デイサービスには、一日のスケジュールの中にレクリエーションが組み込まれています。
レクリエーションは、ご利用者様の楽しみの一つでもあります。
また、身体機能の維持向上や認知症予防、QOL(生活の質)の向上、ストレス発散や精神安定など、さまざま効果が期待されるものです。
今回はデイサービスでよく実施されるレクリエーションを紹介いたします。
デイサービスでのレクリエーション準備
まずは挨拶をしましょう。
声を出すことで意欲向上を測れ、やる気アップにつながります。
そしてその日に行うレクリエーションの説明をしましょう。
内容によって、参加するかしないかを決められる方もいらっしゃいます。
急にレクリエーションを始めてしまうと、けがや事故につながりかねません。
ゆっくりと深呼吸をして、準備体操をしましょう。
また、朝のバイタルが安定しない方など、健康状態も把握しておきましょう。
デイサービスでのレクリエーション掴み!
レクリエーションでいまいち盛り上がらなかったり、途中で席をたたれたりされることのないよう『心をつかむ』事ができると、ご利用者様もスタッフも楽しくレクリエーションに入ることができます。
笑いを取りに行く!という強者スタッフさんもいらっしゃいますが、写真を見ていただいたり(最近いった場所や、赤ちゃんや子供の写真季節の風景やおいしそうな食べ物等)すると場が和み緊張感が解け
リラックス出来た状態でレクリエーションに入ることができるのでおすすめです。
アイスブレイクともいいます。
楽しい雰囲気作りも心がけましょう。
デイサービスでの定番レクリエーション7選
ここではデーサービスで良く行われるレクリエーションを7選ご紹介します。
①お手玉入れ
中心に置いた箱の周りを円で囲むようにみんなで座り、制限時間内に多く入ったチームの勝ちです。運動会の玉入れと同じ要領です。
②歌
歌詞カードをあらかじめ作成して高齢者に人気の歌をながしてみんなで歌います。
カラオケとは違い、一人で歌うのは苦手な方や、歌うより聞きたい方、意思疎通の測れない方でも参加できます。
③カラオケ
デイサービスにマイクは結構な確率であると思います。
テレビにつないで出来るので準備もさほどいりません。
④風船バレー
椅子に座っていても出来る高さにネットをかけ、チーム対抗で戦います。
チーム戦にすることでやる気が出ます。
ネットがない場合は床に線があるだけでもいいです。
⑤紐通しリレー
やわらかい紐に飾りつけしたトイレットペーパーの芯を用意し、対面でチームが向かい合って横に並び、横一列に長い一本の紐を伸ばします。
先頭の人がトイレットペーパーの芯をいれ、隣の人に渡します。
先に最後の人までトイレットペーパーの芯を通して運べたチームの勝ちです。
対面に相手チームの進行状況が見えるため、とても白熱した戦いになります。
⑥棒体操
棒の代わりにタオルでもかまいません。
スタッフの体操を見ながら真似して背中や方、普段使わない筋肉も伸ばしていきましょう。
⑦リズム体操
音楽に合わせてリズミカルに体操をします。
デイサービスによっては曲を決めてオリジナルの体操を行っているところもあります。
オリジナルの振り付けをスタッフやご利用者様で考えながら作るのも楽しみの一つになりそうです。
デイサービスでの道具を使わないレクリエーション
ほんの数分の空き時間でも、レクリエーションはできます。
集団のみではなく個人で出来る楽しいレクリエーションも沢山あります。
①パタカラ体操
『パタカラ』をつかって発声練習をします。
食事前に行うと唾液分泌を良くし、飲み込む力の弱い高齢者の誤嚥を防ぐ効果もあります。
また、発声の練習にもなります。
②ハンドマッサージ
手にはたくさんのツボがあります。ツボを刺激することで
感覚を養ったり、リラックス効果などを得られスタッフとのコミュニケーションにもなったり、ゆっくり話す機会を作ることもでき、ご利用者様に安心感を持っていただけます。
普段聞けない話が聞けたりするので、スタッフとの信頼関係も築く事ができます。
③なぞなぞ
考えることで、認知症予防にもつながります。
解けた時の達成感はやる気にもなることでしょう。
④チーム対抗ジェスチャーゲーム
お題を先頭のご利用者様に伝え最後のご利用者様までジェスチャーのみで伝えていき、最後にお互いで答え合わせをします。
間にスタッフも入ることで更に盛り上がります。
一人一人伝えていくので、肩をたたかれるまでは各自後ろを向いて待ちます。
座って出来るレクリエーション
利用者の方には椅子から立ちああることが難しい方も多くいらっしゃいます。
そのため、椅子に座ったままできるレクリエーションも用意しておくようにしましょう。
①体操
高齢者向けの体操は基本的にゆっくりなので足踏みなども座ったまま行える体操がよいでしょう。
ラジオ体操座ったまま行うことが可能ですし、インターネットで調べれば座ったままできる体操を数多く見つけることができます。
②ボウリング
椅子に座ったままボールを転がします。
対応戦にすると盛り上がるかもしれません。
③折り紙
出来たら作品として飾ることも出来ます。
ピョンピョン跳ねるカエルを折って誰が一番遠くに跳ねるか競うことも面白いのではないでしょうか。
④じゃんけん大会
スタッフが前にたち、全員でじゃんけんをします。
勝った人だけ残りまたじゃんけんを繰り返して最後まで勝ち残った人が優勝です。
⑤おはじき
ご利用者様が懐かしがられますし、認知症療法にもなります。
その他にも昔懐かしい遊びをとりいれてみるのもよいでしょう。
⑥トランプ
スタッフも入って、ババ抜きや七並べを楽しみます。
新しくわかりやすいトランプゲームを教えてあげるのもよいでしょう。
⑦塗り絵
季節の塗り絵をし、完成品は飾ったり持って帰ってご家族様に見せると喜ばれます。
また、作品として展示するのもご利用者様のやる気につながります。
ホワイトボードでレクリエーション
頭を使って脳トレをしよう!ホワイトボードを使って、計算式を書いて答えてもらいます。
難しい漢字を書いて答えてもらうことも脳の活性化になります。
魚の漢字や、花の漢字は頭を使って想像力も必要とするのでお勧めです。
(例・紫陽花→アジサイ。 海月→クラゲ。 海驢→あしか など
また、47都道府県を出し合ったりするのも人気です。
レクリエーションのメリット
デイサービスでレクリエーションをすることには数々のメリットがあります。
▶脳が活性化され、認知症予防にも
考えたり、笑ったり、体を動かしたり、懐かしんだりとレクリエーションを行うことで認知症予防につながります。
特に回想法といって、昔を懐かしむ事で脳内の記憶を呼び覚まし認知症予防や進行防止につながるとされています。
積極的に参加しましょう。
▶身体機能(ADI)の向上。維持。
高齢者の方は、何もしないと身体機能が著しく低下し、寝たきりや歩行困難等生活に支障をきたす場合も少なくありません。
レクリエーションに関わらずどんなこともご自分でしていただく事が大切です。
レクリエーションを通して筋肉や脳に刺激を送り、体を動かすことを積極的に行うことで、身体機能の維持・向上を測りご利用者様の生活を守ることにもつながります。
▶生活の質(QOI)が高くなる
レクリエーションを通して、『楽しみ』や『喜び』を引き出すことで笑顔になり、人間らしく生きる幸せを感じられることにより、生活の質(QOL)を向上させます。
人はこのような事を感じなくなると、生活の質が落ち、何事にも喜べなくなり、うつ病などの精神疾患や、認知症を引き起こす原因にもなりかねません。
生き生きと生きること。笑顔になることを引き出せるようなレクリエーションを心がけましょう。
▶コミュニケーションの場となり、精神面での安定をはかれる
人と話したり、笑ったり、理解してもらったり、達成感を味わったりすることで社会とのつながりを持て、孤独感が軽減し、ストレスの発散にもなり精神の安定にもつながります。
ご近所さんとの付き合いも年々減ってしまっているので、デイサービスに来る時しか人と話さないご利用者様も増えてきています。
また核家族が主流となり、独居生活の方も多くいらっしゃいます。
話すだけでなく手を握ったり、目をしっかり見つめたり一歩踏み込んだコミュニケーションも大切になります。
レクリエーションを行う際の注意点
ご利用者様一人一人の性格や身体機能、認知症や麻痺の有無等はあらかじめ把握しておきましょう。
自尊心を傷つけたり、不快にさせることのないように配慮しましょう。
大きな声ではきはきとしゃべりましょう。
車いす上でレクリエーションに参加する場合は、必ずフットレストを下げ両方の足の裏が床につけ、ブレーキがかかっているのを確認しましょう。
周囲の人に手などが当たらないか確認しましょう。
転倒や転落等、くれぐれも事故のないように注意しましょう。
スタッフも楽しみましょう。ご利用者様もスタッフと一緒に楽しめるほうが喜ばれます。
デイサービスでのレクリエーションはご利用者様の楽しみの一つ。
デイサービスは、毎日通っている方から週に一日だけのかたもいらっしゃいます。
スタッフやご利用者様とお話するのも楽しみにしていらっしゃる方も多いです。
少しでも多くの笑顔と喜びを引き出し、満足していただけるようにレクリエーションを工夫しましょう。
デイサービスでのレクリエーションまとめ
様々なメリットが得られるレクリエーションを紹介しました。
デイサービスには、さまざまな疾患や病気、身体機能の差があり、平等に全ての人が同じ満足感を得ることは難しいのも事実です。
そんな時は二つのレクリエーションを行うことも対策の一つです。
体を動かすチームと塗り絵など作業を行うチームと別れて行ったり、午前と午後で内容を変えてみるのも方法の一つです。
中には個人で静かに絵を描きたいという方もいらっしゃいます。
無理強いはせず、それぞれのご利用者様のニーズにあった、臨機応変な対応をすることも大事です。
介護現場は人手不足で大変なお仕事だとは思いますが、いくつになっても人間が人間らしく生きるために、楽しみや喜びの多いレクリエーションを行うことは重要です。
スタッフも一社に楽しめるレクリエーションを提供できるように心がけましょう。