といって、昔を懐かしむ事で脳内の記憶を呼び覚まし認知症予防や進行防止につながるとされています。 積極的に参加しましょう。 ▶身体機能(ADI)の向上。維持。 高齢者の方は、何もしないと身体機能が著しく低下し、寝たきりや歩行困難等生活に支障をきたす場合も少なくありません。 レクリエーションに関わらずどんなこともご自分でしていただく事が大切です。 レクリエーションを通して筋肉や脳に刺激を送り、体を動かすことを積極的に行うことで、身体機能の維持・向上を測りご利用者様の生活を守ることにもつながります。 ▶生活の質(QOI)が高くなる レクリエーションを通して、『楽しみ』や『喜び』を引き出すことで笑顔になり、人間らしく生きる幸せを感じられることにより、生活の質(QOL)を向上させます。 人はこのような事を感じなくなると、生活の質が落ち、何事にも喜べなくなり、うつ病などの精神疾患や、認知症を引き起こす原因にもなりかねません。 生き生きと生きること。笑顔になることを引き出せるようなレクリエーションを心がけましょう。 ▶コミュニケーションの場となり、精神面での安定をはかれる 人と話したり、笑ったり、理解してもらったり、達成感を味わったりすることで社会とのつながりを持て、孤独感が軽減し、ストレスの発散にもなり精神の安定にもつながります。 ご近所さんとの付き合いも年々減ってしまっているので、デイサービスに来る時しか人と話さないご利用者様も増えてきています。 また核家族が主流となり、独居生活の方も多くいらっしゃいます。 話すだけでなく手を握ったり、目をしっかり見つめたり一歩踏み込んだコミュニケーションも大切になります。 レクリエーションを行う際の注意点 ご利用者様一人一人の性格や身体機能、認知症や麻痺の有無等はあらかじめ把握しておきましょう。 自尊心を傷つけたり、不快にさせることのないように配慮しましょう。 大きな声ではきはきとしゃべりましょう。 車いす上でレクリエーションに参加する場合は、必ずフットレストを下げ両方の足の裏が床につけ、ブレーキがかかっているのを確認しましょう。 周囲の人に手などが当たらないか確認しましょう。 転倒や転落等、くれぐれも事故のないように注意しましょう。 スタッフも楽しみましょう。ご利用者様もスタッフと一緒に楽しめるほうが喜ばれます。 デイサービスでのレクリエーションはご利用者様の楽しみの一つ。 デイサービスは、毎日通っている方から週に一日だけのかたもいらっしゃいます。 スタッフやご利用者様とお話するのも楽しみにしていらっしゃる方も多いです。 少しでも多くの笑顔と喜びを引き出し、満足していただけるようにレクリエーションを工夫しましょう。 デイサービスでのレクリエーションまとめ 様々なメリットが得られるレクリエーションを紹介しました。 デイサービスには、さまざまな疾患や病気、身体機能の差があり、平等に全ての人が同じ満足感を得ることは難しいのも事実です。 そんな時は二つのレクリエーションを行うことも対策の一つです。 体を動かすチームと塗り絵など作業を行うチームと別れて行ったり、午前と午後で内容を変えてみるのも方法の一つです。 中には個人で静かに絵を描きたいという方もいらっしゃいます。 無理強いはせず、それぞれのご利用者様のニーズにあった、臨機応変な対応をすることも大事です。 介護現場は人手不足で大変なお仕事だとは思いますが、いくつになっても人間が人間らしく生きるために、楽しみや喜びの多いレクリエーションを行うことは重要です。 スタッフも一社に楽しめるレクリエーションを提供できるように心がけましょう。
街中でデイサービスの送迎車を見かけることはありませんか? デイサービスの送迎の仕事はどんな仕事なのか、と、気になっている方もいるのではないでしょうか?今回はデイサービスの送迎についてお伝えします。 デイサービスとは? デイサービスとは日帰りの介護保険サービスです。 朝、送迎車がお迎えに来て施設で1日過ごし、夕方には送迎車でお家に帰ってきます。 デイサービスの目的は主に食事、入浴、運動です。 デイサービスはご利用される高齢者の方の心身機能を保持または向上することと、ご家族の方の介護負担を軽減することが目的とされています。 ご利用者様が安心してデイサービスに来ていただくためにも、送迎業務は大切な役割になります。 またご利用者様を送迎するだけではなく、ご利用者様やご家族様とコミュニケーションを取ることができる大切な時間です。ご利用者様の近況やご家族様の悩みなどの情報収集もサービスを向上するためには必要になります。 ご利用者様やご家族様と信頼関係を築くことによって、良いサービスを築くことができます。 デイサービスの送迎業務とは? では、デイサービスの送迎の仕事とはどのようなものなのか、詳しくご紹介していきます。 ①デイサービスの送迎業務の仕事 ・朝はご利用者様のご自宅へお迎え、夕方にご利用者様をご自宅へお送りする。・乗車時のご利用者様の介助。・ご自宅へ行った際、ご家族様やご利用者様とのコミュニケーション。・ご利用者様が乗車中、ご利用者様とのコミュニケーション。・送迎車両の車両点検や管理、清掃。・送迎車両の給油。 上記以外にも送迎ルートの作成や送迎車や施設内の清掃をお願いする施設もあります。 業務内容については施設によって異なりますので、具体的にどのような業務内容か事前に確認することが必要です。 ②送迎ドライバーの必要な資格について デイサービスの送迎ドライバーは、普通自動車第一種運転免許が必要となります。 バスなどで送迎を行うデイサービスは、中型や大型自動車免許が必要です。 しかし、デイサービスはバスで送迎することは稀であり、普通自動車第一種運転免許があれば業務を行うことができます。また、デイサービスでの送迎業務は車で送迎するだけではなく、ご利用者様の介護も必要となる場合もあります。 送迎業務は介護の資格がなくても働くことはできますが、ご利用者様が安心してご利用していただくためにもヘルパー2級などの資格を取得することも大切です。 ③送迎業務で介護を行うことがあるのか? デイサービスをご利用されるご利用者様は、ご自身で歩かれる方など自立させている方だけではありません。 お身体の状態によって、歩行時に手引きで介助をすることや車椅子を操作する介助も求められることもあります。 また、ご自宅内でベッドまでの移乗介護を求められるケースもあります。 手引き介助の方法や車椅子の操作を知ることも大切です。 知らない状態で対応すると事故を起こす危険があります。 何も知らされない状態で送迎をお願いすることはありませんが、介助方法について事前に把握をすることは必要です。 ④送迎車はどのような車を運転するのか? デイサービスの送迎車は主に、軽自動車、ワンボックスカー、ハイエースクラスです。 車椅子が乗車できるよう福祉車両になっているため、操作方法を把握することが必要です。 各車両や車種によって取り扱いの方法は違います。 取り扱いを間違えると、ご利用者様が乗り降りする際に、事故の危険もあります。 そのため、正しい使用方法を覚えることは大切です。 ⑤送迎ドライバーの勤務時間について 送迎ドライバーの勤務時間については施設運営時間によって異なりますが、大まかに2種類です。1日勤務の日勤業務とスポット勤務として午前中2時間程度、午後2時間程度の送迎時間の業務があります。 例)1)8時30分〜17時30分の日勤業務。2)8時〜10時、16時〜18時の4時間勤務。 勤務時間が日勤業務として募集しているデイサービスは、送迎業務の他にも業務を求められていますので、事前に業務内容を確認することがおすすめです。 施設によっては午前中のみや午後のみの送迎を募集していることもあります。 募集している勤務の時間帯によっては、本業の空き時間として働くこともできます。 ⑥送迎範囲、どのようなルートで送迎するのか? 送迎範囲は施設によって送迎範囲が異なりますが、主に片道10km圏内(30分以内)の範囲で送迎をします。 原則としてはご自宅と施設間の送迎になります。 送迎につきましては、デイサービスでは1人ずつ送迎する訳ではありません。 車種によりますが、軽自動車では1〜3名のご利用者様の送迎を行います。 またハイエースなどの車両だと、3〜7名のご利用者様の送迎になることも多いです。 デイサービスにお越しになる1日のご利用者様の人数にもよりますが、1日の定員が50名以上のデイサービスだと2便制で送迎をするケースもあります。 送迎ルートは基本的には同じ町内などご利用者様同士のご自宅が近い方を中心に送迎ルートを組みます。デイサービスは毎日見えるご利用者様が固定されているため、送迎ルートも固定されてきます。ただ、新規でご利用者様が増えた際やお休みになった際などで送迎ルートが変更になる時もあります。 事前に余裕を持って送迎ルートを把握することが大切です。 デイサービスの送迎業務の注意点は? [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] デイサービスの送迎業務として注意する点は下記になります。 1)安全運転で安全安心の送迎をする。 事故を起こさないよう、安全運転することは当たり前です。 しかし送り迎えする際、ご利用者様の自宅に伺う時間帯はスケジュールが決まっています。交通状況やお迎えに行ったご利用者様が準備できていない場合、時間が掛かったなどのトラブルによってスケジュールが乱れてしまうことがあります。 すると、次のご利用者様の自宅に伺うのに間に合わなくなってしまい。焦ってしまうことがあるかもしれません。 特にヘルパーさんのお迎え送り出しでの配置やご家族様が仕事に出かける為、送迎時間を指定されるケースもあります。 ギリギリの時間に出発するのではなく、時間に余裕を持つことが大切です。 また、運転時は急発進や急ブレーキをしないよう安全に運転することも心がけるようにしましょう。特に車椅子で乗車されているご利用者様は、後部座席で乗車している以上に車の揺れや動きを敏感に感じます。 ちょっとした車の揺れでも怖い思いをすることも多いです。 ただ体感しないと恐怖感はわからないこともありますので、実際にご自身で車椅子に乗って車に乗車してみるのもよいでしょう。 送迎車は施設名が入っていることがあり、施設の看板として地域の方にみられています。 法定速度や車線変更、黄色信号での停車など安全に配慮した運転が必要です。 危険な運転をすることによって、施設に対する印象が悪くなります。 もちろん乗車しているご利用者様にも怖い思いをしてしまいます。 運転状況によっては、直接施設へクレームの電話をいただくこともあるので、より慎重な運転を心掛けることが必要です。 2)ご自宅、デイサービスから送迎車までの乗降車時、ご利用者様の転倒に注意する。 ご自身で歩けるご利用者様だからといって、距離感を空けて誘導すると目を離したタイミングで転んでしまう危険があります。ご自宅から送迎車から施設への移動する間は、必ずご利用者様の近くで見守りながら誘導することが大事です。近くで見守りすることによって、ふらついたり転びそうになった時にフォローできる距離感がポイントです。 どんなに自立していてもどこで転ぶのかというリスクはいつもあります。 ご利用者様が安全にデイサービスをご利用していただくためには、転倒に注意することが大切です。 3)福祉車両の使い方を覚える。 福祉車両は、車椅子も乗車できます。 軽自動車なら車椅子1台分、ハイエースなら2台の車椅子が乗車可能です。 安全に車椅子で乗車していただくためにも、使い方を覚えることは必要です。 4)挨拶と身だしなみを忘れずに ご利用者様のご自宅へ送迎する際、ご利用者様やご家族様への挨拶ははっきり元気良く対応することが大切です。 また服装などの身だしなみも清潔感がある姿も大切です。 送迎ドライバーは施設の顔でもあります。 挨拶ができない、暗い表情で対応する、服装が乱れているなどがあると、ご利用者様やご家族様から良くない印象を受けます。 送迎ドライバーの印象が良くないと、施設への印象も悪くなります。 施設の顔として元気良く清潔感ある姿が大切です。 5)送迎時は、運転免許証と携帯電話の所持をする。 当たり前ではありますが、道路交通法では運転時は運転免許証を持っていることが義務付けられています。 また送迎中、ご利用者様の自宅に時間通りに間に合わないことなどトラブルが発生した際に携帯電話を使用することがあります。 送迎に出る前に、運転免許証と携帯電話を所持しているか確認が必要です。 6)前日のアルコールが残っていないか気をつける。 送迎業務をすることによって、前日のアルコールが残っていないか気をつけることが必要です。 ドライバーとして最低限のルールです。 アルコールの分解は体質などから個人差がありますが、一般的に体重60kgの人がビール500mlを飲酒した際、アルコールを分解するには3〜4時間が必要だと言われています。 勤務前日のアルコールの取り方も気をつけないといけませんが、睡眠時間もしっかりとることが大切です。 まとめ いかがでしたでしょうか、デイサービスの送迎業務についてお伝えしました。 ・デイサービスの送迎業務は、ご利用者様の自宅の送り迎えをする仕事である。・普通自動車第一種運転免許が必要である。・福祉車両の使い方を覚える必要がある。・勤務時間は1日勤務やお迎えの朝とお送りの夕の2部制と施設によって異なる。・送迎だけではなく、ご利用者様の介護することも必要である。・送迎車は施設の看板として地域の方にみられているので、いつも以上に安全運転が必要である。・送迎ドライバーは施設の顔でもあるので、挨拶は元気良く、身だしなみは清潔感ある姿が大切である。 最後まで読んでいただきありがとうございます。