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家族向け情報

  • 介護の調査訪問とは?家族が準備するためのチェックポイントを解説

    家族に介護が必要な状況となり、「初めて認定調査を受けることになった」という方は、何が必要か分からず不安でいっぱいではないでしょうか。 認定調査は介護者と要介護者にとって非常に大切なものです。 今回は認定調査を受けるにあたって、必要なものや当日スムーズに行えるように事前に準備しておくと良いものをご紹介します。 「認定調査」について では認定調査とはどのようなものなのかを解説します。 認定調査とは? 認定調査とは要介護申請後に申請を受けた市区町村が訪問員を派遣し、要介護者がどの程度自立しているのかを調査することです。 認定調査の聞き取り先は本人と立ち会っている家族や施設の方になります。 これは要介護認定を受けるには必ず必要なことで、デイサービスやヘルパーなどの介護サービスを利用したい方にとって認定調査は必須です。 認定調査を受けるためには? 認定調査を受ける前に、まず市区町村へ要介護認定の申請を行うことが必要です。 要介護認定に必要なものは以下の通りです。 ・申請書(市区町村の窓口またはホームページよりダウンロード可能です) ・マイナンバーカードまたは通知書 ・介護保険被保険者証(65歳以上) ・健康保険被保険者証(64歳以下) ただし、各市町村によって必要なものが異なる場合があるので、事前に役所のホームページなどで確認しておくようにしましょう。 また、かかりつけ医がいる方はその診察券も用意しておくようにしてください。 また認定調査と並行して、市区町村から要介護者のかかりつけ医に「主治医の意見書」を作成するように申し入れがあります。 主治医の意見書とは要介護者の既往歴など、介護するにあたって重要な情報が記載されている大切な書類のことです。 市区町村からかかりつけ医へ依頼されますが、事前に病院へ相談しておくとスムーズですので可能であれば前もって打診しておきましょう。 かかりつけ医がいない要介護者は市区町村が指定した医師を受診することになります。 認定調査の内容とは? 認定調査の所要時間は30分~1時間程度で、74項目を対象に要介護者の普段の様子や困りごとについて調査します。 74項目の調査内容は以下の5つの分野に分かれます。 ①身体機能、起居動作・・・立位、座位が保てるか、麻痺があるかどうかなど ②生活機能・・・食事や入浴、排泄が可能かなど ③認知機能・・・生年月日や短期記憶、意思の伝達が可能かなど ④精神、行動障害・・・被害的な思考ではないか、情緒が安定しているかなど ⑤社会への適応・・・簡単な調理が可能か、薬や金銭の管理が可能かなど これは一部を抜粋したもので全てではありません。 実際の調査はさらに詳細な内容になります。 「認定調査」を受ける前に準備しておくことは? 74項目と聞くと、不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 その不安から認定調査が終わった後に言い残しや聞き残しがないようにすることが大切です。 当日スムーズに進むように5つのポイントに分けて、事前に準備しておくと良いことをお話します。 ①普段の様子を理解しておく どんな時に介護のサポートが必要だと感じたのかということです。 食事なのか入浴なのか、外出先でなのか都度メモをしておいてください。 徘徊や会話の受け答えが以前と違うと感じた介護者は、動画や写真に残すのも良いでしょう。 特に介護度が低い場合は、初対面の調査員にとってどの程度介護が必要だと理解するのは難しいです。 麻痺があったり、不穏であったり明らかに介護が必要な方であれば、分かりやすいのですが、明るく出迎え、自分で歩行ができている様子を見ると「しっかりしている」という第一印象を受けます。 調査の短い時間の中で、症状が出るとは限りません。 ですので普段の様子をありのまま伝えることはとても大切です。 ②介護者の困りごとを確認しておく 普段の様子を踏まえ、介護者がどんなことで困っているのかを調査員に伝えましょう。 勿論調査対象となるのは要介護者ですが、介護者がどのようなことで困っているのかを伝えることも大切です。 また介護者である家族の住まいが遠方であったり、自身にも体調に問題があったりと介護をすることが難しい方もいます。 介護者の置かれている状況も併せて説明しましょう。 ③認定調査の項目を把握しておく 74項目を記憶する必要はありませんが、当日回答に困らないために調査項目に目を通しておきましょう。 普段の生活で意識していなかったことや、調査項目を見ることで思い出す困りごともあるかもしれません。 ④要介護者に聞かれたくないことはメモで伝える 例えば認知機能の低下により介護が必要だと介護者が判断していた場合、「認知症の可能性がある」と心配していることを要介護者の耳に入れたくない方も多いです。 困っている事実を伝えたくても、要介護者の前で初対面の調査員にありのままを伝えることに抵抗を感じる介護者もいるでしょう。 その時は要介護者から少し離れた場所で会話したり、メモを使って伝えてみたりしましょう。 ⑤病気や怪我なども伝え漏れがないようにする 主治医の意見書があってもそこに全ての既往歴が記載されているとは限りません。 また長年のかかりつけ医が作成した場合ではなく、市区町村が指定した病院で主治医を作成した場合は漏れがある可能性もあります。 些細なことでも良いのでしっかりと伝えましょう。 「認定調査」で気をつけたいこと 認定調査で決定される介護度はとても重要です。 介護度によって受けることができる介護サービスに制限があったり、介護保険を利用できる額も変わってきます。 調査員に適切な判断をしてもらえず実際の介護度より低く判定されてしまった場合、介護者にとっては大きな負担となりかねませんので注意が必要です。 ここでは特に気をつけたい点を2つご紹介します。 ①認定調査にはなるべく立ち合いましょう すでに入所をしていて施設で認定調査を受ける場合はそこの施設職員が立ち合うことが多いですが、自宅で受ける場合は要介護者本人1人で受けることができます。 遠方であったり、やむを得ない都合でどうしても難しい場合を除き、認定調査には必ず立ち合ってください。 認定調査に立ち会う人数に制限は基本的にありません。 様々な目線から調査員に現状を伝えましょう。 立ち合いが必要な理由を例として挙げると、初対面の方やお客さんを前にすると普段よりハキハキと話すことができたり、調子が良くなったりするという話を耳にしたことはありませんでしょうか? また歩行にふらつきのある方が認定調査の際にしっかり歩いてまるで別人のようになるなどは聞いたことがありますよね。 調査員に「何でもできる方だ」と判断されてしまうことを避けるために、本人1人だけで認定調査を受けることはなるべく避けましょう。 また先ほど話した通り、介護者や家族の立場から困っていることを伝える必要もあります。 ②「認定調査」について要介護者にどのように伝えるか 後期高齢者であったり、自覚症状が強くある方は「介護サービスを日常に取り入れよう」と言われても抵抗なく受け入れられるかもしれません。 しかしまだ60代、70代で周りに介護を受けている人が少ない年齢の方や、自覚症状のない方はいきなり「介護」と言われると受け入れ難いものです。 そのような方に「介護サービスを使ってほしいから認定調査を受けよう」と伝えるとどうでしょうか。 調査員が訪問しても普段の姿で認定調査が受けられなかったり、頑張ってしまったり、そもそも認定調査を受けてくれない可能性もあります。 ですので「認定調査を受けよう」ではなく、「市から健康調査のために調査員が来る」というような直接的な表現を避けて要介護者の自尊心を傷つけないように配慮しましょう。 このような表現を要介護者にすることで、嘘をついているような感覚になり罪悪感のある方もいます。 そのような場合は要介護者と向き合い、介護者自身が困っていることや協力してほしいことを本人に伝えてみましょう。 気持ちが上手く伝われば要介護者、介護者両者ともに積極的に認定調査を受けることができます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 初めての認定調査で分からないことも多く緊張してしまいますが、要介護者本人がなるべく普段通りの様子でいることが一番大切です。 適切な判断をしてもらえるように立ち会う方はサポートに努めましょう。 ・要介護認定を受けるために認定調査は必須で、申請した市区町村から調査員が訪問する。 ・かかりつけ医がいる方は事前に打診しておくと主治医の意見書をスムーズに作成できる。 ・認定調査では74項目の質問をされて、およそ30分~1時間の時間を要する。 ・要介護者の普段の様子を理解しておき、メモや動画などに残すことが良い。 ・介護者の立場から困っていることをメモしておく。 ・認定調査の当日に焦りがないように調査項目には目を通しておく。 ・要介護者に聞かれたくないが、調査員に伝えたいことはメモに書いて渡す。 ・主治医の意見書だけでは不十分な場合もあるので、既往歴や身体で心配のある部分は伝える。 ・要介護者1人だけで認定調査を受けることも可能だが、普段と違う振る舞いをしてしまう恐れもあるので可能な限り調査には立ち会う。 ・「介護」というワードから認定調査に構えてしまう要介護者には直接的な表現は避ける。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • ディサービスとディケアの違いとは?利用目的や条件・料金などを解説

    在宅介護と呼ばれるサービスには様々なものがあります。 そんな在宅介護のサービスの中に「ディサービス」や「ディケア」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 名前が似ていて同じものだと思われがちですが、実はディサービスとディケアは意外と違いが多いのです。 今回は「ディサービス」と「ディケア」の違いを様々な側面からお話しします。 「ディサービス」と「ディケア」のサービスの違いは? まず両者を比較すると利用する目的が大きく違います。 その違いから見ていきましょう。 「ディサービス」の利用目的 ディサービスの特徴として、自宅での入浴が難しいなど自立度の低い方も多く利用しているという点が挙げられます。 これはディサービスの利用目的として自宅での自立度を高めたり、ご家族の負担を軽減することがあるからです。 ですので入浴や食事など日常生活の介護がサービスの中心となります。 また他者とのコミュニケーションをとる場面も多く、レクリエーションの内容が充実しているのも特徴です。 入浴や食事の時間の他に身体を動かす時間が設定されていたり、席の近い方とお話ししたり、趣味やテレビの時間を作ったりとゆったりと過ごす時間も多いのがディサービスです。 「ディケア」の利用目的 ディケアは「通所リハビリテーション」とも呼ばれ、最大の特徴は医師が常駐していることです。 医師から医療的なアドバイスが受けられたり、健康管理をしてもらえたりすることがサービスの内容に含まれます。 ディサービスにも看護師が常駐していますが、ディケアの方がより医療体制が整っていると言えます。 またリハビリ専門職がいることもあり、サービスの目的は身体機能の維持や回復で、しっかりと身体を動かしてリハビリに取り組む時間が多く設けられています。 また施設によって1日だったり半日などの短時間だったり、食事や入浴の時間はなかったりと様々です。 「ディサービス」と「ディケア」の人員配置の違いは? 上記のようなサービス内容の違いから、サービスに携わる専門職にも違いが出ています。 「ディサービス」の人員配置 ディサービスは介護士、看護師、生活相談員の人員配置で成り立っています。 日常生活の支援を行うのがディサービスの利用目的になるので、介護士が入浴や食事を、看護師がバイタルチェックなどで健康管理を行い、そして機能訓練指導員が機能訓練を行います。 またディサービスを利用する方の多くは、日常生活に不安を抱えています。 そこで自宅での介護の不安を相談できる生活相談員が常駐しているのが特徴です。 「ディケア」の人員配置 一方ディケアでは介護士、看護師に、リハビリ専門職と医師が加わります。 リハビリ専門職とは理学療法士や言語聴覚士、作業療法士です。 このようなリハビリ専門職が常駐していることで、リハビリに特化した時間を過ごすことができ、より身体機能の回復が期待されます。 また医師が常駐していることで、先ほど説明した健康への不安を緩和することができます。 「ディサービス」と「ディケア」の利用条件は? 料金は? ディサービスは自宅での生活に不安のある方が多く、ディケアは身体機能を維持・回復を目的とする方が多いということはご理解いただけたでしょう。 それは両者の利用条件でも確認することができます。 ディサービスは通所介護のため利用条件は、介護認定の内要介護1~5の方のみと設定されています。(今回の記事では、介護予防を含めず記載しています。) 一方ディケアは要支援でも要介護でも関係なく介護認定を受けていれば、介護保険を使用して、サービスを利用することができます。 また介護認定を受けていなくても自費であれば利用することが可能です。 では利用料金にはどのような違いがあるでしょうか。 ディケアには医師が常駐していたり、受けるリハビリも専門的なものになるので、ディサービスと比較すると少し高い料金が設定されています。 自治体にもよりますが、1日あたりおよそ100円~300円程度ディケアの方が高くなります。 「ディサービス」と「ディケア」どちらがオススメ? 両者の特徴を様々な側面からお話しましたが、利用する方によってどちらがオススメなのかは違います。 「ディサービス」がオススメの方 まず自宅での入浴や食事に不安があり、本人や家族に自宅での負担が大きくかかっている場合は ディサービスの方がオススメです。 また、「運動は少しだけ行いたい」や「身体で痛めている部分があるので無理はしたくない」という方にもディサービスの方が良いでしょう。 ディケアは運動を積極的に行いたい方が多いため、「運動は程々にしたい」または「一切したくない」という方が利用してしまうと精神的にも不安を感じてしまいます。 ディサービスは他の利用者の方とコミュニケーションをとりやすい場なので、「おしゃべりを楽しみたい」や「友人をつくりたい」という方にも楽しめる介護サービスです。 「ディケア」がオススメの方 医師が常駐していることもあり、退院したばかりの方や、身体機能の不安が大きい方はディケアの方が安心して利用することができます。 リハビリ専門職が揃っていることで身体をしっかりと動かして、とにかくリハビリを頑張りたいと思っている方も満足して利用できます。 ディサービスと比較するとディケアを利用する方は日常生活の動作に不安がある方は少ないです。 今の健康を維持したい、より元気になりたい方には、ディケアの方がオススメです。 リハビリ型ディサービスとは? ここまでディサービスとディケアの違いについて説明しましたが、「リハビリ型ディサービス」というサービスもあります。 リハビリ型ディサービスの多くが、午前と午後で利用する方が入れ替わる半日型を採用しています。 半日型であるため食事や入浴はサービスには含まれていません。 こう聞くと「リハビリ型ディサービス」と「ディケア」の違いがないように思いますが、大きな違いがあります。 それはディケアは医師の指導のもとリハビリが行われていることです。 リハビリ型ディサービスはそうではありません。 同じようなサービス内容だとしても身体の不安が大きい方はディケアを検討しましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 同じ「ディ」というワードがついていても、サービスの内容は大きく違うので、利用する方の希望や状況に合わせて適切に選択しましょう。 ・ディサービスを利用する方は自宅での日常生活に不安を抱えている場合が多いので、食事や入浴などの時間が中心である。 ・ディサービスでは趣味やレクリエーションなど、他の利用者の方とのコミュニケーションをとる場面も多い。 ・ディケアは身体機能の維持や回復を目的として利用している方が多い。 ・ディサービスには生活相談員が常駐しているため、 気軽に介護の相談を聞いてもらいやすい。 ・ディケアには医師が常駐しているので、健康面での不安が多い方は安心して利用できる。 ・またリハビリ専門職と呼ばれる人員配置がディケアにはあるので、身体機能の維持や回復も期待できる。 ・ディサービスは要介護1~5の方という制限があるが、ディケアの場合は介護認定を受けていれば要支援でも制限なく、介護保険を使用して利用できる。 ・自治体にも差があるが医師が常駐しているという理由で、ディケアの方が1日あたり100円~300円程度利用料が高い。 ・リハビリ型ディサービスは半日型で食事や入浴なしとしている場合が多く、ディケアとの違いはリハビリが医師の指導のもとであるかどうかである。 最後までお読みいただきありがとうございます。  

  • 介護保険で住宅改修をしよう!改修箇所別のポイントを解説!

    高齢者の暮らしを支える住宅改修。 有効に使って、要介護者も介護する人も共に暮らしやすいようにしたいですよね。  介護保険での住宅改修ができるのは下記の5箇所と決まっています。 手すりの取り付け 段差解消(屋外の工事も含む) 滑りの防止及び移動の円滑化等のためのまたは通路面の材料の変更(屋外の工事も含む) 引き戸等への扉の取替え 洋式便器への取替え これから、それぞれのポイントや注意点を紹介します。   手すりの取り付け 介護保険の住宅改修でもっとも工事件数が多いのが、手すりの取り付けです。 手すりは、歩行や立ち上がりの補助をする働きがあります。 そんな手すりですが、たくさん取り付けても意味がありません。 邪魔になって通路が狭くなったり、使わない可能性があるからです。 生活動線や本人の能力を考慮したうえで、手すりを取り付けるようにしましょう。   手すりの役割  手すりの役割は、以下のようなものがあります。 立ち上がりの補助 歩行の補助や誘導  それぞれ、詳しく紹介していきます。  立ち上がりの補助 加齢とともに筋力が落ちて、立ち上がりに時間がかかったり、1人でできなくなりがちです。 そうなると、誰かの手助けが必要になって、介護の負担が増えることになってしまいます。 しかし、すりにつかまれば、立ち上がりが楽にできるようになります。 手すりが、立ち上がりを助けてくれるからです。 たとえば、トイレの壁に手すりを取り付けた場合には、手すりにつかまってスムーズに立ち上がることができます。  1人で立ち上がりができるようになるためにも、介護負担が増えないためにも、補助をしてくれる手すりの取り付けが重要です。  歩行の補助や誘導  加齢とともに落ちるのは、筋力だけではありません。 バランス能力も低くなってふらつきが多くなり、転びやすい状態になります。  壁に手すりを取り付けることで、転ばずに歩くことができます。 手すりが、ふらつかずにバランスをとる支えになるからです。 例えば、夜中にトイレに行きたくなると、トイレまで移動するために暗い場所を歩かなくてはなりません。 そんな時に廊下にに手すりがあることで、移動を助けてくれたり、誘導してくれるので、転ばずに歩くことができます。 転ばずに目的地まで歩くためにも、手すりの取り付けが重要になります。  手すりの種類  手すりには、大きくわけて、5種類あります。  横手すり 縦手すり(I型) L字型 階段用 据え置き型  しかし、どのタイプを取り付ければいいのか迷ってしまいがちです。 それぞれ、どんな時に使用するのか、詳しく解説します。  横手すり  横手すりは、地面に対して水平に取り付ける手すりで、もっとも一般的なタイプです。 つかまって移動する時に使用できるため、廊下や玄関への取り付けが多くみられます。   縦手すり(I型)  縦手すりは、地面に対して垂直に取り付ける手すりです。 段差を上がる時や立ち上がりの時の補助になるので、玄関やトイレに取り付けることが多いタイプになります。  L字型  L字型の手すりは、横手すりと縦手すりが一体化したものです。 立ち上がりと立位保持の手助けをするので、トイレや浴室に取り付けることが多くみられます。  階段用  階段用の手すりは、階段の昇り降りを補助する手すりです。 両側にとりつけることが望ましいですが、片側だけの時は降りる時の利き手側に取り付けるようにしましょう。 しかし高齢者は自室を1階にしていることが多いため、使用する頻度が少ないです。  据え置き型  床に置いて使用するタイプの手すりです。 手すりを取り付けることができない場所にも置くことができます。 工事を必要としないため、住宅改修での対応はできません。 福祉用具貸与での対応になります。  段差の解消 次に、段差の解消です。 対象は、自宅内の各部屋の間の床の段差と、玄関から道路までの通路の段差になります。 電力で稼働する段差昇降機や工事を伴わないスロープは、福祉用具貸与の対象外になりますので注意しましょう。  それでは、場所別に解説していきます。  玄関  玄関の上がりかまちは、高齢者にとって大きな障害です。 特に日本家屋は段差が高く、上がるのが大変だからです。 工事としては式台の設置が行われますが、工事を伴わない場合は、介護保険の対象外になります。  駐車場  高齢者にとって屋外の移動は段差も多く、転倒のリスクが高くなります。 筋力やバランス能力など、身体機能が低下しているからです。  たとえば、病院に行く時など外出の際には、駐車場に移動する必要があります。 駐車場までに段差など障害がある時は、スロープを設置したり、階段の段数を増やして、一段ごとの高さを低くすることができます。 敷居 若い人にとってなんともない少しの段差でも、高齢者にとっては転ぶ要因になります。 敷居などは取り外すことが難しいので、小さなスロープを取り付けて段差を解消します。 この時、1/4〜1/5の勾配にすることがポイントです。   滑りの防止及び移動の円滑等のための床または通路面の材料の変更 床などの通路は素材によっては、滑りやすく転倒しやすい要因になっています。 材料を変更することで、転倒予防を図ることができるのです。 もしくは、畳やカーペットでは車椅子の運びが悪いため材料を変更することで、移動をしやすくなります。  ただし、生活動線以外の工事や老朽化によるものは、対象外ですので注意してください。 引き戸等への扉の取替え [caption id="attachment_1295" align="alignnone" width="512"] Smiling children signing OK[/caption] 日本の玄関は、「開き戸」が多く使われています。 しかし、「開き戸」は、筋力が低下した人にとっては、開け閉めがつらいものになります。 扉の開け閉め時に、扉の開きしろを考慮するため、筋力やバランスが必要になるからです。 そこで、「引き戸」にすることで、扉の開きしろを気にせずに開け閉めができます。  ちなみに、ドアノブをレバー型に変更することも、住宅改修の対象です。 ただし、扉の老朽化といった交換は、対象外になっています。   洋式便器への取替え 洋式便器への取替えは、和式便器を洋式便器に取り替える場合が一般的に想定されています。 その他、どういった工事が対象になるのか、紹介します。  和式便器を洋式便器へ  現代では少なくなりましたが、日本家屋では和式便器が主流で、現在も残存しているところがあります。 ですが、和式便器は高齢者にとって、使いにくいものです。 しゃがむ動作をする必要がありますが、足の変形から痛みを伴い困難になっていきます。 また、筋力も低下しているので、しゃがんだはいいものの、立ち上がれなかったりすることもあります。  こういった時に、洋式便器への交換は有用です。  暖房・洗浄機能付便器への取替え  現在洋式のものを交換はできませんが、和式を洋式に変更する時は住宅改修の対象になります。  便器の取替えに伴う給排水設備工事  便器を取り替える時は、水回りの交換も必要になりますが、給排水にかかわる工事も住宅改修の対象です。 ただし、もともと水洗だったトイレのみになります。  便器の取替えに伴う床材変更  便器を取替える時は、床や壁も改修が必要になりますが、これも対象になります。  こういった時は対象外  住宅改修の対象外にもなる工事もあります。 洋式トイレを新設 手洗い器やペーパーホルダーの新設 基本的に、新設する場合は対象外です。 既存のものを交換する場合のみ対象になりますので、ご注意ください。  まとめ ここまで、介護保険での住宅改修のポイントや注意点を箇所別にわけて、紹介してきました。  ・手すりは歩行や立ち上がりの補助をするが、たくさん取りつけても意味がない。  手すりは数タイプあるので、目的や場所によってわける。 ・段差解消は自宅内の各部屋の間の床の段差と、玄関から道路までの通路の段差をなくすもの。  工事を伴わない段差解消機やスロープの取り付けは、住宅改修の対象にならない。 ・床または通路面の材料の変更は、生活動線以外や老朽化によるものは対象外。 ・引き戸等への扉の取替えは、高齢者にとって開け閉めが難しい開き戸を取替える時に有用。  開けやすいドアノブへの変更も住宅改修の対象だが、老朽化による扉の交換は対象外。 ・洋式便器への取替えは、一般的に和式便器を洋式便器に変更する時。  洋式トイレやペーパーホルダーを新設する場合は対象外。 親に元気に家で過ごしてもらうために、住宅改修を利用して生活環境を整えましょう。  そのためには、箇所別にポイントを把握しておくことが大切です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  • 福祉用具の住宅改修とは?基本的な内容から注意点まで解説! 

    介護保険には、住みなれた自宅での暮らしを続けることができるように支える制度もあります。 介護保険の制度で住環境に関するものが、「福祉用具」と「住宅改修」です。 住みなれた家での暮らしを続けるには工事が必要になる場合もあります。 この時に使える介護保険サービスが「住宅改修」です。 介護保険を使用すると、費用の一部の負担で「住宅改修」を受けることができます。  ここでは、「住宅改修」の基本的な内容について紹介します。 注意点もありますので、住宅改修を考えている方は、最後まで読んでくださいね。 福祉用具の住宅改修とは  住宅改修とは簡単にいうと、リフォームです。 福祉用具の住宅改修とは、要介護認定を受けた人の家での暮らしをサポートする、介護保険サービスの1つになります。  親が介護が必要な状態になってくると、多くの人が「親が暮らしやすいようにリフォームをしたいけど、お金がかかる…」と考えます。 福祉用具の住宅改修では、リフォームにかかった費用の一部の助成が受けられます。 たとえば、手すりを取り付けたり、段差をなくしてバリアフリーにしたりすることが可能です。 住宅改修というサポートで、要介護認定を受けた人が家での暮らしを続けやすくなります。   福祉用具の住宅改修で補助される対象とは [caption id="attachment_1220" align="alignnone" width="512"] Smiling children signing OK[/caption]  「住宅改修で、色々リフォームしよう」とお考えになる方も多いかもしれませんが、住宅改修はすべての工事が補助される対象にはなりません。 厚生労働省が以下の6つのものに決めているからです。 手すりの取り付け 段差の解消(屋外の工事も含む) 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更(屋外の工事も含む) 引き戸等への扉の取替え 洋式便器への取替え その他①~⑤に付帯して必要となる住宅改修 ただし、家の暮らしをサポートする「福祉用具貸与」は住宅改修の対象外ですので、注意してください。 また、「福祉用具貸与」は工事を伴わないので、レンタルになります。   どんな人が使えるの?   住宅改修は、すべての人が使えるものではなく、条件があります。 以下の条件を確認して、住宅改修ができるか検討してください。 要介護認定(要支援1~2、要介護1~5)を受けている 介護保険被保険者証に載っている家に住んでいる 入院中などではなく、現在家で生活している 家の所有者の許可を得ている 本人の自立支援を促したり、介護をする人の負担が減る 要介護認定(要支援1~2、要介護1~5)を受けている  介護保険サービスの住宅改修を受けるには、要介護認定を受けていなければなりません。 要介護認定がなければ、住宅改修の対象の項目だったとしても、全額自己負担になります。 住宅改修を受けたい場合は、必ず要介護認定を受ける必要があるのです。  介護保険被保険者証に載っている家に住んでいる 住宅改修の対象になるのは、介護保険被保険者証に載っている住所の家のみです。 たとえば、調子が悪い間だけなど一時的に子どもの家に住んでいる場合は、対象外です。 介護保険被保険者証に載っている家(住民票がある家)のみ、住宅改修が可能となります。  入院中などではなく、現在家で生活している  住宅改修を受けるには、現時点で家で生活していることが条件になります。 入院中や施設に入所中は、住宅改修を受けることができません。 住宅改修は家で生活をしている人が受けられる、在宅サービスだからです。 そのため、現時点で家で暮らしていることが必要なのです。  しかし自治体によっては、入院中であっても住宅改修が認められることがあります。 退院や退所後の暮らしを整えるために、住環境の整備が必要だと判断される場合です。 退院日などが決まっている場合は、入院中に事前申請や住宅改修を行えます。 退院後、定められた事後手続きを行います。 住宅改修後、退院できない時や施設入所に変更となって自宅に住めなくなった時は、住宅改修費は全額負担になってしまうので、注意が必要です。 可能であれば、住宅改修は事前申請のみ入院中に行い、工事は退院後に行うことをおすすめします。  家の所有者の許可を得ている 介護被保険者証に載っている家が住宅改修を受ける人の家ではない場合は、所有している人の許可が必要です。 たとえば、子どもの家や賃貸の場合です。 所有者の許可なく、住宅改修を受けることはできません。 「住宅改修の承諾書」に所有者の署名と捺印が必要になります。  本人の自立支援を促したり、介護をする人の負担が減る  住宅改修は、介護を受ける人が住んでいる家であっても、制限なく改修はできません。 介護保険は、介護認定を受けた人が住みなれた家での暮らしの継続をサポートするものだからです。 住宅改修を受けて、本人ができることが増えたり、介護をする人の負担が減ることが前提になります。 たとえば、手すりを取り付けて、1人で立ち上がれるようになるなど、利用者の役に立つことが重要なのです。 このため、住宅改修は補助を受けられる対象が決まっています。 詳しくは、前述した「住宅改修の補助される対象は」をご覧ください。   いくらまで補助される? 住宅改修の支給限度額は要介護度に関係なく、1人につき1回限りで、20万円です。 自己負担額は、介護保険負担割合証に1~3割のどれかが載っていますので、確認してください。 たとえば、1割の場合は2万円を自己負担することになります。  住宅改修費はまとめて使うこともできますし、複数回に分けて使うことも可能です。 たとえば、1回の住宅改修の工事で10万円しか使用しなければ、次の工事で残り10万円分を使えます。  ただし、20万円を超えた分は全額自己負担になりますので、注意してください。 自治体によっては住宅改修補助制度があって、20万円を超えた分も補助を受けられる場合があります。 担当のケアマネなどや自治体に相談してみてください。   1回20万円の住宅改修費がリセットされる時は?   住宅改修の支給限度額は1人につき1回20万円ですが、リセットされる時があります。 どのような場合にリセットされるのか、確認しておきましょう。  要介護度が3段階以上上がった時  要介護度が3段階以上上がると、1回だけ住宅改修費を再度20万円分使うことができます。 たとえば、要介護2から要介護5になった時など、住宅改修費がリセットされて、再度20万円分使うことができるのです。  引っ越した時 もともと住んでいた家で住宅改修を受けていたとしても、引っ越した時はリセットされ、再度20万円分を使えます。 ただし、新築に引っ越し先する場合は、住宅改修として認められないので、注意が必要です。   支払い方法は?   住宅改修費の支払いは、「償還払い」と「受領委任払い」の2つの方法があります。 基本的には「償還払い」で行われますが、業者によっては「受領委任払い」を選ぶこともできるのです。 それぞれの特徴について、紹介します。  償還払い  償還払いは、住宅改修にかかった費用の全額を一旦業者に支払います。 1割負担であれば後日に申請をすることで、残り9割が返ってきます。 ですが、まとまった金額を用意する必要があるため、利用者にとって大きな負担になります。  受領委任払い 受領委任払いは、自己負担分の費用を業者に支払うので、利用者の負担が軽減できる方法です。 保険給付分は業者が申請することで、保険者が業者に支払いを行います。  ただし、受領委任払いを行いたい時は、「受領委任払い取扱事業者」として登録された業者で住宅改修を行う必要があります。 指定業者以外で住宅改修を行うと、受領委任払いでの支払いはできませんので、注意しましょう。   まとめ ここまで、住宅改修の基本的な内容について、説明をしてきました。  住宅改修ができるのは、厚生労働省が定めた6項目のみ。 住宅改修を受けられるのは、住民票に載っている住所に住んでいる人のみ。 入院中など自宅にいない時は、住宅改修を受けることができない。 住宅改修費は20万円まで補助を受けることができる。 住宅改修費は、要介護度が3段階以上上がった時や引っ越した時にリセットされ 再度20万円分使用できる。 住宅改修費の支払い方法は、「償還払い」と「受領委任払い」の2種類がある。 住宅改修をする時は、介護保険を使って行うことをおすすめします。 介護保険を使わずに住宅改修を行うと、全額自己負担することになってしまいます。 そういった事態にならないように、今回のポイントを頭に入れて、住宅改修を受けましょう。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 認知症専門医とは?かかりつけ医から専門医に変更するメリットを解説!

    「認知症専門医」という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。 認知症を患った場合、進行を遅らせるための治療が重要です。 そのため、医師の選び方も関わってきます。 今回は、認知症の医療に特化した認知症専門医について紹介します。 認知症専門医とは? 認知症専門医とは、日本認知症学会および日本老年精神医学会に認定されている医師で、全国に約2,000人存在します。 主に精神科、神経内科、老年科に在籍しており、認知症の早期発見や早期治療を担っています。 しかし、人数が少ないため、お近くの病院に在籍していないこともあるので注意が必要です。 良い認知症専門医の見分け方 良い認知症専門医の見分け方のポイントは以下の3つがあります。 MRIなどの「画像診断」を行ってくれる 「認知症テスト」を実施してくれる 定期受診時に丁寧な「問診」を行ってくれる ここでは、3つのポイントをそれぞれ解説します。 丁寧な「問診」 良い認知症専門医の見分け方のポイント1つ目は「問診」です。 問診は、定期的な受診をすると必ず行われるものですが、内容が最も重要です。 良い認知症専門医は、認知症患者にどのような症状や行動があるのか、現状家族にどのような負担があるのか等、丁寧な聞き取りをしてくれます。 また、前回の受診時からそのような変化があるのか、それに対して今後の医療計画や薬の処方内容はどうしていくのか、話し合いの時間を設けてくれます。 介護家族は認知症患者の日々の様子や変化をしっかり専門医に伝えられるよう、現状の把握しておきましょう。 デイサービスや高齢者施設を利用している場合は、介護スタッフから事前に聞いておくことが重要です。 CTやMRIなどの「画像診断」 良い認知症専門医の見分け方のポイント2つ目は「画像診断」です。 CT(コンピュータ断層装置)やMRI(核磁気共鳴コンピュータ断層装置)などを使い、脳の状態を画像で判断します。 実際の脳の画像を元に、認知症が以前と比べてどれだけ進行しているか、服用している薬の効き目があるのかを診断するため、より確実な医療方針を決められます。 また、定期的に画像診断を行うことで、認知症の進行度合いも把握できます。 数値化する「認知症テスト」 良い認知症専門医の見分け方のポイント3つ目は「認知症テスト」です。 認知症テストとは、認知機能障害の有無を調べるために行う簡単なテストです。 長谷川式スケールやMMSEという種類があり、テストの結果で認知症の状態を数値化し、どのくらいの認知機能障害があるか判断します。 認知症テストをすることで、実際にどれくらい認知症が進行しているのか把握できます。 認知症専門医を見つけるためには? 認知症専門医を見つけるために有効な手段は、「ケアマネジャー」や「地域包括支援センター」を尋ねることです。 ケアマネジャー ケアマネジャーは、介護や支援を必要とする方から相談を受け、心身の状況に応じて、介護サービスを受けられるように介護計画を作成する役割を担う人です。 ケアマネジャーは、実際に介護現場で認知症患者のケアを経験したことがある人も多く、小認知症患者や介護家族に対しての理解があります。 地域の居宅介護支援事業所に常駐しているため、近くの事業所を探しましょう。 地域包括支援センター 地域包括支援センターは、地域内の高齢者の相談や権利擁護、支援体制作り、介護予防に必要な援助などを行う公的機関です。 全国に約5,000ヵ所以上あり、介護の必要の有無に関わらずすべての高齢者の相談を受ける施設です。 ホームページで確認する 認知症専門医は日本老年精神医学会と日本認知症学会のホームページからも検索することが出来ます。 公益社団法人日本老年精神医学会 日本認知症学会 また厚生労働省は、全国約250カ所に 「認知症疾患医療センター」を設置してます。 ここでは認知症専門医が鑑別診断や治療、精神保健福祉士などの専門の相談員による医療福祉相談など医療・福祉関係者を支援する体制が整えられているので、こちらを利用するのもいいかもしれません 認知症疾患医療センター 直接認知症専門外来を受診する方法もありますが、かかりつけ医に相談するのもおすすめです。 認知症専門医にかかるメリット 認知症には治療法がないため、「早期発見・早期治療」が重要です。 早期発見から早期治療につなげることで、進行を遅らせることができます。 かかりつけ医から認知症専門医にかかるメリットは、主に以下の4つがあります。 知識や経験が豊富なため、選択肢が増える 患者本人の変化や状態を把握し常に医療方針を考えてくれる 介護家族側の負担を減らすことを考えてくれる 大きな病院などの医療連携が速やかである 選択肢が増える 認知症専門医にかかるメリット1つ目は、知識や経験が豊富なため「選択肢が増える」ことです。 かかりつけ医は認知症に関する知識が少ない場合もあります。 認知症には、明確な治療法がなく、一人ひとりの症状や環境に合わせたケアが重要です。 知識や経験が豊富な認知症専門医にかかることで、具体的なケアを考えることができます。 患者の状態を把握し常に医療方針を考えてくれる 認知症専門医にかかるメリット2つ目は、患者本人の変化や状態を把握し「常に医療方針を考えてくれる」ことです。 認知症専門医は、認知症患者の心身の状態を把握し、新しい医療方針を提供してくれます。 かかりつけ医の場合は、定期検診で認知症患者に異常がなければ簡単に診察を終わらせてしまう可能性があります。 介護家族の負担を減らすことを考えてくれる 認知症専門医にかかるメリット3つ目は、「介護家族側の負担を減らすことを考えてくれる」ことです。 認知症専門医は、介護家族の負担を減らすことを考えて、医療方針を考えてくれます。 介護が負担になるという理由で薬を増やすだけでは、意味がありません。 飲み方を変える、別の薬を利用するなど、家族の意見とともに医療方針を決めていきます。 医療連携が速やかである 認知症専門医にかかるメリット4つ目は、大きな病院などの「医療連携が速やかである」ことです。 認知症専門医が在籍する科には、「認知症センター」や「もの忘れ外来」など認知症が専門となります。 認知症の専門外来には、脳の画像検査機器であるCTやMRIが設置されていることが多く、認知症患者の状態を正確に把握できます。 また、大きな病院とも連携しており、必要があれば速やかに受診できる仕組みです。 どのような時に認知症専門医にかかる? ここまで、認知症専門医について紹介しました。 しかし、かかりつけ医から認知症専門医に切り替えれば良いのかわからない方も多いのではないのでしょうか。 認知症には明確な治療法がないため、認知症患者に合わせた早期治療が大切です。 以下の点が思い当たる場合、かかりつけ医から認知症専門医に切り替えることをおすすめします。 認知症の症状の進行が明らかに早い 症状に変化があった場合、薬の調整しか行わない 認知症の進行が明らかに早い 認知症の進行が明らかに早いと感じた場合、治療法が合っていない場合があります。 認知症専門医に相談することで、薬以外の治療法も見つけることが可能です。 例えば、リハビリなどの運動療法や、楽器などを使用する音楽療法も効果が期待できる治療法などがあります。 治療で薬の調整しか行わない 認知症の症状である、うつ・徘徊などの治療薬として、抗精神病薬や睡眠薬が処方される場合があります。 しかし、患者の症状が進行した際、過度に服薬をすると副作用が大きくなります。 薬が効きすぎると、意識が朦朧とする、歩行が不安定になるなどの症状が現れることがあり、転倒などのリスクも高くなるため注意が必要です。 まとめ 今回は、認知症専門医についてと認知症専門医にかかるメリットをお伝えしました。 認知症専門医は、日本に約2,000人存在し、認知症の早期発見や早期治療を担う医師である。 良い認知症専門医を見分けるための3つのポイントは、「丁寧な問診」「CTなどを利用した画像診断」「認知症テストを用いた診断」である。 認知症専門医は、認知症患者の変化をしっかり把握し、医療方針を考えてくれる。 認知症専門医にかかるメリットは、「選択肢が増える」「患者の状態を把握し常に新しい医療方針を考えてくれる」 「介護家族の負担を減らすことを考えてくれる」「医療連携が速やかである」の4つである。 かかりつけ医から認知症専門医にかかるタイミングは、「認知症の進行が明らかに早い」「治療で薬の調整しか行わない」場合である。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 認知症は改善できる?認知症の種類と改善例を解説!

    高齢者が発症しやすい病気としてよく聞く「認知症」。 しかし、認知症にもさまざまな種類があり、症状によっては改善したり進行を遅らせたりする方法があることをご存知でしょうか。 今回は、認知症の種類や改善例について紹介します。 認知症の種類と原因・症状 では認知症とはどのような症状がでるのか、種類や認知症の原因について解説します。 認知症とは? 認知症とは、脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下する病気です。 認知症は高齢になるほど発症リスクが高まると言われ、2020年時点で日本の65歳以上の患者数は約600万人です。 認知症の代表的な症状として、以下の6種類があります。 自分の体験や過去の記憶が欠落する「記憶障害」 計画を立てて物事が行えなくなる「実行機能障害」 時間や場所など自分の状況が把握できなくなる「見当識障害」 言葉の理解や表出が難しくなる「言語障害(失語)」 ご飯を食べるなど日常的な行為ができなくなる「失効」 自分の体の状態や自分と物との位置関係などの空間認識が難しくなる「失認」 認知症は、一時的に思い出せない、一部分を忘れてしまうなどの加齢による物忘れとは異なります。 自分の環境や状況を正しく理解できない、今までできていたことができなくなるなど日常生活に支障をきたすようになります。 また、認知症には主に以下の4種類があります。 アルツハイマー型認知症 血管性認知症 レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症 4種類の認知症は、それぞれ発症する原因と症状が異なります。 それぞれの認知症の原因・症状 次に、4種類の認知症について紹介します。 アルツハイマー型認知症 「アルツハイマー型認知症」は、日本で最も多いと言われている認知症で、認知症患者全体の約63%を占めます。 脳の神経細胞にタンパク質であるアミロイドベータが溜まり、神経細胞が破壊され脳が萎縮することで起こります。 原因は、加齢や遺伝が影響する可能性が高いとされていますが、近年では、糖尿病や高血圧の人が発症しやすいと明らかになりました。 アルツハイマー型認知症の初期症状は、物忘れから始まり、食事をしたことを忘れるなど行動そのものを忘れる記憶障害が現れます。 症状の進行は緩やかですが、徐々に脳の萎縮が進行します。 血管性認知症 「血管性認知症」は、認知症患者全体の約20%を占め、2番目に多いとされる認知症です。 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害によって脳の血流が阻害され、脳の一部が壊死することで起こります。 原因は、脳梗塞などを引き起こす高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病です。 血管性認知症の症状は、障害が起きた脳の部位によって異なります。 主な症状には、歩行障害や手足のしびれ、排尿障害、言葉が出にくくなる言語障害、感情のコントロールができないなどの精神障害があります。 また、脳梗塞や脳出血などの血管障害の発作を繰り返すと症状も重くなっていきます。 レビー小体型認知症 「レビー小体型認知症」は、神経細胞にできる特殊なタンパク質である「レビー小体」が脳に溜まり、神経細胞を破壊することで起こります。 しかし、レビー小体が脳に溜まる原因は、いまだ明らかになっていません。 レビー小体型認知症の症状には、手足の震えや体がこわばるなどの身体障害が挙げられ、徐々に進行し、転びやすくなります。 他にも、実際には存在しないものや人物が見える幻覚、うつ症状も現れます。 調子の良し悪しで、気分や行動が異なり、症状の変化が大きいことが特徴です。 前頭側頭型認知症 「前頭側頭型認知症」は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで起こります。 65歳未満で発症することが多い認知症であり、10年以上かけて症状が進行していく場合がほとんどとなります。 原因は、脳に、異常構造物である「ピック球」が溜まることによるものと、タンパク質である「TDP-43」が溜まるものと言われています。 しかし、ピック球とTDP-43が溜まる原因は、いまだ明らかになっていません。 前頭側頭型認知症の症状には、性格が極端に変わることが多くなり、万引きや悪ふざけなどの反社会的行動が増える、衛生面の管理ができないなどが挙げられます。 また、同じ行動を繰り返す、身勝手な行動をとる、時間通りに行動しないと気がすまないなどの症状が特徴です。 症状が進行すると、言葉の意味がわからなくなる、言葉が出なくなる症状も現れます。 認知症は改善するの? 脳の神経障害によって起こる認知症には、現在根本的な治療法はないと言われています。 また、認知症は完治するものではありませんが、ケアによって症状の改善が見込まれる場合もあります。 次は、実際に体験した認知症の改善方法について紹介します。 認知症の改善例①食事を自己摂取されない高齢者Aさん 認知症の症状には、自分で食事をとる、洋服を着るなど、今までできていた行動ができなくなる「失効」があります。 認知症の進行により、食事を自己摂取できなくなった高齢者Aさんに自分で食べてもらうよう促しますが、何度スプーンを渡してもテーブルに戻してしまいます。 しつこく介助をすると、怒ることもありました。 実施したケア Aさんの座席の前に、よく喋りよく食べる高齢者Bさんに座っていただき、Bさんが食事する様子を見てもらいながら、最初は介助にて食事を取ってもらいます。 そして、お皿を持ってもらう、おかずをのせたスプーンを持ってもらうなど促すと、真似をして少しずつ自己摂取するようになりました。 また、Bさんが話しかけてくれることで笑顔や発語する様子も見られるようになりました。 認知症の改善例②介護スタッフが抱えて移乗していた高齢者Cさん Cさんは、認知症の症状によって意思の疎通が難しく、脚の力はありますが、ベッドから立ち上がってくれません。 また、ベッドから車いすに移る際に怖がってしまい、ベッド柵を握るなど力を入れてしまいます。 ベッド柵を握っていては安全に移乗ができないため、介護スタッフの肩に手を回してもらい、全介助にて移乗を行っていました。 実施したケア ベッドから立ち上がる、車いすに座るという行為を繰り返し行うことで、移乗の行為を覚えてもらうよう努めました。 その際、毎回車いすを見せて示すことで、「ここ(車いす)に座る」という認識をしてもらいやすくなります。 また、日常的に声掛けをすることで気持ちも穏やかになり、介護スタッフに対する不安などがなくなり、力むこともなくなりました。 最終的には、Cさんは見守りをするだけで車いすに移乗できるようになります。 ここで紹介したAさんとCさんは、一時的に認知症の改善が見られましたが、認知症が進行すると元の状態に戻ることも考えられます。 また、すべての認知症を持つ患者さんに当てはまるものでもありません。 しかし、声のかけ方や何度も繰り返し促すことで、理解できるようになる場合もあるため、一人ひとりに合ったケアが重要です。 まとめ 今回は、認知症の内容、改善例についてお伝えしました。 認知症とは、脳の神経に障害が起こることによって発症する病気である。 認知症は、記憶障害・実行機能障害・見当識障害・言語障害・失効・失認の症状が現れる。 認知症には、主に、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の4種類がある。 認知症は、現在も原因が明らかになっていないものが多い病気である。 認知症を治す治療法はなく、一人ひとりに合わせたケアが必要である。 認知症は、声のかけ方や促し方の工夫によって、改善が見られる場合もある。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 介護をする家族が後悔しないための準備とは?重要なポイントを解説!

    親が高齢になると、急に介護が必要になることがあります。 今回は、家族に介護が必要になり、介護家族になった際に後悔しないよう準備しておくべきことを紹介します。 介護家族は介護を受ける親の情報を把握しておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の1つ目は、「介護家族は介護を受ける親の情報を把握しておく」ことです。 把握しておくべき情報は、主に以下の3つです。 親の健康状態 親の経済状態 介護に関する親の希望 これらの情報は、親が望む介護・必要とする介護を提供するために参考になります。 親の健康状態 まずは、「親の健康状態」について知っておきましょう。 必要な介護を受けるためには、親の現在の体調、服用している薬、過去の病歴や怪我など基本的な情報が重要です。 かかりつけの病院や、親と親交のある近所の人など、介護が必要になる前の様子や体調がわかる人に話を聞いておきましょう。 親の経済状況 次に、「親の経済状況」を確認しましょう。 認知症などの病気によって、自己管理ができなくなる場合もあります。 通帳や印鑑の場所、証書類やカード類などを整理しておくと安心です。 しかし、介護にどのくらいのお金が必要であるかわからない方も多いのではないでしょうか。 介護度別の平均介護費用額は、以下の表のようになります。 介護度 介護費用 要介護1 月3.3万円 要介護2 月4.4万円 要介護3 月5.9万円 要介護4 月5.9万円 要介護5 月7.5万円 出典:みんなの介護 介護度は、どの程度の介護を必要とするかを表す基準です。 要介護1は、家事や歩行などの動作に見守りなど一部の介助が必要な方、要介護5は、ほぼ寝たきりの方を指します。 要介護度が高くなるほど、介護費用も高くなる傾向にあります。 また、介護が必要になった場合に準備すべきものは、主に以下の4つです。 車いすや歩行器 介護用ベッド 着脱がしやすい衣類や靴 簡易トイレやおむつなどの排泄用品 歩行に不安が現れた際は、車いすや歩行器を利用します。 身体が不自由な人でも利用しやすい衣類などの消耗品も必要になります。 介護を必要とする生活はいつまで続くかわからないため、経済面での余裕は重要です。 介護家族の負担を増やさないためにも、金銭管理は早めにしておきましょう。 介護に関する親の希望 「介護に関する親の希望」は、介護家族が後悔しないために重要なポイントです。 「在宅介護」か「施設介護」か 介護が必要になった場合、住み慣れた家で生活を続ける「在宅介護」にするのか、高齢者向けの施設に入居する「施設介護」にするのかを決めなければいけません。 今まで自由な生活を送っていた場合、施設に入居することに抵抗を持つ方もいます。 しかし、介護家族側は、常に見守ってもらえる環境が整う施設に入居してほしいと望む方が多くなります。 「どのような生活を送りたいか」も、事前に話し合っておくべき重要な点です。 介護士経験者からの重要ポイント 病気が進行し治療法がなくなった際に必要になるのが「看取り」に関する決断です。 「看取り」とは、病気が治る見込みがなくなった場合に、延命治療を行わず、安らかに最期を迎えることです。 延命治療は体力的にも負担がかかるため、治療を中止して苦痛のない看取りを選ぶのか、本人と家族の意見が重要になる場面です。 親と意思疎通が取れなくなった場合に、親がどう考えているのかわからず後悔する家族もいます。 そうならないためにも、事前に将来のことを話し合い、親の希望に寄り添う準備をしておきましょう。 介護家族内で介護方針や役割分担を決めておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の2つ目は、「介護家族内で介護方針や役割分担を決めておく」ことです。 介護方針 基本的な決定権は、介護を必要とする親と家族であるため、意見をまとめておくことが重要です。 親の治療に関して積極的に行っていくのか、病気が悪化した場合どうするのかなどさまざまな選択が必要になります。 家族同士で意見が異なると、スムーズに介護方針を決められません。 役割分担 家族内での役割分担をしておきましょう。 在宅介護を選択した場合、24時間ひとりで介護を行うことは現実的ではありません。 親戚と情報共有をして、時間や曜日で役割分担し、協力するようにしましょう。 介護士経験者からの重要ポイント 役割の一つとして、1番目の緊急連絡先となる「キーパーソン」を決めなければいけません。 親の急な体調不良などがあった場合、主治医や介護事業所から連絡が入ります。 また、本人が意思表示できない場合の意思決定を行う役割もあります。 病院や介護事業所など介護機関と最も多く関わる役割であるため、柔軟に対応できる方や、親について最も理解している方が向いています。 介護家族は必要な知識を身につけておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の3つ目は、「必要な知識を身につけておく」ことです。 介護サービスについて 介護は、家族のみで行うものではありません。 高齢者支援サービスや行政サービスを利用して、介護家族の負担を減らすことができます。 情報不足によって制度などを利用できなかったということがないように注意しましょう。 介護保険サービス 必要な介護の度合いを表す要介護認定を受けることで、介護保険サービスを利用できます。 親と家族だけでは負担できない部分を補えるサービスです。 介護保険サービスには、主に以下の6種類があります。 介護サービスに関する相談、ケアプランの作成 自宅で受けられる家事援助などのサービス 日帰りで利用するデイサービス 施設で生活し、介護を受けられるサービス 訪問、通い、宿泊を組み合わせて受けられるサービス 介護用ベッドなどの福祉用具の利用にかかるサービス 介護保険サービスを利用すれば、介護に関する相談ができる、介護サービスを提供する機関と連携ができるなどのメリットがあり、初心者の方でも安心です。 介護保険サービスは、在宅介護でも施設介護でも利用できます。 介護保険外サービス 介護保険サービス以外にも、自治体や地域のボランティアが行うさまざまなサービスがあります。 自治体が行うサービスには、以下の4つのようなものがあります。 寝たきりの高齢者の散髪などを行う理髪サービス おむつの支給やおむつ代の助成 高齢者が住みやすい住宅を作るための改修の補助 高齢者の介護を行う家族に対する家族介護慰労金 自治体によって、実施対象者や金額はさまざまですが、利用することで負担を減らせます。 地域のボランティア団体や民間が行うサービスには、高齢者向けの付き添いや安否確認サービス、弁当などの配色サービスがあります。 家族の負担を減らすためにも利用したいサービスです。 自治体や地域のサービスは、広告していることが少ないため、住んでいる地域について一度調べてみましょう。 介護家族の支援制度について 介護支援制度には「介護休暇制度」と「介護休業制度」があります。 介護休暇制度 「介護休暇制度」は、親の通院などの付き添いなどで短期間の休みが必要な場合に、労働者が利用できる制度です。 以下の表は、介護休暇制度の特徴です。 対象となる労働者 対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く) 対象家族 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 取得可能日数 年5日まで/対象家族が1人 年10日まで/対象家族が2人以上 取得単位 1日または時間単位 出典:厚生労働省 介護休暇制度は、取得できる休暇日数は少ないですが、対象となる労働者の基準が低く、気軽に取得できます。 介護休業制度 「介護休業制度」は、休業して介護を行いながら、仕事と両立できる環境を整える制度です。 以下の表は介護休業制度の特徴です。 対象となる労働者 取得予定日から起算して、93日を経過する日から 6ヶ月を経過する日までに契約期間が満了し、 更新されないことが明らかでないこと。 対象家族 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 利用期間/回数 対象家族一人人1人につき3回まで、通算93日 出典:厚生労働省 介護休業制度は、仕事と介護の両立を支援する制度であり、自治体やケアマネジャーと連携しながら介護を行えます。 まとめ 今回は、介護家族が後悔しないために準備しておくポイントについてお伝えしました。 親の健康状態、金銭状況の確認が必要である。 介護に関する親の希望を確認しておくべきである。 介護家族内で役割分担と情報共有が重要である。 介護に関する知識を身につけるべきである。 自治体や事業所と協力して介護の環境づくりが重要である。 最後までご覧下さり、ありがとうございます。

  • デイサービスには違いがある!自分に合う事業所選びのポイントを紹介!

    デイサービスにはさまざまな種類があります。 そのため、どんなサービスを行いどんな違いがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。 今回はデイサービスの違いと、自分に合う施設の選び方を解説します。 デイサービスとは? まずは、デイサービスとはどんな所かをご紹介します。  デイサービスとは、高齢者が住み慣れた家で生活できるよう支援を行う場所です。 また、一緒に暮らす家族の介護負担軽減も役割の1つです。  高齢になるにつれ、心身機能が低下し家で生活することが難しくなります。 そのために、デイサービスで日常生活に関するサービスを受け、住み慣れた家で生活できるように支援しています。 また、デイサービスで他者と交流することで心の機能回復も目的としています。  サービスの内容は、食事、排泄、口腔ケア、入浴、機能訓練、相談や助言など日常生活に関することです。 どんなデイサービスがある?違いを知って選ぼう デイサービスは、それぞれに特色があり以下の5つ種類があります。 ①通所介護 ②通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 ④地域密着型通所介護 ⑤療養型通所介護  どんなサービスを提供しているのか具体的に解説します。 違いを知ることで、自分にあった所を選びやすくなります。 ①通所介護 通所介護とは、高齢者が在宅で自立した生活ができるように支援する場所です。 サービスの内容は、機能訓練や社会交流、家族の介護負担軽減、日常生活に関する支援、相談を行っています。 ②通所リハビリテーション 通所リハビリテーション(以下通リハ)とは、リハビリに特化したデイサービスです。 主治医の指示で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門職がリハビリを実施します。 通リハはリハビリを目的としていますが、食事・排泄・入浴・口腔ケアの介護サービスも提供しています。  参照元:厚生労働省 通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 認知症対応型デイサービスとは、認知症に特化したデイサービスです。 通常のデイサービスでも認知症の方は通えますが、利用人数が多いと対応が難しい場合があります。 認知症のデイサービスは、利用者の人数が12人以下と定められています。 また、デイサービスの責任者は、「認知症対応型サービス事業管理研修」を修了していることが義務付けられています。  食事・排泄・入浴・口腔ケアの介護サービスはもちろん、認知症進行の緩和や認知症に対するケアが受けられます。  参照元:LIFULL介護 認知症対応型通所介護とは ④地域密着型通所介護 地域密着型通所介護は定員数が18人以下で、「事業所がある市町村に住んでいる人」と定められています。 これは、より細やかなニーズと手厚い支援を受けられるように限するためです。 サービス内容は通所介護とほとんど変わりませんが、人数が少ないので、利用者一人一人に合ったケアを提供しています。 参照元:健康ネット 地域密着型通所介護とは?サービスや通うメリットについて解説!   ⑤療養型通所介護施設 療養型通所型介護施設は、医療的なケアを必要とする人が利用できるデイサービスです。 通常のデイサービスでも、利用できますが事業所によって受け入れに制限があります。 看護師が常駐する中で、日常生活の全般の支援から機能訓練を行います。 対象者は、難病や脳血管疾患後遺症・がん末期など常に医療ケアが必要な人等です。 参照元:介護ワーカー 療養通所介護とはどんなサービス?役割や仕事内容について解説!  違いが分かったところで、次の章ではデイサービスの選び方のポイントを紹介します。 ポイントを押さえて自分に合った事業所を選びましょう。 デイサービスの選び方のポイントは4つ ここでは、デイサービスを選ぶ時に押さえたいポイントを4つ解説していきます。 ①デイサービスの人数はどれくらいか ②食事の内容はどうなのか ③対応できる利用時間 ④入浴やトイレの設備の確認 それぞれのポイントを具体的にご紹介します。 ①デイサービスの人数はどれくらいか デイサービスの1日の利用者人数を確認しておくと雰囲気が分かります。 人数が少ないと利用者の一人一人の細かいニーズに応えやすいです。 人数が多いと法人運営しているところが大半になるので、スタッフの育成がしっかりできています。 デイサービスの1日の利用者人数を見るのもデイサービス選びのポイントの一つです。  ②食事の内容を確認する デイサービスでは食事にこだわっている事業所が多く、主食を魚かお肉に選択できたり、すべて手作りの施設もあります。 まとめて食事を作っている事業所もあるので、糖尿病や塩分制限がある方は、食事が対応できるか確認しましょう。 ③対応できる利用時間 どれくらいの時間を利用できるのか、短時間など対応してくれるのかなどを確認しましょう。 身体の調子が悪い時や退院後は長時間のデイサービスが体力的にきつい場合があります。 また、病院を受診するから早く帰宅したい、ヘルパーの利用があるから短時間にしたいなど、要望に応えられるか確認しておくと安心です。 ④入浴やトイレなど施設の設備を確認する 施設によって、入浴設備が自宅のようなお風呂だったり大浴場のお風呂だったりします。 入浴時は職員がついていますが、恥ずかしいから個浴で入りたい、温泉のようにみんなでワイワイと入りたいなど好みがあるのでチェックしておきたい設備です。  また、トイレもみておきたい設備の一つです。 たくさんの事業所がある中で、古民家を改装したデイサービスもあるので、トイレの向きによっては麻痺がある人は使いにくくなってしまいます。 トイレの設備が自分の身体に合うか確認しましょう。  デイサービスの選び方のポイントを押さえたところで、次は見学する時にみておきたい項目をご紹介します。 デイサービスを見学する時のポイント デイサービスの見学はした方がいいと言われますが、どこを見ればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。 この章では、見学する際のポイントをご紹介します。 ①いつも出入りするに人に対して挨拶しているのか ②方針や方向性が定められているか ③現在利用している人の雰囲気を見る  一つ一つ具体的に解説していきます。 ①いつも出入りする人に対して挨拶がきちんとしているか 基本的にお客さんにはきちんと挨拶するので、ここではいつも施設に出入りがある業者や職員同士が挨拶をきちんとしているかチェックします。 いつも出入りする人に対しては、自然な対応になるので、見ておきたいポイントなのです。  ②方針や方向性が定められているか デイサービスでの方針や方向性が定まっていると職員間で摩擦が生じにくく、ケアに対して統一感があります。 例えば、利用者の目標をきちんと職員が共有出来ており、やるべきケアが統一されている施設もあります。 職員の動きは、見学時に確認しておきたい項目です。 ③現在利用されている方の雰囲気をみる 施設全体の雰囲気が合うのかチェックするのも大切ですが、今利用されている方が楽しそうにされているか見るのもポイントです。 職員は新規利用者獲得の為、良いところを見せようとする場合がありますが、今利用されている方は楽しそうに取り繕う必要性がないからです。  実際、自分に合うかは利用して見ないと分かりませんが、大半のデイサービスは1日体験利用を実施しています。 上記ポイントを意識して、体験利用してみると自分に合う事業所が見つけやすくなります。 まとめ いかがでしたでしょうか。 デイサービスの違いと自分に合う選び方のポイントをご紹介しました。 ・デイサービスとは、高齢者が住み慣れた家で生活できるよう支援を行う場所である ・デイサービス 5つの種類 ①通所介護 ②通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 ④地域密着型通所介護 ⑤療養型通所介護 ・デイサービスの選び方 4つのポイント ①デイサービスの人数はどれくらいか ②食事の内容 ③利用時間 ④施設の設備を確認する ・デイサービスを見学時の3つのポイント ①顔見知りの人に挨拶しているか ②方針や方向性が定められているか ③現在利用している方の雰囲気を見る  最後まで読んでいただきありがとうございました。  

  • 親が転倒骨折したら施設入所しかない?リハビリが続けられる施設の紹介

    「転倒骨折が原因で入院している親の退院後はこのまま施設しかない?」 「高齢の親が退院するけどこのまま家に帰すには不安だから施設?」と心配してる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 退院後、家に帰れなかったら施設入所と考えている方が多いと思いますが、そんなことはありません。 家と施設の中間地点としての役割を果たしている「介護老人保健施設」があります。 退院後は「介護老人保健施設」に一旦入所して家に帰るためのリハビリ等を受けられます。  今回は、「介護老人保健施設」について紹介します。 「退院後すぐに親を家に帰すのは不安だけど、ずっと施設に入れておくのは嫌!」という方は、ぜひ参考にしてください。  介護老人保健施設ってどんなところ?  介護老人保健施設は、要介護者にリハビリをメインに行うことで在宅復帰を目指す施設です。 略して「老健」と呼ばれていて、自宅と施設の中間地点の施設です。 いわゆる「特養」など、期間が定められず入所して生活する施設とは違います。  たとえば、親が転倒して骨折すると、急性期の病院に入院して治療を受けます。 その後、転院して集中してリハビリを受けることになります。 リハビリが集中的に行われる回復期リハビリ病棟がある病院は、入院期間が決まっているのです。 骨折などの疾患の場合の入院期間は、最長90日間です。 90日間で在宅復帰が難しいと思った時は、介護老人保健施設に一旦入所して、引き続きリハビリを受けることができます。 リハビリをメインに受けて、在宅復帰して自立した生活を送ることを目標にしているのが、介護老人保健施設です。 どんな人が入所できる?  ここでは、どんな人が介護老人保健施設に入所できるのか、その条件について紹介します。  要介護1~5の判定を受けている、原則65歳以上の人  入所できるのは、要介護1以上の65歳以上の人です。 関節リウマチや脳血管疾患などの特定疾病によって要介護認定を受けた40~64歳の人も、入所できます。 要支援1~2の人は入所できませんので、ご注意ください。  症状が安定している人 介護老人保健施設が医療費を全額負担するので、症状が安定していない人は入所を断られることがあります。 また、在宅復帰を目的としている、リハビリや医療行為が必要な人が優先されます。 「入院しておくほどではないけど、親を家に帰すのは不安」という人に、ぴったりです。  感染症にかかっていない人  施設ですので、集団生活になります。 そのため、感染症にかかっている人は対象外になってしまいます。   介護老人保健施設のサービスはどんなものがある? 介護老人保健施設のサービスには、入所して利用するものと在宅生活をしながら利用できるものがあります。  入所サービス リハビリ 医療・看護 介護 栄養管理 在宅サービス 通所リハビリ(デイケア)  訪問リハビリ  ショートステイ  介護老人保健施設は、入所期間が原則3~6ヶ月と決められています。 退所してからも在宅生活をサポートするサービスを受けられるのが、介護老人保健施設の特徴です。 介護老人保健施設は医療従事者も多く、医療体制が整っているため、本人も家族も安心して過ごせるのが特徴です。 それでは1つ1つの項目について、詳しく解説していきます。  リハビリ  介護老人保健施設は、リハビリを受けられるのが大きな特徴です。 リハビリを受けて、家での暮らしをすることを目的にしているからです。 リハビリの専門職を入所定員100人に対して1人以上配置するように決められています。 そのため、専門職による個別でのリハビリを受けられる体制が整っているのです。  リハビリは、「週に2回以上、1回につき20~30分」受けることができます。 料金が上がりますが、入所後3ヶ月間は週3回以上受けられるので、在宅復帰にグっと近づくことができますよ。  医療・看護  介護老人保健施設は、入所定員100人に対し、医師が1人以上配置されています。 看護師は9人に対し、1人の配置です。 医療スタッフが入所者の体調管理を行っているので、医療面で心配な方も入所が可能です。 床ずれの処置や経管栄養、インシュリン注射の対応なども行われています。 介護職員の数も多く、食事や排泄介助、入浴介助など、基本的なサービスが受けることが可能です。 レクリエーションもあるので、楽しく過ごせます。  栄養  栄養士も配置されていて、栄養ケアが行われています。 在宅復帰に向けて必要な食事の面からサポートしてくれているのです。 病気や嚥下能力に応じた食事形態も配慮されていて、バランスの良い食事が提供されます。   介護老人保健施設の費用はどれくらいかかる? 介護老人保健施設は公的施設ですので、民間の施設と比べると安く入所できます。 また、収入が少ない世帯では、居住費や食事代が安くなる場合もあります。 なぜなら国が利用者負担軽減策を設けているからです。 入所一時金など、初期費用もかかりません。 医療費も介護老人保健施設が全額負担することになっています。 そのため、比較的安く入所サービスを受けることが可能です。 以下に介護老人保健施設の費用についてまとめましたので、参考にしてください。 (令和3年8月1日時点)  ざっくりとみて、月10万円前後 介護老人保健施設は、居住費や食事代込みで、月におおよそ10万円前後です。 要介護度や部屋のタイプによって、料金が変わってきます。  基本料金(介護保険給付サービス)   要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 個室 836円 910円 974円 1,030円 1,085円 多床室 756円 828円 890円 946円 1,003円  これは、1日にかかる基本料金です。 1割負担の金額を載せていますが、所得に応じて2~3割負担のこともあります。  居住費    第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 個室 490円 490円 1,310円 1,310円 多床室 0円 370円 370円 370円  一定の低所得要件を満たした人が適用されるため、段階によって金額が変わります。  食費  第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 300円 390円 650円 1,360円  食費も所得に応じた負担限度額が設定されています。  その他、日常生活費  理美容代、新聞、娯楽にかかわるものなどは実費負担です。 おむつなどは施設サービス費に含まれていますので、別途でかかることはありません。  加算料金(介護保険給付サービス)  介護老人保健施設は、基本料金にかかる加算があります。 たとえば、リハビリを3ヶ月間集中的に受ける加算は、1割負担の場合、1回につき240円かかります。 その他、在宅復帰に向けた加算が複数あり、手厚いサービスを受けることができるのです。  まとめ  ここまで、介護老人保健施設について、紹介してきました。 介護老人保健施設は、自宅と施設の中間地点で、在宅復帰を目標にしている。 リハビリをメインに、医療や介護サービスを受けられる。 入所できるのは、要介護認定を受けた人のみで、要支援の人は不可。 1ヶ月間の費用は、おおよそ月10万円前後で、民間の施設と比べると割安。 入所にかかわる初期費用もかからず、所得に応じて 食費や居住費の負担限度額が設定されている。 入所できる期間は3~6ヶ月で、退所後も在宅サービスを受けることができる。  入院中の親を家に帰してあげたいけれど、今家に帰すことに不安を覚えていたり、親を施設にずっといれておくのは気が引けると感じている人は、介護老人保健施設でリハビリを受けてもらってはいかがでしょうか。 介護老人保健施設は、在宅復帰に向けてサポートを手厚く行ってくれます。 期間も限定されているので、家に帰る時期が明確です。  あなたの大切な人が再び家で暮らせるよう、応援しています。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。  

  • 認定調査で納得できる結果を出すポイントとは?認定調査の流れや内容をご紹介!

    親の認定調査を受けたら思ったより低い結果が出て納得できなかった方もいるのではないでしょうか。 なぜ、実際と違う結果が出るのか、気になりますよね。 今回は正しく認定を受けられるように、認定調査を受けるポイントを紹介します。 これから介護認定を検討している人もポイントをおさえて、正しく認定を受けましょう。 認定調査とは 認定調査とは、正式には「要介護認定調査」といいます。  介護保険サービスを受けたい時は、介護の必要度を判断する「要介護・要支援認定」を受けなければなりません。 「要介護・要支援認定」を申請すると、認定調査員が自宅に訪問し、心身状態について、本人や家族に聞き取り調査が行われます。  認定を受けるためには、認定調査を受ける必要がありますが、適当ではいけません。 正しく認定調査を受ける必要があります。 認定調査次第では、認定結果が変わってくることがあるからです。 介護度によって介護保険を使える額が違うので、利用できる介護保険サービスや回数に差が出てきます。 そのため、正しく認定調査を受けることが大切なのです。   要介護・要支援認定の流れ 要介護・要支援認定の流れを紹介します。   申請  ↓  主治医意見書の作成 ↓  認定調査  ↓  一次判定  ↓  二次判定  ↓  認定通知  認定調査は、調査員である市町村の職員やケアマネジャーが自宅訪問を行います。 そこで、本人と家族に聞き取りと、本人に動作の確認を行うのです。 認定調査員は聞き取りや動作確認の内容を、認定調査票に書き込んでいきます。  認定調査の内容は、介護の手間にかかわる審査判定である「一次判定」に大きく影響します。 認定調査の内容と主治医意見書の一部は、コンピューターで審査されるからです。  「二次判定」は、「一次判定」の結果と主治医意見書をもと、「介護認定審査会」が介護認定を行います。 認定は「非該当」、「要支援1・2」、「要介護1~5」の8段階から決定します。 認定結果は申請から1ヶ月程度で決定、家に被保険者証が郵送にされる流れです。   認定調査の内容 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 聞き取りと動作確認の内容ですが、全部で74項目あります。 大きく分けると7項目ありますが、本人や家族に確認されるのは6項目です。 「できる・できない」か、「介助が必要かどうか」を答えます。  ① 身体機能・起居動作(体の動かしにくさや歩くなどについて) ② 生活機能(食べる、排泄するなどの日常動作について) ③ 認知機能(生年月日が言えるか、直前にしていたことを思い出せるかなど短期記憶について) ④ 精神・行動障害(ひどい物忘れや被害妄想などの症状があるかについて) ⑤ 社会生活への適応(薬の内服や金銭管理について) ⑥ 特別な医療(点滴・胃ろう・人工透析をしているかについて) ⑦ 日常生活自立度  その他にも、「概況調査」があります。 家族構成や介護保険を申請した経緯、利用したい(続けたい)サービスについての確認です。    認定調査を受けるポイント  認定調査を行き当たりばったりで受けるのはおすすめしません。 認定調査の内容が、要介護度決定に強く影響するからです。 介護度次第で、利用できるサービス額や内容が大きく違ってきます。 ここでは、認定調査前におさえておきたいポイントや、当日に心がけたいポイントについて紹介します。  認定調査を受ける前のポイント 認定調査を受ける前に、以下のことを確認しましょう。  普段している介護内容をメモしておく 毎日の生活でどのような介護を行っているのか、メモをしておきましょう。 今どんなことに困っているのかも、合わせてメモをとっておくと、認定調査員に伝えやすいです。 認知症がある時は、どのような行動があったのかも忘れずに。 これまでにした病気やケガをまとめる 主治医意見書にも記載されますが、すべてが記載されるとは限りません。 介護を行っていて気になる病気やケガがあれば、メモにまとめておきましょう。 本人がいる前では伝えにくいことをメモしておく 認定調査を受ける中には、プライドが高かったり、家族とは違った内容を話す人もいます。 これでは正しい認定結果が出にくくなるため、前もってメモにまとめておきましょう。 認定調査当日に、認定調査員にメモを渡すのがおすすめです。   認定調査当日のポイント 認定調査当日に確認しておきたいポイントは、以下のことです。 体調が良い日に受ける 体調が悪い日に、無理して認定調査を受けるのは避けましょう。 普段と違った状態のため、正しい調査を受けにくくなります。 調査を受けるのが難しそうな時は、早めに認定調査員に連絡をして、日程の調整をしましょう 必ず家族が立ち会う 本人だけで認定調査を受けると、普段できないことをできると答えたり 現状と違う内容が反映されることがあります。 プライドの高さや認知症があると、このような事態が起きます。 必ず家族も立ち会い、現状を認定調査員に伝えましょう。 困っていることを具体的に伝える 認定調査員に、ただ困っていると伝えるだけでは、正確な判断が難しくなります。 「どういった時にどんなことに困っているのか」など、具体的に認定調査員に伝えましょう。 例)夜中によくトイレに行くが、手すりもないので、フラフラしながらトイレに行っており、毎回付き添わなければいけないので大変等。 ありのままの状態を伝える 認定調査員に状態をひかえめに伝えたり、オーバーに伝えたりすると、再調査になる可能性があります。 主治医意見書と内容が合わずに、矛盾しているととられるからです。 受けたいサービスを受けるのも遅れたり、要介護認定の結果が出るのに時間がかかります。 必ずありのままの状態を伝えるようにしましょう。 認定調査当日に出ていない症状も伝える 当日に出ていない症状についても、認定調査員に必ず伝えましょう。 特に認知症がある場合は、症状も日や時間帯によって症状がみられないこともあるからです。 例)午前中は穏やかにしているが、午後になると表情が一変して暴言が出たりするなど   認定結果に納得できない時は  認定結果に納得できない時は、「不服申し立て」ができます。 「不服申し立て」は都道府県に設置されている、介護保険審査会で行います。 「不服申し立て」を行うことで、再度認定調査や判定が行われるため、認定結果が変わることがあります。 ただし、調査や判定には時間がかかり、結果が出るまでに3ヶ月程かかりますので、注意してください。 申請は、認定結果が出た翌日から60日以内に行う必要があります。  また、「区分変更申請」をする方法もあります。 「区分変更申請」は、現在の介護度と現在の状態が合っていない時に申請するものです。 申請することで、要介護度を再判定してもらえます。 「区分変更申請」は申請期限がないため、いつでも行うことができ、結果が出るのも1ヶ月程度です。    まとめ ここまで、正しく認定を受けるために、認定調査を受けるポイントを紹介してきました。 ・「要介護認定、要支援認定」を申請すると、認定調査員が本人や家族に心身状態について聞き取り調査を行う。 ・聞き取り調査後に判定があり、約1ヶ月で結果が出て、自宅に被保険者証が郵送される。  ・認定調査の内容は、全部で74項目。概況調査もある。  ・認定調査前と当日に、ポイントを確認して認定調査を受けると、正しい認定が出やすくなる。  ・認定結果に納得できない時は、結果が出てから60日以内に介護保険審査会に「不服申し立て」を行う。  ・「区分変更申請」であれば申請期限はなく、再認定が出るまでに1ヶ月程度かかる。 上記のぜひポイントをおさえて、認定調査を受けましょう。 正しく認定調査を受けることで、思っていた介護認定と違う事態を避けられます。 また、使いたいサービスも利用できる可能性も高くなります。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 介護の調査訪問とは?家族が準備するためのチェックポイントを解説

    家族に介護が必要な状況となり、「初めて認定調査を受けることになった」という方は、何が必要か分からず不安でいっぱいではないでしょうか。 認定調査は介護者と要介護者にとって非常に大切なものです。 今回は認定調査を受けるにあたって、必要なものや当日スムーズに行えるように事前に準備しておくと良いものをご紹介します。 「認定調査」について では認定調査とはどのようなものなのかを解説します。 認定調査とは? 認定調査とは要介護申請後に申請を受けた市区町村が訪問員を派遣し、要介護者がどの程度自立しているのかを調査することです。 認定調査の聞き取り先は本人と立ち会っている家族や施設の方になります。 これは要介護認定を受けるには必ず必要なことで、デイサービスやヘルパーなどの介護サービスを利用したい方にとって認定調査は必須です。 認定調査を受けるためには? 認定調査を受ける前に、まず市区町村へ要介護認定の申請を行うことが必要です。 要介護認定に必要なものは以下の通りです。 ・申請書(市区町村の窓口またはホームページよりダウンロード可能です) ・マイナンバーカードまたは通知書 ・介護保険被保険者証(65歳以上) ・健康保険被保険者証(64歳以下) ただし、各市町村によって必要なものが異なる場合があるので、事前に役所のホームページなどで確認しておくようにしましょう。 また、かかりつけ医がいる方はその診察券も用意しておくようにしてください。 また認定調査と並行して、市区町村から要介護者のかかりつけ医に「主治医の意見書」を作成するように申し入れがあります。 主治医の意見書とは要介護者の既往歴など、介護するにあたって重要な情報が記載されている大切な書類のことです。 市区町村からかかりつけ医へ依頼されますが、事前に病院へ相談しておくとスムーズですので可能であれば前もって打診しておきましょう。 かかりつけ医がいない要介護者は市区町村が指定した医師を受診することになります。 認定調査の内容とは? 認定調査の所要時間は30分~1時間程度で、74項目を対象に要介護者の普段の様子や困りごとについて調査します。 74項目の調査内容は以下の5つの分野に分かれます。 ①身体機能、起居動作・・・立位、座位が保てるか、麻痺があるかどうかなど ②生活機能・・・食事や入浴、排泄が可能かなど ③認知機能・・・生年月日や短期記憶、意思の伝達が可能かなど ④精神、行動障害・・・被害的な思考ではないか、情緒が安定しているかなど ⑤社会への適応・・・簡単な調理が可能か、薬や金銭の管理が可能かなど これは一部を抜粋したもので全てではありません。 実際の調査はさらに詳細な内容になります。 「認定調査」を受ける前に準備しておくことは? 74項目と聞くと、不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 その不安から認定調査が終わった後に言い残しや聞き残しがないようにすることが大切です。 当日スムーズに進むように5つのポイントに分けて、事前に準備しておくと良いことをお話します。 ①普段の様子を理解しておく どんな時に介護のサポートが必要だと感じたのかということです。 食事なのか入浴なのか、外出先でなのか都度メモをしておいてください。 徘徊や会話の受け答えが以前と違うと感じた介護者は、動画や写真に残すのも良いでしょう。 特に介護度が低い場合は、初対面の調査員にとってどの程度介護が必要だと理解するのは難しいです。 麻痺があったり、不穏であったり明らかに介護が必要な方であれば、分かりやすいのですが、明るく出迎え、自分で歩行ができている様子を見ると「しっかりしている」という第一印象を受けます。 調査の短い時間の中で、症状が出るとは限りません。 ですので普段の様子をありのまま伝えることはとても大切です。 ②介護者の困りごとを確認しておく 普段の様子を踏まえ、介護者がどんなことで困っているのかを調査員に伝えましょう。 勿論調査対象となるのは要介護者ですが、介護者がどのようなことで困っているのかを伝えることも大切です。 また介護者である家族の住まいが遠方であったり、自身にも体調に問題があったりと介護をすることが難しい方もいます。 介護者の置かれている状況も併せて説明しましょう。 ③認定調査の項目を把握しておく 74項目を記憶する必要はありませんが、当日回答に困らないために調査項目に目を通しておきましょう。 普段の生活で意識していなかったことや、調査項目を見ることで思い出す困りごともあるかもしれません。 ④要介護者に聞かれたくないことはメモで伝える 例えば認知機能の低下により介護が必要だと介護者が判断していた場合、「認知症の可能性がある」と心配していることを要介護者の耳に入れたくない方も多いです。 困っている事実を伝えたくても、要介護者の前で初対面の調査員にありのままを伝えることに抵抗を感じる介護者もいるでしょう。 その時は要介護者から少し離れた場所で会話したり、メモを使って伝えてみたりしましょう。 ⑤病気や怪我なども伝え漏れがないようにする 主治医の意見書があってもそこに全ての既往歴が記載されているとは限りません。 また長年のかかりつけ医が作成した場合ではなく、市区町村が指定した病院で主治医を作成した場合は漏れがある可能性もあります。 些細なことでも良いのでしっかりと伝えましょう。 「認定調査」で気をつけたいこと 認定調査で決定される介護度はとても重要です。 介護度によって受けることができる介護サービスに制限があったり、介護保険を利用できる額も変わってきます。 調査員に適切な判断をしてもらえず実際の介護度より低く判定されてしまった場合、介護者にとっては大きな負担となりかねませんので注意が必要です。 ここでは特に気をつけたい点を2つご紹介します。 ①認定調査にはなるべく立ち合いましょう すでに入所をしていて施設で認定調査を受ける場合はそこの施設職員が立ち合うことが多いですが、自宅で受ける場合は要介護者本人1人で受けることができます。 遠方であったり、やむを得ない都合でどうしても難しい場合を除き、認定調査には必ず立ち合ってください。 認定調査に立ち会う人数に制限は基本的にありません。 様々な目線から調査員に現状を伝えましょう。 立ち合いが必要な理由を例として挙げると、初対面の方やお客さんを前にすると普段よりハキハキと話すことができたり、調子が良くなったりするという話を耳にしたことはありませんでしょうか? また歩行にふらつきのある方が認定調査の際にしっかり歩いてまるで別人のようになるなどは聞いたことがありますよね。 調査員に「何でもできる方だ」と判断されてしまうことを避けるために、本人1人だけで認定調査を受けることはなるべく避けましょう。 また先ほど話した通り、介護者や家族の立場から困っていることを伝える必要もあります。 ②「認定調査」について要介護者にどのように伝えるか 後期高齢者であったり、自覚症状が強くある方は「介護サービスを日常に取り入れよう」と言われても抵抗なく受け入れられるかもしれません。 しかしまだ60代、70代で周りに介護を受けている人が少ない年齢の方や、自覚症状のない方はいきなり「介護」と言われると受け入れ難いものです。 そのような方に「介護サービスを使ってほしいから認定調査を受けよう」と伝えるとどうでしょうか。 調査員が訪問しても普段の姿で認定調査が受けられなかったり、頑張ってしまったり、そもそも認定調査を受けてくれない可能性もあります。 ですので「認定調査を受けよう」ではなく、「市から健康調査のために調査員が来る」というような直接的な表現を避けて要介護者の自尊心を傷つけないように配慮しましょう。 このような表現を要介護者にすることで、嘘をついているような感覚になり罪悪感のある方もいます。 そのような場合は要介護者と向き合い、介護者自身が困っていることや協力してほしいことを本人に伝えてみましょう。 気持ちが上手く伝われば要介護者、介護者両者ともに積極的に認定調査を受けることができます。 まとめ いかがでしたでしょうか。 初めての認定調査で分からないことも多く緊張してしまいますが、要介護者本人がなるべく普段通りの様子でいることが一番大切です。 適切な判断をしてもらえるように立ち会う方はサポートに努めましょう。 ・要介護認定を受けるために認定調査は必須で、申請した市区町村から調査員が訪問する。 ・かかりつけ医がいる方は事前に打診しておくと主治医の意見書をスムーズに作成できる。 ・認定調査では74項目の質問をされて、およそ30分~1時間の時間を要する。 ・要介護者の普段の様子を理解しておき、メモや動画などに残すことが良い。 ・介護者の立場から困っていることをメモしておく。 ・認定調査の当日に焦りがないように調査項目には目を通しておく。 ・要介護者に聞かれたくないが、調査員に伝えたいことはメモに書いて渡す。 ・主治医の意見書だけでは不十分な場合もあるので、既往歴や身体で心配のある部分は伝える。 ・要介護者1人だけで認定調査を受けることも可能だが、普段と違う振る舞いをしてしまう恐れもあるので可能な限り調査には立ち会う。 ・「介護」というワードから認定調査に構えてしまう要介護者には直接的な表現は避ける。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • ディサービスとディケアの違いとは?利用目的や条件・料金などを解説

    在宅介護と呼ばれるサービスには様々なものがあります。 そんな在宅介護のサービスの中に「ディサービス」や「ディケア」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 名前が似ていて同じものだと思われがちですが、実はディサービスとディケアは意外と違いが多いのです。 今回は「ディサービス」と「ディケア」の違いを様々な側面からお話しします。 「ディサービス」と「ディケア」のサービスの違いは? まず両者を比較すると利用する目的が大きく違います。 その違いから見ていきましょう。 「ディサービス」の利用目的 ディサービスの特徴として、自宅での入浴が難しいなど自立度の低い方も多く利用しているという点が挙げられます。 これはディサービスの利用目的として自宅での自立度を高めたり、ご家族の負担を軽減することがあるからです。 ですので入浴や食事など日常生活の介護がサービスの中心となります。 また他者とのコミュニケーションをとる場面も多く、レクリエーションの内容が充実しているのも特徴です。 入浴や食事の時間の他に身体を動かす時間が設定されていたり、席の近い方とお話ししたり、趣味やテレビの時間を作ったりとゆったりと過ごす時間も多いのがディサービスです。 「ディケア」の利用目的 ディケアは「通所リハビリテーション」とも呼ばれ、最大の特徴は医師が常駐していることです。 医師から医療的なアドバイスが受けられたり、健康管理をしてもらえたりすることがサービスの内容に含まれます。 ディサービスにも看護師が常駐していますが、ディケアの方がより医療体制が整っていると言えます。 またリハビリ専門職がいることもあり、サービスの目的は身体機能の維持や回復で、しっかりと身体を動かしてリハビリに取り組む時間が多く設けられています。 また施設によって1日だったり半日などの短時間だったり、食事や入浴の時間はなかったりと様々です。 「ディサービス」と「ディケア」の人員配置の違いは? 上記のようなサービス内容の違いから、サービスに携わる専門職にも違いが出ています。 「ディサービス」の人員配置 ディサービスは介護士、看護師、生活相談員の人員配置で成り立っています。 日常生活の支援を行うのがディサービスの利用目的になるので、介護士が入浴や食事を、看護師がバイタルチェックなどで健康管理を行い、そして機能訓練指導員が機能訓練を行います。 またディサービスを利用する方の多くは、日常生活に不安を抱えています。 そこで自宅での介護の不安を相談できる生活相談員が常駐しているのが特徴です。 「ディケア」の人員配置 一方ディケアでは介護士、看護師に、リハビリ専門職と医師が加わります。 リハビリ専門職とは理学療法士や言語聴覚士、作業療法士です。 このようなリハビリ専門職が常駐していることで、リハビリに特化した時間を過ごすことができ、より身体機能の回復が期待されます。 また医師が常駐していることで、先ほど説明した健康への不安を緩和することができます。 「ディサービス」と「ディケア」の利用条件は? 料金は? ディサービスは自宅での生活に不安のある方が多く、ディケアは身体機能を維持・回復を目的とする方が多いということはご理解いただけたでしょう。 それは両者の利用条件でも確認することができます。 ディサービスは通所介護のため利用条件は、介護認定の内要介護1~5の方のみと設定されています。(今回の記事では、介護予防を含めず記載しています。) 一方ディケアは要支援でも要介護でも関係なく介護認定を受けていれば、介護保険を使用して、サービスを利用することができます。 また介護認定を受けていなくても自費であれば利用することが可能です。 では利用料金にはどのような違いがあるでしょうか。 ディケアには医師が常駐していたり、受けるリハビリも専門的なものになるので、ディサービスと比較すると少し高い料金が設定されています。 自治体にもよりますが、1日あたりおよそ100円~300円程度ディケアの方が高くなります。 「ディサービス」と「ディケア」どちらがオススメ? 両者の特徴を様々な側面からお話しましたが、利用する方によってどちらがオススメなのかは違います。 「ディサービス」がオススメの方 まず自宅での入浴や食事に不安があり、本人や家族に自宅での負担が大きくかかっている場合は ディサービスの方がオススメです。 また、「運動は少しだけ行いたい」や「身体で痛めている部分があるので無理はしたくない」という方にもディサービスの方が良いでしょう。 ディケアは運動を積極的に行いたい方が多いため、「運動は程々にしたい」または「一切したくない」という方が利用してしまうと精神的にも不安を感じてしまいます。 ディサービスは他の利用者の方とコミュニケーションをとりやすい場なので、「おしゃべりを楽しみたい」や「友人をつくりたい」という方にも楽しめる介護サービスです。 「ディケア」がオススメの方 医師が常駐していることもあり、退院したばかりの方や、身体機能の不安が大きい方はディケアの方が安心して利用することができます。 リハビリ専門職が揃っていることで身体をしっかりと動かして、とにかくリハビリを頑張りたいと思っている方も満足して利用できます。 ディサービスと比較するとディケアを利用する方は日常生活の動作に不安がある方は少ないです。 今の健康を維持したい、より元気になりたい方には、ディケアの方がオススメです。 リハビリ型ディサービスとは? ここまでディサービスとディケアの違いについて説明しましたが、「リハビリ型ディサービス」というサービスもあります。 リハビリ型ディサービスの多くが、午前と午後で利用する方が入れ替わる半日型を採用しています。 半日型であるため食事や入浴はサービスには含まれていません。 こう聞くと「リハビリ型ディサービス」と「ディケア」の違いがないように思いますが、大きな違いがあります。 それはディケアは医師の指導のもとリハビリが行われていることです。 リハビリ型ディサービスはそうではありません。 同じようなサービス内容だとしても身体の不安が大きい方はディケアを検討しましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 同じ「ディ」というワードがついていても、サービスの内容は大きく違うので、利用する方の希望や状況に合わせて適切に選択しましょう。 ・ディサービスを利用する方は自宅での日常生活に不安を抱えている場合が多いので、食事や入浴などの時間が中心である。 ・ディサービスでは趣味やレクリエーションなど、他の利用者の方とのコミュニケーションをとる場面も多い。 ・ディケアは身体機能の維持や回復を目的として利用している方が多い。 ・ディサービスには生活相談員が常駐しているため、 気軽に介護の相談を聞いてもらいやすい。 ・ディケアには医師が常駐しているので、健康面での不安が多い方は安心して利用できる。 ・またリハビリ専門職と呼ばれる人員配置がディケアにはあるので、身体機能の維持や回復も期待できる。 ・ディサービスは要介護1~5の方という制限があるが、ディケアの場合は介護認定を受けていれば要支援でも制限なく、介護保険を使用して利用できる。 ・自治体にも差があるが医師が常駐しているという理由で、ディケアの方が1日あたり100円~300円程度利用料が高い。 ・リハビリ型ディサービスは半日型で食事や入浴なしとしている場合が多く、ディケアとの違いはリハビリが医師の指導のもとであるかどうかである。 最後までお読みいただきありがとうございます。  

  • 介護保険で住宅改修をしよう!改修箇所別のポイントを解説!

    高齢者の暮らしを支える住宅改修。 有効に使って、要介護者も介護する人も共に暮らしやすいようにしたいですよね。  介護保険での住宅改修ができるのは下記の5箇所と決まっています。 手すりの取り付け 段差解消(屋外の工事も含む) 滑りの防止及び移動の円滑化等のためのまたは通路面の材料の変更(屋外の工事も含む) 引き戸等への扉の取替え 洋式便器への取替え これから、それぞれのポイントや注意点を紹介します。   手すりの取り付け 介護保険の住宅改修でもっとも工事件数が多いのが、手すりの取り付けです。 手すりは、歩行や立ち上がりの補助をする働きがあります。 そんな手すりですが、たくさん取り付けても意味がありません。 邪魔になって通路が狭くなったり、使わない可能性があるからです。 生活動線や本人の能力を考慮したうえで、手すりを取り付けるようにしましょう。   手すりの役割  手すりの役割は、以下のようなものがあります。 立ち上がりの補助 歩行の補助や誘導  それぞれ、詳しく紹介していきます。  立ち上がりの補助 加齢とともに筋力が落ちて、立ち上がりに時間がかかったり、1人でできなくなりがちです。 そうなると、誰かの手助けが必要になって、介護の負担が増えることになってしまいます。 しかし、すりにつかまれば、立ち上がりが楽にできるようになります。 手すりが、立ち上がりを助けてくれるからです。 たとえば、トイレの壁に手すりを取り付けた場合には、手すりにつかまってスムーズに立ち上がることができます。  1人で立ち上がりができるようになるためにも、介護負担が増えないためにも、補助をしてくれる手すりの取り付けが重要です。  歩行の補助や誘導  加齢とともに落ちるのは、筋力だけではありません。 バランス能力も低くなってふらつきが多くなり、転びやすい状態になります。  壁に手すりを取り付けることで、転ばずに歩くことができます。 手すりが、ふらつかずにバランスをとる支えになるからです。 例えば、夜中にトイレに行きたくなると、トイレまで移動するために暗い場所を歩かなくてはなりません。 そんな時に廊下にに手すりがあることで、移動を助けてくれたり、誘導してくれるので、転ばずに歩くことができます。 転ばずに目的地まで歩くためにも、手すりの取り付けが重要になります。  手すりの種類  手すりには、大きくわけて、5種類あります。  横手すり 縦手すり(I型) L字型 階段用 据え置き型  しかし、どのタイプを取り付ければいいのか迷ってしまいがちです。 それぞれ、どんな時に使用するのか、詳しく解説します。  横手すり  横手すりは、地面に対して水平に取り付ける手すりで、もっとも一般的なタイプです。 つかまって移動する時に使用できるため、廊下や玄関への取り付けが多くみられます。   縦手すり(I型)  縦手すりは、地面に対して垂直に取り付ける手すりです。 段差を上がる時や立ち上がりの時の補助になるので、玄関やトイレに取り付けることが多いタイプになります。  L字型  L字型の手すりは、横手すりと縦手すりが一体化したものです。 立ち上がりと立位保持の手助けをするので、トイレや浴室に取り付けることが多くみられます。  階段用  階段用の手すりは、階段の昇り降りを補助する手すりです。 両側にとりつけることが望ましいですが、片側だけの時は降りる時の利き手側に取り付けるようにしましょう。 しかし高齢者は自室を1階にしていることが多いため、使用する頻度が少ないです。  据え置き型  床に置いて使用するタイプの手すりです。 手すりを取り付けることができない場所にも置くことができます。 工事を必要としないため、住宅改修での対応はできません。 福祉用具貸与での対応になります。  段差の解消 次に、段差の解消です。 対象は、自宅内の各部屋の間の床の段差と、玄関から道路までの通路の段差になります。 電力で稼働する段差昇降機や工事を伴わないスロープは、福祉用具貸与の対象外になりますので注意しましょう。  それでは、場所別に解説していきます。  玄関  玄関の上がりかまちは、高齢者にとって大きな障害です。 特に日本家屋は段差が高く、上がるのが大変だからです。 工事としては式台の設置が行われますが、工事を伴わない場合は、介護保険の対象外になります。  駐車場  高齢者にとって屋外の移動は段差も多く、転倒のリスクが高くなります。 筋力やバランス能力など、身体機能が低下しているからです。  たとえば、病院に行く時など外出の際には、駐車場に移動する必要があります。 駐車場までに段差など障害がある時は、スロープを設置したり、階段の段数を増やして、一段ごとの高さを低くすることができます。 敷居 若い人にとってなんともない少しの段差でも、高齢者にとっては転ぶ要因になります。 敷居などは取り外すことが難しいので、小さなスロープを取り付けて段差を解消します。 この時、1/4〜1/5の勾配にすることがポイントです。   滑りの防止及び移動の円滑等のための床または通路面の材料の変更 床などの通路は素材によっては、滑りやすく転倒しやすい要因になっています。 材料を変更することで、転倒予防を図ることができるのです。 もしくは、畳やカーペットでは車椅子の運びが悪いため材料を変更することで、移動をしやすくなります。  ただし、生活動線以外の工事や老朽化によるものは、対象外ですので注意してください。 引き戸等への扉の取替え [caption id="attachment_1295" align="alignnone" width="512"] Smiling children signing OK[/caption] 日本の玄関は、「開き戸」が多く使われています。 しかし、「開き戸」は、筋力が低下した人にとっては、開け閉めがつらいものになります。 扉の開け閉め時に、扉の開きしろを考慮するため、筋力やバランスが必要になるからです。 そこで、「引き戸」にすることで、扉の開きしろを気にせずに開け閉めができます。  ちなみに、ドアノブをレバー型に変更することも、住宅改修の対象です。 ただし、扉の老朽化といった交換は、対象外になっています。   洋式便器への取替え 洋式便器への取替えは、和式便器を洋式便器に取り替える場合が一般的に想定されています。 その他、どういった工事が対象になるのか、紹介します。  和式便器を洋式便器へ  現代では少なくなりましたが、日本家屋では和式便器が主流で、現在も残存しているところがあります。 ですが、和式便器は高齢者にとって、使いにくいものです。 しゃがむ動作をする必要がありますが、足の変形から痛みを伴い困難になっていきます。 また、筋力も低下しているので、しゃがんだはいいものの、立ち上がれなかったりすることもあります。  こういった時に、洋式便器への交換は有用です。  暖房・洗浄機能付便器への取替え  現在洋式のものを交換はできませんが、和式を洋式に変更する時は住宅改修の対象になります。  便器の取替えに伴う給排水設備工事  便器を取り替える時は、水回りの交換も必要になりますが、給排水にかかわる工事も住宅改修の対象です。 ただし、もともと水洗だったトイレのみになります。  便器の取替えに伴う床材変更  便器を取替える時は、床や壁も改修が必要になりますが、これも対象になります。  こういった時は対象外  住宅改修の対象外にもなる工事もあります。 洋式トイレを新設 手洗い器やペーパーホルダーの新設 基本的に、新設する場合は対象外です。 既存のものを交換する場合のみ対象になりますので、ご注意ください。  まとめ ここまで、介護保険での住宅改修のポイントや注意点を箇所別にわけて、紹介してきました。  ・手すりは歩行や立ち上がりの補助をするが、たくさん取りつけても意味がない。  手すりは数タイプあるので、目的や場所によってわける。 ・段差解消は自宅内の各部屋の間の床の段差と、玄関から道路までの通路の段差をなくすもの。  工事を伴わない段差解消機やスロープの取り付けは、住宅改修の対象にならない。 ・床または通路面の材料の変更は、生活動線以外や老朽化によるものは対象外。 ・引き戸等への扉の取替えは、高齢者にとって開け閉めが難しい開き戸を取替える時に有用。  開けやすいドアノブへの変更も住宅改修の対象だが、老朽化による扉の交換は対象外。 ・洋式便器への取替えは、一般的に和式便器を洋式便器に変更する時。  洋式トイレやペーパーホルダーを新設する場合は対象外。 親に元気に家で過ごしてもらうために、住宅改修を利用して生活環境を整えましょう。  そのためには、箇所別にポイントを把握しておくことが大切です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

  • 福祉用具の住宅改修とは?基本的な内容から注意点まで解説! 

    介護保険には、住みなれた自宅での暮らしを続けることができるように支える制度もあります。 介護保険の制度で住環境に関するものが、「福祉用具」と「住宅改修」です。 住みなれた家での暮らしを続けるには工事が必要になる場合もあります。 この時に使える介護保険サービスが「住宅改修」です。 介護保険を使用すると、費用の一部の負担で「住宅改修」を受けることができます。  ここでは、「住宅改修」の基本的な内容について紹介します。 注意点もありますので、住宅改修を考えている方は、最後まで読んでくださいね。 福祉用具の住宅改修とは  住宅改修とは簡単にいうと、リフォームです。 福祉用具の住宅改修とは、要介護認定を受けた人の家での暮らしをサポートする、介護保険サービスの1つになります。  親が介護が必要な状態になってくると、多くの人が「親が暮らしやすいようにリフォームをしたいけど、お金がかかる…」と考えます。 福祉用具の住宅改修では、リフォームにかかった費用の一部の助成が受けられます。 たとえば、手すりを取り付けたり、段差をなくしてバリアフリーにしたりすることが可能です。 住宅改修というサポートで、要介護認定を受けた人が家での暮らしを続けやすくなります。   福祉用具の住宅改修で補助される対象とは [caption id="attachment_1220" align="alignnone" width="512"] Smiling children signing OK[/caption]  「住宅改修で、色々リフォームしよう」とお考えになる方も多いかもしれませんが、住宅改修はすべての工事が補助される対象にはなりません。 厚生労働省が以下の6つのものに決めているからです。 手すりの取り付け 段差の解消(屋外の工事も含む) 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更(屋外の工事も含む) 引き戸等への扉の取替え 洋式便器への取替え その他①~⑤に付帯して必要となる住宅改修 ただし、家の暮らしをサポートする「福祉用具貸与」は住宅改修の対象外ですので、注意してください。 また、「福祉用具貸与」は工事を伴わないので、レンタルになります。   どんな人が使えるの?   住宅改修は、すべての人が使えるものではなく、条件があります。 以下の条件を確認して、住宅改修ができるか検討してください。 要介護認定(要支援1~2、要介護1~5)を受けている 介護保険被保険者証に載っている家に住んでいる 入院中などではなく、現在家で生活している 家の所有者の許可を得ている 本人の自立支援を促したり、介護をする人の負担が減る 要介護認定(要支援1~2、要介護1~5)を受けている  介護保険サービスの住宅改修を受けるには、要介護認定を受けていなければなりません。 要介護認定がなければ、住宅改修の対象の項目だったとしても、全額自己負担になります。 住宅改修を受けたい場合は、必ず要介護認定を受ける必要があるのです。  介護保険被保険者証に載っている家に住んでいる 住宅改修の対象になるのは、介護保険被保険者証に載っている住所の家のみです。 たとえば、調子が悪い間だけなど一時的に子どもの家に住んでいる場合は、対象外です。 介護保険被保険者証に載っている家(住民票がある家)のみ、住宅改修が可能となります。  入院中などではなく、現在家で生活している  住宅改修を受けるには、現時点で家で生活していることが条件になります。 入院中や施設に入所中は、住宅改修を受けることができません。 住宅改修は家で生活をしている人が受けられる、在宅サービスだからです。 そのため、現時点で家で暮らしていることが必要なのです。  しかし自治体によっては、入院中であっても住宅改修が認められることがあります。 退院や退所後の暮らしを整えるために、住環境の整備が必要だと判断される場合です。 退院日などが決まっている場合は、入院中に事前申請や住宅改修を行えます。 退院後、定められた事後手続きを行います。 住宅改修後、退院できない時や施設入所に変更となって自宅に住めなくなった時は、住宅改修費は全額負担になってしまうので、注意が必要です。 可能であれば、住宅改修は事前申請のみ入院中に行い、工事は退院後に行うことをおすすめします。  家の所有者の許可を得ている 介護被保険者証に載っている家が住宅改修を受ける人の家ではない場合は、所有している人の許可が必要です。 たとえば、子どもの家や賃貸の場合です。 所有者の許可なく、住宅改修を受けることはできません。 「住宅改修の承諾書」に所有者の署名と捺印が必要になります。  本人の自立支援を促したり、介護をする人の負担が減る  住宅改修は、介護を受ける人が住んでいる家であっても、制限なく改修はできません。 介護保険は、介護認定を受けた人が住みなれた家での暮らしの継続をサポートするものだからです。 住宅改修を受けて、本人ができることが増えたり、介護をする人の負担が減ることが前提になります。 たとえば、手すりを取り付けて、1人で立ち上がれるようになるなど、利用者の役に立つことが重要なのです。 このため、住宅改修は補助を受けられる対象が決まっています。 詳しくは、前述した「住宅改修の補助される対象は」をご覧ください。   いくらまで補助される? 住宅改修の支給限度額は要介護度に関係なく、1人につき1回限りで、20万円です。 自己負担額は、介護保険負担割合証に1~3割のどれかが載っていますので、確認してください。 たとえば、1割の場合は2万円を自己負担することになります。  住宅改修費はまとめて使うこともできますし、複数回に分けて使うことも可能です。 たとえば、1回の住宅改修の工事で10万円しか使用しなければ、次の工事で残り10万円分を使えます。  ただし、20万円を超えた分は全額自己負担になりますので、注意してください。 自治体によっては住宅改修補助制度があって、20万円を超えた分も補助を受けられる場合があります。 担当のケアマネなどや自治体に相談してみてください。   1回20万円の住宅改修費がリセットされる時は?   住宅改修の支給限度額は1人につき1回20万円ですが、リセットされる時があります。 どのような場合にリセットされるのか、確認しておきましょう。  要介護度が3段階以上上がった時  要介護度が3段階以上上がると、1回だけ住宅改修費を再度20万円分使うことができます。 たとえば、要介護2から要介護5になった時など、住宅改修費がリセットされて、再度20万円分使うことができるのです。  引っ越した時 もともと住んでいた家で住宅改修を受けていたとしても、引っ越した時はリセットされ、再度20万円分を使えます。 ただし、新築に引っ越し先する場合は、住宅改修として認められないので、注意が必要です。   支払い方法は?   住宅改修費の支払いは、「償還払い」と「受領委任払い」の2つの方法があります。 基本的には「償還払い」で行われますが、業者によっては「受領委任払い」を選ぶこともできるのです。 それぞれの特徴について、紹介します。  償還払い  償還払いは、住宅改修にかかった費用の全額を一旦業者に支払います。 1割負担であれば後日に申請をすることで、残り9割が返ってきます。 ですが、まとまった金額を用意する必要があるため、利用者にとって大きな負担になります。  受領委任払い 受領委任払いは、自己負担分の費用を業者に支払うので、利用者の負担が軽減できる方法です。 保険給付分は業者が申請することで、保険者が業者に支払いを行います。  ただし、受領委任払いを行いたい時は、「受領委任払い取扱事業者」として登録された業者で住宅改修を行う必要があります。 指定業者以外で住宅改修を行うと、受領委任払いでの支払いはできませんので、注意しましょう。   まとめ ここまで、住宅改修の基本的な内容について、説明をしてきました。  住宅改修ができるのは、厚生労働省が定めた6項目のみ。 住宅改修を受けられるのは、住民票に載っている住所に住んでいる人のみ。 入院中など自宅にいない時は、住宅改修を受けることができない。 住宅改修費は20万円まで補助を受けることができる。 住宅改修費は、要介護度が3段階以上上がった時や引っ越した時にリセットされ 再度20万円分使用できる。 住宅改修費の支払い方法は、「償還払い」と「受領委任払い」の2種類がある。 住宅改修をする時は、介護保険を使って行うことをおすすめします。 介護保険を使わずに住宅改修を行うと、全額自己負担することになってしまいます。 そういった事態にならないように、今回のポイントを頭に入れて、住宅改修を受けましょう。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 認知症専門医とは?かかりつけ医から専門医に変更するメリットを解説!

    「認知症専門医」という言葉を初めて聞く方も多いのではないでしょうか。 認知症を患った場合、進行を遅らせるための治療が重要です。 そのため、医師の選び方も関わってきます。 今回は、認知症の医療に特化した認知症専門医について紹介します。 認知症専門医とは? 認知症専門医とは、日本認知症学会および日本老年精神医学会に認定されている医師で、全国に約2,000人存在します。 主に精神科、神経内科、老年科に在籍しており、認知症の早期発見や早期治療を担っています。 しかし、人数が少ないため、お近くの病院に在籍していないこともあるので注意が必要です。 良い認知症専門医の見分け方 良い認知症専門医の見分け方のポイントは以下の3つがあります。 MRIなどの「画像診断」を行ってくれる 「認知症テスト」を実施してくれる 定期受診時に丁寧な「問診」を行ってくれる ここでは、3つのポイントをそれぞれ解説します。 丁寧な「問診」 良い認知症専門医の見分け方のポイント1つ目は「問診」です。 問診は、定期的な受診をすると必ず行われるものですが、内容が最も重要です。 良い認知症専門医は、認知症患者にどのような症状や行動があるのか、現状家族にどのような負担があるのか等、丁寧な聞き取りをしてくれます。 また、前回の受診時からそのような変化があるのか、それに対して今後の医療計画や薬の処方内容はどうしていくのか、話し合いの時間を設けてくれます。 介護家族は認知症患者の日々の様子や変化をしっかり専門医に伝えられるよう、現状の把握しておきましょう。 デイサービスや高齢者施設を利用している場合は、介護スタッフから事前に聞いておくことが重要です。 CTやMRIなどの「画像診断」 良い認知症専門医の見分け方のポイント2つ目は「画像診断」です。 CT(コンピュータ断層装置)やMRI(核磁気共鳴コンピュータ断層装置)などを使い、脳の状態を画像で判断します。 実際の脳の画像を元に、認知症が以前と比べてどれだけ進行しているか、服用している薬の効き目があるのかを診断するため、より確実な医療方針を決められます。 また、定期的に画像診断を行うことで、認知症の進行度合いも把握できます。 数値化する「認知症テスト」 良い認知症専門医の見分け方のポイント3つ目は「認知症テスト」です。 認知症テストとは、認知機能障害の有無を調べるために行う簡単なテストです。 長谷川式スケールやMMSEという種類があり、テストの結果で認知症の状態を数値化し、どのくらいの認知機能障害があるか判断します。 認知症テストをすることで、実際にどれくらい認知症が進行しているのか把握できます。 認知症専門医を見つけるためには? 認知症専門医を見つけるために有効な手段は、「ケアマネジャー」や「地域包括支援センター」を尋ねることです。 ケアマネジャー ケアマネジャーは、介護や支援を必要とする方から相談を受け、心身の状況に応じて、介護サービスを受けられるように介護計画を作成する役割を担う人です。 ケアマネジャーは、実際に介護現場で認知症患者のケアを経験したことがある人も多く、小認知症患者や介護家族に対しての理解があります。 地域の居宅介護支援事業所に常駐しているため、近くの事業所を探しましょう。 地域包括支援センター 地域包括支援センターは、地域内の高齢者の相談や権利擁護、支援体制作り、介護予防に必要な援助などを行う公的機関です。 全国に約5,000ヵ所以上あり、介護の必要の有無に関わらずすべての高齢者の相談を受ける施設です。 ホームページで確認する 認知症専門医は日本老年精神医学会と日本認知症学会のホームページからも検索することが出来ます。 公益社団法人日本老年精神医学会 日本認知症学会 また厚生労働省は、全国約250カ所に 「認知症疾患医療センター」を設置してます。 ここでは認知症専門医が鑑別診断や治療、精神保健福祉士などの専門の相談員による医療福祉相談など医療・福祉関係者を支援する体制が整えられているので、こちらを利用するのもいいかもしれません 認知症疾患医療センター 直接認知症専門外来を受診する方法もありますが、かかりつけ医に相談するのもおすすめです。 認知症専門医にかかるメリット 認知症には治療法がないため、「早期発見・早期治療」が重要です。 早期発見から早期治療につなげることで、進行を遅らせることができます。 かかりつけ医から認知症専門医にかかるメリットは、主に以下の4つがあります。 知識や経験が豊富なため、選択肢が増える 患者本人の変化や状態を把握し常に医療方針を考えてくれる 介護家族側の負担を減らすことを考えてくれる 大きな病院などの医療連携が速やかである 選択肢が増える 認知症専門医にかかるメリット1つ目は、知識や経験が豊富なため「選択肢が増える」ことです。 かかりつけ医は認知症に関する知識が少ない場合もあります。 認知症には、明確な治療法がなく、一人ひとりの症状や環境に合わせたケアが重要です。 知識や経験が豊富な認知症専門医にかかることで、具体的なケアを考えることができます。 患者の状態を把握し常に医療方針を考えてくれる 認知症専門医にかかるメリット2つ目は、患者本人の変化や状態を把握し「常に医療方針を考えてくれる」ことです。 認知症専門医は、認知症患者の心身の状態を把握し、新しい医療方針を提供してくれます。 かかりつけ医の場合は、定期検診で認知症患者に異常がなければ簡単に診察を終わらせてしまう可能性があります。 介護家族の負担を減らすことを考えてくれる 認知症専門医にかかるメリット3つ目は、「介護家族側の負担を減らすことを考えてくれる」ことです。 認知症専門医は、介護家族の負担を減らすことを考えて、医療方針を考えてくれます。 介護が負担になるという理由で薬を増やすだけでは、意味がありません。 飲み方を変える、別の薬を利用するなど、家族の意見とともに医療方針を決めていきます。 医療連携が速やかである 認知症専門医にかかるメリット4つ目は、大きな病院などの「医療連携が速やかである」ことです。 認知症専門医が在籍する科には、「認知症センター」や「もの忘れ外来」など認知症が専門となります。 認知症の専門外来には、脳の画像検査機器であるCTやMRIが設置されていることが多く、認知症患者の状態を正確に把握できます。 また、大きな病院とも連携しており、必要があれば速やかに受診できる仕組みです。 どのような時に認知症専門医にかかる? ここまで、認知症専門医について紹介しました。 しかし、かかりつけ医から認知症専門医に切り替えれば良いのかわからない方も多いのではないのでしょうか。 認知症には明確な治療法がないため、認知症患者に合わせた早期治療が大切です。 以下の点が思い当たる場合、かかりつけ医から認知症専門医に切り替えることをおすすめします。 認知症の症状の進行が明らかに早い 症状に変化があった場合、薬の調整しか行わない 認知症の進行が明らかに早い 認知症の進行が明らかに早いと感じた場合、治療法が合っていない場合があります。 認知症専門医に相談することで、薬以外の治療法も見つけることが可能です。 例えば、リハビリなどの運動療法や、楽器などを使用する音楽療法も効果が期待できる治療法などがあります。 治療で薬の調整しか行わない 認知症の症状である、うつ・徘徊などの治療薬として、抗精神病薬や睡眠薬が処方される場合があります。 しかし、患者の症状が進行した際、過度に服薬をすると副作用が大きくなります。 薬が効きすぎると、意識が朦朧とする、歩行が不安定になるなどの症状が現れることがあり、転倒などのリスクも高くなるため注意が必要です。 まとめ 今回は、認知症専門医についてと認知症専門医にかかるメリットをお伝えしました。 認知症専門医は、日本に約2,000人存在し、認知症の早期発見や早期治療を担う医師である。 良い認知症専門医を見分けるための3つのポイントは、「丁寧な問診」「CTなどを利用した画像診断」「認知症テストを用いた診断」である。 認知症専門医は、認知症患者の変化をしっかり把握し、医療方針を考えてくれる。 認知症専門医にかかるメリットは、「選択肢が増える」「患者の状態を把握し常に新しい医療方針を考えてくれる」 「介護家族の負担を減らすことを考えてくれる」「医療連携が速やかである」の4つである。 かかりつけ医から認知症専門医にかかるタイミングは、「認知症の進行が明らかに早い」「治療で薬の調整しか行わない」場合である。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 認知症は改善できる?認知症の種類と改善例を解説!

    高齢者が発症しやすい病気としてよく聞く「認知症」。 しかし、認知症にもさまざまな種類があり、症状によっては改善したり進行を遅らせたりする方法があることをご存知でしょうか。 今回は、認知症の種類や改善例について紹介します。 認知症の種類と原因・症状 では認知症とはどのような症状がでるのか、種類や認知症の原因について解説します。 認知症とは? 認知症とは、脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下する病気です。 認知症は高齢になるほど発症リスクが高まると言われ、2020年時点で日本の65歳以上の患者数は約600万人です。 認知症の代表的な症状として、以下の6種類があります。 自分の体験や過去の記憶が欠落する「記憶障害」 計画を立てて物事が行えなくなる「実行機能障害」 時間や場所など自分の状況が把握できなくなる「見当識障害」 言葉の理解や表出が難しくなる「言語障害(失語)」 ご飯を食べるなど日常的な行為ができなくなる「失効」 自分の体の状態や自分と物との位置関係などの空間認識が難しくなる「失認」 認知症は、一時的に思い出せない、一部分を忘れてしまうなどの加齢による物忘れとは異なります。 自分の環境や状況を正しく理解できない、今までできていたことができなくなるなど日常生活に支障をきたすようになります。 また、認知症には主に以下の4種類があります。 アルツハイマー型認知症 血管性認知症 レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症 4種類の認知症は、それぞれ発症する原因と症状が異なります。 それぞれの認知症の原因・症状 次に、4種類の認知症について紹介します。 アルツハイマー型認知症 「アルツハイマー型認知症」は、日本で最も多いと言われている認知症で、認知症患者全体の約63%を占めます。 脳の神経細胞にタンパク質であるアミロイドベータが溜まり、神経細胞が破壊され脳が萎縮することで起こります。 原因は、加齢や遺伝が影響する可能性が高いとされていますが、近年では、糖尿病や高血圧の人が発症しやすいと明らかになりました。 アルツハイマー型認知症の初期症状は、物忘れから始まり、食事をしたことを忘れるなど行動そのものを忘れる記憶障害が現れます。 症状の進行は緩やかですが、徐々に脳の萎縮が進行します。 血管性認知症 「血管性認知症」は、認知症患者全体の約20%を占め、2番目に多いとされる認知症です。 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害によって脳の血流が阻害され、脳の一部が壊死することで起こります。 原因は、脳梗塞などを引き起こす高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病です。 血管性認知症の症状は、障害が起きた脳の部位によって異なります。 主な症状には、歩行障害や手足のしびれ、排尿障害、言葉が出にくくなる言語障害、感情のコントロールができないなどの精神障害があります。 また、脳梗塞や脳出血などの血管障害の発作を繰り返すと症状も重くなっていきます。 レビー小体型認知症 「レビー小体型認知症」は、神経細胞にできる特殊なタンパク質である「レビー小体」が脳に溜まり、神経細胞を破壊することで起こります。 しかし、レビー小体が脳に溜まる原因は、いまだ明らかになっていません。 レビー小体型認知症の症状には、手足の震えや体がこわばるなどの身体障害が挙げられ、徐々に進行し、転びやすくなります。 他にも、実際には存在しないものや人物が見える幻覚、うつ症状も現れます。 調子の良し悪しで、気分や行動が異なり、症状の変化が大きいことが特徴です。 前頭側頭型認知症 「前頭側頭型認知症」は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで起こります。 65歳未満で発症することが多い認知症であり、10年以上かけて症状が進行していく場合がほとんどとなります。 原因は、脳に、異常構造物である「ピック球」が溜まることによるものと、タンパク質である「TDP-43」が溜まるものと言われています。 しかし、ピック球とTDP-43が溜まる原因は、いまだ明らかになっていません。 前頭側頭型認知症の症状には、性格が極端に変わることが多くなり、万引きや悪ふざけなどの反社会的行動が増える、衛生面の管理ができないなどが挙げられます。 また、同じ行動を繰り返す、身勝手な行動をとる、時間通りに行動しないと気がすまないなどの症状が特徴です。 症状が進行すると、言葉の意味がわからなくなる、言葉が出なくなる症状も現れます。 認知症は改善するの? 脳の神経障害によって起こる認知症には、現在根本的な治療法はないと言われています。 また、認知症は完治するものではありませんが、ケアによって症状の改善が見込まれる場合もあります。 次は、実際に体験した認知症の改善方法について紹介します。 認知症の改善例①食事を自己摂取されない高齢者Aさん 認知症の症状には、自分で食事をとる、洋服を着るなど、今までできていた行動ができなくなる「失効」があります。 認知症の進行により、食事を自己摂取できなくなった高齢者Aさんに自分で食べてもらうよう促しますが、何度スプーンを渡してもテーブルに戻してしまいます。 しつこく介助をすると、怒ることもありました。 実施したケア Aさんの座席の前に、よく喋りよく食べる高齢者Bさんに座っていただき、Bさんが食事する様子を見てもらいながら、最初は介助にて食事を取ってもらいます。 そして、お皿を持ってもらう、おかずをのせたスプーンを持ってもらうなど促すと、真似をして少しずつ自己摂取するようになりました。 また、Bさんが話しかけてくれることで笑顔や発語する様子も見られるようになりました。 認知症の改善例②介護スタッフが抱えて移乗していた高齢者Cさん Cさんは、認知症の症状によって意思の疎通が難しく、脚の力はありますが、ベッドから立ち上がってくれません。 また、ベッドから車いすに移る際に怖がってしまい、ベッド柵を握るなど力を入れてしまいます。 ベッド柵を握っていては安全に移乗ができないため、介護スタッフの肩に手を回してもらい、全介助にて移乗を行っていました。 実施したケア ベッドから立ち上がる、車いすに座るという行為を繰り返し行うことで、移乗の行為を覚えてもらうよう努めました。 その際、毎回車いすを見せて示すことで、「ここ(車いす)に座る」という認識をしてもらいやすくなります。 また、日常的に声掛けをすることで気持ちも穏やかになり、介護スタッフに対する不安などがなくなり、力むこともなくなりました。 最終的には、Cさんは見守りをするだけで車いすに移乗できるようになります。 ここで紹介したAさんとCさんは、一時的に認知症の改善が見られましたが、認知症が進行すると元の状態に戻ることも考えられます。 また、すべての認知症を持つ患者さんに当てはまるものでもありません。 しかし、声のかけ方や何度も繰り返し促すことで、理解できるようになる場合もあるため、一人ひとりに合ったケアが重要です。 まとめ 今回は、認知症の内容、改善例についてお伝えしました。 認知症とは、脳の神経に障害が起こることによって発症する病気である。 認知症は、記憶障害・実行機能障害・見当識障害・言語障害・失効・失認の症状が現れる。 認知症には、主に、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の4種類がある。 認知症は、現在も原因が明らかになっていないものが多い病気である。 認知症を治す治療法はなく、一人ひとりに合わせたケアが必要である。 認知症は、声のかけ方や促し方の工夫によって、改善が見られる場合もある。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 介護をする家族が後悔しないための準備とは?重要なポイントを解説!

    親が高齢になると、急に介護が必要になることがあります。 今回は、家族に介護が必要になり、介護家族になった際に後悔しないよう準備しておくべきことを紹介します。 介護家族は介護を受ける親の情報を把握しておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の1つ目は、「介護家族は介護を受ける親の情報を把握しておく」ことです。 把握しておくべき情報は、主に以下の3つです。 親の健康状態 親の経済状態 介護に関する親の希望 これらの情報は、親が望む介護・必要とする介護を提供するために参考になります。 親の健康状態 まずは、「親の健康状態」について知っておきましょう。 必要な介護を受けるためには、親の現在の体調、服用している薬、過去の病歴や怪我など基本的な情報が重要です。 かかりつけの病院や、親と親交のある近所の人など、介護が必要になる前の様子や体調がわかる人に話を聞いておきましょう。 親の経済状況 次に、「親の経済状況」を確認しましょう。 認知症などの病気によって、自己管理ができなくなる場合もあります。 通帳や印鑑の場所、証書類やカード類などを整理しておくと安心です。 しかし、介護にどのくらいのお金が必要であるかわからない方も多いのではないでしょうか。 介護度別の平均介護費用額は、以下の表のようになります。 介護度 介護費用 要介護1 月3.3万円 要介護2 月4.4万円 要介護3 月5.9万円 要介護4 月5.9万円 要介護5 月7.5万円 出典:みんなの介護 介護度は、どの程度の介護を必要とするかを表す基準です。 要介護1は、家事や歩行などの動作に見守りなど一部の介助が必要な方、要介護5は、ほぼ寝たきりの方を指します。 要介護度が高くなるほど、介護費用も高くなる傾向にあります。 また、介護が必要になった場合に準備すべきものは、主に以下の4つです。 車いすや歩行器 介護用ベッド 着脱がしやすい衣類や靴 簡易トイレやおむつなどの排泄用品 歩行に不安が現れた際は、車いすや歩行器を利用します。 身体が不自由な人でも利用しやすい衣類などの消耗品も必要になります。 介護を必要とする生活はいつまで続くかわからないため、経済面での余裕は重要です。 介護家族の負担を増やさないためにも、金銭管理は早めにしておきましょう。 介護に関する親の希望 「介護に関する親の希望」は、介護家族が後悔しないために重要なポイントです。 「在宅介護」か「施設介護」か 介護が必要になった場合、住み慣れた家で生活を続ける「在宅介護」にするのか、高齢者向けの施設に入居する「施設介護」にするのかを決めなければいけません。 今まで自由な生活を送っていた場合、施設に入居することに抵抗を持つ方もいます。 しかし、介護家族側は、常に見守ってもらえる環境が整う施設に入居してほしいと望む方が多くなります。 「どのような生活を送りたいか」も、事前に話し合っておくべき重要な点です。 介護士経験者からの重要ポイント 病気が進行し治療法がなくなった際に必要になるのが「看取り」に関する決断です。 「看取り」とは、病気が治る見込みがなくなった場合に、延命治療を行わず、安らかに最期を迎えることです。 延命治療は体力的にも負担がかかるため、治療を中止して苦痛のない看取りを選ぶのか、本人と家族の意見が重要になる場面です。 親と意思疎通が取れなくなった場合に、親がどう考えているのかわからず後悔する家族もいます。 そうならないためにも、事前に将来のことを話し合い、親の希望に寄り添う準備をしておきましょう。 介護家族内で介護方針や役割分担を決めておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の2つ目は、「介護家族内で介護方針や役割分担を決めておく」ことです。 介護方針 基本的な決定権は、介護を必要とする親と家族であるため、意見をまとめておくことが重要です。 親の治療に関して積極的に行っていくのか、病気が悪化した場合どうするのかなどさまざまな選択が必要になります。 家族同士で意見が異なると、スムーズに介護方針を決められません。 役割分担 家族内での役割分担をしておきましょう。 在宅介護を選択した場合、24時間ひとりで介護を行うことは現実的ではありません。 親戚と情報共有をして、時間や曜日で役割分担し、協力するようにしましょう。 介護士経験者からの重要ポイント 役割の一つとして、1番目の緊急連絡先となる「キーパーソン」を決めなければいけません。 親の急な体調不良などがあった場合、主治医や介護事業所から連絡が入ります。 また、本人が意思表示できない場合の意思決定を行う役割もあります。 病院や介護事業所など介護機関と最も多く関わる役割であるため、柔軟に対応できる方や、親について最も理解している方が向いています。 介護家族は必要な知識を身につけておく 介護家族が後悔しないためにしておくべき準備の3つ目は、「必要な知識を身につけておく」ことです。 介護サービスについて 介護は、家族のみで行うものではありません。 高齢者支援サービスや行政サービスを利用して、介護家族の負担を減らすことができます。 情報不足によって制度などを利用できなかったということがないように注意しましょう。 介護保険サービス 必要な介護の度合いを表す要介護認定を受けることで、介護保険サービスを利用できます。 親と家族だけでは負担できない部分を補えるサービスです。 介護保険サービスには、主に以下の6種類があります。 介護サービスに関する相談、ケアプランの作成 自宅で受けられる家事援助などのサービス 日帰りで利用するデイサービス 施設で生活し、介護を受けられるサービス 訪問、通い、宿泊を組み合わせて受けられるサービス 介護用ベッドなどの福祉用具の利用にかかるサービス 介護保険サービスを利用すれば、介護に関する相談ができる、介護サービスを提供する機関と連携ができるなどのメリットがあり、初心者の方でも安心です。 介護保険サービスは、在宅介護でも施設介護でも利用できます。 介護保険外サービス 介護保険サービス以外にも、自治体や地域のボランティアが行うさまざまなサービスがあります。 自治体が行うサービスには、以下の4つのようなものがあります。 寝たきりの高齢者の散髪などを行う理髪サービス おむつの支給やおむつ代の助成 高齢者が住みやすい住宅を作るための改修の補助 高齢者の介護を行う家族に対する家族介護慰労金 自治体によって、実施対象者や金額はさまざまですが、利用することで負担を減らせます。 地域のボランティア団体や民間が行うサービスには、高齢者向けの付き添いや安否確認サービス、弁当などの配色サービスがあります。 家族の負担を減らすためにも利用したいサービスです。 自治体や地域のサービスは、広告していることが少ないため、住んでいる地域について一度調べてみましょう。 介護家族の支援制度について 介護支援制度には「介護休暇制度」と「介護休業制度」があります。 介護休暇制度 「介護休暇制度」は、親の通院などの付き添いなどで短期間の休みが必要な場合に、労働者が利用できる制度です。 以下の表は、介護休暇制度の特徴です。 対象となる労働者 対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く) 対象家族 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 取得可能日数 年5日まで/対象家族が1人 年10日まで/対象家族が2人以上 取得単位 1日または時間単位 出典:厚生労働省 介護休暇制度は、取得できる休暇日数は少ないですが、対象となる労働者の基準が低く、気軽に取得できます。 介護休業制度 「介護休業制度」は、休業して介護を行いながら、仕事と両立できる環境を整える制度です。 以下の表は介護休業制度の特徴です。 対象となる労働者 取得予定日から起算して、93日を経過する日から 6ヶ月を経過する日までに契約期間が満了し、 更新されないことが明らかでないこと。 対象家族 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 利用期間/回数 対象家族一人人1人につき3回まで、通算93日 出典:厚生労働省 介護休業制度は、仕事と介護の両立を支援する制度であり、自治体やケアマネジャーと連携しながら介護を行えます。 まとめ 今回は、介護家族が後悔しないために準備しておくポイントについてお伝えしました。 親の健康状態、金銭状況の確認が必要である。 介護に関する親の希望を確認しておくべきである。 介護家族内で役割分担と情報共有が重要である。 介護に関する知識を身につけるべきである。 自治体や事業所と協力して介護の環境づくりが重要である。 最後までご覧下さり、ありがとうございます。

  • デイサービスには違いがある!自分に合う事業所選びのポイントを紹介!

    デイサービスにはさまざまな種類があります。 そのため、どんなサービスを行いどんな違いがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。 今回はデイサービスの違いと、自分に合う施設の選び方を解説します。 デイサービスとは? まずは、デイサービスとはどんな所かをご紹介します。  デイサービスとは、高齢者が住み慣れた家で生活できるよう支援を行う場所です。 また、一緒に暮らす家族の介護負担軽減も役割の1つです。  高齢になるにつれ、心身機能が低下し家で生活することが難しくなります。 そのために、デイサービスで日常生活に関するサービスを受け、住み慣れた家で生活できるように支援しています。 また、デイサービスで他者と交流することで心の機能回復も目的としています。  サービスの内容は、食事、排泄、口腔ケア、入浴、機能訓練、相談や助言など日常生活に関することです。 どんなデイサービスがある?違いを知って選ぼう デイサービスは、それぞれに特色があり以下の5つ種類があります。 ①通所介護 ②通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 ④地域密着型通所介護 ⑤療養型通所介護  どんなサービスを提供しているのか具体的に解説します。 違いを知ることで、自分にあった所を選びやすくなります。 ①通所介護 通所介護とは、高齢者が在宅で自立した生活ができるように支援する場所です。 サービスの内容は、機能訓練や社会交流、家族の介護負担軽減、日常生活に関する支援、相談を行っています。 ②通所リハビリテーション 通所リハビリテーション(以下通リハ)とは、リハビリに特化したデイサービスです。 主治医の指示で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門職がリハビリを実施します。 通リハはリハビリを目的としていますが、食事・排泄・入浴・口腔ケアの介護サービスも提供しています。  参照元:厚生労働省 通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 認知症対応型デイサービスとは、認知症に特化したデイサービスです。 通常のデイサービスでも認知症の方は通えますが、利用人数が多いと対応が難しい場合があります。 認知症のデイサービスは、利用者の人数が12人以下と定められています。 また、デイサービスの責任者は、「認知症対応型サービス事業管理研修」を修了していることが義務付けられています。  食事・排泄・入浴・口腔ケアの介護サービスはもちろん、認知症進行の緩和や認知症に対するケアが受けられます。  参照元:LIFULL介護 認知症対応型通所介護とは ④地域密着型通所介護 地域密着型通所介護は定員数が18人以下で、「事業所がある市町村に住んでいる人」と定められています。 これは、より細やかなニーズと手厚い支援を受けられるように限するためです。 サービス内容は通所介護とほとんど変わりませんが、人数が少ないので、利用者一人一人に合ったケアを提供しています。 参照元:健康ネット 地域密着型通所介護とは?サービスや通うメリットについて解説!   ⑤療養型通所介護施設 療養型通所型介護施設は、医療的なケアを必要とする人が利用できるデイサービスです。 通常のデイサービスでも、利用できますが事業所によって受け入れに制限があります。 看護師が常駐する中で、日常生活の全般の支援から機能訓練を行います。 対象者は、難病や脳血管疾患後遺症・がん末期など常に医療ケアが必要な人等です。 参照元:介護ワーカー 療養通所介護とはどんなサービス?役割や仕事内容について解説!  違いが分かったところで、次の章ではデイサービスの選び方のポイントを紹介します。 ポイントを押さえて自分に合った事業所を選びましょう。 デイサービスの選び方のポイントは4つ ここでは、デイサービスを選ぶ時に押さえたいポイントを4つ解説していきます。 ①デイサービスの人数はどれくらいか ②食事の内容はどうなのか ③対応できる利用時間 ④入浴やトイレの設備の確認 それぞれのポイントを具体的にご紹介します。 ①デイサービスの人数はどれくらいか デイサービスの1日の利用者人数を確認しておくと雰囲気が分かります。 人数が少ないと利用者の一人一人の細かいニーズに応えやすいです。 人数が多いと法人運営しているところが大半になるので、スタッフの育成がしっかりできています。 デイサービスの1日の利用者人数を見るのもデイサービス選びのポイントの一つです。  ②食事の内容を確認する デイサービスでは食事にこだわっている事業所が多く、主食を魚かお肉に選択できたり、すべて手作りの施設もあります。 まとめて食事を作っている事業所もあるので、糖尿病や塩分制限がある方は、食事が対応できるか確認しましょう。 ③対応できる利用時間 どれくらいの時間を利用できるのか、短時間など対応してくれるのかなどを確認しましょう。 身体の調子が悪い時や退院後は長時間のデイサービスが体力的にきつい場合があります。 また、病院を受診するから早く帰宅したい、ヘルパーの利用があるから短時間にしたいなど、要望に応えられるか確認しておくと安心です。 ④入浴やトイレなど施設の設備を確認する 施設によって、入浴設備が自宅のようなお風呂だったり大浴場のお風呂だったりします。 入浴時は職員がついていますが、恥ずかしいから個浴で入りたい、温泉のようにみんなでワイワイと入りたいなど好みがあるのでチェックしておきたい設備です。  また、トイレもみておきたい設備の一つです。 たくさんの事業所がある中で、古民家を改装したデイサービスもあるので、トイレの向きによっては麻痺がある人は使いにくくなってしまいます。 トイレの設備が自分の身体に合うか確認しましょう。  デイサービスの選び方のポイントを押さえたところで、次は見学する時にみておきたい項目をご紹介します。 デイサービスを見学する時のポイント デイサービスの見学はした方がいいと言われますが、どこを見ればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。 この章では、見学する際のポイントをご紹介します。 ①いつも出入りするに人に対して挨拶しているのか ②方針や方向性が定められているか ③現在利用している人の雰囲気を見る  一つ一つ具体的に解説していきます。 ①いつも出入りする人に対して挨拶がきちんとしているか 基本的にお客さんにはきちんと挨拶するので、ここではいつも施設に出入りがある業者や職員同士が挨拶をきちんとしているかチェックします。 いつも出入りする人に対しては、自然な対応になるので、見ておきたいポイントなのです。  ②方針や方向性が定められているか デイサービスでの方針や方向性が定まっていると職員間で摩擦が生じにくく、ケアに対して統一感があります。 例えば、利用者の目標をきちんと職員が共有出来ており、やるべきケアが統一されている施設もあります。 職員の動きは、見学時に確認しておきたい項目です。 ③現在利用されている方の雰囲気をみる 施設全体の雰囲気が合うのかチェックするのも大切ですが、今利用されている方が楽しそうにされているか見るのもポイントです。 職員は新規利用者獲得の為、良いところを見せようとする場合がありますが、今利用されている方は楽しそうに取り繕う必要性がないからです。  実際、自分に合うかは利用して見ないと分かりませんが、大半のデイサービスは1日体験利用を実施しています。 上記ポイントを意識して、体験利用してみると自分に合う事業所が見つけやすくなります。 まとめ いかがでしたでしょうか。 デイサービスの違いと自分に合う選び方のポイントをご紹介しました。 ・デイサービスとは、高齢者が住み慣れた家で生活できるよう支援を行う場所である ・デイサービス 5つの種類 ①通所介護 ②通所リハビリテーション ③認知症対応型通所介護 ④地域密着型通所介護 ⑤療養型通所介護 ・デイサービスの選び方 4つのポイント ①デイサービスの人数はどれくらいか ②食事の内容 ③利用時間 ④施設の設備を確認する ・デイサービスを見学時の3つのポイント ①顔見知りの人に挨拶しているか ②方針や方向性が定められているか ③現在利用している方の雰囲気を見る  最後まで読んでいただきありがとうございました。  

  • 親が転倒骨折したら施設入所しかない?リハビリが続けられる施設の紹介

    「転倒骨折が原因で入院している親の退院後はこのまま施設しかない?」 「高齢の親が退院するけどこのまま家に帰すには不安だから施設?」と心配してる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 退院後、家に帰れなかったら施設入所と考えている方が多いと思いますが、そんなことはありません。 家と施設の中間地点としての役割を果たしている「介護老人保健施設」があります。 退院後は「介護老人保健施設」に一旦入所して家に帰るためのリハビリ等を受けられます。  今回は、「介護老人保健施設」について紹介します。 「退院後すぐに親を家に帰すのは不安だけど、ずっと施設に入れておくのは嫌!」という方は、ぜひ参考にしてください。  介護老人保健施設ってどんなところ?  介護老人保健施設は、要介護者にリハビリをメインに行うことで在宅復帰を目指す施設です。 略して「老健」と呼ばれていて、自宅と施設の中間地点の施設です。 いわゆる「特養」など、期間が定められず入所して生活する施設とは違います。  たとえば、親が転倒して骨折すると、急性期の病院に入院して治療を受けます。 その後、転院して集中してリハビリを受けることになります。 リハビリが集中的に行われる回復期リハビリ病棟がある病院は、入院期間が決まっているのです。 骨折などの疾患の場合の入院期間は、最長90日間です。 90日間で在宅復帰が難しいと思った時は、介護老人保健施設に一旦入所して、引き続きリハビリを受けることができます。 リハビリをメインに受けて、在宅復帰して自立した生活を送ることを目標にしているのが、介護老人保健施設です。 どんな人が入所できる?  ここでは、どんな人が介護老人保健施設に入所できるのか、その条件について紹介します。  要介護1~5の判定を受けている、原則65歳以上の人  入所できるのは、要介護1以上の65歳以上の人です。 関節リウマチや脳血管疾患などの特定疾病によって要介護認定を受けた40~64歳の人も、入所できます。 要支援1~2の人は入所できませんので、ご注意ください。  症状が安定している人 介護老人保健施設が医療費を全額負担するので、症状が安定していない人は入所を断られることがあります。 また、在宅復帰を目的としている、リハビリや医療行為が必要な人が優先されます。 「入院しておくほどではないけど、親を家に帰すのは不安」という人に、ぴったりです。  感染症にかかっていない人  施設ですので、集団生活になります。 そのため、感染症にかかっている人は対象外になってしまいます。   介護老人保健施設のサービスはどんなものがある? 介護老人保健施設のサービスには、入所して利用するものと在宅生活をしながら利用できるものがあります。  入所サービス リハビリ 医療・看護 介護 栄養管理 在宅サービス 通所リハビリ(デイケア)  訪問リハビリ  ショートステイ  介護老人保健施設は、入所期間が原則3~6ヶ月と決められています。 退所してからも在宅生活をサポートするサービスを受けられるのが、介護老人保健施設の特徴です。 介護老人保健施設は医療従事者も多く、医療体制が整っているため、本人も家族も安心して過ごせるのが特徴です。 それでは1つ1つの項目について、詳しく解説していきます。  リハビリ  介護老人保健施設は、リハビリを受けられるのが大きな特徴です。 リハビリを受けて、家での暮らしをすることを目的にしているからです。 リハビリの専門職を入所定員100人に対して1人以上配置するように決められています。 そのため、専門職による個別でのリハビリを受けられる体制が整っているのです。  リハビリは、「週に2回以上、1回につき20~30分」受けることができます。 料金が上がりますが、入所後3ヶ月間は週3回以上受けられるので、在宅復帰にグっと近づくことができますよ。  医療・看護  介護老人保健施設は、入所定員100人に対し、医師が1人以上配置されています。 看護師は9人に対し、1人の配置です。 医療スタッフが入所者の体調管理を行っているので、医療面で心配な方も入所が可能です。 床ずれの処置や経管栄養、インシュリン注射の対応なども行われています。 介護職員の数も多く、食事や排泄介助、入浴介助など、基本的なサービスが受けることが可能です。 レクリエーションもあるので、楽しく過ごせます。  栄養  栄養士も配置されていて、栄養ケアが行われています。 在宅復帰に向けて必要な食事の面からサポートしてくれているのです。 病気や嚥下能力に応じた食事形態も配慮されていて、バランスの良い食事が提供されます。   介護老人保健施設の費用はどれくらいかかる? 介護老人保健施設は公的施設ですので、民間の施設と比べると安く入所できます。 また、収入が少ない世帯では、居住費や食事代が安くなる場合もあります。 なぜなら国が利用者負担軽減策を設けているからです。 入所一時金など、初期費用もかかりません。 医療費も介護老人保健施設が全額負担することになっています。 そのため、比較的安く入所サービスを受けることが可能です。 以下に介護老人保健施設の費用についてまとめましたので、参考にしてください。 (令和3年8月1日時点)  ざっくりとみて、月10万円前後 介護老人保健施設は、居住費や食事代込みで、月におおよそ10万円前後です。 要介護度や部屋のタイプによって、料金が変わってきます。  基本料金(介護保険給付サービス)   要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 個室 836円 910円 974円 1,030円 1,085円 多床室 756円 828円 890円 946円 1,003円  これは、1日にかかる基本料金です。 1割負担の金額を載せていますが、所得に応じて2~3割負担のこともあります。  居住費    第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 個室 490円 490円 1,310円 1,310円 多床室 0円 370円 370円 370円  一定の低所得要件を満たした人が適用されるため、段階によって金額が変わります。  食費  第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② 300円 390円 650円 1,360円  食費も所得に応じた負担限度額が設定されています。  その他、日常生活費  理美容代、新聞、娯楽にかかわるものなどは実費負担です。 おむつなどは施設サービス費に含まれていますので、別途でかかることはありません。  加算料金(介護保険給付サービス)  介護老人保健施設は、基本料金にかかる加算があります。 たとえば、リハビリを3ヶ月間集中的に受ける加算は、1割負担の場合、1回につき240円かかります。 その他、在宅復帰に向けた加算が複数あり、手厚いサービスを受けることができるのです。  まとめ  ここまで、介護老人保健施設について、紹介してきました。 介護老人保健施設は、自宅と施設の中間地点で、在宅復帰を目標にしている。 リハビリをメインに、医療や介護サービスを受けられる。 入所できるのは、要介護認定を受けた人のみで、要支援の人は不可。 1ヶ月間の費用は、おおよそ月10万円前後で、民間の施設と比べると割安。 入所にかかわる初期費用もかからず、所得に応じて 食費や居住費の負担限度額が設定されている。 入所できる期間は3~6ヶ月で、退所後も在宅サービスを受けることができる。  入院中の親を家に帰してあげたいけれど、今家に帰すことに不安を覚えていたり、親を施設にずっといれておくのは気が引けると感じている人は、介護老人保健施設でリハビリを受けてもらってはいかがでしょうか。 介護老人保健施設は、在宅復帰に向けてサポートを手厚く行ってくれます。 期間も限定されているので、家に帰る時期が明確です。  あなたの大切な人が再び家で暮らせるよう、応援しています。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。  

  • 認定調査で納得できる結果を出すポイントとは?認定調査の流れや内容をご紹介!

    親の認定調査を受けたら思ったより低い結果が出て納得できなかった方もいるのではないでしょうか。 なぜ、実際と違う結果が出るのか、気になりますよね。 今回は正しく認定を受けられるように、認定調査を受けるポイントを紹介します。 これから介護認定を検討している人もポイントをおさえて、正しく認定を受けましょう。 認定調査とは 認定調査とは、正式には「要介護認定調査」といいます。  介護保険サービスを受けたい時は、介護の必要度を判断する「要介護・要支援認定」を受けなければなりません。 「要介護・要支援認定」を申請すると、認定調査員が自宅に訪問し、心身状態について、本人や家族に聞き取り調査が行われます。  認定を受けるためには、認定調査を受ける必要がありますが、適当ではいけません。 正しく認定調査を受ける必要があります。 認定調査次第では、認定結果が変わってくることがあるからです。 介護度によって介護保険を使える額が違うので、利用できる介護保険サービスや回数に差が出てきます。 そのため、正しく認定調査を受けることが大切なのです。   要介護・要支援認定の流れ 要介護・要支援認定の流れを紹介します。   申請  ↓  主治医意見書の作成 ↓  認定調査  ↓  一次判定  ↓  二次判定  ↓  認定通知  認定調査は、調査員である市町村の職員やケアマネジャーが自宅訪問を行います。 そこで、本人と家族に聞き取りと、本人に動作の確認を行うのです。 認定調査員は聞き取りや動作確認の内容を、認定調査票に書き込んでいきます。  認定調査の内容は、介護の手間にかかわる審査判定である「一次判定」に大きく影響します。 認定調査の内容と主治医意見書の一部は、コンピューターで審査されるからです。  「二次判定」は、「一次判定」の結果と主治医意見書をもと、「介護認定審査会」が介護認定を行います。 認定は「非該当」、「要支援1・2」、「要介護1~5」の8段階から決定します。 認定結果は申請から1ヶ月程度で決定、家に被保険者証が郵送にされる流れです。   認定調査の内容 [caption id="attachment_891" align="alignnone" width="512"] Check list and marker[/caption] 聞き取りと動作確認の内容ですが、全部で74項目あります。 大きく分けると7項目ありますが、本人や家族に確認されるのは6項目です。 「できる・できない」か、「介助が必要かどうか」を答えます。  ① 身体機能・起居動作(体の動かしにくさや歩くなどについて) ② 生活機能(食べる、排泄するなどの日常動作について) ③ 認知機能(生年月日が言えるか、直前にしていたことを思い出せるかなど短期記憶について) ④ 精神・行動障害(ひどい物忘れや被害妄想などの症状があるかについて) ⑤ 社会生活への適応(薬の内服や金銭管理について) ⑥ 特別な医療(点滴・胃ろう・人工透析をしているかについて) ⑦ 日常生活自立度  その他にも、「概況調査」があります。 家族構成や介護保険を申請した経緯、利用したい(続けたい)サービスについての確認です。    認定調査を受けるポイント  認定調査を行き当たりばったりで受けるのはおすすめしません。 認定調査の内容が、要介護度決定に強く影響するからです。 介護度次第で、利用できるサービス額や内容が大きく違ってきます。 ここでは、認定調査前におさえておきたいポイントや、当日に心がけたいポイントについて紹介します。  認定調査を受ける前のポイント 認定調査を受ける前に、以下のことを確認しましょう。  普段している介護内容をメモしておく 毎日の生活でどのような介護を行っているのか、メモをしておきましょう。 今どんなことに困っているのかも、合わせてメモをとっておくと、認定調査員に伝えやすいです。 認知症がある時は、どのような行動があったのかも忘れずに。 これまでにした病気やケガをまとめる 主治医意見書にも記載されますが、すべてが記載されるとは限りません。 介護を行っていて気になる病気やケガがあれば、メモにまとめておきましょう。 本人がいる前では伝えにくいことをメモしておく 認定調査を受ける中には、プライドが高かったり、家族とは違った内容を話す人もいます。 これでは正しい認定結果が出にくくなるため、前もってメモにまとめておきましょう。 認定調査当日に、認定調査員にメモを渡すのがおすすめです。   認定調査当日のポイント 認定調査当日に確認しておきたいポイントは、以下のことです。 体調が良い日に受ける 体調が悪い日に、無理して認定調査を受けるのは避けましょう。 普段と違った状態のため、正しい調査を受けにくくなります。 調査を受けるのが難しそうな時は、早めに認定調査員に連絡をして、日程の調整をしましょう 必ず家族が立ち会う 本人だけで認定調査を受けると、普段できないことをできると答えたり 現状と違う内容が反映されることがあります。 プライドの高さや認知症があると、このような事態が起きます。 必ず家族も立ち会い、現状を認定調査員に伝えましょう。 困っていることを具体的に伝える 認定調査員に、ただ困っていると伝えるだけでは、正確な判断が難しくなります。 「どういった時にどんなことに困っているのか」など、具体的に認定調査員に伝えましょう。 例)夜中によくトイレに行くが、手すりもないので、フラフラしながらトイレに行っており、毎回付き添わなければいけないので大変等。 ありのままの状態を伝える 認定調査員に状態をひかえめに伝えたり、オーバーに伝えたりすると、再調査になる可能性があります。 主治医意見書と内容が合わずに、矛盾しているととられるからです。 受けたいサービスを受けるのも遅れたり、要介護認定の結果が出るのに時間がかかります。 必ずありのままの状態を伝えるようにしましょう。 認定調査当日に出ていない症状も伝える 当日に出ていない症状についても、認定調査員に必ず伝えましょう。 特に認知症がある場合は、症状も日や時間帯によって症状がみられないこともあるからです。 例)午前中は穏やかにしているが、午後になると表情が一変して暴言が出たりするなど   認定結果に納得できない時は  認定結果に納得できない時は、「不服申し立て」ができます。 「不服申し立て」は都道府県に設置されている、介護保険審査会で行います。 「不服申し立て」を行うことで、再度認定調査や判定が行われるため、認定結果が変わることがあります。 ただし、調査や判定には時間がかかり、結果が出るまでに3ヶ月程かかりますので、注意してください。 申請は、認定結果が出た翌日から60日以内に行う必要があります。  また、「区分変更申請」をする方法もあります。 「区分変更申請」は、現在の介護度と現在の状態が合っていない時に申請するものです。 申請することで、要介護度を再判定してもらえます。 「区分変更申請」は申請期限がないため、いつでも行うことができ、結果が出るのも1ヶ月程度です。    まとめ ここまで、正しく認定を受けるために、認定調査を受けるポイントを紹介してきました。 ・「要介護認定、要支援認定」を申請すると、認定調査員が本人や家族に心身状態について聞き取り調査を行う。 ・聞き取り調査後に判定があり、約1ヶ月で結果が出て、自宅に被保険者証が郵送される。  ・認定調査の内容は、全部で74項目。概況調査もある。  ・認定調査前と当日に、ポイントを確認して認定調査を受けると、正しい認定が出やすくなる。  ・認定結果に納得できない時は、結果が出てから60日以内に介護保険審査会に「不服申し立て」を行う。  ・「区分変更申請」であれば申請期限はなく、再認定が出るまでに1ヶ月程度かかる。 上記のぜひポイントをおさえて、認定調査を受けましょう。 正しく認定調査を受けることで、思っていた介護認定と違う事態を避けられます。 また、使いたいサービスも利用できる可能性も高くなります。  最後までご覧いただき、ありがとうございました。