介護業界のネガティブイメージを払拭するには。介護業界の実態をご紹介!

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narumi

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皆さんは介護業界にどのようなイメージをお持ちですか?

3Kと呼ばれる「汚い」「きつい」「危険」や、給料が安いなどネガティブなワードを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

今回は介護業界の実態とそんな介護業界で働くことのメリットをお伝えします。

介護業界ってどんなイメージ?



冒頭でも述べましたが、介護業界というより「介護」自体にネガティブなイメージを持っている方は非常に多いです。

ではなぜ世間ではそのようなイメージを持っているのでしょうか。

その要因は主に3つあります。

①テレビや新聞が与えるネガティブなイメージ

日本では長年、少子高齢化社会が問題とされており、それによる「老老介護」など介護の問題が注視されています。

それにまつわるニュースが取り上げられることも日々の中で非常に多く、介護は日本人共通の問題です。

また介護に追われる日々を過ごしている方に密着して報道したりと、リアリティのある番組もよく目にします。

そんなメディアに共通するのは「暗い声のナレーションや音楽」で、見ていても決して明るい気分にはならないことです。

確かに社会問題としてはそのような表現は適切で、実態を世間に訴えかけるのは大切なことです。

しかし、やりがいを感じて楽しく介護業界で働く方も多くいらっしゃいます。

そういった方に着目したメディアはまだまだ非常に少ないです。

世間で「介護=ネガティブ」というイメージとなってしまうのには、こういった理由が挙げられます。

②周囲の人に「偉いね」「凄いね」と言われる

介護士であれば一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

これは自分が介護士として働いていると周囲に伝えると、「介護士をするなんて凄い」「偉い」と言われるということです。

上記で説明した介護=ネガティブというイメージがあるため、「介護業界で働いているなんて凄い」に繋がります。

そういった声かけでネガティブなイメージは周囲に連鎖していきます。

介護業界や介護士だって他の仕事と同じです。

③職員同士のネガティブな声かけ

職員から職員へネガティブな声かけがされているのを耳にすることもあります。

「大学まで出たのに介護士なんて親が悲しむ」「若いのになんで介護士なんて選んだの?」

実際に私が言われた言葉です。

同じ介護業界にいる職員の言葉は、世間から言われるより一層ネガティブな気持ちになります。

こういった声かけを職員間で行うと、世間という外部からだけでなく、内部から介護業界のネガティブなイメージを植え付けてしまう結果となります。

上記の3つの要因も、介護業界で働くことが嫌煙されている理由の一つです。

では世間が抱く介護のイメージの実態は正しいのでしょうか。

 

介護業界の実態って?

世間で持たれている介護業界のイメージの中でも、特に多い4つの実態をお話します。

3Kの「汚い」「きつい」「危険」って本当?

介護の仕事として排泄業務や入浴業務などがあります。

これは介護にとって切っては切れない業務になりますので、結果3Kは正しいと言えます。

人手不足という点からどうしても慌ただしくなることも多く、「きつい」と感じる瞬間は非常に多いです。

また利用者の方の中には歩行が不安定であったり、嚥下が上手く行えない方も多くいらっしゃいます。

利用者の方には安全に過ごしてもらわなければならないので、そういった理由で常に「危険」を意識して仕事をします。

介護業界は給料が安い?

介護業界といっても働き方は本当にそれぞれです。

介護士やケアマネージャー、介護事務、ドライバー、施設長、などたくさんの仕事があります。

実は皆さんが想像するような介護士の仕事は、無資格でも働くことができます。

未経験で無資格の介護士として働く場合は、やはり給料は安くなる傾向にあります。

しかし介護業界はキャリアアップできるのが良いところです。

無資格だったとしても初任者研修や実務者研修の取得ができますし、経験を積んで国家資格である介護福祉士を取得することもできます。

最初は希望のお給料でなくても、キャリアアップをすることで、納得のいくお給料を得ることができる可能性も高くなります。

介護業界は離職率が高い?

介護業界は離職率が高いイメージの方も多いのではないでしょうか。

実は他産業と比較しても離職率にそれほど差はありません。

公益財団法人介護労働安定センターによると、平成19年度に21.6%とピークを迎えたものの
その後下がってきており令和2年度には14.9%となっています。

処遇改善が行われた結果、介護業界の離職率は年々下がっている傾向にあります。

また全産業の離職率は14.2%ですから、比較しても介護業界が飛びぬけて離職率が高いというわけではありません。

介護業界の人間関係は悪い?

こちらもよく聞かれるイメージではないでしょうか。

介護というのは「尊厳や接遇を大切に」「拘束は原則行わない」など大まかなマニュアルはあるものの、十人十色のケアを提供する必要がある仕事です。

それにより職員間で意見がぶつかることも多々あります。

また人手不足による余裕の無さで、会話が淡白になってしまうこともあります。

ただこういったケースは介護業界だけではありません。

人間関係の悩みも他業界でもよくあることです。

介護業界だけが特別多いということはありません。

介護業界で働くことの良い点は?

どうしてもネガティブなイメージを持たれやすい介護業界で働くことで得られることは何があるでしょうか?

4つご紹介します。

①やりがいを感じることができる

やはり介護士として働く中で利用者の方から「ありがとう」と言ってもらえることは一番のやる気に繋がります。

中にはコミュニケーションをとることが難しい利用者の方もいらっしゃいます。

ですが日々のケアで少しずつ信頼関係を築き喜ばれたりと、やりがいを感じることができる仕事です。

自分の成長を感じやすい業界なので、モチベーションを保って仕事に充実感を得れるのも介護業界の特色です。

②性別や年齢、学歴に左右されない

介護士は間口が広く、無資格・未経験でも務めることができる仕事です。

学歴が問われることも少なく、興味のある方は飛び込みやすい業界であるともいえます。

介護業界と普段関わりのない方の中には、資格が必要ないという事実を意外と知らない方も多くいらっしゃいます。

勿論資格がある方が就職や給与面で有利です。

ですが介護士としてまず最初に取得を目指すであろう初任者研修や実務者研修などは比較的難易度の低い資格です。

介護業界が自分に向いていると実感してから取得のために行動しても遅くありません。

③様々な年代の方と関わることができる

多くの企業では職員の中で最も高齢の方は70歳前後でしょう。

介護業界は職場によりますが職員を含めると、10代~100歳までと本当に幅広い年齢の方が集まる場所です。

今では考えられないような当時の話や感覚を知ることができ、驚くこともよくあります。

人生の大先輩から学べる機会が多くあるのは介護業界ならではです。

④健康の大切さを実感することができる

介護を必要とする方は身体や精神に悩みや不安のある方ばかりです。

介護度が高くなると自分の足で歩いたり、食べたいものを食べたり、当たり前にできていたことが難しくなります。

そんな介護度の高い方と一緒に過ごしていると健康の大切さや尊さを実感します。

行きたい場所に自分の足で行ける、食べたいものを自分で作って食べれるという、そんな簡単なことでも有難いと思える瞬間が必ずあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

こちらを読んだ方が少しでも介護業界に対してポジティブな印象を持ってくださると幸いです。

・介護業界がネガティブなイメージを持たれがちな要因として、メディアから与えられた印象、周囲の反応、職員間のネガティブな会話が挙げられる。

・3K「汚い」「きつい」「危険」は事実である。

・介護業界でもキャリアアップすれば給与面の悩みは払拭される可能性がある。

・介護業界だからといって他業界より明らかに離職率が高いわけではない。

・ケアへの価値観の違いですれ違うことはあるものの、特別人間関係が悪い業界だとは言えない。

・自分の成長を実感しやすい業界なので、やりがいを感じる場面は多い。

・性別や年齢、学歴にとらわれず、間口が広い業界である。

・他業界より幅広い年齢の方と関わる機会も多く、その分学びも多い。

・自分の足で歩けたり食べたいものを食べたりと、今まで気にも留めなかった健康が大切なものだと実感することができる。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。