誰かの役に立ちたい」という想いからこの業界で働くことを選んだ方も多いのではないでしょうか。
本来、介護やケアマネの仕事は魅力に満ちあふれています。
しかし、その想いを保ち続けることは容易ではないこともまた事実です。
半面、メンタルダウンを上手に乗り越える人もいます。
また、介護職員は常に人手不足です。
特にケアマネージャーの仕事は人手不足が問題となっています。
今回の記事では、「ケアマネージャーや介護職の人手不足の原因」や「介護職員のモチベーションアップのコツ」を見ていきましょう。
ケアマネージャーの仕事内容
ケアマネージャーは「ケアマネ」と略されることがありますが、正式名称では「介護支援専門員」といいます。
ケアマネージャーの仕事は、要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成し、市町村やサービス事業者、本人、家族との連絡調整をする専門職です。
専門職であるため、ケアマネージャーになるには資格が必要です。
ケアマネージャーの資格の取得方法
ケアマネージャーの資格を取得するためには、指定業務を5年以上かつ900日以上経験するという条件をクリアし、試験に合格する必要があります。
ケアマネージャーの資格試験は年に1回10月に行われています。
主任ケアマネージャーとは
ケアマネージャーの上位には主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)という職業があり、2021年3月施行の改正介護保険法では「居宅介護支援事業所の管理者は、原則主任ケアマネでなければならない」と改訂されています。
そのため、主任ケアマネージャーは現在とても重要視されています。
主任ケアマネージャーになるには特に資格試験があるわけではありません。
以下の条件を満たしたうえで、「主任介護支援専門員研修」を受講する必要があります。
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ケアマネージャーが人手不足な理由
ケアマネージャーや主任ケアマネージャーは常に人手不足が問題となっています。
ケアマネージャーの人手不足が続いているには、以下の理由が考えられます。
資格取得が難しい
ケアマネージャーの資格試験の合格率は10~20%程度を推移しています。
そのうえ、毎年受験者数も減ってきているのです。
受験者数が減ってきているのは、頑張って資格を取得しても給料などの待遇面がよくならないことが考えられます。
給料などの待遇面が悪い
令和3年現在、ケアマネージャーの平均年収は約410万円です。
介護職全体での給料平均は約380万円とされているので、年収としてみると30万円のアップになります。
しかし、全国的な年収で見ると決して高いといえる金額ではありません。
そのため、2019年には「介護職員等特定処遇改善加算」が実施されていますが、すべての事業所が対象ではないため、大きな改善にはいたってはいません。
介護職員のモチベーションを下げる要因
介護職員が増えない理由にはモチベーションを保つことができないことも挙げられています。
では、介護従事者のやる気が削られてしまうのか、要因を1つ1つ見ていきましょう。
給料が安い
介護業界で働いていると、他の業界に比べて待遇の悪さを感じる人が多いようです。
また、同じ介護業界でも介護職・相談員・ケアマネなどの職種によっても待遇に差があります。
夜勤がある施設の介護職は、夜勤手当がある分他の職種や夜勤なしの介護職(たとえばデイサービスの職員など)に比べると給与は若干良くなるでしょう。
また、同じ介護職でも勤め先によって待遇差が生じます。
当然ながら業績により賞与には差が出ますし、特養などの公的施設と有料老人ホームなどの民間施設では利用者が支払う利用料にも差があるので、当然といえば当然です。
しかし、国が介護士の処遇改善に乗り出してくれたこともあり、一昔前に比べれば介護士の給与は良くなってきていると言えます。
また、役職が上がれば責任も伴いますが、手当も上がります。
役職に就く見込みがあるのかどうかを見極めることも大切になってくるでしょう。
職場の人間関係がツラい
介護業界の魅力を半減させてしまう要素は、何も給与などの待遇面だけではありません。
人間関係も大きな要素になっています。
アンケートによっては、この人間関係が退職理由の1位になっているものもあるくらいです。
介護士やケアマネは1人で利用者のケアをすることはできません。
必然的に他の介護士や他職種と連携を取る場面が多くなってきます。
そこでの人間関係に問題がなければよいのですが、やはり何人か集まれば合わない人も出てくるのが世の常です。
仕事だからとお互いが割り切れればよいのですが、何かにつけて粗さがしをしてくる人はどの業界にもいるものです。
そういった人間関係がイヤで「職場を離れる」「介護を辞める」という声も聞きます。
でも、どの業界・どの職場にも、自分に合わない人は一定数いるもの。
上司に相談したり、うまくストレス解消をしながら、乗り越えていきましょう。
家族からのクレーム
近年よく耳にするようになった「カスタマーハラスメント」
介護業界も例外ではありません。
介護保険法でできることとできないことが決まっていますが、それに納得がいかずに利用者本人やご家族からもクレームになるのはよく聞くケースです。
また、最近では入所施設でコロナ禍で思うように面会できず、ご家族の知らない間にADLが低下していてクレームになるというケースも増えています。
それが常識の範囲内であればまだしも、度を越えたクレームに心をやられてしまう職員も少なくないようです。
カスハラは社会的にも問題になっています。
こういった問題に直面した場合は、迷わず上司に相談しましょう。
人手不足など職場の体制
ご存知のように、介護業界では多くの事業所が人手不足です。
その中を、今いる人手でなんとかやりくりしているのが現状です。
そうした中で、さらに辞める人が出てくると、残った職員にしわ寄せが行ってしまいます。
夜勤に月10回前後入るとか、休日出勤する人もいます。
どこの事業所も必死に募集をかけており、派遣や紹介会社を活用して、人員確保に東奔西走しています。
しかし、身体が資本ですのであまりに長い間改善されないのであれば、自分の身体を第一に考えた選択肢を視野に入れてもいいのではないでしょうか。
実地検査・行政指導
筆者の知り合いのケアマネでは実地指導がイヤで、ケアマネ業務を離れた人もいます。
いわく「休日返上で利用者やご家族の要望に応えようと頑張っているのに、実地検査ではかなり厳しく細かいところまで追及された。微々たるものだが返還も発生してしまった。今までの頑張りを否定された気分になった」とのことでした。
普段から定められたことを守って業務ができていればまったく問題ありませんが、時には気付かずに業務を進行してしまうこともあるでしょう。
複数の目で定期的に確認しながら業務を進めていくことが大切ですね。
事業所の理念に不満
法人や事業所の理念・考え方についていけずに退職をするケースもあります。
人手不足なのに職員が入る前にどんどん新規利用者を獲得したり、現場の声に耳を傾けてくれない決定ばかりだと「やっぱり経営陣は何もわかってくれない」と愛想を尽かしてしまう方が多くいます。
ろくに休みも取れずに働いているのに労いの言葉がなかったりすれば、そうなってしまうのも仕方ないと言えるかもしれません。
モチベーションが低下した時の対処法
これまで見てきたような不満が溜まりに溜まってしまい、やる気を失くしてしまう職員は多いものです。
それでは、どのようにモチベーションアップを図ればよいのでしょうか。
いくつかの方法をご紹介します。
研修に参加する
研修に参加する本来の目的は知識やスキルをアップさせることですが、「知識よりもモチベーションをアップした」という方も、実は多くいます。
積極的に活用するのも一つの手です。
職場の良い点を紙に書き出す
どんな職場でも良いところは必ずあるものです。
それを書き出すことで、あらためて認識できるようになるかもしれません。
たとえば
・気の合う仲間がいる ・他に比べて給与が高い ・家から近くて通うのに便利 |
などを書き出すことにより、意識していなかったことを脳が認識する効果もあります。
「仕事だから」と割り切る
「今は仕事だから」と割り切ってしまいましょう。
「仕事だから楽しいことばかりではない」と思って、せめて自宅にまでは落ち込んだ気持ちを持ち込まないように努めてみてはいかがでしょうか。
家であれこれ考えても余計ストレスが溜まるだけです。
周囲に相談する
問題の中には自分一人では解決できそうにないことも多いですし、時間が解決してくれないものもあります。
そういう時は思いきって周囲に相談するのも良い方法です。
話しを聞いてもらうだけでスッキリすることもありますし、もし相談したのが職場の人であれば解決に向かって動き出すこともあるでしょう。
しっかり休む
介護職員やケアマネが笑顔や元気でいることが、良いパフォーマンスを提供することにつながります。
しかし、人間ですから、どんな対策を講じても気分が解消されないこともあります。
そんな時には思い切って休むことも大切です。
一番大事なのは、ご自身の健康です。
休職して心身ともにリフレッシュさせるのも1つの方法です。
真面目な方は「人手不足なのに私だけ休むなんて」と考えてしまいます。
しかし、1番大事なのはご自身の心と体の健康です。
自分を守ってあげられるのは自分だけです。
まとめ
最後に要点をまとめておきます。
ケアマネージャーの仕事とは ・要介護者や要支援者の状態に合った介護保険サービスを受けられるようにするためのケアプランを作成と調整 ケアマネージャーの人手不足の原因 ・給料などの待遇面の悪さ モチベーションを低下させる、介護の魅力を奪うもの
モチベーションを上げる方法
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ご自分にあったリフレッシュ方法を見つけ出して、上手にストレス発散してください。