親が認知症化かも!認知症の疑いのある親を早く受診させる方法とは

profile img

narumi

contents section

この記事は約12分で読めます。

親が年齢を重ねると、子供の心配事の一つになるのは親の認知症です。

親の認知症を疑うのは子供にとって心苦しいものですが、認知症の症状に気づくのが遅れると家族の生活は一変します。

この記事では、認知症の疑いのある親を早く受診させるための方法を「もし自分の親が認知症になったら」という視点でステップ毎に紹介します。

認知症の疑いをどのように確認し、どう接するのか、また今後どうするのか対応方法を一緒に考えてみましょう。

本当に認知症なのか?


認知症は脳の病気で、記憶や自己判断力という認知機能の低下という症状があります。

65歳以上の高齢者の方が認知症を発症する可能性が高いといわれていますが、65歳未満の方も発症する若年性認知症も増えています。

まずは、「本当に認知症なのか?」を判断し、治療が必要なのか判断するのが、子供にできる第一歩です。

もの忘れか、認知症か?


もの忘れか、認知症か、子供でも判断は容易ではないでしょう。

もの忘れは、高齢者の方でなくても多忙な時や加齢など誰にでも起こる症状ですが、認知症となると話は変わってきます。

もの忘れは一時的なもので、何かヒントがあれば思い出すため、日常生活に支障はありません。

しかし、認知症は忘れたことを本人が自覚できず、ヒントがあっても思い出せないなど日常生活に支障が出る言動をとります。

ただし、注意深くみていないと気がつきにくいため、子供も知らない間に親の認知症が進むこともあるのです。

加齢などによるもの忘れと認知症の違いは、一般的に次のとおりです。確認しておきましょう。

もの忘れ

・忘れたことを本人が自覚している

・記憶の一部を忘れているが、ヒントがあれば思い出す

・判断力はある

・日常生活は支障なくできる

認知症

・忘れたことを本人が自覚していない

・ヒントがあっても、思い出せない

・判断力が低下している

・日常生活に支障がある

もの忘れは、きっかけがあれば思い出しますが、認知症はそもそも記憶力が低下しているため、日常生活に支障がある症状です。

ステップ①親の認知症を疑う前のチェック


認知症の兆候は分かりにくいものですが、早期発見・早期治療につなげるために、子供が親の言動に違和感を持ち、いち早く認知症の兆候に気づく必要があります。

そして親の認知症を疑う前に、子供が簡単にチェックしておくことが大切です。

子供がチェックできる項目

1.家族すべての名前を言えない

2.同じ会話を何度も繰り返す

3.自分の名前や簡単な漢字が書けない

4.家の中にごみが散乱している

5.新聞や郵便物を確認していない

6.期限切れの食品がたくさんある

7.同じ食品や日用品がたくさんある

8.友達や近所の人との交流がなくなった

9.人を疑いやすくなった

10.身だしなみに気を遣わなくなった

11.季節や気温に合わせた服を着ていない

 

特に別居している子供は、定期的に電話で安否確認するとともに、少しでも会話に違和感があれば自宅に帰り、異変を早めに察知することが大切です。

日常の生活はどうしているのか、困り事がないかなど、自然な会話で質問しながら確認するなどのテクニックが必要になります。いずれも親の異変に気づく手がかりになるでしょう。

ステップ②認知症の疑いがある場合

認知症ではないかと思えば、専門機関での受診につなげていけるよう、まずは相談していくことを考えましょう。

認知症の疑いがある親が自覚していなくても、子供や友達など周りの人の気づきがあれば子供だけで悩みを抱え込まないでください。

早めに専門家に相談、受診させることが最優先の対応です。

主な相談先

    • かかりつけ医
    • 地域包括支援センター

親にかかりつけ医がいる場合、気がかりなポイントをメモにして、親と一緒に同席して相談しましょう。

かかりつけ医がいない場合、お住まいの地域包括支援センターに相談すれば、色々なアドバイスや情報をもらえます。

早めに治療を開始できれば、適切な医療や介護につなげられます。

受診拒否がある場合

本人が受診しようという気になっていない場合、受診させることはとても難しいです。

認知症ではないかと親本人に伝えても自覚がない分、はぐらかしたり、プライドを傷つけられて怒り出すこともあります。

子供にとっても、早く受診させなければと気持ちが焦り「説得」を試みますが、ここでは「納得」する伝え方が大切です。

・健康診断として一緒に受診してみる。

・早めの受診が有効な例を伝えてみる。
例:認知症の疑いで受診したら脳血管障害が見つかった
:認知症症状ではなくて老人性うつ症状だった

・信頼おける第三者から声をかけてもらう。
身近な第三者からの声掛けも受診につながるケースが多いです。ケアマネが担当すれば、その点も考慮して受診につなげていく援助が受けられます。

認知症の症状を知っておく

認知症を事前に調べ、知っておくことも大切です。

認知症の原因や症状を事前に調べておかないと、受診した際のショックが大きく、親の治療方針や接し方など大切な情報まで頭が回らなくなります。

ネットや書籍などで専門医が監修する信頼性の高い情報を
事前に知識を得ておくことも必要です。

また認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)についても
事前に情報を得ておくと、早めの認知症予防につながります。

ステップ③親が認知症と分かった場合

親が認知症と分かった場合、子供はさらにショックを受けるでしょう。

これからの治療で症状が改善するか不明な状況で、今後どう対応し生活していくか、不安なことばかりになります。

特に誰が主に親をサポートするのか、介護サービスを利用した介護か、施設に入所してもらうのか早急な対応の決断をしなければなりません。

また場合によっては、介護離職の決断をせまられる可能性もあります。

親の認知症を受け入れるのは、子供にとってはショックな出来事です。

しかし、早急に適切な対応や処置を施さないと、症状は悪化するだけでなく、日常生活にも支障を生じます。

子供といえども選択を誤ると、親と子供にとって不幸な結果を招きかねないため、よく考えて決断しましょう。

症状の進行は意外と早い

症状の進行は意外に早いという家族の体験談をよく見かけます。

子供が気づかない間に症状が進行しているケースも見られるため、受診した時点では日常生活が困難という場合もあるのです。

認知症の種類と特徴をいち早く知り、今後の治療や親の生活を見極める必要があるでしょう。

自宅介護か施設入所か

親のために自宅で介護したいと思う方もいるでしょう。

認知症であっても身体が元気な方は、子供が目を離している間に、徘徊や昼夜逆転生活、暴言を浴びせられるなど症状の悪化します。

それと共に介護者の負担感が大きくなってしまいます。

まずは、相談先のかかりつけ医や地域包括センターに相談し
介護認定を早急に申請することが先決です。

そして可能な限り介護を家族で分担して行う、介護サービスを最大限活用するなど、介護負担を軽減する対策を決めておきましょう。

また自宅介護が困難と判断した時点で、早めに施設入所を決めておくことも大切です。

自宅介護が親にとって最適な対応とは限らないのです。

認知症は初期症状での早めの対応がポイント

認知症に限りませんが、病気や症状は早期発見、早期治療で
完治または症状の緩和や進行を遅らせることができます。

特に認知症の場合、症状が軽い間に今後の治療方針や介護
場合によっては施設の利用や入所など考える時間ができ
早めの対応や行動ができます。

子供は親の言動の変化をいち早く感じ取る立場です。

  • 認知症の疑いが晴れれば、それで良し
  • 認知症であれば、前向きに行動し親や子供にベストな環境をつくる

子供にとって大切な2つの心構えです。

まとめ

親に認知症の疑いがあれば、子供による早めのチェックで
医療機関の受診につなげることが大切です。

・早めに相談、受診につなげる

・子供は親の診察に付き添う

・認知症の症状を事前に知っておく

・親の介護生活の情報を集めておく。

子供の世話になりたくないという親は多いでしょう。

しかし、本人が気づかない間に認知症の症状は進行します。

親が高齢になるまでに事前に介護の情報を目にしておくことや
定期的に健康や介護など話し合いを持ち、お互いを見守る環境をつくっておくことが大切な時代になりました。