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  • サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな施設?特徴や有料老人ホームとの違いを解説!

    一人で生活することが難しい高齢者をサポートする住宅が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。 今回は、サ高住の特徴や有料老人ホームとの違いを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅の特徴は? サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、国土交通省が管轄する賃貸住宅であり、「一般型」と「介護型」の2種類があります。 一般型のサ高住は、日中は介護スタッフが常駐、夜間は緊急通報システムが整備されています。 また、介護サービスが必要な場合、外部のサービスを利用しなければなりません。 そのため、要介護度が高くなると退去になる可能性があります。 一方、介護型のサ高住は、介護度に関係なく入居可能です。 施設には、看護師が常駐、介護スタッフは24時間常駐しており、さまざまなサービスを受けられます。 特に、安否確認サービス、生活支援サービスが特徴です。 安否確認サービスは、介護スタッフが定期的に各居室を巡回し安否の確認をします。 体調不良や転落、転倒などの急なトラブルにも対応でき、必要に応じて医療機関との連携を図ります。 生活支援サービスは、身の回りの介助を必要とする方に入浴や食事、買い物などのサービスを 提供することです。 自立している方から介護を必要とする方まで、自宅とほぼ変わらない生活ができます。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や施設内容 次に、サ高住の入居条件や施設内容を解説します。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サ高住は、60歳以上の高齢者、または60歳未満で要介護者認定を受けた方が入居の対象となります。 配偶者や60歳以上の親族、要介護者認定を受けている方、特別な理由があると知事に認められた方であれば同居することも可能です。 ほとんどの施設では、連帯保証人・身元引受人が必要となります。 また、認知症ではない、感染症を持っていないなど独自の条件を設けている施設もあります。 サービス付き高齢者向け住宅の施設内容 サ高住の居室には、以下のようなポイントがあります。 各居住部分の床面積が最低18平方メートル、原則25平方メートル以上 キッチン、水洗トイレ、クローゼット、洗面設備、浴室が完備 段差がなく、手すりなどが設置されたバリアフリー設計 バリアフリー設計の広々とした居室であるため、高齢者の一人暮らしでも安心です。 自宅と同じように自分で料理や入浴をすることができます。 また、サ高住には共有スペースである入浴施設やカラオケルーム、レストランなどを設けている施設もあります。 レストランでの食事やカラオケなどのレクリエーションを行うことで、入居者同士で交流の機会を持つことも可能です。 レクリエーションや入居者同士のコミュニケーションは、認知機能や身体機能の低下を防ぐ役割を果たします。 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 また、サ高住には人員配置の基準があります。 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員 医師 看護師 介護福祉士やヘルパー2級以上の資格を持つスタッフ 介護支援専門員 以上のいずれかの者が日中に常駐しなければいけません。 医師や看護師が在籍する施設もあり、医療ケアが必要な方でも入居可能な施設があります。 施設内には専門の知識を持つスタッフがいるため安心です。 サービス付き高齢者向け住宅の費用は? 下の表は、サ高住の「一般型」と「介護型」それぞれの費用をまとめています。 一般型 介護型 契約形態 賃貸借契約 利用権契約 月額費用 約5万〜25万円 (家賃、管理費) 約15万〜40万円 (家賃、管理費、食費) サ高住の費用は、「一般型」と「介護型」で異なります。 一般型のサ高住は賃貸借契約であり、初期費用として敷金や保証金が必要となる場合があります。 一方、介護型のサ高住は、入居時に一時金を支払う利用権契約です。 そのため、初期費用は一時金として数十万円から数百万かかることもあります。 また、月額費用は一般型よりも高額です。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは? 下の表では、サ高住と有料老人ホームの特徴をまとめています。 サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 入居条件 60歳以上または 介護者認定を受けた60歳未満 自立または軽度の要介護の60歳以上 サービス内容 安否確認、生活支援全般 食事提供、レクリエーション 自由度 低い 高い 管轄 国土交通省 厚生労働省   有料老人ホームは自立か軽度の要介護者が対象ですが、サ高住は介護度の高さに関係なく入居できます。 有料老人ホームのサービス内容は、食事の提供やレクリエーション活動がメインです。 サ高住のサービス内容には、安否確認や、入浴、食事、買い物など生活支援全般が含まれます。 サ高住は外出や外泊に関するルールがほとんどないため、自由度が高いです。 一方、有料老人ホームは、外出などには制限があり自由度は低くなります。 また、サ高住は国土交通省が管轄する賃貸住宅で、有料老人ホームは厚生労働省が管轄する介護施設です。 サービス付き高齢者向け住宅のメリット、デメリット サ高住のメリットは以下の通りです。 入浴や食事、買い物など必要に応じてサービスを受けられます。 バリアフリー設計であり、高齢者も生活しやすい環境です。 外泊や来客などの制限が緩く、自宅と変わらない生活ができます。 高齢者でも簡単に契約ができ、安心して一人暮らしができます。 日中は看護師や介護スタッフが常駐しているため、緊急時も安心です。 サ高住のデメリットは以下のことが考えられます。 入浴や食事は共用の住宅もあり、ストレスを感じることがあります。 住宅によって、夜間は専門スタッフがいない場合もあります。 賃貸住宅であるため、連帯保証人が必要です。 介護度の高さによっては、転居しなくてはいけない場合もあります。 まとめ 最後までご覧くださりありがとうございます。 今回は、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や有料老人ホームとの違いについてお伝えしました。 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーであり安否確認や生活支援を受けられる賃貸住宅である。 サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者と介護者認定を受けた60歳未満の方が入居可能である。 サービス付き高齢者向け住宅の入居は自由度が高く自宅と変わらない生活を送れるものである。 住宅の種類によって、常駐するスタッフが異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • サ高住(サービス付き高齢者住宅)はどうやって選べばよい?6つのポイントをご紹介!

    今まで生活していた自宅を離れて生活することには不安がつきものです。 入居者がより安心安全に生活を送るためにも、6つのチェックポイントを確認し、入居者の理想や条件に合ったサ高住を選びましょう。 サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際のポイント サ高住を選ぶポイントは、以下の6つです。 立地・アクセス 費用 サービス内容 居室・設備 一般型か介護型か 夫婦での同居が可能か それぞれのポイントについて詳しく説明します。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方①立地・アクセス サ高住を選ぶポイント1つ目は、立地とアクセスです。 地域の中での自立した生活を送るために、立地やアクセスの良さには注意しましょう。 今までの人間関係や行動範囲を変えたくない場合は、住み慣れた地域にある施設がおすすめです。 同じ趣味や境遇を持つ人と新しい関係を築きたい場合は、条件に合ったエリアや施設を探すと良いでしょう。 生活環境や地域が大きく変わることでセカンドライフを楽しむきっかけとなります。 また、付近にバス停や駅があるかなどの利便性もチェックしましょう。 交通のアクセスが良ければ、一人での外出も安心です。 自由度の高いサ高住は、今まで通りの生活とほぼ変わらないことが特徴です。 そのため、家族や友人の自宅を訪問する機会も持てます。 近くに家族や友人がいるとより安心できるため、居住地が近い場所であるかも大事なポイントです。 ワンポイントアドバイス 行き慣れたスーパーや医療機関がサ高住の近くにあることは非常に大事です。 介護スタッフに買い物を代行してもらう場合には、スーパーの欲しい商品も的確に伝えることができます。 医療機関の混み具合や診療時間などを把握していると、通院時や緊急時の連絡がよりスムーズです。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方②費用 サ高住を選ぶポイントの2つ目は、費用です。 賃貸借契約であるサ高住は、一般的な賃貸マンションを契約する場合と同じように月々の家賃や光熱費が中心になります。 初期費用となる敷金・礼金は、施設により大きく異なるため注意しましょう。 食事など、サービスを追加することでかかる費用の確認も必要です。 また、介護サービスが必要になった場合には、さらに費用がプラスされます。 特定施設である介護型に入居する際は、利用権契約になる場合もあるため、一般型よりも高額になります。 費用の支払い方法には、月払いと前払いの方法があります。 月払い方法は、大きな初期費用がかからない代わりに長期になると支払額が多くなります。 前払い方法は、入居時の負担は大きいですが、長期利用であれば費用は割安です。 しかし、短期利用であれば割高になる可能性もあります。 自立して生活できる方ほど費用はやすくなり、手厚い介護サービスを必要とする方は費用が高くなる傾向にあります。 入居時の注意点 月々にかかる費用が高額にるため、受けられるサービスが限定されることやお金に制限がかかる入居者も多いです。 買い物代行や入浴の回数などのサービスに調製が必要になり、十分なサービスが受けられないこともあります。 自由に使用できるお金が少ないと、欲しい物を購入できなくなります。 ストレスが溜まることや施設とのトラブルの原因になるため、費用の確認には注意が必要です。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方③サービス内容 サ高住を選ぶポイントの3つ目は、サービス内容です。 サ高住には、安否確認サービスと生活相談サービスの2つがあります。 安否確認サービスは、定期的に医療や介護の専門スタッフが各居室を巡回し、入居者の状況を確認するサービスです。 その他の食事や介護、生活支援のサービスは施設によって対応が異なるため、入居者が必要とするサービスがカバーされているかチェックしましょう。 ①食事 施設が提供する食事サービスを利用する場合は、食事内容も確認しておきましょう。 味や見た目、季節のイベントに合わせた食事を味わえる施設もあります。 買い物代行や病院への付き添いの対応をするサービスもあり、一人暮らしをする入居者をサポートします。 ②認知症患者の受け入れ 近年は、認知症を患っている入居者も対応可能な施設も増えていますが、認知症患者を受け入れ可能な施設か確認が必要です。 また、介護保険サービスが必要になった場合のことを考えて介護事業所やデイサービスが併設されていると便利です。 ③夜間対応 サ高住では専門のスタッフが常駐していますが、夜間は緊急通報システムが導入されている施設もあります。 専門スタッフが24時間常駐している施設を選ぶとより安心です。 さらに、介護サービスと医療サービスの連携がしっかりしている施設であれば、緊急時もスムーズに医師や看護師による対応を受けられます。 ④レクリエーション イベントやレクリエーションなどを実施しているかも確認しましょう。 初詣やお花見クリスマス会などを実施する施設も多く、イベントに参加することで四季を感じられます。 レクリエーションでは、頭を使用するクイズ大会や身体を使用する運動が一般的です。 他の入居者とコミュニケーションが図れ、認知機能や身体機能の低下を防ぐ効果もあります。 ワンポイントアドバイス 食事は、入居者にとって毎日の楽しみでもあります。 実際には施設で提供する食事が美味しくないと言われ、徐々に食べる量が減り痩せて活気がなくなる高齢者もいます。 食事は一番の特効薬と言われるものでもあり、見た目の豪華さや入居者の口に合うかは非常に重要です。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方④居室・設備 サ高住を選ぶポイントの4つ目は、居室・設備です。 家具や家電を持ち込むスペースがあるか、キッチンや浴室が付いているか、収納場所が確保できているかなど自分の希望と照らし合わせましょう。 豊かな生活ができるようフィットネスジムやカラオケなどの娯楽スペースを設けた施設も多いです。 入居者の理想とするライフスタイルを考えながら入居する施設を選ぶことが重要です。 入居前の確認ポイント 共有スペースを利用する入居者の様子や、スタッフとの関わり方はどのような感じであるかなど、施設によって大きく異なります。 スタッフや入居者との関わりを大事にしたい方が、一人を好むような静かな施設に入居した場合は、退屈に感じるでしょう。 実際に足を運んで雰囲気などを確認しておきましょう。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方⑤一般型か介護型か サ高住を選ぶポイントの5つ目は、一般型か介護型であるかです。 一般型のサ高住は、介護が必要になった場合に外部のサービスを手配しなければいけません。 介護型のサ高住は特定施設の指定を受けているため介護保険の給付対象となり、施設スタッフから介護サービスを受けられます。 一般型は自立して生活できる方を対象としているため、介護度が高くなる認知症を患うなど、状況によっては退去しなければいけない施設もあります。 ニーズに合わせて訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを用意している施設もあるため 事前に確認が必要です。 ワンポイントアドバイス 最期の瞬間まで住み続けたいと考えている方は、特定施設の介護型であることを条件にしておきましょう。 看護師が常駐している施設であれば、看取りの対応も可能です。 親族がいない入居者でも、介護・医療スタッフのケアを受けられるため、寂しさや不安が軽減されるでしょう。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方⑥夫婦での同居が可能か サ高住を選ぶポイントの6つ目は、夫婦での居住が可能であるかです。 サ高住の中には、配偶者とともに入居できる施設もあります。 広めの夫婦部屋が完備されているケースもあり、夫婦で一緒に暮らしながら生活支援サービスを受けることができます。 二人で快適に生活を送ることができる環境であるかも大事なポイントです。 サ高住では、契約者が亡くなった場合でも、配偶者はそのまま住み続けられます。 トラブル回避のポイント 夫婦部屋は広い1部屋のみの施設が多く、24時間2人で過ごすことになります。 そのため、喧嘩や意見の違いがあった場合でも同じ部屋で生活します。 近くに住む安心感も欲しいが、一人の時間も確保したいという夫婦は隣同士の居室を用意してくれる施設を選びましょう。 まとめ 今回は、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ6つのポイントを紹介しました。 サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ6つのポイントは、「立地・アクセス」「費用」 「サービス内容」「居室・設備」「一般型か介護型か」「夫婦での同居が可能か」である。 自宅と変わらない生活を送るために、入居者の希望に合わせた施設を選ぶことが重要である。 サービス付き高齢者向け住宅は、施設によって費用やサービス内容、設備が異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 訪問介護は家政婦さんとは違う!訪問介護が担う自立支援とはどんな内容なのかを解説!

    家政婦さんと間違えられてしまう訪問介護ですが、実際は目的や意義が全く違う仕事です。 そのなかでも今回は家政婦さんとは違う「訪問介護が担う自立支援」とは?についてお伝えします。 「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違い 「家政婦さん」と聞いてまず思い浮かぶのは、以下のようなイメージではないでしょうか。 ・「家政婦さんは裕福な家に居る何でも助けてくれる人」 ・「料理や洗濯などの家事全般をしてくれる人」 では次に「訪問介護員(ホームヘルパー)」と聞いて思い浮かぶのはどのようなイメージでしょうか? ・「自宅で介護士さんに助けてもらって生活を出来るようにしてもらう」 ・「元気で病気もしていないけれど、一人にしておくのは不安だから介護士さんに様子を見てもらおう」 どちらも「自宅で家族の身の回りお世話を行う」ことや「家族の手助けをする」部分で大きな違いはありません。 訪問介護の成り立ちをひも解いてみますと、以前は「家庭内で家族のお世話をする」という状態が当たり前でした。 戦後20年が経ち、戦争による生活困窮者のために訪問介護の前身である「家庭養護婦」と言う仕事が誕生し時を経て「訪問介護」に変わりました。 家政婦さんの場合は家族全員が対象になり、家族に関わることであればどんな事でも行いますし、本人が出来ることであっても代わりに行います。 介護士の場合は、助けが必要な人が誰なのか、介護士の基本の一つである自立支援を目的としているかの2点で、目的と仕事の内容が違います。 「訪問介護とは」 訪問介護とは、ご利用者様が在宅における生活の中で自立した日常生活が行えるように、訪問介護員がご利用者様のご自宅へ訪問をし身体的な支援や介助を行う「身体介護」と、家事などを支援したり介助する「生活援助」の2種類があります。 介護保険が始まる前は「ホームヘルプ」と呼ばれ、介護保険開始後は「訪問介護」の名称に変わりました。 訪問介護には高齢者の方達だけではなく、「障害者総合支援法」という障害者の方を支援し介助も行います。 訪問介護では「日常生活の援助に該当しない行為」は行えません。 例えば草むしり・ペットのお世話・大掃除等のご利用者様本人に関わることでないと訪問介護を行う事ができません。 「介護保険が始まる前と始まった後の違い」 介護や支援を求める方が増えて、2000年より介護保険の制度が始まりました。 高齢者や障害者の方の自宅を訪問し、「身体介護」「生活援助」の二つを行う事には介護保険が開始される前後で大きく変わりません。 介護保険開始前は自宅での介護福祉は各都道府県の市町村にある社会福祉協議会や福祉公社になどによる措置の制度であった為、サービス内容を選べず利用料は所得に応じた負担になっていました。 変わった部分として、介護保険開始後は利用者または家族が申請して利用できるようになり、サービスも選べるようになったことです。 現在は介護保険の法整備が進み、社会保険の制度の一つになっています。 サービス提供に様々な民間団体や法人組織が参加しており、自分や家族に必要なサービスを選択し提供してもらう形になっています。 介護保険が始まった当初は「介護」を行う上で「ご利用者様の出来ないことを代りに行う」ことを中心に行っており、家政婦さんとの違いもはっきりとは認識されておらず家政婦さんのように利用する方もいました。 その結果「自分で出来ること」を奪ってしまう事になり、次第に「介護」を必要とするひとが増える要因の一つになりました。 この問題に対して2001年に「介護を必要とする人の出来ること」に注目をして様々な要因や環境を見つけ出し、生活の全体像を掴み支援や介助を行う考え方が提唱され、QOL※の向上や自立支援に注目するようになりました。 ※QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは 一般にひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。 「訪問介護が担う自立支援」 自立支援とはご利用者様に「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」です。 「できる限り自分の力で生活するためのサポート」と一言でいってもご利用者様ひとりひとり状況と状態が違い、はじめは信頼関係もなく一人で行う事が難しく、なかなか上手くいかない事に落ち込んだりやる気を出せないでいるご利用者様もいます。 そういう様々なご利用者様に対して、一人で行えるようまたは行いやすくなる為の道具の提案を行ったり、環境を整えて一人でも行える様にする事が介護員の役目になります。 では現場ではどのようにして「自立支援」が行われているかの事例を紹介します。 自立支援の事例 介護員が女性のご利用者様のご自宅に訪問をしました。 ご利用者様に元気がないため、どうしたのか尋ねると「最近こけてばかりだから、庭の草むしりをしないでほしいと家族に言われた」との言葉が返ってきました。 ご利用者様は「草むしりをすることで少しでも家族の役に立ちたい」「草むしり中に近所の方と話すのが楽しみ」と介護員に話をしました。 そこで介護員はご利用者様の希望の「草むしり」を安全に行えない原因を考えました。 ・なぜこけたのか。 ・なにが危険なのか。 ・どうすれば安全にできるか。 この3点について、ご本人様と家族様、話を伺い様々な事がわかりました。 ・腰が少し曲がっていて、前のめりの姿勢である。 ・腰が少し曲がっている為、前のめりにこけてしまっている。 ・前のめりにこけてしまうので、何度も頭をぶつけている。 ・庭が広く、草むしりをするために、移動する必要がある。 そこで介護員は、庭が広く移動しながら「草むしり」をしている為に転倒してしまう可能性が高いと考え、ご自宅にあった「小さな椅子」を使って少しづつ移動しながら、座って草むしりを出来ないかと、ご利用者様と家族様に提案してみました。 後日、訪問した際にご利用者様より「座って(草むしり)したら1度も危ないことにならず、転倒する心配もなくなった。ありがとう」「生き甲斐が戻ってきた」と草むしりが継続して出来ることを喜ばれました。 ご家族様からは「安全にできる方法を考えてくれたおかげでおばあちゃんに笑顔が戻ってきて嬉しいです。」との言葉をいただきました。 ご家族からの「危ないからやめてほしい」との声で全て制限してしまえば、活気や生活の楽しみが失われ生活の質が低下してしまっていたでしょう。 また、以前のように「なんでもしてしまう介護」や家政婦さんに「やってもらう」という利用が続いていれば、「草むしり」という一つのやりがいが失われ、活動量の低下や元気がなくなりさらなる介護が必要になっていたかもしれません。 今回の事例のように、「自立支援」や「QOLの向上」に注目をし、訪問をしているからこそ気付き、アドバイスすることで、ご利用者様は活気を取り戻されてご近所付き合いも継続出るようになりました。 ご家族様もおばあちゃんに活気が戻り、以前のような生活に戻ったことを安心される結果に繋がりました。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違いについて、「介護保険が始まった前と後の違い」について、そして最後に「訪問介護の担う自立支援」について事例を交えてお伝えしました。 ・「家政婦さん」と「訪問介護員」の違いは資格の有無や専門知識があるかないか できることに制限があるかないか。 ・自立支援とは「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」。 ・訪問介護が担っている自立支援は、ご本人様・家族・関わる人全てに繋がる援助。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

  • 要介護者の転倒の危険性を防ごう!自宅でできる転倒予防や対策をご紹介!

    ”転倒”は どこで起こることが一番多いと思いますか? 実は屋外ではなく、屋内の方が転倒の危険性が高いと言われています。 特に高齢者の方は屋内の中でも自宅で過ごす時間がとても長く、そのため自宅での転倒予防が非常に大切です。 また転倒は転んだ瞬間の「痛い」ではなく、転倒後の怪我や気持ちの変化が懸念されます。 今回は転倒によって起こる事例と、転倒予防の方法についてお話します。 近年の転倒事故についてと介護との関係 厚労省の発表によると65歳以上の高齢者の転倒・転落・墜落の死亡事故は年々増加しており、令和2年では8,851件発生しています。 これは交通事故の約4倍となり、ただの転倒と思って甘く見ていると大変なことになります。 さらにこの内の1,678件は自宅で起こった事故であり、この数字に驚いた方も多いのではないでしょうか。 また消費者庁のデータによると65歳以上の転倒の半数は自宅内で起こっています。 介護が必要になってしまった原因といえば《病気》が想像されますが、「骨折・転倒」が介護の原因となった割合は「認知症」「脳卒中」「高齢による衰弱」ときて、4番目の13.0%とかなり高い数字です。 たとえ死亡事故に至らなかったとしても、転倒や転落は介護に直接結びつく原因となる恐れがあり、自宅で起こる可能性の高さを考えると、自宅での転倒を予防することは非常に大切だと言えます。 転倒の危険性について まず高齢者の転倒はなぜ起こってしまうのでしょうか。 理由は主に2つ挙げられます。 1つめの内的要因 内的要因とは加齢に伴う身体の変化のことです。 高齢になるにつれて筋力の低下、平衡感覚機能の低下、また視力の低下も考えられます。 場合によっては服用している薬の影響で、ふらつきやぼーっとしてしまう方もいらっしゃいます。 こういった内的要因の影響で、以前であれば起きなかった転倒につながる可能性がグンと上がります。 2つめの外的要因 外的要因とは自宅の中に必ず存在する段差です。 「家には大した段差はないから大丈夫」・・・と思っても安心できません。 数ミリの段差でも転倒のリスクがあり、その結果死に至る可能性があると言われています。 段差のほかにもスリッパ、カーペット、電化製品のコードなど、今まで気にしていなかったもの全てが転倒につながる恐れがあります。 それでは転倒してしまったらどうなるのでしょうか。 上記で死に至る可能性があるとお話しましたが、怪我をしてしまうだけでも十分なリスクがあるのが転倒の怖いところです。 若い方と比べて高齢者の方は転倒することで骨折のリスクが非常に高いといえます。 どの部分を骨折しても辛いですが、一番心配したいのは太ももに通っている骨である大腿骨の骨折です。 大腿骨は上半身を支えたり歩く上で非常に大切な骨で、骨折してしまった場合は多くの場合痛みで歩くことが難しくなります。 しばらくはベッド上で安静に過ごすこととなり、場合によってはその後寝たきりの生活につながってしまう可能性があるということです。 今まで認知症の心配もなく元気に過ごされていたとしても、大腿骨骨折で寝たきりの生活となりその後認知症が発症してしまう事例もあります。 転倒して特に怪我がなかったとしても、転倒した恐怖から歩くことが怖くなり、運動する機会が減る場合もあります。 その場合も同じように認知症のリスクや、運動機能の低下が心配されます。 だからこそ自宅での転倒予防は高齢者の方が自宅で過ごす上で見逃すことのできないポイントとなっています。 自宅でできる転倒予防 それでは転倒を意識した自宅での予防・対策をお伝えします。 身体機能低下を防ぐ運動 まずは少しでもいいので歩くことです。 日中テレビを観たりして、ずっと座って1日を過ごすなんてことしていませんか? 座って過ごすだけではなく、いつもより少し意識して立ったり座ったり、歩いて何かを取りに行ったり少しでも良いので動いてみましょう。 自宅で歩くにはスペースの問題で難しいこともあるかもしれませんが、その時は家の近くを軽く散歩することで運動機能の低下だけでなく、脳の活性化にもつながります。 もっと元気な方はラジオ体操をすることで上半身の筋力維持にもなります。 膝や脚の痛みで歩くことが難しい方は、ベッドの柵や椅子の背もたれを持ったりして足踏みを行うだけでも違いがあります。 無理のない範囲で自宅でのトレーニングを日常に取り入れましょう。 室内の段差解消を行いましょう 先ほど数ミリの段差でも転倒のリスクはあると伝えましたが、数ミリは難しくても数センチの段差の解消は簡単です。 段差解消をしたい箇所に室内用のスロープを置くだけで工事は必要ありません。 介護認定を受けており介護保険を使うことができる方は、1割〜3割負担でレンタル商品として使用できます。 もし介護認定を受けていなかったり購入したいという方も、高価でないため自宅に取り入れやすい段差解消アイテムです。 置き型や突っ張り型手すりを設置しましょう   自宅の中でもリビングや寝室は、起き上がり立ち上がりの動作が多く、これらは大きな動作のため転倒のリスクも高くなります。 ただ手すりというのは本来壁に取り付けるもので、取り付けることができるスペースというのは限られてしまいます。 そこで活躍するのが置き型の手すりと突っ張り型の手すりです。 この二つは置いたり突っ張ったりするだけで、手すりとしての機能を発揮します。 つまり場所を選ぶことなく、手すりの欲しい場所に設置することができる優れものです。 形やサイズも様々で、コの字型であったり、高さのあるものから低いものまでさまざまな種類があります。 蓄光テープが貼ってあることで、夜中トイレに行きたい時でも手すりを見失わないようになっているものもあります。 突っ張り型だと床から天井まで手すりがあるので、起き上がりの動作の際に活躍します。 介護保険を使用できる方はレンタル価格で利用できる福祉用具です。 しかしこれは介護保険を使用しない場合、高価な商品になることがデメリットです。 浴室に手すりを設置しましょう 先ほど紹介した置き型や突っ張り型の手すりは浴室に置くことは難しい場合が多いです。 上の画像のような浴槽の淵に取り付けるレンタルできる手すりもありますが、手すりの設置箇所は限られてしまいます。 その場合は住宅改修で手すりを取り付けることになります。 制限がありますが、介護保険はレンタルだけではなく住宅改修でも使用できます。 条件は以下の通りです。 ・原則1人1回まで ・本人が自宅に住んでいる ・介護保険による支給額は20万円まで(費用が20万円の場合自己負担額は2万円となり、18万円が介護保険からの支給となる) 最近はお風呂に手すりがついている家も増えてきましたが、高齢者の方の自宅は古い家も多くまだまだ浴室に手すりがついておらず、危険な場合があります。 住宅改修はお金がかかるため今まで検討できなかった方も、この介護保険の制度を使用することで少し前向きに住宅改修を考えられるのではないでしょうか。 転倒予防のための介護保険を使った福祉用具の取り入れ方 では、どのように福祉用具を取り入れるのか、その方法をご紹介します。 レンタルの場合 まずはケアマネージャーに相談しましょう。 自身の身体の状態を理解してくれているケアマネージャーであれば、安心してお願いすることができます。 その後数ある商品の中から自分に合ったものを選び、福祉用具業者に設置してもらいます。 自宅に届いたからといってそこで終了ではなく、不具合が起きる場合もあります。 何かあれば福祉用具業者に連絡し、メンテナンスを怠らず安全に使用しましょう。 住宅改修の場合 レンタルの時と同じように、まずはケアマネージャーに相談となります。 申請書類と見積書を保険者に提出する必要があり、適切な住宅改修かどうか認められた後に、施工開始することができます。 ただし厚生労働省より2018年から一社からの見積もりではなく、複数社から見積もりをとる”相見積もり”が通達されました。 その結果ケアマネージャーから利用者の方に相見積もりが必要であることが説明されます。 住宅改修する上で必須条件ではありませんが、複数社から見積もりをもらうことで自己負担額が減る可能性もあります。 ここもケアマネージャーに相談するポイントとして忘れないようにしましょう。 まとめ ・屋外ではなく屋内の方が転倒の危険性が高い。 ・転倒には内的要因と外的要因の2つがある。 ・転倒により大腿骨を骨折してしまった場合寝たきりの生活となる可能性もあり、転倒予防は非常に大切。 ・怪我をしなかった場合でも、転倒してしまった恐怖から歩くことにネガティブになりそのまま歩行困難となってしまう恐れがある。 ・自宅でできる転倒予防としてなによりもまず歩行や簡単な運動が大切。 ・少しの段差でも転倒につながるので、室内スロープを置いて段差解消を行う。 ・介護保険が使える方は置き型や突っ張り型手すりを設置し、転倒予防を行う。 ・置き型や突っ張り型手すりの設置が難しい浴室には、介護保険を使用し住宅改修を行って手すりを設置することを検討する。 ・いかなる手すりの設置にも、まずはケアマネージャーに相談する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。    

  • 介護予防支援としてのデイサービスとは?サービス内容や利用する方法を解説!

    介護予防支援としてのデイサービスとは具体的にどんな所なのでしょうか。 この記事では、介護予防のデイサービスの目的や利用する方法、対象者、種類や料金を紹介します。 介護予防としてのデイサービスとは? 介護予防のデイサービスとは、高齢者が集まり心身機能の回復または低下しないように訓練を日帰りで行う場所です。 高齢者が住み慣れた場所で生活できることを目的としています。 サービス内容は「生活機能の向上のための機能訓練」です。 生活機能とは人が暮らしていく上で必要な能力で、特に高齢者は自立した生活を送る為に欠かせません。 高齢者の生活機能は基本的日常生活動作と手段的日常生活動作と2つに分類されます。 基本的日常生活動作 【歩く】【食事】【着替え】【入浴】【整容】 手段的日常生活動作 【交通機関の利用】【電話対応】【買物】【家事】【服薬管理】 これらの機能の回復または維持をして在宅で自立した生活ができることを目的としています。 参考サイト:高齢者の生活機能|健康長寿ネット 介護予防のデイサービスを利用するには? 利用する方法は、住んでいる市町村窓口で介護保険申請をします。 以下が介護保険申請の流れです。 ①お住まいの市町村の窓口で介護保険認定申請 申請時に必要な物は「申請書」と「介護保険被保険証」になります。 介護保険被保険証とは、お住まいの市町村から65歳以上の方に発行される保険証です。 64歳から40歳以上の場合は「医療保険証」が必要です。 ②申請後は、認定調査が行われる 認定調査とは、市町村職員または市町村から委託を受けた職員が、自宅に来て現在の心身の状態や暮らしについて調査を行うことです。 ③市町村からの依頼でかかりつけ医が主治医意見書を作成 主治医意見書とは、かかりつけ医が病歴や治療した内容など身体に関することを記載したものです。 かかりつけ医がない場合は、市町村の医師または市町村が指定する医師に作成依頼ができます。 ④主治医意見書と認定調査を基に、コンピューターが判定を行う コンピューター判定のことを「一次判定」と言います。 目的は介護度の目安を出すことです。 ⑤それぞれの専門職が集まり「介護認定調査会」を行う 介護認定審査会とは、認定調査結果や主治医意見書により算出された一次判定をもとに、専門職が集まり審査を行うことです。 これを「二次判定」と言います。 専門職は、保健、医療、福祉の学識者で構成されています。 ここは審査の判定を行う場所なので、介護区分の決定をする権限はありません。 ⑥市町村が介護区分認定を決定・通知 市町村は介護認定結果を申請日から、原則30日以内に出さなければなりません。 そのため、介護認定が分かるまで1か月かかります。 サービスを受けたいと思っても、時間がかかってしまうので注意が必要です。 参考サイト:厚生労働省 サービス利用までの流れ|介護保険の解説 介護保険認定後は、以下のような区分に分けられます。 要支援1 基本的日常生活は自立しているが、手段的日常生活(公共交通機関の利用、電話対応、買物、家事、服薬管理)に介助が必要とする人 要支援2 要支援1の状態に加え、歩く状態が安定せず、介護が必要になる可能性がある人 要介護度1 基本的日常生活に介助が必要で、歩く状態が安定せず、加えて認知機能低下も見られる人 要介護度2 基本的日常生活と手段的日常生活のどちらとも介助が必要で、認知機能低下が見られる人。 要介護度3 自分で歩くことが出来ず、杖、歩行器、車いすを使用している人。 基本的日常生活と手段的日常生活の介助が必要な人。 要介護度4 思考力や判断能力が著しく低下している人。 日常生活の場で常に介助が必要な人。 要介護度5 寝たきり状態で会話も困難で常に介護が必要な人。 要介護度は数字が大きくなってくると、介護度が重くなるという判定になります。 参考サイト:介護保険の介護度とは|健康長寿ネット 【目安がわかる】要介護度とは?8段階の状態像と受けられる介護サービス|みんなの介護      介護予防のデイサービスを利用できる人は? 介護保険申請が非該当でも、事業対象者に該当すると介護予防のデイサービスは利用できます。 事業対象者とは、基本チェックリストに該当する方です。 基本チェックリストとは、25項目の質問に答えて身体状態をチェックできるツールになります。 ▼こちらが実際のチェックリストです。 厚生労働省 表4 基本チェックリスト 運動機能低下、低栄養状態、口腔機能の低下、閉じこもり、認知機能の低下、うつ病の可能性などが判断の基準になります。 基本チェックリストを実施できる場所は、地域包括支援センターや行政です。 地域包括支援センターとは、介護の相談窓口です。 専職員が集まり、住み慣れた地域で暮らしていけるようにサポートしています。 参考サイト:LIFULL介護【はじめての方へ】地域包括支援センターとは?その役割と賢い活用法 チェックリストは、介護保険申請に比べると面倒な手続きがなく5分〜10分で行えます。 参考サイト:基本チェックリストの概要 介護予防のデイサービスはどんな種類やサービスがあるのか 多様なサービスが受けられるように、デイサービスの種類は4つあります。 サービスの種類 サービスの内容 ①通所型介護 ・生活に関する支援 ・生活機能向上の為の機能訓練 ②通所型サービスA ・通所型介護より小さいデイサービス ・運動、レクレーション ③通所型サービスB ・利用者の自主的な通いの場 ・体操、運動 ④通所型サービスC ・3~6か月で生活機能向上を目指す ・運動や栄養改善のプログラムの実施 それぞれサービス内容に特徴があるので具体的に解説します。 ①通所型介護 入浴、排泄、食事、機能訓練、相談など日常生活に関する支援を受けられます。 一番の特徴は、在宅で暮らす上で必要な機能訓練サービスを行っていることです。 機能訓練とは、身体の維持と向上を目指す訓練です。 介護サービス提供者が利用者の身体状況に合わせて目標を設定しプランを作成します。 ②通所型サービスA 通所型サービスAでは、運動やレクリエーションが行われます。 レクリエーションとは、介護現場では娯楽や余暇ではなく心身の向上を目指すことが目的です。 レクリエーションの種類は、身体を使う、手先を使う、頭を使うなどがあります。 通所型介護と比べると小規模のデイサービスです。 ③通所型サービスB サービスの内容は、体操や運動で、利用者主体の通いの場となります。 サービスの提供がボランティアや町内会なので、職員もボランティア主体となります。 イメージとしては、いきいきサロンや町内会の集まりです。 ④通所型サービスC サービスの内容は、3〜6カ月の短期間で生活機能向上を目指します。 実施するプログラム内容は、運動機能や栄養改善などです。 提供が市町村の保健・医療の専門職になっています。 参考サイト:介護予防・日常生活支援総合事業 ガイドライン|厚生労働省 介護予防のデイサービス費用は? デイサービスの費用は市町村によって違います。 以下は2022年10月現在の熊本市の通所型サービスの利用料金です。 通所型介護 料金 要支援1 1,672円/月 要支援2 3,428円/月 基本料金に加え、必要に応じて加算がついてきます。 加算とは、サービスの提供体制や利用者の状況に応じて発生するお金のことです。 加算の内容は、運動器機能向上加算、栄養加算、口腔機能向上加算などがあります。 それぞれの加算は、必要なサービスであると判断された場合介護サービス提供者がプランを作成しサービス提供します。 参考サイト:【開業】介護報酬の構造、加算・減算とは? 通所型介護や通所型A.B.Cは、市町村事業になるので、詳しい金額は異なります。 上記金額は、目安になるのでお住まいの市町村にお問合せかホームページで確認をおすすめします。 【まとめ】 いかがでしたでしょうか。 介護予防のデイサービス利用についてお伝えしました。 ・介護予防のデイサービスは「生活機能の向上のための機能訓練を行う」場所である。 ・介護予防のデイサービスを利用するには、市町村で介護保険申請をする必要がある。 ・介護予防のデイサービスが利用できる対象者は要支援1.2と事業者対象者である。 ・事業対象者は、基本チェックリスト該当者である。 ・介護予防のデイサービスの種類は①通所型介護②通所型サービスA③通所型サービスB④通所型サービスCの4つである。 ・費用は市町村事業の為、金額が異なるので確認がおすすめである。 最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 「小規模多機能」ってどういうもの?メリットからデメリットまで詳しく解説!

    「自分の生活もあるけれど、親を施設には入れることに悩んでいる」と悩んでいる方に小規模多機能はおすすめのサービスです。 今回は小規模多機能について分かりやすく解説します。 そもそも小規模多機能ってどういう仕組み? 小規模多機能はご家族様の都合に合わせて「通い」「宿泊」「訪問」を利用できる介護保険のサービスです。 上手に活用すれば介護する側、される側にとって負担軽減になるおすすめのサービスです。 ここでは小規模多機能の3つの特徴と気になる料金形態を解説します。 1.通い(利用者様が事業所に行ってサービスを受けること) 通いは事業所で入浴や食事、レクリエーションなどを受けるサービスになります。 提供サービスは事業所により異なるので一度気になる事業所があったら相談してみましょう。 朝夕の送迎サービスもあるのでご本人もご家族も安心して利用できます。 2.泊り(事業所で泊まること) 事前に事業所へ連絡することで宿泊サービスを利用することが可能です。 ご家族様の急な予定で宿泊を利用したい場合も、定員に余裕があれば宿泊サービスを利用することができます。 ただ、ベッド数に限りがあるため事前に相談することをおすすめします。 3.訪問(介護職員がご自宅にお伺いしてサービス提供をすること) 介護職員がご自宅にお伺いして様々なニーズに応じたサービスを提供します。 サービス内容にはトイレ介助などの身体介助や服薬確認、買い物支援、家事のお手伝いなどがあります。 回数や時間をご家族様の状況にあわせて柔軟に変更できるのが特徴です。 小規模多機能の料金形態 小規模多機能の料金形態は①基本利用料(定額)+②加算+③日常生活費の3つから構成されます。 ①基本利用料(定額制) 基本利用料は利用者様の介護度に応じた定額制となります。 介護保険の自己負担は基本1割負担ですが、所得に応じて2~3割負担となる場合もあるため、事前に市区町壮の窓口に相談してみましょう 要介護度 単位数 1ヶ月の料金 介護保険1割負担 介護保険2割負担 介護保険3割負担 要支援1 3,418単位 34,180円 3,418円 6,836円 10,254円 要支援2 6,908単位 69,080円 6,908円 13,816円 20,724円 要介護1 10,364単位 103,640円 10,364円 20,728円 31,092円 要介護2 15,232単位 152,320円 15,232円 30,464円 45,696円 要介護3 22,157単位 221,570円 22,157円 44,314円 66,471円 要介護4 24,454単位 244,540円 24,454円 48,908円 73,362円 要介護5 26,964単位 269,640円 26,964円 53,928 80,892円 (1単位=10円) 介護保険サービスはお住まいの地域によって1単位あたりの単価に変動があります。 大きな変動はないですがお住まいの地域により自己負担額が異なるため、一度利用する事業所の負担額を確認しておきましょう。 ②加算 小規模多機能は事業所の体制により様々な加算があります。 加算とは専門的なケアの提供など質の高いサービス体制を整えている事業所への報酬になります。 加算があることは利用料の面では負担になりますが、質の高いケアを提供しているという証にもなります。 下記に主な加算を記載します。 初期加算 ⇒ 30円/日…サービスを利用する最初の段階で支払う加算になります。 認知症加算 ⇒ 500~800円/月…認知症の利用者様を介助する際の加算になります。 訪問体制強化加算 ⇒ 1,000円/月…訪問サービスを担当する職員の配置体制や、一月の訪問回数が一定の水準を満たした事業所に加算されます。 総合マネジメント加算 ⇒ 1,000円/月…介護計画を随時見直している事業所に加算されます。 看護職員配置加算 ⇒ 480~900円/月…看護職員の配置体制に応じて加算されます。 サービス提供体制加算 ⇒ 350~640円/月…職員数に対しての介護福祉士の割合や、勤続年数から質の高いサービスを提供する体制にあると判断された事業所に加算されます。 それぞれの事業所により取得している加算に違いがあるため、一度利用を検討している事業所に相談してみましょう。 ③日常生活費 日常生活費は介護保険給付の対象外の費用です。 給付対象外のため全額が自己負担となります。下記に主な日常生活費を記載します。 宿泊費 ⇒ 2,000~3,000円/1泊…事業所により宿泊費は異なります。 お食事代 ⇒朝食400円、昼食500円、おやつ100円、夕食500円…事業所により食事代は異なります。 おむつ代…おむつやパットなどの消耗品費になります。 ④料金のイメージ イメージしにくいと思うので事例を元にシュミレーションをしてみました。 (事例)…要介護度2、介護保険1割負担、月に5回宿泊を利用、通いを5回利用した場合 1.基本利用料(定額制)⇒ 15,232円 要介護度2、1割負担の場合15,232円となります。 2.加算 ⇒ 4,500円 今回のケースでは分かりやすいように4,500円で計算しました。 (実際は事業所により算定している加算にバラツキがあるので一度確認してみることをお勧めします。) 3.日常生活費 ⇒ 23,000円 宿泊費…3,000円(1泊)× 5日=15,000円 食事代…500円(1食)×15食分(5日分)=7,500円 おやつ代…500円(5日分) 事例のパターンで計算すると42,732円が1ヶ月の利用料になります。 実際に契約する前に利用料のシュミレーションを事業所に依頼するのもオススメです。 小規模多機能を利用するにはどうしたらいい? では、小規模多機能を利用するためには、どのようにすればよいのでしょうか。 まだ介護保険サービスを利用したことがない場合 小規模多機能を利用するには要介護認定の申請をすることが必要です。 まだ要介護認定を受けてない場合は市区町村の担当窓口で相談しましょう。 すでに他の介護保険サービスを利用している場合 小規模多機能の利用を検討している場合は担当のケアマネージャーにまずは相談してみましょう。 注意点は、新たに小規模多機能と契約するには小規模多機能のケアマネージャーに変更する必要があることです。 担当ケアマネージャーに相談しにくい場合は、地域の相談窓口である地域包括支援センターに相談してみましょう。 小規模多機能のメリット3つ 小規模多機能には以下の3つのメリットが考えられます。 1つの事業所で「通い」「訪問」「宿泊」のサービスが受けられる 小規模多機能は1つの事業所と契約することで3つのサービスを受けることができます。 顔なじみのスタッフが「通い」「訪問」「宿泊」の対応をするため、環境変化にストレスを抱えやすい利用者様にとって優しいサービスです。 1つの事業所に利用者様の情報が集約されるため、適切なケアができるのも特徴です。 柔軟な対応が可能 ご家族様の状況に応じて臨機応変にサービス内容を変えられるのが特徴です。 「日中は仕事だから通いを利用しよう」「明後日は急な出張だから宿泊を利用しよう」など、様々な状況に応じて臨機応変に対応することが可能です。 職員や利用者様との信頼が構築しやすい 3つのサービスを同じ事業所の職員が対応するため信頼関係の構築がしやすいです。 サービスを受ける利用者様も顔なじみの職員が対応してくれるため安心感が得られるでしょう。 また、小規模多機能は1日の通いの定員が概ね18人以下、宿泊は概ね9人以下と少人数になります。 そのため、利用者様間での関係性の構築もしやすいのが特徴です。 小規模多機能のデメリット3つ 小規模多機能を利用することは、メリットだけでなく以下のデメリットも考えられます。 ケアマネージャーが変わる 小規模多機能と契約する場合、馴染みのケアマネージャーから小規模多機能のケアマネージャーに変更する必要があります。 通い、宿泊が定員制 小規模多機能には定員があります。 もし利用したい時に定員が上限に達していたら利用できないこともあります。 事業所の登録人数にもよりますが、通いは概ね18人宿泊は9人が定員の上限値になるため注意が必要です。 別のサービスを利用できない 「小規模多機能便利だけど通いサービスは前のデイサービスが良かったな」という場合、通いだけ他の事業所と契約することはできません。 訪問や宿泊も同様に他のサービス事業との契約ができないので注意が必要です。 その他にも、訪問入浴介護、デイケア、居宅介護支援も併用が不可になります。 まとめ ここまで小規模多機能の特徴や料金形態、メリットデメリットを解説してきました。 小規模多機能は3つのサービス(通い、訪問、宿泊)を1つの事業所で提供するサービスである 利用料金が定額制であるため分かりやすいのが特徴である 急な通い、急な訪問、急な宿泊などにも臨機応変に対応してくれる頼りになる存在である 小規模多機能と契約する場合、ケアマネージャーが変わるため注意が必要である 併用できないサービスがあるため注意が必要である 小規模多機能にはメリットもあればデメリットもあります。 1人で悩まずにケアマネージャーや地域の相談窓口に相談してみましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 介護による退職を決断する前に!確認しておくべき利用可能な制度やサービスをご紹介!

    家族に介護が必要になると、仕事を続けることが困難と判断し退職を決断する人もおられます。 しかし。それは会社にとっては大きな痛手です。 また、退職者にとっても後悔する結果になりかねません。 今回は、介護の為に退職を決断する前に確認しておきたい利用可能な制度やサービスについて紹介します。 介護の為に退職するデメリットや、退職を決断の前に知っておきたい内容についても紹介していますので、ぜひご一読ください。 介護による退職の決断は焦らないこと 結論からいうと、介護による退職の決断は焦らないことです。 介護による退職には、メリットよりデメリットの方が多いといえます。 それでは、介護による退職のメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか。 介護による退職のメリットは? 介護退職のメリットは、以下の2つが考えられます。 仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減る 仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減り、余裕を持った生活基盤を構築できます。 また、出勤や退社時間の調整など仕事量を調整する必要がなくなり、職場に迷惑がかからないなどの精神的な負担感を減らせます。 介護費用などの負担が減る 介護を中心とした生活になるため、仕事の間に利用していた介護サービスの利用頻度が減り、介護費用などが軽減できます。 介護離職のデメリットは? しかし、介護退職には以下のようなデメリットがあることも重々考えておかなくてはいけません。 生活の基盤となる収入がなくなる 生活の基盤となる収入がなくなるため節約する生活になるとともに、将来受け取る年金が減り介護者本人の老後が心配になります。 親の年金や貯蓄に頼る生活になる 親の年金や貯蓄に頼る生活になるため、介護期間が長引くと、介護破産になる可能性があります。 会社で培ってきたキャリアを失い、再就職が困難になる 今まで培ってきたキャリアが中断するため、再就職の際には年齢や経験スキル不足が障壁となり、再就職が困難になります。 介護ストレスが増える 介護に専念することで、ストレスを解消する環境がなくなり、介護疲れを感じやすくなります。 孤立しやすくなる 介護のみの生活に陥りやすく、また退職していることで、周囲から孤立しやすくなります。 家族の介護が必要だと分かれば、気持ちだけが先走りし、回りが見えなくなる可能性があります。 しかし、一時的な感情による退職は、デメリットが多く存在することも知っておくことが大切です。 介護による退職を決断する前の対応 介護による退職をする前に以下の事柄について十分考えておきましょう。 介護の先を考えておく 介護を始めた頃は退職した気持ちに迷いはなく、介護に追われる日々を過ごせることでしょう。 しかし、介護期間が長くなると、少しずつ気力や体力、経済力に不安を感じます。 特に家や車のローン、子供の教育費、家族の生活費など経済的な不安が募り、気力がなくなる可能性が高いのです。 介護を続けた先がどうなるのか、介護者や家族でも分かりません。 介護は先が見通せないため、会社を退職した後悔が残らないよう将来の姿を考えておくことが大切です。 会社の支援制度を知っておく 勤め先の会社の支援制度を知っておきましょう。 会社には介護離職を防ぐための制度を設けています。 この制度を知らず有給休暇ばかり消化していると、そう遠くない介護離職が待っています。 退職を考える前に、介護休暇や介護休業など会社の支援制度の積極的な利用を考えましょう。 ただし、制度を利用する前には労務担当者に内容を確認の上、上司や同僚など職場の理解を得ておくことも大切です。 介護保険サービス内容を確認しておく 介護保険サービスの内容を確認しておくことも大切です。 仕事を続けながらの介護は介護サービスを利用することが不可欠です。 介護保険で利用できるサービスには、訪問介護や福祉用具、介護用品のレンタル、通所介護施設などさまざまなサービスがあります。 仕事を続けながら介護する意思をケアマネジャーに伝え、可能な限り利用できるサービスを組み合わせ、介護の負担感は極力減らしておくことが大切です。 介護保険利用による介護費用を確認しておく ケアマネジャーと相談し、月ごとに介護費用を確認しておきましょう。 介護保険サービスを利用する場合の利用者の介護費用負担は利用した介護サービスの1割(一定以上の所得者の負担割合は、2割または3割)です。 また、通所介護施設を利用する場合も、要介護者の介護度によって利用料金が変わります。 特に通所介護施設では、利用料以外でも食事代やおむつ代などの生活に関わる費用(保険適用外)も必要です。 なお、低所得者の方や1か月の利用料が高額になる方には費用負担額の軽減措置もありますので、よく確認しておきましょう。 退職を決断した主な理由 退職を決断した主な理由は今の職場環境や生活環境によってさまざまですが、特に次の3つの理由が大きいです。 仕事の合間の介護が困難 家族の介護度によって、要介護者の負担割合が変わります。 要介護度が上がれば介護者の負担が増え、介護に合わせて職場や部署の異動、仕事量の調整が必要になることが多いです。 そのため介護と仕事の両立が困難になり、退職を決断してしまうのです。 職場の理解が得られない、または話しづらい 職場によっては介護に対する理解が得られない、介護の状況を話しづらいという状況もあるでしょう。 有給休暇や介護休暇、介護休業を取得しにくい職場環境にある人は、仕事を辞めた方が精神的に楽という考え方になってしまいます。 家族のために介護したい気持ちが強い 家族のために仕事より介護したい気持ちが強いため、将来を深く考えずに退職を決断する人もいるでしょう。 特に、今まで育ててくれた両親のために、自宅で介護したいという愛情が強い人です。 退職を決断する前に知ってほしいこと 退職をすることは簡単なことではありません。後悔することが多いので、下記のことを良く考えるようにしてください。 一時的な感情による退職は必ず後悔する 一時的な感情による退職は、必ず後悔する時がきます。 介護のための退職は心身の負担を減らす目的としての決断であることが多いです。 しかし、介護中心の生活は退職前と比べるとさまざまな負担が増すことも知っておかなければなりません。 特に収入の減少は、心の負担が重くなる原因になります。 介護サービスを最低6か月は利用する さまざまな介護サービスを最大限に組み合わせて最低6か月は利用し、家庭の経済状況を確認してからでも介護離職は遅くはありません。 現状の生活と介護サービスを利用した場合の家計を比較すれば、現在の生活水準を可能な限り維持できる最適な介護サービスの利用方法を見つけることができます。 再就職先探しは難しい 介護による退職のデメリットでもお伝えしましたが、今までのキャリアを捨てて会社を辞めると業種によっては再就職は非常に難しくなります。 特にキャリアアップを望む企業の求人は求める年齢や資格などの条件が厳しくなるため、自分が思うような就職活動になる可能性は極めて低くなります。 まとめ 介護によって退職した場合を想定して、さまざまな角度から日常生活などに与える影響をご紹介しました。 介護のために退職した場合を想定した内容をまとめると次のとおりです。 一時的な感情で退職を決断しない 介護による退職は、負担が増え、大きなリスクを背負う 介護による退職を避けるためには、会社の支援制度や介護サービスを最大限利用するとともに、期間を定めて費用負担の割合を確認しておく ケアマネージャーと連携し、仕事を続けられる体制を構築しておく 介護による退職はメリットよりデメリットが大きく、後悔する結果になりかねません。 退職の決断は、さまざまな対応を試してからでも遅くはありません。

  • 早めの対応が大切! 帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントとは

     親と離れて暮らすと、親の身体機能の低下が気になることはありませんか? 今回は、親の身体機能の低下を見つけるポイントを紹介します。 帰省する時にチェックしてみてくださいね。  帰省する時はここをみよう 親と一緒に暮らしていると、気づけないこともあります。 「足腰が弱くなった」「食が細くなった」など、久しぶりに帰省した時だからこそわかるものです。 ささいな変化に気づくか気づかないかで、今後が大きく変わってきます。 これから紹介することをチェックして、親の変化を見逃さないようにしてくださいね。   部屋がきちんと整えられているか ・「もともときれい好きだったのに、部屋が散らかっている」 ・「掃除がまったく行き届いていない」 ・「新聞や雑誌を捨てれずに、ためこんでいる」  上記のようなことがみられませんか?  「部屋をきれいにして、子どもや孫を迎えたい」と思っていても、加齢によって筋力や体力が低下しているため、片付けや掃除が負担になっているのです。 もともときれい好きでしっかり掃除をしていても、今部屋が散らかっていると「親も認知症かな」と思うかもしれません。 ただ片付けたい気持ちはあっても、身体的に負担になってしまうのです。   立ち座りや歩行が不安定になっていないか  ・「椅子から立ったり座ったりする時に時間がかかったり、きつそう」 ・「歩くスピードが遅くなった」 ・「足が上がらず、すり足で歩いてたり、つまづく」 ・「まとまった時間を歩きたがらない」 上記の事柄も、筋力や体力が低下しているから起こる症状です。 筋力や体力が低下すると、外出の機会が減ります。 動かなくなることが多くなり、悪循環になってさらに筋力や体力が低下します。 こうなると今までできていたことができなくなり、介護が必要な状態になるのです。   外出や運動量が減っていないか ・「買い物など出かけるのは1週間に1回くらい」 ・「歩く量が少なく、5,000歩も歩いていない」 ・「散歩など定期的に運動する習慣がない」 ・「以前は乗っていた自転車に乗らなくなった」  外出の機会が減ると、身体機能の低下につながると前述しました。 運動が苦手な人でも身体機能の維持や認知症予防のため、運動習慣を持つのは大切です。 毎日5,000歩以上歩いている人は認知症発症の確率が低いと言われています。 毎日体を動かしたり、外出する機会を持ちましょう。   筋力が低下していないか  ・「買い物をすると、ペットボトルや米などの重たいものが持てない」 ・「ペットボトルのふたを開けらない」 重たいものなので子どもが持とうとしますが、親に持ってもらうことで筋力低下をみることができます。 まず親の能力をみてから、手助けをしましょう。 また、握力が弱くなると自力で開けるのが難しくなります。 握力は全身の筋力が備わっているかもみるため、弱くなっていると筋力が弱くなっている証拠だからです。 親にペットボトルを渡してふたを開けてもらうことで簡単にチェックできます。  筋力は、「フレイル」や「サルコペニア」を避けるためにも重要です。 「フレイル」と「サルコペニア」について、後ほど詳しく説明します。   食事時に変わったことがみられないか 食事中の変化は特に重要です。以下の事柄を見落とさないようにしましょう。 食事や水分補給の頻度や量が少なくないか 身体機能の低下は、食事の影響を受けています。 1日3食、しっかり栄養のとれた食事を摂るようにしましょう。 脱水予防のためにも、水分もしっかり摂ることが重要です。  お肉を食べているか お肉などのタンパク質は、筋肉の維持のためにも必要です。 筋肉は体を動かしたり、内臓を守る働きがあります。  固いものを食べれるか 口腔の機能が低下すると、歯も弱くなります。 歯が弱くなると、固いものが食べられず、やわらかいものばかり食べます。 そうすると、歯が弱くなるだけでなく、栄養もかたよってしまうのです。 食事中にムセていないか 食事中にムセてしまうのは、嚥下が上手にできないことで食べ物や唾液が気道に入り込み、誤嚥性肺炎になることにつながります。 食べるのがつらそうだったり、不自由そうだったりしていないか、見極めましょう。  半年以内に体重が2~3kg以上減った 十分な栄養が摂れていなかったり、内臓の病気を抱えている可能性があります。 低栄養状態では、フレイルやサルコペニアに直結しやすくなるのです。 また、持病がある場合しっかり栄養を摂っていないと病気の進行を早めてしまいます。 新たな症状を招く可能性も高まりますので、注意が必要です。   睡眠の状態はどうか 寝ることは人間にとってとても重要です。夜の就寝時間にどのような行動をとっているか、チェックすることも重要です。 夜中にトイレに2回以上行っている トイレの回数が多くなると睡眠時間が分断されてしまい、深い眠りにならないので疲れがとれません。  起床時間と就寝時間が日によって数時間単位で異なる 例えば、早い時は23時頃寝るのに、遅い時は2時頃寝たりするとします。 すると、体内時計が狂ってしまい、体のバランスがとれなくなってしまいます。  就寝時間が23時以降 寝るのに1番良いと言われている時間は、21〜23時です。 この時間に寝る時間を習慣にしていると、身体状態も良くなります。   周囲の人に話を聞く  親の周囲にいて、普段の親の状況を知っている人に話を聞くことも重要です。 普段親が付き合っている同居家族や近所の人など 最近の言動の変化、食事や通院、服薬状況などをおさえることができます。 主治医やケアマネ 最近の体調の変化や日々の暮らしでの注意すべき点を聞くことができます。 例えば、「最近足元がふらついているようです」と情報を得たとします。 この情報から、手すりをつけたりリフォームをしたりと、早めの対策ができるのです。 この時注意すべき点は、本人がいない時に話を聞くことです。 本人の目の前で聞くと、相手も気をつかって本当のことを話しづらくなるからです。 本人がいない状況で、「親が普段から、ちゃんと暮らしているか心配」などと、一言そえてみましょう。 親の本当の姿を話してくれるようになります。 本人がいない時に話を聞くことで、本当の姿が知れるのです。 フレイルとサルコペニア 「フレイル」とは、加齢によって心身が衰え、介護が必要となる一歩手前の状態です。 健康な高齢者と要介護状態の高齢者の中間と言われており、段階を追って要介護状態になります。  「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減ったり筋力が低下するなど、身体機能が低下した状態です。 握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)、歩く速度が低下(0.8/m秒以下)しています。 「フレイル」の人は「サルコペニア」を合併していることも多くみられます。  まとめ  ここまで、帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントについて、紹介してきました。 ・部屋がきちんと整えられているか ・立ち座りや歩行が不安定になっていないか ・外出や運動量が減っていないか ・筋力が低下していないか ・食事時に変わったことがみられないか ・睡眠の状態はどうか ・周囲の人に話を聞く 帰省時には、上記のポイントをしっかりチェックしましょう。 親の身体機能の低下を見逃すと、短期間で介護が必要な状態になります。 親は加齢から簡単に弱くなりやすいからです。 要介護状態を予防するためにも、帰省時にはポイントをしっかりチェックすることが重要です。  最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

  • 親の為の介護施設を選ぶために。安心して任せられるポイントをご紹介!

    「そろそろ親の為の介護施設を考えなくてはならない」 そんな時の為に、本記事では親の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントを解説します。 介護施設とは 介護施設とは、介護を受けながら生活できる施設の総称です。 代表的な施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム等があります。 介護保険の制度は複雑で介護施設は他にもたくさんありますが、介護を受けながら生活する施設として代表的なのは上記4施設です。 その人の要介護度や心身機能の状態、経済状況等によって選択肢が変わってきます。 親の為の介護施設を考えるタイミング 介護施設に自分から入りたいと考えている人はほとんどいないでしょう。 住み慣れた自宅でいつまでも暮らしたいと思うのは当然のことです。 しかし、病気や加齢によって身の回りのことが少しづつできなくなり、家族だけで介護していくのが難しい場合もあります。 在宅介護を続けられるかどうか見極めるポイントになるのは「排泄」と「移動」です。 この2つができなくなると、介護している家族の負担がとても大きくなります。 「排泄」と「移動」が難しくなった時には施設への入所を考えることになるでしょう。 今は核家族化が進み、家庭内での介護の担い手が極端に少ない状況です。 たいていのケースは、子や嫁といった「家庭内の誰か」に介護の負担が集中しています。 在宅介護を続けるか、施設入所を考えるかは、介護していく上で非常に大きな分岐点です。 これまでの人生で本人や家族が大切にしてきたこと、今の心身機能や経済的な状況、将来にわたって受けたい介護や医療をもとに在宅介護を続けるか施設入所を考えるかを検討します。 次からは、親の為の介護施設を探すときの安心して任せられるポイントについて説明します。 親の為の介護施設を探す時のポイント 施設に入所するには、施設選び→見学・申込み→必要書類の準備→面談→入所判定→契約というのが 一般的な流れです。 施設を選ぶ際に着目すべきポイントは以下の通りです。 費用 スタッフ 利用者 居室 医療体制 生活の様子 面会状況 一つずつ解説していきます。 ①費用 介護施設を利用する上で、費用面の確認は必須です。 年金内で収まるのか、月々どの程度の支援が必要なのかを確認します。 特別養護老人ホームや老人保健施設では、年金や預貯金、住民税の課税状況によって食費や居住費が段階的に減額される制度もあります。 介護施設にかかる費用をまずは確認しましょう。 ②スタッフ 自分の親を直接世話してくれるスタッフにどんな人がいるのかは大切なポイントです。 介護士の配置人数や資格保有者の割合、看護師は配置されているか、他にどのような職種のスタッフが配置されているのか。 また、介護の仕事は人手不足が叫ばれている為、外国人スタッフを 雇用している施設も多くあります。 スタッフの国籍や性別のバランス、どのような職種が配置されているのかを確認します。 見学の際にはスタッフの表情も見てみましょう。 挨拶は心地よい印象を与えているか、スタッフ間のコミュニケーションはとれているか、笑顔で働いているかどうかを見ることで、施設の雰囲気を感じ取ることができます。 ③利用者 親が施設へ入所したら他の利用者と一緒に暮らすことになります。 男女比や年齢層等は確認しておくとよいでしょう。 施設によってはフロアやユニット毎に認知症の症状の強い人や医療依存度の高い人を中心にしたグループを作っている場合もあります。 また、スタッフ同様笑顔で過ごせているかでケアの質や施設の雰囲気を感じ取れることもあります。 ④居室 居室は大きく個室か多床室に分かれます。 ユニット型の施設は基本的には全室個室です。 一部多床室を併設している施設もあります。 従来型の施設は4人部屋を基本に、個室や2人部屋もあります。 個室と多床室では利用料金の他、個人のスペースの広さや持ち込める家具家電も変わる為、必ず事前に確認しましょう。 ⑤医療体制 介護施設はあくまで生活の場です。 老人保健施設以外の介護施設では医師は常駐していないことが大半で、1〜2週間に一度の往診が基本です。 その為、施設によって対応できる医療行為が限られています。 場合によっては医療行為が必要になると退所しなければならないこともあります。 胃ろうや鼻腔栄養、バルーンカテーテルやインシュリン注射等、対応できる医療行為については入所前に確認が必要です。 また、看取り介護は行っているか、受診が必要になった時の家族の役割について確認しておくとよいでしょう。 ⑥生活の様子 生活の様子については入所する本人が一番気になるポイントです。 朝起きてから夜寝るまでの一日の流れや食事の内容、催し物やレクリエーションの頻度等、本人が気になりそうな点を確認しておきます。 新型コロナウィルスの流行に伴い、ボランティアや訪問マッサージ等の外部業者を受け入れていない施設も増えています。 少しでも本人が快適に過ごせるよう確認しておきましょう。 ⑦面会状況 新型コロナウィルスの流行によりほとんどの施設は何らかの面会制限をしているでしょう。 面会方法としては「窓越し面会」「アクリル板越しの面会」「zoomやLINEを活用したオンライン面会」等があります。 看取り介護の時期や今後の方針を決める上で必要な時等は直接会えるようにしている施設もあります。 いずれにせよ15分程度の時間制限はあることが多いので、見学の際に面会の体制について確認しましょう。 親が介護施設に入ったら家族の生活はこう変わる 介護施設に入所したら、本人だけでなく家族の生活にも変化があります。 まず一番大きな変化は日々の介護から解放されるということでしょう。 「転んでいないか」「体調の変化はないか」「火元は大丈夫か」という在宅介護ならではの心配はなくなります。 プロに任せている安心感もあります。 時間に余裕ができて体の負担も軽くなるでしょう。 逆に、施設生活に馴染めているか心配になったり、体調が急変して夜中に呼び出されたりといった負担はあります。 「施設から電話がかかってくると身構えてしまう」という声はよく聞きます。 メリットもデメリットもありますが身体的な負担は大きく軽減しますし、介護が理由で仕事ができないということはなくなります。 家族の生活を守ることも介護施設の大きな役目です。 プロに任せられることは任せて家族の生活を整えることも重要です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 親の為の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントについて解説しました。 最後にまとめになりますが、ポイントは以下の7つです。 ①費用・・年金内で収まるか、費用を抑えるために使える制度はあるか ②スタッフ・・男女比、国籍、職種 ③利用者・・男女比、年齢構成、ユニットやフロア毎の利用者の属性 ④居室・・個室か多床室か、間取り、持ち込める家具家電 ⑤医療体制・・対応できる医療行為、看取り介護、緊急時の体制 ⑥生活の様子・・一日の流れ、行事等のプログラム、リハビリ、催し物 ⑦面会状況・・面会の実施状況、方法 これらの全てが理想通りの施設を探すのはとても難しいものです。 優先順位をつけて、どういう施設なら入所する本人やそれを支える家族が幸せに過ごせるかを考えることが大切です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 上手なショートステイの使い方とは?施設の利用で”介護疲れ”をリフレッシュしよう

    特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスやヘルパーなど介護には様々なサービスがあります。 その中に二泊三日など一時的に施設に入所する”ショートステイ”というサービスは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。 今回はショートステイの利用方法やメリットの注意点を解説します。 家族の方が介護疲れをリフレッシュできるよう、ぜひ参考にしてみてください。 ショートステイとは?利用方法は?費用は? ショートステイとは”短期入所”とも呼ばれ、主に高齢者の方が一時的に介護施設に入所するサービスを言います。 家族の方の都合で一泊や二泊のみの利用の方もいれば、一週間や二週間いらっしゃる方もいたりと、利用日数については利用する方の都合によって差があります。 ショートステイで過ごす間は、そこに入所している利用者の方と基本的に同じように生活します。 そしてショートステイには介護保険を利用する場合と、そうでない場合の2パターンあります。 大きな違いは利用施設と費用、利用方法、そして施設の雰囲気です。 介護保険を利用する場合 介護認定を受けていることが利用の必須条件となります。 【短期入所生活介護】と【短期入所療養介護】と二つに分かれ、利用施設も異なります。 短期入所生活介護の場合の多くは特別養護老人ホームになり、入浴などの生活サポートの他、レクリエーションやリハビリを行います。 短期入所療養介護の場合は老人保健施設が主となり、生活サポートだけでなく医療や看護のサポートも充実しており、医療型ショートステイとも呼ばれています。 両者の価格を比較すると、短期入所療養介護の方が少し高く設定されています。 しかし、どちらとも介護保険を使っての利用となりますので基本的に1割か、所得に応じて2〜3割の負担となります。 金銭的負担も少ないことはメリットなのですが、利用する方も多く空きがない場合もよくあることがデメリットです。 利用方法はまず担当のケアマネージャーに相談しましょう。 お盆や年末年始など時期によっては空きがない場合も多いので、そういった時期に利用したい場合は早めに相談してください。 そうでない場合もなるべく早めに相談した方が希望が通りやすくなるので気を付けておきましょう。 ケアマネージャーに相談して空きがあったあとは、ケアマネージャーと利用施設の担当者でケアプランを作成します。 その後事業者と契約し、ショートステイの利用が可能となります。 施設の雰囲気はどちらも認知症や自立度の低い方など一人での生活が難しい方が集まる施設です。 自立度の高い方が利用するには、少し落ち着かない場合もあります。 事前に施設の情報や雰囲気を情報収集し、なるべく「次回の利用はしたくない」とならないよう、ケアマネージャーに相談して決めましょう。 介護保険を利用しない場合 利用施設は有料老人ホームとなります。 費用については介護保険を利用できないので、全額自己負担となり金銭的に心配なのがデメリットです。 しかし、介護保険を必要としないということは介護認定の有無は問われないということなので、どなたでも利用できる点はメリットでもあります。 入所されている方も比較的自立度の高い方が多いので、度の低い方や介護認定のされていない方がショートステイとして利用する場合も馴染みやすい雰囲気です。 また介護保険を使ったショートステイと違い金銭的負担が大きいため、空きがある場合も多いです。 利用したい場合は基本的にまず施設に問い合わせをしてみましょう。 ショートステイによって家族の方の介護疲れが一時的に和らいでも、生活する中で介護の負担はかかるものです。 ショートステイにポジティブなイメージを持ってもらい、次の利用につながるよう特に初回の施設は慎重に選びましょう。 ショートステイを利用するメリット ショートステイを利用するメリットには、以下のことが考えられます。 家族の方の場合 やはり一番大きいのは日々の介護の負担軽減と言えます。 家で介護をするというのは身体的負担だけでなく、精神的にも負担があります。 やりたいこと、行きたい場所があってもなかなか行動できないことで、介護疲れの心配がでてきます。 デイサービスやヘルパーで日中の負担の軽減も大切ですが、介護の生活から一旦離れることで介護疲れを癒しましょう。 またリフレッシュの目的だけでなく、自身が入院や体調を崩すこともあります。 その際他に介護できる方がいない場合にも、ショートステイを利用していれば安心して家を空けることができます。 急にショートステイを利用しなければならない事態に備えるためにも、事前にショートステイを利用して練習しておくと良いでしょう。 利用者の方の場合 一番の利点は施設に慣れることができるという点です。 ショートステイを何回も利用したり、長期間利用している施設に入所することになる場合もあります。 そこの施設の職員や利用者の方と顔見知りになれたり、施設の空気に慣れていれば入所のストレスは 軽減されます。 たとえ認知症を患っており覚えていなかったとしても、職員がその方にあったケアやサポートを事前に知ってくれているのは安心です。 ショートステイで気をつけておきたいこと ショートステイを利用することはメリットだけではありません。 注意点もあることを十分念頭に置いておくことが必要です。 介護保険においての注意点 まず気をつけたいのがショートステイは1か月で30日しか利用できない決まりだということです。 31日目は全額自己負担となり、その後また1日目から介護保険を使用できます。 次に要介護度で利用日数に制限があることです。 というのも、介護認定を受けるにあたって要介護度別に与えられる単位数に違いがあります。 その単位数を超えない範囲でショートステイを利用しましょう。 超えてしまうと自費になってしまいますので、ケアマネージャーに確認しながら利用日数を決めてください。 ショートステイで過ごす上での注意点 まずは持ち物に関してです。 毎日飲んでいる薬や湿布など、服用しているものがあれば必ず忘れないようしましょう。 ショートステイを利用する方の中に、まれにですがご家族の方が慌てて薬を持ってこられる場合があります。 薬だけでなくこれがないと落ち着かない、だったり、初めてや慣れない場所で緊張する方もいます。 いつも以上に持ち物には配慮しましょう。 また下着や衣服、ハンカチなど自宅から持っていくものには全て名前を書きましょう。 入所している方は本当に色んな方がいらっしゃり、自分のものと勘違いされる方もいます。 トラブルを防ぐためにもきちんと名前を書いておいてください。 そして一番大切なのが利用する方の意見や感想を大切にすること。 個室なのか多床室なのか、職員の雰囲気などショートステイの施設にも違いがたくさんあります。 利用する前と後でギャップをなるべく減らすために、資料やネットの情報だけでなくケアマネージャーから情報を得たり、見学してみるのも良いでしょう。 初めてのショートステイで利用中に「帰りたい」や「もう来たくない」と言う利用者の方も多くいらっしゃいます。 帰宅後、ショートステイはどうだったか、もし嫌だったのであれば何が嫌だったのかを聞いてみてください。 他施設で改善できそうなのか、ショートステイ自体が難しそうなのか、話し合ってみましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 日々の介護で介護者は身体的だけでなく、精神的にも非常に負担がかかっているものです。 ショートステイを上手く利用して、心と身体をしっかりとリフレッシュしましょう。 ・介護保険を使用するショートステイは金銭的負担は少ないが、空きがない場合も多いので数か月前にケアマネージャーに相談しましょう。 ・介護保険を使用しない場合のショートステイは全額自己負担のため、金銭的負担は大きいがその分空いている可能性も高い。 ・利用する側も介護者側も一度ショートステイをして施設の雰囲気に慣れることで練習となる。 ・ショートステイは一か月に30日までしか利用できない。 ・介護度によって介護保険内で利用できる日数も違ってくるので、ケアマネージャーと事前に確認しておく。 ・日ごろから服用している薬は日数分忘れないよう持参して持ち物には全て名前を記入する。 ・利用する本人の希望や感想を大切にして、ショートステイにネガティブな印象をなるべく持たないよう配慮する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。

  • サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな施設?特徴や有料老人ホームとの違いを解説!

    一人で生活することが難しい高齢者をサポートする住宅が「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。 今回は、サ高住の特徴や有料老人ホームとの違いを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅の特徴は? サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、国土交通省が管轄する賃貸住宅であり、「一般型」と「介護型」の2種類があります。 一般型のサ高住は、日中は介護スタッフが常駐、夜間は緊急通報システムが整備されています。 また、介護サービスが必要な場合、外部のサービスを利用しなければなりません。 そのため、要介護度が高くなると退去になる可能性があります。 一方、介護型のサ高住は、介護度に関係なく入居可能です。 施設には、看護師が常駐、介護スタッフは24時間常駐しており、さまざまなサービスを受けられます。 特に、安否確認サービス、生活支援サービスが特徴です。 安否確認サービスは、介護スタッフが定期的に各居室を巡回し安否の確認をします。 体調不良や転落、転倒などの急なトラブルにも対応でき、必要に応じて医療機関との連携を図ります。 生活支援サービスは、身の回りの介助を必要とする方に入浴や食事、買い物などのサービスを 提供することです。 自立している方から介護を必要とする方まで、自宅とほぼ変わらない生活ができます。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や施設内容 次に、サ高住の入居条件や施設内容を解説します。 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サ高住は、60歳以上の高齢者、または60歳未満で要介護者認定を受けた方が入居の対象となります。 配偶者や60歳以上の親族、要介護者認定を受けている方、特別な理由があると知事に認められた方であれば同居することも可能です。 ほとんどの施設では、連帯保証人・身元引受人が必要となります。 また、認知症ではない、感染症を持っていないなど独自の条件を設けている施設もあります。 サービス付き高齢者向け住宅の施設内容 サ高住の居室には、以下のようなポイントがあります。 各居住部分の床面積が最低18平方メートル、原則25平方メートル以上 キッチン、水洗トイレ、クローゼット、洗面設備、浴室が完備 段差がなく、手すりなどが設置されたバリアフリー設計 バリアフリー設計の広々とした居室であるため、高齢者の一人暮らしでも安心です。 自宅と同じように自分で料理や入浴をすることができます。 また、サ高住には共有スペースである入浴施設やカラオケルーム、レストランなどを設けている施設もあります。 レストランでの食事やカラオケなどのレクリエーションを行うことで、入居者同士で交流の機会を持つことも可能です。 レクリエーションや入居者同士のコミュニケーションは、認知機能や身体機能の低下を防ぐ役割を果たします。 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 また、サ高住には人員配置の基準があります。 社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員 医師 看護師 介護福祉士やヘルパー2級以上の資格を持つスタッフ 介護支援専門員 以上のいずれかの者が日中に常駐しなければいけません。 医師や看護師が在籍する施設もあり、医療ケアが必要な方でも入居可能な施設があります。 施設内には専門の知識を持つスタッフがいるため安心です。 サービス付き高齢者向け住宅の費用は? 下の表は、サ高住の「一般型」と「介護型」それぞれの費用をまとめています。 一般型 介護型 契約形態 賃貸借契約 利用権契約 月額費用 約5万〜25万円 (家賃、管理費) 約15万〜40万円 (家賃、管理費、食費) サ高住の費用は、「一般型」と「介護型」で異なります。 一般型のサ高住は賃貸借契約であり、初期費用として敷金や保証金が必要となる場合があります。 一方、介護型のサ高住は、入居時に一時金を支払う利用権契約です。 そのため、初期費用は一時金として数十万円から数百万かかることもあります。 また、月額費用は一般型よりも高額です。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは? 下の表では、サ高住と有料老人ホームの特徴をまとめています。 サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 入居条件 60歳以上または 介護者認定を受けた60歳未満 自立または軽度の要介護の60歳以上 サービス内容 安否確認、生活支援全般 食事提供、レクリエーション 自由度 低い 高い 管轄 国土交通省 厚生労働省   有料老人ホームは自立か軽度の要介護者が対象ですが、サ高住は介護度の高さに関係なく入居できます。 有料老人ホームのサービス内容は、食事の提供やレクリエーション活動がメインです。 サ高住のサービス内容には、安否確認や、入浴、食事、買い物など生活支援全般が含まれます。 サ高住は外出や外泊に関するルールがほとんどないため、自由度が高いです。 一方、有料老人ホームは、外出などには制限があり自由度は低くなります。 また、サ高住は国土交通省が管轄する賃貸住宅で、有料老人ホームは厚生労働省が管轄する介護施設です。 サービス付き高齢者向け住宅のメリット、デメリット サ高住のメリットは以下の通りです。 入浴や食事、買い物など必要に応じてサービスを受けられます。 バリアフリー設計であり、高齢者も生活しやすい環境です。 外泊や来客などの制限が緩く、自宅と変わらない生活ができます。 高齢者でも簡単に契約ができ、安心して一人暮らしができます。 日中は看護師や介護スタッフが常駐しているため、緊急時も安心です。 サ高住のデメリットは以下のことが考えられます。 入浴や食事は共用の住宅もあり、ストレスを感じることがあります。 住宅によって、夜間は専門スタッフがいない場合もあります。 賃貸住宅であるため、連帯保証人が必要です。 介護度の高さによっては、転居しなくてはいけない場合もあります。 まとめ 最後までご覧くださりありがとうございます。 今回は、サービス付き高齢者向け住宅の特徴や有料老人ホームとの違いについてお伝えしました。 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーであり安否確認や生活支援を受けられる賃貸住宅である。 サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の高齢者と介護者認定を受けた60歳未満の方が入居可能である。 サービス付き高齢者向け住宅の入居は自由度が高く自宅と変わらない生活を送れるものである。 住宅の種類によって、常駐するスタッフが異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • サ高住(サービス付き高齢者住宅)はどうやって選べばよい?6つのポイントをご紹介!

    今まで生活していた自宅を離れて生活することには不安がつきものです。 入居者がより安心安全に生活を送るためにも、6つのチェックポイントを確認し、入居者の理想や条件に合ったサ高住を選びましょう。 サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ際のポイント サ高住を選ぶポイントは、以下の6つです。 立地・アクセス 費用 サービス内容 居室・設備 一般型か介護型か 夫婦での同居が可能か それぞれのポイントについて詳しく説明します。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方①立地・アクセス サ高住を選ぶポイント1つ目は、立地とアクセスです。 地域の中での自立した生活を送るために、立地やアクセスの良さには注意しましょう。 今までの人間関係や行動範囲を変えたくない場合は、住み慣れた地域にある施設がおすすめです。 同じ趣味や境遇を持つ人と新しい関係を築きたい場合は、条件に合ったエリアや施設を探すと良いでしょう。 生活環境や地域が大きく変わることでセカンドライフを楽しむきっかけとなります。 また、付近にバス停や駅があるかなどの利便性もチェックしましょう。 交通のアクセスが良ければ、一人での外出も安心です。 自由度の高いサ高住は、今まで通りの生活とほぼ変わらないことが特徴です。 そのため、家族や友人の自宅を訪問する機会も持てます。 近くに家族や友人がいるとより安心できるため、居住地が近い場所であるかも大事なポイントです。 ワンポイントアドバイス 行き慣れたスーパーや医療機関がサ高住の近くにあることは非常に大事です。 介護スタッフに買い物を代行してもらう場合には、スーパーの欲しい商品も的確に伝えることができます。 医療機関の混み具合や診療時間などを把握していると、通院時や緊急時の連絡がよりスムーズです。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方②費用 サ高住を選ぶポイントの2つ目は、費用です。 賃貸借契約であるサ高住は、一般的な賃貸マンションを契約する場合と同じように月々の家賃や光熱費が中心になります。 初期費用となる敷金・礼金は、施設により大きく異なるため注意しましょう。 食事など、サービスを追加することでかかる費用の確認も必要です。 また、介護サービスが必要になった場合には、さらに費用がプラスされます。 特定施設である介護型に入居する際は、利用権契約になる場合もあるため、一般型よりも高額になります。 費用の支払い方法には、月払いと前払いの方法があります。 月払い方法は、大きな初期費用がかからない代わりに長期になると支払額が多くなります。 前払い方法は、入居時の負担は大きいですが、長期利用であれば費用は割安です。 しかし、短期利用であれば割高になる可能性もあります。 自立して生活できる方ほど費用はやすくなり、手厚い介護サービスを必要とする方は費用が高くなる傾向にあります。 入居時の注意点 月々にかかる費用が高額にるため、受けられるサービスが限定されることやお金に制限がかかる入居者も多いです。 買い物代行や入浴の回数などのサービスに調製が必要になり、十分なサービスが受けられないこともあります。 自由に使用できるお金が少ないと、欲しい物を購入できなくなります。 ストレスが溜まることや施設とのトラブルの原因になるため、費用の確認には注意が必要です。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方③サービス内容 サ高住を選ぶポイントの3つ目は、サービス内容です。 サ高住には、安否確認サービスと生活相談サービスの2つがあります。 安否確認サービスは、定期的に医療や介護の専門スタッフが各居室を巡回し、入居者の状況を確認するサービスです。 その他の食事や介護、生活支援のサービスは施設によって対応が異なるため、入居者が必要とするサービスがカバーされているかチェックしましょう。 ①食事 施設が提供する食事サービスを利用する場合は、食事内容も確認しておきましょう。 味や見た目、季節のイベントに合わせた食事を味わえる施設もあります。 買い物代行や病院への付き添いの対応をするサービスもあり、一人暮らしをする入居者をサポートします。 ②認知症患者の受け入れ 近年は、認知症を患っている入居者も対応可能な施設も増えていますが、認知症患者を受け入れ可能な施設か確認が必要です。 また、介護保険サービスが必要になった場合のことを考えて介護事業所やデイサービスが併設されていると便利です。 ③夜間対応 サ高住では専門のスタッフが常駐していますが、夜間は緊急通報システムが導入されている施設もあります。 専門スタッフが24時間常駐している施設を選ぶとより安心です。 さらに、介護サービスと医療サービスの連携がしっかりしている施設であれば、緊急時もスムーズに医師や看護師による対応を受けられます。 ④レクリエーション イベントやレクリエーションなどを実施しているかも確認しましょう。 初詣やお花見クリスマス会などを実施する施設も多く、イベントに参加することで四季を感じられます。 レクリエーションでは、頭を使用するクイズ大会や身体を使用する運動が一般的です。 他の入居者とコミュニケーションが図れ、認知機能や身体機能の低下を防ぐ効果もあります。 ワンポイントアドバイス 食事は、入居者にとって毎日の楽しみでもあります。 実際には施設で提供する食事が美味しくないと言われ、徐々に食べる量が減り痩せて活気がなくなる高齢者もいます。 食事は一番の特効薬と言われるものでもあり、見た目の豪華さや入居者の口に合うかは非常に重要です。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方④居室・設備 サ高住を選ぶポイントの4つ目は、居室・設備です。 家具や家電を持ち込むスペースがあるか、キッチンや浴室が付いているか、収納場所が確保できているかなど自分の希望と照らし合わせましょう。 豊かな生活ができるようフィットネスジムやカラオケなどの娯楽スペースを設けた施設も多いです。 入居者の理想とするライフスタイルを考えながら入居する施設を選ぶことが重要です。 入居前の確認ポイント 共有スペースを利用する入居者の様子や、スタッフとの関わり方はどのような感じであるかなど、施設によって大きく異なります。 スタッフや入居者との関わりを大事にしたい方が、一人を好むような静かな施設に入居した場合は、退屈に感じるでしょう。 実際に足を運んで雰囲気などを確認しておきましょう。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方⑤一般型か介護型か サ高住を選ぶポイントの5つ目は、一般型か介護型であるかです。 一般型のサ高住は、介護が必要になった場合に外部のサービスを手配しなければいけません。 介護型のサ高住は特定施設の指定を受けているため介護保険の給付対象となり、施設スタッフから介護サービスを受けられます。 一般型は自立して生活できる方を対象としているため、介護度が高くなる認知症を患うなど、状況によっては退去しなければいけない施設もあります。 ニーズに合わせて訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを用意している施設もあるため 事前に確認が必要です。 ワンポイントアドバイス 最期の瞬間まで住み続けたいと考えている方は、特定施設の介護型であることを条件にしておきましょう。 看護師が常駐している施設であれば、看取りの対応も可能です。 親族がいない入居者でも、介護・医療スタッフのケアを受けられるため、寂しさや不安が軽減されるでしょう。 サービス付き高齢者向け住宅の選び方⑥夫婦での同居が可能か サ高住を選ぶポイントの6つ目は、夫婦での居住が可能であるかです。 サ高住の中には、配偶者とともに入居できる施設もあります。 広めの夫婦部屋が完備されているケースもあり、夫婦で一緒に暮らしながら生活支援サービスを受けることができます。 二人で快適に生活を送ることができる環境であるかも大事なポイントです。 サ高住では、契約者が亡くなった場合でも、配偶者はそのまま住み続けられます。 トラブル回避のポイント 夫婦部屋は広い1部屋のみの施設が多く、24時間2人で過ごすことになります。 そのため、喧嘩や意見の違いがあった場合でも同じ部屋で生活します。 近くに住む安心感も欲しいが、一人の時間も確保したいという夫婦は隣同士の居室を用意してくれる施設を選びましょう。 まとめ 今回は、サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ6つのポイントを紹介しました。 サービス付き高齢者向け住宅を選ぶ6つのポイントは、「立地・アクセス」「費用」 「サービス内容」「居室・設備」「一般型か介護型か」「夫婦での同居が可能か」である。 自宅と変わらない生活を送るために、入居者の希望に合わせた施設を選ぶことが重要である。 サービス付き高齢者向け住宅は、施設によって費用やサービス内容、設備が異なるものである。 ぜひ、参考にしてみてください。 最後までご覧いただきありがとうございます。

  • 訪問介護は家政婦さんとは違う!訪問介護が担う自立支援とはどんな内容なのかを解説!

    家政婦さんと間違えられてしまう訪問介護ですが、実際は目的や意義が全く違う仕事です。 そのなかでも今回は家政婦さんとは違う「訪問介護が担う自立支援」とは?についてお伝えします。 「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違い 「家政婦さん」と聞いてまず思い浮かぶのは、以下のようなイメージではないでしょうか。 ・「家政婦さんは裕福な家に居る何でも助けてくれる人」 ・「料理や洗濯などの家事全般をしてくれる人」 では次に「訪問介護員(ホームヘルパー)」と聞いて思い浮かぶのはどのようなイメージでしょうか? ・「自宅で介護士さんに助けてもらって生活を出来るようにしてもらう」 ・「元気で病気もしていないけれど、一人にしておくのは不安だから介護士さんに様子を見てもらおう」 どちらも「自宅で家族の身の回りお世話を行う」ことや「家族の手助けをする」部分で大きな違いはありません。 訪問介護の成り立ちをひも解いてみますと、以前は「家庭内で家族のお世話をする」という状態が当たり前でした。 戦後20年が経ち、戦争による生活困窮者のために訪問介護の前身である「家庭養護婦」と言う仕事が誕生し時を経て「訪問介護」に変わりました。 家政婦さんの場合は家族全員が対象になり、家族に関わることであればどんな事でも行いますし、本人が出来ることであっても代わりに行います。 介護士の場合は、助けが必要な人が誰なのか、介護士の基本の一つである自立支援を目的としているかの2点で、目的と仕事の内容が違います。 「訪問介護とは」 訪問介護とは、ご利用者様が在宅における生活の中で自立した日常生活が行えるように、訪問介護員がご利用者様のご自宅へ訪問をし身体的な支援や介助を行う「身体介護」と、家事などを支援したり介助する「生活援助」の2種類があります。 介護保険が始まる前は「ホームヘルプ」と呼ばれ、介護保険開始後は「訪問介護」の名称に変わりました。 訪問介護には高齢者の方達だけではなく、「障害者総合支援法」という障害者の方を支援し介助も行います。 訪問介護では「日常生活の援助に該当しない行為」は行えません。 例えば草むしり・ペットのお世話・大掃除等のご利用者様本人に関わることでないと訪問介護を行う事ができません。 「介護保険が始まる前と始まった後の違い」 介護や支援を求める方が増えて、2000年より介護保険の制度が始まりました。 高齢者や障害者の方の自宅を訪問し、「身体介護」「生活援助」の二つを行う事には介護保険が開始される前後で大きく変わりません。 介護保険開始前は自宅での介護福祉は各都道府県の市町村にある社会福祉協議会や福祉公社になどによる措置の制度であった為、サービス内容を選べず利用料は所得に応じた負担になっていました。 変わった部分として、介護保険開始後は利用者または家族が申請して利用できるようになり、サービスも選べるようになったことです。 現在は介護保険の法整備が進み、社会保険の制度の一つになっています。 サービス提供に様々な民間団体や法人組織が参加しており、自分や家族に必要なサービスを選択し提供してもらう形になっています。 介護保険が始まった当初は「介護」を行う上で「ご利用者様の出来ないことを代りに行う」ことを中心に行っており、家政婦さんとの違いもはっきりとは認識されておらず家政婦さんのように利用する方もいました。 その結果「自分で出来ること」を奪ってしまう事になり、次第に「介護」を必要とするひとが増える要因の一つになりました。 この問題に対して2001年に「介護を必要とする人の出来ること」に注目をして様々な要因や環境を見つけ出し、生活の全体像を掴み支援や介助を行う考え方が提唱され、QOL※の向上や自立支援に注目するようになりました。 ※QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは 一般にひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた「生活の質」のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。 「訪問介護が担う自立支援」 自立支援とはご利用者様に「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」です。 「できる限り自分の力で生活するためのサポート」と一言でいってもご利用者様ひとりひとり状況と状態が違い、はじめは信頼関係もなく一人で行う事が難しく、なかなか上手くいかない事に落ち込んだりやる気を出せないでいるご利用者様もいます。 そういう様々なご利用者様に対して、一人で行えるようまたは行いやすくなる為の道具の提案を行ったり、環境を整えて一人でも行える様にする事が介護員の役目になります。 では現場ではどのようにして「自立支援」が行われているかの事例を紹介します。 自立支援の事例 介護員が女性のご利用者様のご自宅に訪問をしました。 ご利用者様に元気がないため、どうしたのか尋ねると「最近こけてばかりだから、庭の草むしりをしないでほしいと家族に言われた」との言葉が返ってきました。 ご利用者様は「草むしりをすることで少しでも家族の役に立ちたい」「草むしり中に近所の方と話すのが楽しみ」と介護員に話をしました。 そこで介護員はご利用者様の希望の「草むしり」を安全に行えない原因を考えました。 ・なぜこけたのか。 ・なにが危険なのか。 ・どうすれば安全にできるか。 この3点について、ご本人様と家族様、話を伺い様々な事がわかりました。 ・腰が少し曲がっていて、前のめりの姿勢である。 ・腰が少し曲がっている為、前のめりにこけてしまっている。 ・前のめりにこけてしまうので、何度も頭をぶつけている。 ・庭が広く、草むしりをするために、移動する必要がある。 そこで介護員は、庭が広く移動しながら「草むしり」をしている為に転倒してしまう可能性が高いと考え、ご自宅にあった「小さな椅子」を使って少しづつ移動しながら、座って草むしりを出来ないかと、ご利用者様と家族様に提案してみました。 後日、訪問した際にご利用者様より「座って(草むしり)したら1度も危ないことにならず、転倒する心配もなくなった。ありがとう」「生き甲斐が戻ってきた」と草むしりが継続して出来ることを喜ばれました。 ご家族様からは「安全にできる方法を考えてくれたおかげでおばあちゃんに笑顔が戻ってきて嬉しいです。」との言葉をいただきました。 ご家族からの「危ないからやめてほしい」との声で全て制限してしまえば、活気や生活の楽しみが失われ生活の質が低下してしまっていたでしょう。 また、以前のように「なんでもしてしまう介護」や家政婦さんに「やってもらう」という利用が続いていれば、「草むしり」という一つのやりがいが失われ、活動量の低下や元気がなくなりさらなる介護が必要になっていたかもしれません。 今回の事例のように、「自立支援」や「QOLの向上」に注目をし、訪問をしているからこそ気付き、アドバイスすることで、ご利用者様は活気を取り戻されてご近所付き合いも継続出るようになりました。 ご家族様もおばあちゃんに活気が戻り、以前のような生活に戻ったことを安心される結果に繋がりました。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は「家政婦さん」と「訪問介護員(ホームヘルパー)」の違いについて、「介護保険が始まった前と後の違い」について、そして最後に「訪問介護の担う自立支援」について事例を交えてお伝えしました。 ・「家政婦さん」と「訪問介護員」の違いは資格の有無や専門知識があるかないか できることに制限があるかないか。 ・自立支援とは「できる限り自分の力で生活ができるようにサポートをすること」。 ・訪問介護が担っている自立支援は、ご本人様・家族・関わる人全てに繋がる援助。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

  • 要介護者の転倒の危険性を防ごう!自宅でできる転倒予防や対策をご紹介!

    ”転倒”は どこで起こることが一番多いと思いますか? 実は屋外ではなく、屋内の方が転倒の危険性が高いと言われています。 特に高齢者の方は屋内の中でも自宅で過ごす時間がとても長く、そのため自宅での転倒予防が非常に大切です。 また転倒は転んだ瞬間の「痛い」ではなく、転倒後の怪我や気持ちの変化が懸念されます。 今回は転倒によって起こる事例と、転倒予防の方法についてお話します。 近年の転倒事故についてと介護との関係 厚労省の発表によると65歳以上の高齢者の転倒・転落・墜落の死亡事故は年々増加しており、令和2年では8,851件発生しています。 これは交通事故の約4倍となり、ただの転倒と思って甘く見ていると大変なことになります。 さらにこの内の1,678件は自宅で起こった事故であり、この数字に驚いた方も多いのではないでしょうか。 また消費者庁のデータによると65歳以上の転倒の半数は自宅内で起こっています。 介護が必要になってしまった原因といえば《病気》が想像されますが、「骨折・転倒」が介護の原因となった割合は「認知症」「脳卒中」「高齢による衰弱」ときて、4番目の13.0%とかなり高い数字です。 たとえ死亡事故に至らなかったとしても、転倒や転落は介護に直接結びつく原因となる恐れがあり、自宅で起こる可能性の高さを考えると、自宅での転倒を予防することは非常に大切だと言えます。 転倒の危険性について まず高齢者の転倒はなぜ起こってしまうのでしょうか。 理由は主に2つ挙げられます。 1つめの内的要因 内的要因とは加齢に伴う身体の変化のことです。 高齢になるにつれて筋力の低下、平衡感覚機能の低下、また視力の低下も考えられます。 場合によっては服用している薬の影響で、ふらつきやぼーっとしてしまう方もいらっしゃいます。 こういった内的要因の影響で、以前であれば起きなかった転倒につながる可能性がグンと上がります。 2つめの外的要因 外的要因とは自宅の中に必ず存在する段差です。 「家には大した段差はないから大丈夫」・・・と思っても安心できません。 数ミリの段差でも転倒のリスクがあり、その結果死に至る可能性があると言われています。 段差のほかにもスリッパ、カーペット、電化製品のコードなど、今まで気にしていなかったもの全てが転倒につながる恐れがあります。 それでは転倒してしまったらどうなるのでしょうか。 上記で死に至る可能性があるとお話しましたが、怪我をしてしまうだけでも十分なリスクがあるのが転倒の怖いところです。 若い方と比べて高齢者の方は転倒することで骨折のリスクが非常に高いといえます。 どの部分を骨折しても辛いですが、一番心配したいのは太ももに通っている骨である大腿骨の骨折です。 大腿骨は上半身を支えたり歩く上で非常に大切な骨で、骨折してしまった場合は多くの場合痛みで歩くことが難しくなります。 しばらくはベッド上で安静に過ごすこととなり、場合によってはその後寝たきりの生活につながってしまう可能性があるということです。 今まで認知症の心配もなく元気に過ごされていたとしても、大腿骨骨折で寝たきりの生活となりその後認知症が発症してしまう事例もあります。 転倒して特に怪我がなかったとしても、転倒した恐怖から歩くことが怖くなり、運動する機会が減る場合もあります。 その場合も同じように認知症のリスクや、運動機能の低下が心配されます。 だからこそ自宅での転倒予防は高齢者の方が自宅で過ごす上で見逃すことのできないポイントとなっています。 自宅でできる転倒予防 それでは転倒を意識した自宅での予防・対策をお伝えします。 身体機能低下を防ぐ運動 まずは少しでもいいので歩くことです。 日中テレビを観たりして、ずっと座って1日を過ごすなんてことしていませんか? 座って過ごすだけではなく、いつもより少し意識して立ったり座ったり、歩いて何かを取りに行ったり少しでも良いので動いてみましょう。 自宅で歩くにはスペースの問題で難しいこともあるかもしれませんが、その時は家の近くを軽く散歩することで運動機能の低下だけでなく、脳の活性化にもつながります。 もっと元気な方はラジオ体操をすることで上半身の筋力維持にもなります。 膝や脚の痛みで歩くことが難しい方は、ベッドの柵や椅子の背もたれを持ったりして足踏みを行うだけでも違いがあります。 無理のない範囲で自宅でのトレーニングを日常に取り入れましょう。 室内の段差解消を行いましょう 先ほど数ミリの段差でも転倒のリスクはあると伝えましたが、数ミリは難しくても数センチの段差の解消は簡単です。 段差解消をしたい箇所に室内用のスロープを置くだけで工事は必要ありません。 介護認定を受けており介護保険を使うことができる方は、1割〜3割負担でレンタル商品として使用できます。 もし介護認定を受けていなかったり購入したいという方も、高価でないため自宅に取り入れやすい段差解消アイテムです。 置き型や突っ張り型手すりを設置しましょう   自宅の中でもリビングや寝室は、起き上がり立ち上がりの動作が多く、これらは大きな動作のため転倒のリスクも高くなります。 ただ手すりというのは本来壁に取り付けるもので、取り付けることができるスペースというのは限られてしまいます。 そこで活躍するのが置き型の手すりと突っ張り型の手すりです。 この二つは置いたり突っ張ったりするだけで、手すりとしての機能を発揮します。 つまり場所を選ぶことなく、手すりの欲しい場所に設置することができる優れものです。 形やサイズも様々で、コの字型であったり、高さのあるものから低いものまでさまざまな種類があります。 蓄光テープが貼ってあることで、夜中トイレに行きたい時でも手すりを見失わないようになっているものもあります。 突っ張り型だと床から天井まで手すりがあるので、起き上がりの動作の際に活躍します。 介護保険を使用できる方はレンタル価格で利用できる福祉用具です。 しかしこれは介護保険を使用しない場合、高価な商品になることがデメリットです。 浴室に手すりを設置しましょう 先ほど紹介した置き型や突っ張り型の手すりは浴室に置くことは難しい場合が多いです。 上の画像のような浴槽の淵に取り付けるレンタルできる手すりもありますが、手すりの設置箇所は限られてしまいます。 その場合は住宅改修で手すりを取り付けることになります。 制限がありますが、介護保険はレンタルだけではなく住宅改修でも使用できます。 条件は以下の通りです。 ・原則1人1回まで ・本人が自宅に住んでいる ・介護保険による支給額は20万円まで(費用が20万円の場合自己負担額は2万円となり、18万円が介護保険からの支給となる) 最近はお風呂に手すりがついている家も増えてきましたが、高齢者の方の自宅は古い家も多くまだまだ浴室に手すりがついておらず、危険な場合があります。 住宅改修はお金がかかるため今まで検討できなかった方も、この介護保険の制度を使用することで少し前向きに住宅改修を考えられるのではないでしょうか。 転倒予防のための介護保険を使った福祉用具の取り入れ方 では、どのように福祉用具を取り入れるのか、その方法をご紹介します。 レンタルの場合 まずはケアマネージャーに相談しましょう。 自身の身体の状態を理解してくれているケアマネージャーであれば、安心してお願いすることができます。 その後数ある商品の中から自分に合ったものを選び、福祉用具業者に設置してもらいます。 自宅に届いたからといってそこで終了ではなく、不具合が起きる場合もあります。 何かあれば福祉用具業者に連絡し、メンテナンスを怠らず安全に使用しましょう。 住宅改修の場合 レンタルの時と同じように、まずはケアマネージャーに相談となります。 申請書類と見積書を保険者に提出する必要があり、適切な住宅改修かどうか認められた後に、施工開始することができます。 ただし厚生労働省より2018年から一社からの見積もりではなく、複数社から見積もりをとる”相見積もり”が通達されました。 その結果ケアマネージャーから利用者の方に相見積もりが必要であることが説明されます。 住宅改修する上で必須条件ではありませんが、複数社から見積もりをもらうことで自己負担額が減る可能性もあります。 ここもケアマネージャーに相談するポイントとして忘れないようにしましょう。 まとめ ・屋外ではなく屋内の方が転倒の危険性が高い。 ・転倒には内的要因と外的要因の2つがある。 ・転倒により大腿骨を骨折してしまった場合寝たきりの生活となる可能性もあり、転倒予防は非常に大切。 ・怪我をしなかった場合でも、転倒してしまった恐怖から歩くことにネガティブになりそのまま歩行困難となってしまう恐れがある。 ・自宅でできる転倒予防としてなによりもまず歩行や簡単な運動が大切。 ・少しの段差でも転倒につながるので、室内スロープを置いて段差解消を行う。 ・介護保険が使える方は置き型や突っ張り型手すりを設置し、転倒予防を行う。 ・置き型や突っ張り型手すりの設置が難しい浴室には、介護保険を使用し住宅改修を行って手すりを設置することを検討する。 ・いかなる手すりの設置にも、まずはケアマネージャーに相談する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。    

  • 介護予防支援としてのデイサービスとは?サービス内容や利用する方法を解説!

    介護予防支援としてのデイサービスとは具体的にどんな所なのでしょうか。 この記事では、介護予防のデイサービスの目的や利用する方法、対象者、種類や料金を紹介します。 介護予防としてのデイサービスとは? 介護予防のデイサービスとは、高齢者が集まり心身機能の回復または低下しないように訓練を日帰りで行う場所です。 高齢者が住み慣れた場所で生活できることを目的としています。 サービス内容は「生活機能の向上のための機能訓練」です。 生活機能とは人が暮らしていく上で必要な能力で、特に高齢者は自立した生活を送る為に欠かせません。 高齢者の生活機能は基本的日常生活動作と手段的日常生活動作と2つに分類されます。 基本的日常生活動作 【歩く】【食事】【着替え】【入浴】【整容】 手段的日常生活動作 【交通機関の利用】【電話対応】【買物】【家事】【服薬管理】 これらの機能の回復または維持をして在宅で自立した生活ができることを目的としています。 参考サイト:高齢者の生活機能|健康長寿ネット 介護予防のデイサービスを利用するには? 利用する方法は、住んでいる市町村窓口で介護保険申請をします。 以下が介護保険申請の流れです。 ①お住まいの市町村の窓口で介護保険認定申請 申請時に必要な物は「申請書」と「介護保険被保険証」になります。 介護保険被保険証とは、お住まいの市町村から65歳以上の方に発行される保険証です。 64歳から40歳以上の場合は「医療保険証」が必要です。 ②申請後は、認定調査が行われる 認定調査とは、市町村職員または市町村から委託を受けた職員が、自宅に来て現在の心身の状態や暮らしについて調査を行うことです。 ③市町村からの依頼でかかりつけ医が主治医意見書を作成 主治医意見書とは、かかりつけ医が病歴や治療した内容など身体に関することを記載したものです。 かかりつけ医がない場合は、市町村の医師または市町村が指定する医師に作成依頼ができます。 ④主治医意見書と認定調査を基に、コンピューターが判定を行う コンピューター判定のことを「一次判定」と言います。 目的は介護度の目安を出すことです。 ⑤それぞれの専門職が集まり「介護認定調査会」を行う 介護認定審査会とは、認定調査結果や主治医意見書により算出された一次判定をもとに、専門職が集まり審査を行うことです。 これを「二次判定」と言います。 専門職は、保健、医療、福祉の学識者で構成されています。 ここは審査の判定を行う場所なので、介護区分の決定をする権限はありません。 ⑥市町村が介護区分認定を決定・通知 市町村は介護認定結果を申請日から、原則30日以内に出さなければなりません。 そのため、介護認定が分かるまで1か月かかります。 サービスを受けたいと思っても、時間がかかってしまうので注意が必要です。 参考サイト:厚生労働省 サービス利用までの流れ|介護保険の解説 介護保険認定後は、以下のような区分に分けられます。 要支援1 基本的日常生活は自立しているが、手段的日常生活(公共交通機関の利用、電話対応、買物、家事、服薬管理)に介助が必要とする人 要支援2 要支援1の状態に加え、歩く状態が安定せず、介護が必要になる可能性がある人 要介護度1 基本的日常生活に介助が必要で、歩く状態が安定せず、加えて認知機能低下も見られる人 要介護度2 基本的日常生活と手段的日常生活のどちらとも介助が必要で、認知機能低下が見られる人。 要介護度3 自分で歩くことが出来ず、杖、歩行器、車いすを使用している人。 基本的日常生活と手段的日常生活の介助が必要な人。 要介護度4 思考力や判断能力が著しく低下している人。 日常生活の場で常に介助が必要な人。 要介護度5 寝たきり状態で会話も困難で常に介護が必要な人。 要介護度は数字が大きくなってくると、介護度が重くなるという判定になります。 参考サイト:介護保険の介護度とは|健康長寿ネット 【目安がわかる】要介護度とは?8段階の状態像と受けられる介護サービス|みんなの介護      介護予防のデイサービスを利用できる人は? 介護保険申請が非該当でも、事業対象者に該当すると介護予防のデイサービスは利用できます。 事業対象者とは、基本チェックリストに該当する方です。 基本チェックリストとは、25項目の質問に答えて身体状態をチェックできるツールになります。 ▼こちらが実際のチェックリストです。 厚生労働省 表4 基本チェックリスト 運動機能低下、低栄養状態、口腔機能の低下、閉じこもり、認知機能の低下、うつ病の可能性などが判断の基準になります。 基本チェックリストを実施できる場所は、地域包括支援センターや行政です。 地域包括支援センターとは、介護の相談窓口です。 専職員が集まり、住み慣れた地域で暮らしていけるようにサポートしています。 参考サイト:LIFULL介護【はじめての方へ】地域包括支援センターとは?その役割と賢い活用法 チェックリストは、介護保険申請に比べると面倒な手続きがなく5分〜10分で行えます。 参考サイト:基本チェックリストの概要 介護予防のデイサービスはどんな種類やサービスがあるのか 多様なサービスが受けられるように、デイサービスの種類は4つあります。 サービスの種類 サービスの内容 ①通所型介護 ・生活に関する支援 ・生活機能向上の為の機能訓練 ②通所型サービスA ・通所型介護より小さいデイサービス ・運動、レクレーション ③通所型サービスB ・利用者の自主的な通いの場 ・体操、運動 ④通所型サービスC ・3~6か月で生活機能向上を目指す ・運動や栄養改善のプログラムの実施 それぞれサービス内容に特徴があるので具体的に解説します。 ①通所型介護 入浴、排泄、食事、機能訓練、相談など日常生活に関する支援を受けられます。 一番の特徴は、在宅で暮らす上で必要な機能訓練サービスを行っていることです。 機能訓練とは、身体の維持と向上を目指す訓練です。 介護サービス提供者が利用者の身体状況に合わせて目標を設定しプランを作成します。 ②通所型サービスA 通所型サービスAでは、運動やレクリエーションが行われます。 レクリエーションとは、介護現場では娯楽や余暇ではなく心身の向上を目指すことが目的です。 レクリエーションの種類は、身体を使う、手先を使う、頭を使うなどがあります。 通所型介護と比べると小規模のデイサービスです。 ③通所型サービスB サービスの内容は、体操や運動で、利用者主体の通いの場となります。 サービスの提供がボランティアや町内会なので、職員もボランティア主体となります。 イメージとしては、いきいきサロンや町内会の集まりです。 ④通所型サービスC サービスの内容は、3〜6カ月の短期間で生活機能向上を目指します。 実施するプログラム内容は、運動機能や栄養改善などです。 提供が市町村の保健・医療の専門職になっています。 参考サイト:介護予防・日常生活支援総合事業 ガイドライン|厚生労働省 介護予防のデイサービス費用は? デイサービスの費用は市町村によって違います。 以下は2022年10月現在の熊本市の通所型サービスの利用料金です。 通所型介護 料金 要支援1 1,672円/月 要支援2 3,428円/月 基本料金に加え、必要に応じて加算がついてきます。 加算とは、サービスの提供体制や利用者の状況に応じて発生するお金のことです。 加算の内容は、運動器機能向上加算、栄養加算、口腔機能向上加算などがあります。 それぞれの加算は、必要なサービスであると判断された場合介護サービス提供者がプランを作成しサービス提供します。 参考サイト:【開業】介護報酬の構造、加算・減算とは? 通所型介護や通所型A.B.Cは、市町村事業になるので、詳しい金額は異なります。 上記金額は、目安になるのでお住まいの市町村にお問合せかホームページで確認をおすすめします。 【まとめ】 いかがでしたでしょうか。 介護予防のデイサービス利用についてお伝えしました。 ・介護予防のデイサービスは「生活機能の向上のための機能訓練を行う」場所である。 ・介護予防のデイサービスを利用するには、市町村で介護保険申請をする必要がある。 ・介護予防のデイサービスが利用できる対象者は要支援1.2と事業者対象者である。 ・事業対象者は、基本チェックリスト該当者である。 ・介護予防のデイサービスの種類は①通所型介護②通所型サービスA③通所型サービスB④通所型サービスCの4つである。 ・費用は市町村事業の為、金額が異なるので確認がおすすめである。 最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 「小規模多機能」ってどういうもの?メリットからデメリットまで詳しく解説!

    「自分の生活もあるけれど、親を施設には入れることに悩んでいる」と悩んでいる方に小規模多機能はおすすめのサービスです。 今回は小規模多機能について分かりやすく解説します。 そもそも小規模多機能ってどういう仕組み? 小規模多機能はご家族様の都合に合わせて「通い」「宿泊」「訪問」を利用できる介護保険のサービスです。 上手に活用すれば介護する側、される側にとって負担軽減になるおすすめのサービスです。 ここでは小規模多機能の3つの特徴と気になる料金形態を解説します。 1.通い(利用者様が事業所に行ってサービスを受けること) 通いは事業所で入浴や食事、レクリエーションなどを受けるサービスになります。 提供サービスは事業所により異なるので一度気になる事業所があったら相談してみましょう。 朝夕の送迎サービスもあるのでご本人もご家族も安心して利用できます。 2.泊り(事業所で泊まること) 事前に事業所へ連絡することで宿泊サービスを利用することが可能です。 ご家族様の急な予定で宿泊を利用したい場合も、定員に余裕があれば宿泊サービスを利用することができます。 ただ、ベッド数に限りがあるため事前に相談することをおすすめします。 3.訪問(介護職員がご自宅にお伺いしてサービス提供をすること) 介護職員がご自宅にお伺いして様々なニーズに応じたサービスを提供します。 サービス内容にはトイレ介助などの身体介助や服薬確認、買い物支援、家事のお手伝いなどがあります。 回数や時間をご家族様の状況にあわせて柔軟に変更できるのが特徴です。 小規模多機能の料金形態 小規模多機能の料金形態は①基本利用料(定額)+②加算+③日常生活費の3つから構成されます。 ①基本利用料(定額制) 基本利用料は利用者様の介護度に応じた定額制となります。 介護保険の自己負担は基本1割負担ですが、所得に応じて2~3割負担となる場合もあるため、事前に市区町壮の窓口に相談してみましょう 要介護度 単位数 1ヶ月の料金 介護保険1割負担 介護保険2割負担 介護保険3割負担 要支援1 3,418単位 34,180円 3,418円 6,836円 10,254円 要支援2 6,908単位 69,080円 6,908円 13,816円 20,724円 要介護1 10,364単位 103,640円 10,364円 20,728円 31,092円 要介護2 15,232単位 152,320円 15,232円 30,464円 45,696円 要介護3 22,157単位 221,570円 22,157円 44,314円 66,471円 要介護4 24,454単位 244,540円 24,454円 48,908円 73,362円 要介護5 26,964単位 269,640円 26,964円 53,928 80,892円 (1単位=10円) 介護保険サービスはお住まいの地域によって1単位あたりの単価に変動があります。 大きな変動はないですがお住まいの地域により自己負担額が異なるため、一度利用する事業所の負担額を確認しておきましょう。 ②加算 小規模多機能は事業所の体制により様々な加算があります。 加算とは専門的なケアの提供など質の高いサービス体制を整えている事業所への報酬になります。 加算があることは利用料の面では負担になりますが、質の高いケアを提供しているという証にもなります。 下記に主な加算を記載します。 初期加算 ⇒ 30円/日…サービスを利用する最初の段階で支払う加算になります。 認知症加算 ⇒ 500~800円/月…認知症の利用者様を介助する際の加算になります。 訪問体制強化加算 ⇒ 1,000円/月…訪問サービスを担当する職員の配置体制や、一月の訪問回数が一定の水準を満たした事業所に加算されます。 総合マネジメント加算 ⇒ 1,000円/月…介護計画を随時見直している事業所に加算されます。 看護職員配置加算 ⇒ 480~900円/月…看護職員の配置体制に応じて加算されます。 サービス提供体制加算 ⇒ 350~640円/月…職員数に対しての介護福祉士の割合や、勤続年数から質の高いサービスを提供する体制にあると判断された事業所に加算されます。 それぞれの事業所により取得している加算に違いがあるため、一度利用を検討している事業所に相談してみましょう。 ③日常生活費 日常生活費は介護保険給付の対象外の費用です。 給付対象外のため全額が自己負担となります。下記に主な日常生活費を記載します。 宿泊費 ⇒ 2,000~3,000円/1泊…事業所により宿泊費は異なります。 お食事代 ⇒朝食400円、昼食500円、おやつ100円、夕食500円…事業所により食事代は異なります。 おむつ代…おむつやパットなどの消耗品費になります。 ④料金のイメージ イメージしにくいと思うので事例を元にシュミレーションをしてみました。 (事例)…要介護度2、介護保険1割負担、月に5回宿泊を利用、通いを5回利用した場合 1.基本利用料(定額制)⇒ 15,232円 要介護度2、1割負担の場合15,232円となります。 2.加算 ⇒ 4,500円 今回のケースでは分かりやすいように4,500円で計算しました。 (実際は事業所により算定している加算にバラツキがあるので一度確認してみることをお勧めします。) 3.日常生活費 ⇒ 23,000円 宿泊費…3,000円(1泊)× 5日=15,000円 食事代…500円(1食)×15食分(5日分)=7,500円 おやつ代…500円(5日分) 事例のパターンで計算すると42,732円が1ヶ月の利用料になります。 実際に契約する前に利用料のシュミレーションを事業所に依頼するのもオススメです。 小規模多機能を利用するにはどうしたらいい? では、小規模多機能を利用するためには、どのようにすればよいのでしょうか。 まだ介護保険サービスを利用したことがない場合 小規模多機能を利用するには要介護認定の申請をすることが必要です。 まだ要介護認定を受けてない場合は市区町村の担当窓口で相談しましょう。 すでに他の介護保険サービスを利用している場合 小規模多機能の利用を検討している場合は担当のケアマネージャーにまずは相談してみましょう。 注意点は、新たに小規模多機能と契約するには小規模多機能のケアマネージャーに変更する必要があることです。 担当ケアマネージャーに相談しにくい場合は、地域の相談窓口である地域包括支援センターに相談してみましょう。 小規模多機能のメリット3つ 小規模多機能には以下の3つのメリットが考えられます。 1つの事業所で「通い」「訪問」「宿泊」のサービスが受けられる 小規模多機能は1つの事業所と契約することで3つのサービスを受けることができます。 顔なじみのスタッフが「通い」「訪問」「宿泊」の対応をするため、環境変化にストレスを抱えやすい利用者様にとって優しいサービスです。 1つの事業所に利用者様の情報が集約されるため、適切なケアができるのも特徴です。 柔軟な対応が可能 ご家族様の状況に応じて臨機応変にサービス内容を変えられるのが特徴です。 「日中は仕事だから通いを利用しよう」「明後日は急な出張だから宿泊を利用しよう」など、様々な状況に応じて臨機応変に対応することが可能です。 職員や利用者様との信頼が構築しやすい 3つのサービスを同じ事業所の職員が対応するため信頼関係の構築がしやすいです。 サービスを受ける利用者様も顔なじみの職員が対応してくれるため安心感が得られるでしょう。 また、小規模多機能は1日の通いの定員が概ね18人以下、宿泊は概ね9人以下と少人数になります。 そのため、利用者様間での関係性の構築もしやすいのが特徴です。 小規模多機能のデメリット3つ 小規模多機能を利用することは、メリットだけでなく以下のデメリットも考えられます。 ケアマネージャーが変わる 小規模多機能と契約する場合、馴染みのケアマネージャーから小規模多機能のケアマネージャーに変更する必要があります。 通い、宿泊が定員制 小規模多機能には定員があります。 もし利用したい時に定員が上限に達していたら利用できないこともあります。 事業所の登録人数にもよりますが、通いは概ね18人宿泊は9人が定員の上限値になるため注意が必要です。 別のサービスを利用できない 「小規模多機能便利だけど通いサービスは前のデイサービスが良かったな」という場合、通いだけ他の事業所と契約することはできません。 訪問や宿泊も同様に他のサービス事業との契約ができないので注意が必要です。 その他にも、訪問入浴介護、デイケア、居宅介護支援も併用が不可になります。 まとめ ここまで小規模多機能の特徴や料金形態、メリットデメリットを解説してきました。 小規模多機能は3つのサービス(通い、訪問、宿泊)を1つの事業所で提供するサービスである 利用料金が定額制であるため分かりやすいのが特徴である 急な通い、急な訪問、急な宿泊などにも臨機応変に対応してくれる頼りになる存在である 小規模多機能と契約する場合、ケアマネージャーが変わるため注意が必要である 併用できないサービスがあるため注意が必要である 小規模多機能にはメリットもあればデメリットもあります。 1人で悩まずにケアマネージャーや地域の相談窓口に相談してみましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 介護による退職を決断する前に!確認しておくべき利用可能な制度やサービスをご紹介!

    家族に介護が必要になると、仕事を続けることが困難と判断し退職を決断する人もおられます。 しかし。それは会社にとっては大きな痛手です。 また、退職者にとっても後悔する結果になりかねません。 今回は、介護の為に退職を決断する前に確認しておきたい利用可能な制度やサービスについて紹介します。 介護の為に退職するデメリットや、退職を決断の前に知っておきたい内容についても紹介していますので、ぜひご一読ください。 介護による退職の決断は焦らないこと 結論からいうと、介護による退職の決断は焦らないことです。 介護による退職には、メリットよりデメリットの方が多いといえます。 それでは、介護による退職のメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか。 介護による退職のメリットは? 介護退職のメリットは、以下の2つが考えられます。 仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減る 仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減り、余裕を持った生活基盤を構築できます。 また、出勤や退社時間の調整など仕事量を調整する必要がなくなり、職場に迷惑がかからないなどの精神的な負担感を減らせます。 介護費用などの負担が減る 介護を中心とした生活になるため、仕事の間に利用していた介護サービスの利用頻度が減り、介護費用などが軽減できます。 介護離職のデメリットは? しかし、介護退職には以下のようなデメリットがあることも重々考えておかなくてはいけません。 生活の基盤となる収入がなくなる 生活の基盤となる収入がなくなるため節約する生活になるとともに、将来受け取る年金が減り介護者本人の老後が心配になります。 親の年金や貯蓄に頼る生活になる 親の年金や貯蓄に頼る生活になるため、介護期間が長引くと、介護破産になる可能性があります。 会社で培ってきたキャリアを失い、再就職が困難になる 今まで培ってきたキャリアが中断するため、再就職の際には年齢や経験スキル不足が障壁となり、再就職が困難になります。 介護ストレスが増える 介護に専念することで、ストレスを解消する環境がなくなり、介護疲れを感じやすくなります。 孤立しやすくなる 介護のみの生活に陥りやすく、また退職していることで、周囲から孤立しやすくなります。 家族の介護が必要だと分かれば、気持ちだけが先走りし、回りが見えなくなる可能性があります。 しかし、一時的な感情による退職は、デメリットが多く存在することも知っておくことが大切です。 介護による退職を決断する前の対応 介護による退職をする前に以下の事柄について十分考えておきましょう。 介護の先を考えておく 介護を始めた頃は退職した気持ちに迷いはなく、介護に追われる日々を過ごせることでしょう。 しかし、介護期間が長くなると、少しずつ気力や体力、経済力に不安を感じます。 特に家や車のローン、子供の教育費、家族の生活費など経済的な不安が募り、気力がなくなる可能性が高いのです。 介護を続けた先がどうなるのか、介護者や家族でも分かりません。 介護は先が見通せないため、会社を退職した後悔が残らないよう将来の姿を考えておくことが大切です。 会社の支援制度を知っておく 勤め先の会社の支援制度を知っておきましょう。 会社には介護離職を防ぐための制度を設けています。 この制度を知らず有給休暇ばかり消化していると、そう遠くない介護離職が待っています。 退職を考える前に、介護休暇や介護休業など会社の支援制度の積極的な利用を考えましょう。 ただし、制度を利用する前には労務担当者に内容を確認の上、上司や同僚など職場の理解を得ておくことも大切です。 介護保険サービス内容を確認しておく 介護保険サービスの内容を確認しておくことも大切です。 仕事を続けながらの介護は介護サービスを利用することが不可欠です。 介護保険で利用できるサービスには、訪問介護や福祉用具、介護用品のレンタル、通所介護施設などさまざまなサービスがあります。 仕事を続けながら介護する意思をケアマネジャーに伝え、可能な限り利用できるサービスを組み合わせ、介護の負担感は極力減らしておくことが大切です。 介護保険利用による介護費用を確認しておく ケアマネジャーと相談し、月ごとに介護費用を確認しておきましょう。 介護保険サービスを利用する場合の利用者の介護費用負担は利用した介護サービスの1割(一定以上の所得者の負担割合は、2割または3割)です。 また、通所介護施設を利用する場合も、要介護者の介護度によって利用料金が変わります。 特に通所介護施設では、利用料以外でも食事代やおむつ代などの生活に関わる費用(保険適用外)も必要です。 なお、低所得者の方や1か月の利用料が高額になる方には費用負担額の軽減措置もありますので、よく確認しておきましょう。 退職を決断した主な理由 退職を決断した主な理由は今の職場環境や生活環境によってさまざまですが、特に次の3つの理由が大きいです。 仕事の合間の介護が困難 家族の介護度によって、要介護者の負担割合が変わります。 要介護度が上がれば介護者の負担が増え、介護に合わせて職場や部署の異動、仕事量の調整が必要になることが多いです。 そのため介護と仕事の両立が困難になり、退職を決断してしまうのです。 職場の理解が得られない、または話しづらい 職場によっては介護に対する理解が得られない、介護の状況を話しづらいという状況もあるでしょう。 有給休暇や介護休暇、介護休業を取得しにくい職場環境にある人は、仕事を辞めた方が精神的に楽という考え方になってしまいます。 家族のために介護したい気持ちが強い 家族のために仕事より介護したい気持ちが強いため、将来を深く考えずに退職を決断する人もいるでしょう。 特に、今まで育ててくれた両親のために、自宅で介護したいという愛情が強い人です。 退職を決断する前に知ってほしいこと 退職をすることは簡単なことではありません。後悔することが多いので、下記のことを良く考えるようにしてください。 一時的な感情による退職は必ず後悔する 一時的な感情による退職は、必ず後悔する時がきます。 介護のための退職は心身の負担を減らす目的としての決断であることが多いです。 しかし、介護中心の生活は退職前と比べるとさまざまな負担が増すことも知っておかなければなりません。 特に収入の減少は、心の負担が重くなる原因になります。 介護サービスを最低6か月は利用する さまざまな介護サービスを最大限に組み合わせて最低6か月は利用し、家庭の経済状況を確認してからでも介護離職は遅くはありません。 現状の生活と介護サービスを利用した場合の家計を比較すれば、現在の生活水準を可能な限り維持できる最適な介護サービスの利用方法を見つけることができます。 再就職先探しは難しい 介護による退職のデメリットでもお伝えしましたが、今までのキャリアを捨てて会社を辞めると業種によっては再就職は非常に難しくなります。 特にキャリアアップを望む企業の求人は求める年齢や資格などの条件が厳しくなるため、自分が思うような就職活動になる可能性は極めて低くなります。 まとめ 介護によって退職した場合を想定して、さまざまな角度から日常生活などに与える影響をご紹介しました。 介護のために退職した場合を想定した内容をまとめると次のとおりです。 一時的な感情で退職を決断しない 介護による退職は、負担が増え、大きなリスクを背負う 介護による退職を避けるためには、会社の支援制度や介護サービスを最大限利用するとともに、期間を定めて費用負担の割合を確認しておく ケアマネージャーと連携し、仕事を続けられる体制を構築しておく 介護による退職はメリットよりデメリットが大きく、後悔する結果になりかねません。 退職の決断は、さまざまな対応を試してからでも遅くはありません。

  • 早めの対応が大切! 帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントとは

     親と離れて暮らすと、親の身体機能の低下が気になることはありませんか? 今回は、親の身体機能の低下を見つけるポイントを紹介します。 帰省する時にチェックしてみてくださいね。  帰省する時はここをみよう 親と一緒に暮らしていると、気づけないこともあります。 「足腰が弱くなった」「食が細くなった」など、久しぶりに帰省した時だからこそわかるものです。 ささいな変化に気づくか気づかないかで、今後が大きく変わってきます。 これから紹介することをチェックして、親の変化を見逃さないようにしてくださいね。   部屋がきちんと整えられているか ・「もともときれい好きだったのに、部屋が散らかっている」 ・「掃除がまったく行き届いていない」 ・「新聞や雑誌を捨てれずに、ためこんでいる」  上記のようなことがみられませんか?  「部屋をきれいにして、子どもや孫を迎えたい」と思っていても、加齢によって筋力や体力が低下しているため、片付けや掃除が負担になっているのです。 もともときれい好きでしっかり掃除をしていても、今部屋が散らかっていると「親も認知症かな」と思うかもしれません。 ただ片付けたい気持ちはあっても、身体的に負担になってしまうのです。   立ち座りや歩行が不安定になっていないか  ・「椅子から立ったり座ったりする時に時間がかかったり、きつそう」 ・「歩くスピードが遅くなった」 ・「足が上がらず、すり足で歩いてたり、つまづく」 ・「まとまった時間を歩きたがらない」 上記の事柄も、筋力や体力が低下しているから起こる症状です。 筋力や体力が低下すると、外出の機会が減ります。 動かなくなることが多くなり、悪循環になってさらに筋力や体力が低下します。 こうなると今までできていたことができなくなり、介護が必要な状態になるのです。   外出や運動量が減っていないか ・「買い物など出かけるのは1週間に1回くらい」 ・「歩く量が少なく、5,000歩も歩いていない」 ・「散歩など定期的に運動する習慣がない」 ・「以前は乗っていた自転車に乗らなくなった」  外出の機会が減ると、身体機能の低下につながると前述しました。 運動が苦手な人でも身体機能の維持や認知症予防のため、運動習慣を持つのは大切です。 毎日5,000歩以上歩いている人は認知症発症の確率が低いと言われています。 毎日体を動かしたり、外出する機会を持ちましょう。   筋力が低下していないか  ・「買い物をすると、ペットボトルや米などの重たいものが持てない」 ・「ペットボトルのふたを開けらない」 重たいものなので子どもが持とうとしますが、親に持ってもらうことで筋力低下をみることができます。 まず親の能力をみてから、手助けをしましょう。 また、握力が弱くなると自力で開けるのが難しくなります。 握力は全身の筋力が備わっているかもみるため、弱くなっていると筋力が弱くなっている証拠だからです。 親にペットボトルを渡してふたを開けてもらうことで簡単にチェックできます。  筋力は、「フレイル」や「サルコペニア」を避けるためにも重要です。 「フレイル」と「サルコペニア」について、後ほど詳しく説明します。   食事時に変わったことがみられないか 食事中の変化は特に重要です。以下の事柄を見落とさないようにしましょう。 食事や水分補給の頻度や量が少なくないか 身体機能の低下は、食事の影響を受けています。 1日3食、しっかり栄養のとれた食事を摂るようにしましょう。 脱水予防のためにも、水分もしっかり摂ることが重要です。  お肉を食べているか お肉などのタンパク質は、筋肉の維持のためにも必要です。 筋肉は体を動かしたり、内臓を守る働きがあります。  固いものを食べれるか 口腔の機能が低下すると、歯も弱くなります。 歯が弱くなると、固いものが食べられず、やわらかいものばかり食べます。 そうすると、歯が弱くなるだけでなく、栄養もかたよってしまうのです。 食事中にムセていないか 食事中にムセてしまうのは、嚥下が上手にできないことで食べ物や唾液が気道に入り込み、誤嚥性肺炎になることにつながります。 食べるのがつらそうだったり、不自由そうだったりしていないか、見極めましょう。  半年以内に体重が2~3kg以上減った 十分な栄養が摂れていなかったり、内臓の病気を抱えている可能性があります。 低栄養状態では、フレイルやサルコペニアに直結しやすくなるのです。 また、持病がある場合しっかり栄養を摂っていないと病気の進行を早めてしまいます。 新たな症状を招く可能性も高まりますので、注意が必要です。   睡眠の状態はどうか 寝ることは人間にとってとても重要です。夜の就寝時間にどのような行動をとっているか、チェックすることも重要です。 夜中にトイレに2回以上行っている トイレの回数が多くなると睡眠時間が分断されてしまい、深い眠りにならないので疲れがとれません。  起床時間と就寝時間が日によって数時間単位で異なる 例えば、早い時は23時頃寝るのに、遅い時は2時頃寝たりするとします。 すると、体内時計が狂ってしまい、体のバランスがとれなくなってしまいます。  就寝時間が23時以降 寝るのに1番良いと言われている時間は、21〜23時です。 この時間に寝る時間を習慣にしていると、身体状態も良くなります。   周囲の人に話を聞く  親の周囲にいて、普段の親の状況を知っている人に話を聞くことも重要です。 普段親が付き合っている同居家族や近所の人など 最近の言動の変化、食事や通院、服薬状況などをおさえることができます。 主治医やケアマネ 最近の体調の変化や日々の暮らしでの注意すべき点を聞くことができます。 例えば、「最近足元がふらついているようです」と情報を得たとします。 この情報から、手すりをつけたりリフォームをしたりと、早めの対策ができるのです。 この時注意すべき点は、本人がいない時に話を聞くことです。 本人の目の前で聞くと、相手も気をつかって本当のことを話しづらくなるからです。 本人がいない状況で、「親が普段から、ちゃんと暮らしているか心配」などと、一言そえてみましょう。 親の本当の姿を話してくれるようになります。 本人がいない時に話を聞くことで、本当の姿が知れるのです。 フレイルとサルコペニア 「フレイル」とは、加齢によって心身が衰え、介護が必要となる一歩手前の状態です。 健康な高齢者と要介護状態の高齢者の中間と言われており、段階を追って要介護状態になります。  「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減ったり筋力が低下するなど、身体機能が低下した状態です。 握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満)、歩く速度が低下(0.8/m秒以下)しています。 「フレイル」の人は「サルコペニア」を合併していることも多くみられます。  まとめ  ここまで、帰省時に親の身体機能の低下を見つけるポイントについて、紹介してきました。 ・部屋がきちんと整えられているか ・立ち座りや歩行が不安定になっていないか ・外出や運動量が減っていないか ・筋力が低下していないか ・食事時に変わったことがみられないか ・睡眠の状態はどうか ・周囲の人に話を聞く 帰省時には、上記のポイントをしっかりチェックしましょう。 親の身体機能の低下を見逃すと、短期間で介護が必要な状態になります。 親は加齢から簡単に弱くなりやすいからです。 要介護状態を予防するためにも、帰省時にはポイントをしっかりチェックすることが重要です。  最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

  • 親の為の介護施設を選ぶために。安心して任せられるポイントをご紹介!

    「そろそろ親の為の介護施設を考えなくてはならない」 そんな時の為に、本記事では親の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントを解説します。 介護施設とは 介護施設とは、介護を受けながら生活できる施設の総称です。 代表的な施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム、グループホーム等があります。 介護保険の制度は複雑で介護施設は他にもたくさんありますが、介護を受けながら生活する施設として代表的なのは上記4施設です。 その人の要介護度や心身機能の状態、経済状況等によって選択肢が変わってきます。 親の為の介護施設を考えるタイミング 介護施設に自分から入りたいと考えている人はほとんどいないでしょう。 住み慣れた自宅でいつまでも暮らしたいと思うのは当然のことです。 しかし、病気や加齢によって身の回りのことが少しづつできなくなり、家族だけで介護していくのが難しい場合もあります。 在宅介護を続けられるかどうか見極めるポイントになるのは「排泄」と「移動」です。 この2つができなくなると、介護している家族の負担がとても大きくなります。 「排泄」と「移動」が難しくなった時には施設への入所を考えることになるでしょう。 今は核家族化が進み、家庭内での介護の担い手が極端に少ない状況です。 たいていのケースは、子や嫁といった「家庭内の誰か」に介護の負担が集中しています。 在宅介護を続けるか、施設入所を考えるかは、介護していく上で非常に大きな分岐点です。 これまでの人生で本人や家族が大切にしてきたこと、今の心身機能や経済的な状況、将来にわたって受けたい介護や医療をもとに在宅介護を続けるか施設入所を考えるかを検討します。 次からは、親の為の介護施設を探すときの安心して任せられるポイントについて説明します。 親の為の介護施設を探す時のポイント 施設に入所するには、施設選び→見学・申込み→必要書類の準備→面談→入所判定→契約というのが 一般的な流れです。 施設を選ぶ際に着目すべきポイントは以下の通りです。 費用 スタッフ 利用者 居室 医療体制 生活の様子 面会状況 一つずつ解説していきます。 ①費用 介護施設を利用する上で、費用面の確認は必須です。 年金内で収まるのか、月々どの程度の支援が必要なのかを確認します。 特別養護老人ホームや老人保健施設では、年金や預貯金、住民税の課税状況によって食費や居住費が段階的に減額される制度もあります。 介護施設にかかる費用をまずは確認しましょう。 ②スタッフ 自分の親を直接世話してくれるスタッフにどんな人がいるのかは大切なポイントです。 介護士の配置人数や資格保有者の割合、看護師は配置されているか、他にどのような職種のスタッフが配置されているのか。 また、介護の仕事は人手不足が叫ばれている為、外国人スタッフを 雇用している施設も多くあります。 スタッフの国籍や性別のバランス、どのような職種が配置されているのかを確認します。 見学の際にはスタッフの表情も見てみましょう。 挨拶は心地よい印象を与えているか、スタッフ間のコミュニケーションはとれているか、笑顔で働いているかどうかを見ることで、施設の雰囲気を感じ取ることができます。 ③利用者 親が施設へ入所したら他の利用者と一緒に暮らすことになります。 男女比や年齢層等は確認しておくとよいでしょう。 施設によってはフロアやユニット毎に認知症の症状の強い人や医療依存度の高い人を中心にしたグループを作っている場合もあります。 また、スタッフ同様笑顔で過ごせているかでケアの質や施設の雰囲気を感じ取れることもあります。 ④居室 居室は大きく個室か多床室に分かれます。 ユニット型の施設は基本的には全室個室です。 一部多床室を併設している施設もあります。 従来型の施設は4人部屋を基本に、個室や2人部屋もあります。 個室と多床室では利用料金の他、個人のスペースの広さや持ち込める家具家電も変わる為、必ず事前に確認しましょう。 ⑤医療体制 介護施設はあくまで生活の場です。 老人保健施設以外の介護施設では医師は常駐していないことが大半で、1〜2週間に一度の往診が基本です。 その為、施設によって対応できる医療行為が限られています。 場合によっては医療行為が必要になると退所しなければならないこともあります。 胃ろうや鼻腔栄養、バルーンカテーテルやインシュリン注射等、対応できる医療行為については入所前に確認が必要です。 また、看取り介護は行っているか、受診が必要になった時の家族の役割について確認しておくとよいでしょう。 ⑥生活の様子 生活の様子については入所する本人が一番気になるポイントです。 朝起きてから夜寝るまでの一日の流れや食事の内容、催し物やレクリエーションの頻度等、本人が気になりそうな点を確認しておきます。 新型コロナウィルスの流行に伴い、ボランティアや訪問マッサージ等の外部業者を受け入れていない施設も増えています。 少しでも本人が快適に過ごせるよう確認しておきましょう。 ⑦面会状況 新型コロナウィルスの流行によりほとんどの施設は何らかの面会制限をしているでしょう。 面会方法としては「窓越し面会」「アクリル板越しの面会」「zoomやLINEを活用したオンライン面会」等があります。 看取り介護の時期や今後の方針を決める上で必要な時等は直接会えるようにしている施設もあります。 いずれにせよ15分程度の時間制限はあることが多いので、見学の際に面会の体制について確認しましょう。 親が介護施設に入ったら家族の生活はこう変わる 介護施設に入所したら、本人だけでなく家族の生活にも変化があります。 まず一番大きな変化は日々の介護から解放されるということでしょう。 「転んでいないか」「体調の変化はないか」「火元は大丈夫か」という在宅介護ならではの心配はなくなります。 プロに任せている安心感もあります。 時間に余裕ができて体の負担も軽くなるでしょう。 逆に、施設生活に馴染めているか心配になったり、体調が急変して夜中に呼び出されたりといった負担はあります。 「施設から電話がかかってくると身構えてしまう」という声はよく聞きます。 メリットもデメリットもありますが身体的な負担は大きく軽減しますし、介護が理由で仕事ができないということはなくなります。 家族の生活を守ることも介護施設の大きな役目です。 プロに任せられることは任せて家族の生活を整えることも重要です。 まとめ いかがでしたでしょうか。 親の為の介護施設を探す上で安心して任せられるポイントについて解説しました。 最後にまとめになりますが、ポイントは以下の7つです。 ①費用・・年金内で収まるか、費用を抑えるために使える制度はあるか ②スタッフ・・男女比、国籍、職種 ③利用者・・男女比、年齢構成、ユニットやフロア毎の利用者の属性 ④居室・・個室か多床室か、間取り、持ち込める家具家電 ⑤医療体制・・対応できる医療行為、看取り介護、緊急時の体制 ⑥生活の様子・・一日の流れ、行事等のプログラム、リハビリ、催し物 ⑦面会状況・・面会の実施状況、方法 これらの全てが理想通りの施設を探すのはとても難しいものです。 優先順位をつけて、どういう施設なら入所する本人やそれを支える家族が幸せに過ごせるかを考えることが大切です。 最後までお読みいただきありがとうございます。

  • 上手なショートステイの使い方とは?施設の利用で”介護疲れ”をリフレッシュしよう

    特別養護老人ホーム、老人保健施設、デイサービスやヘルパーなど介護には様々なサービスがあります。 その中に二泊三日など一時的に施設に入所する”ショートステイ”というサービスは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。 今回はショートステイの利用方法やメリットの注意点を解説します。 家族の方が介護疲れをリフレッシュできるよう、ぜひ参考にしてみてください。 ショートステイとは?利用方法は?費用は? ショートステイとは”短期入所”とも呼ばれ、主に高齢者の方が一時的に介護施設に入所するサービスを言います。 家族の方の都合で一泊や二泊のみの利用の方もいれば、一週間や二週間いらっしゃる方もいたりと、利用日数については利用する方の都合によって差があります。 ショートステイで過ごす間は、そこに入所している利用者の方と基本的に同じように生活します。 そしてショートステイには介護保険を利用する場合と、そうでない場合の2パターンあります。 大きな違いは利用施設と費用、利用方法、そして施設の雰囲気です。 介護保険を利用する場合 介護認定を受けていることが利用の必須条件となります。 【短期入所生活介護】と【短期入所療養介護】と二つに分かれ、利用施設も異なります。 短期入所生活介護の場合の多くは特別養護老人ホームになり、入浴などの生活サポートの他、レクリエーションやリハビリを行います。 短期入所療養介護の場合は老人保健施設が主となり、生活サポートだけでなく医療や看護のサポートも充実しており、医療型ショートステイとも呼ばれています。 両者の価格を比較すると、短期入所療養介護の方が少し高く設定されています。 しかし、どちらとも介護保険を使っての利用となりますので基本的に1割か、所得に応じて2〜3割の負担となります。 金銭的負担も少ないことはメリットなのですが、利用する方も多く空きがない場合もよくあることがデメリットです。 利用方法はまず担当のケアマネージャーに相談しましょう。 お盆や年末年始など時期によっては空きがない場合も多いので、そういった時期に利用したい場合は早めに相談してください。 そうでない場合もなるべく早めに相談した方が希望が通りやすくなるので気を付けておきましょう。 ケアマネージャーに相談して空きがあったあとは、ケアマネージャーと利用施設の担当者でケアプランを作成します。 その後事業者と契約し、ショートステイの利用が可能となります。 施設の雰囲気はどちらも認知症や自立度の低い方など一人での生活が難しい方が集まる施設です。 自立度の高い方が利用するには、少し落ち着かない場合もあります。 事前に施設の情報や雰囲気を情報収集し、なるべく「次回の利用はしたくない」とならないよう、ケアマネージャーに相談して決めましょう。 介護保険を利用しない場合 利用施設は有料老人ホームとなります。 費用については介護保険を利用できないので、全額自己負担となり金銭的に心配なのがデメリットです。 しかし、介護保険を必要としないということは介護認定の有無は問われないということなので、どなたでも利用できる点はメリットでもあります。 入所されている方も比較的自立度の高い方が多いので、度の低い方や介護認定のされていない方がショートステイとして利用する場合も馴染みやすい雰囲気です。 また介護保険を使ったショートステイと違い金銭的負担が大きいため、空きがある場合も多いです。 利用したい場合は基本的にまず施設に問い合わせをしてみましょう。 ショートステイによって家族の方の介護疲れが一時的に和らいでも、生活する中で介護の負担はかかるものです。 ショートステイにポジティブなイメージを持ってもらい、次の利用につながるよう特に初回の施設は慎重に選びましょう。 ショートステイを利用するメリット ショートステイを利用するメリットには、以下のことが考えられます。 家族の方の場合 やはり一番大きいのは日々の介護の負担軽減と言えます。 家で介護をするというのは身体的負担だけでなく、精神的にも負担があります。 やりたいこと、行きたい場所があってもなかなか行動できないことで、介護疲れの心配がでてきます。 デイサービスやヘルパーで日中の負担の軽減も大切ですが、介護の生活から一旦離れることで介護疲れを癒しましょう。 またリフレッシュの目的だけでなく、自身が入院や体調を崩すこともあります。 その際他に介護できる方がいない場合にも、ショートステイを利用していれば安心して家を空けることができます。 急にショートステイを利用しなければならない事態に備えるためにも、事前にショートステイを利用して練習しておくと良いでしょう。 利用者の方の場合 一番の利点は施設に慣れることができるという点です。 ショートステイを何回も利用したり、長期間利用している施設に入所することになる場合もあります。 そこの施設の職員や利用者の方と顔見知りになれたり、施設の空気に慣れていれば入所のストレスは 軽減されます。 たとえ認知症を患っており覚えていなかったとしても、職員がその方にあったケアやサポートを事前に知ってくれているのは安心です。 ショートステイで気をつけておきたいこと ショートステイを利用することはメリットだけではありません。 注意点もあることを十分念頭に置いておくことが必要です。 介護保険においての注意点 まず気をつけたいのがショートステイは1か月で30日しか利用できない決まりだということです。 31日目は全額自己負担となり、その後また1日目から介護保険を使用できます。 次に要介護度で利用日数に制限があることです。 というのも、介護認定を受けるにあたって要介護度別に与えられる単位数に違いがあります。 その単位数を超えない範囲でショートステイを利用しましょう。 超えてしまうと自費になってしまいますので、ケアマネージャーに確認しながら利用日数を決めてください。 ショートステイで過ごす上での注意点 まずは持ち物に関してです。 毎日飲んでいる薬や湿布など、服用しているものがあれば必ず忘れないようしましょう。 ショートステイを利用する方の中に、まれにですがご家族の方が慌てて薬を持ってこられる場合があります。 薬だけでなくこれがないと落ち着かない、だったり、初めてや慣れない場所で緊張する方もいます。 いつも以上に持ち物には配慮しましょう。 また下着や衣服、ハンカチなど自宅から持っていくものには全て名前を書きましょう。 入所している方は本当に色んな方がいらっしゃり、自分のものと勘違いされる方もいます。 トラブルを防ぐためにもきちんと名前を書いておいてください。 そして一番大切なのが利用する方の意見や感想を大切にすること。 個室なのか多床室なのか、職員の雰囲気などショートステイの施設にも違いがたくさんあります。 利用する前と後でギャップをなるべく減らすために、資料やネットの情報だけでなくケアマネージャーから情報を得たり、見学してみるのも良いでしょう。 初めてのショートステイで利用中に「帰りたい」や「もう来たくない」と言う利用者の方も多くいらっしゃいます。 帰宅後、ショートステイはどうだったか、もし嫌だったのであれば何が嫌だったのかを聞いてみてください。 他施設で改善できそうなのか、ショートステイ自体が難しそうなのか、話し合ってみましょう。 まとめ いかがでしたでしょうか。 日々の介護で介護者は身体的だけでなく、精神的にも非常に負担がかかっているものです。 ショートステイを上手く利用して、心と身体をしっかりとリフレッシュしましょう。 ・介護保険を使用するショートステイは金銭的負担は少ないが、空きがない場合も多いので数か月前にケアマネージャーに相談しましょう。 ・介護保険を使用しない場合のショートステイは全額自己負担のため、金銭的負担は大きいがその分空いている可能性も高い。 ・利用する側も介護者側も一度ショートステイをして施設の雰囲気に慣れることで練習となる。 ・ショートステイは一か月に30日までしか利用できない。 ・介護度によって介護保険内で利用できる日数も違ってくるので、ケアマネージャーと事前に確認しておく。 ・日ごろから服用している薬は日数分忘れないよう持参して持ち物には全て名前を記入する。 ・利用する本人の希望や感想を大切にして、ショートステイにネガティブな印象をなるべく持たないよう配慮する。 最後までお読みいただきましてありがとうございました。