介護による退職を決断する前に!確認しておくべき利用可能な制度やサービスをご紹介!

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narumi

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家族に介護が必要になると、仕事を続けることが困難と判断し退職を決断する人もおられます。

しかし。それは会社にとっては大きな痛手です。

また、退職者にとっても後悔する結果になりかねません。

今回は、介護の為に退職を決断する前に確認しておきたい利用可能な制度やサービスについて紹介します。

介護の為に退職するデメリットや、退職を決断の前に知っておきたい内容についても紹介していますので、ぜひご一読ください。

介護による退職の決断は焦らないこと

結論からいうと、介護による退職の決断は焦らないことです。

介護による退職には、メリットよりデメリットの方が多いといえます。

それでは、介護による退職のメリット・デメリットとはどのようなものでしょうか。

介護による退職のメリットは?

介護退職のメリットは、以下の2つが考えられます。

仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減る

仕事から解放されるため、精神的、肉体的な負担が減り、余裕を持った生活基盤を構築できます。

また、出勤や退社時間の調整など仕事量を調整する必要がなくなり、職場に迷惑がかからないなどの精神的な負担感を減らせます。

介護費用などの負担が減る

介護を中心とした生活になるため、仕事の間に利用していた介護サービスの利用頻度が減り、介護費用などが軽減できます。

介護離職のデメリットは?

しかし、介護退職には以下のようなデメリットがあることも重々考えておかなくてはいけません。

生活の基盤となる収入がなくなる

生活の基盤となる収入がなくなるため節約する生活になるとともに、将来受け取る年金が減り介護者本人の老後が心配になります。

親の年金や貯蓄に頼る生活になる

親の年金や貯蓄に頼る生活になるため、介護期間が長引くと、介護破産になる可能性があります。

会社で培ってきたキャリアを失い、再就職が困難になる

今まで培ってきたキャリアが中断するため、再就職の際には年齢や経験スキル不足が障壁となり、再就職が困難になります。

介護ストレスが増える

介護に専念することで、ストレスを解消する環境がなくなり、介護疲れを感じやすくなります。

孤立しやすくなる

介護のみの生活に陥りやすく、また退職していることで、周囲から孤立しやすくなります。

家族の介護が必要だと分かれば、気持ちだけが先走りし、回りが見えなくなる可能性があります。

しかし、一時的な感情による退職は、デメリットが多く存在することも知っておくことが大切です。

介護による退職を決断する前の対応

介護による退職をする前に以下の事柄について十分考えておきましょう。

介護の先を考えておく

介護を始めた頃は退職した気持ちに迷いはなく、介護に追われる日々を過ごせることでしょう。

しかし、介護期間が長くなると、少しずつ気力や体力、経済力に不安を感じます。

特に家や車のローン、子供の教育費、家族の生活費など経済的な不安が募り、気力がなくなる可能性が高いのです。

介護を続けた先がどうなるのか、介護者や家族でも分かりません。

介護は先が見通せないため、会社を退職した後悔が残らないよう将来の姿を考えておくことが大切です。

会社の支援制度を知っておく

勤め先の会社の支援制度を知っておきましょう。

会社には介護離職を防ぐための制度を設けています。

この制度を知らず有給休暇ばかり消化していると、そう遠くない介護離職が待っています。

退職を考える前に、介護休暇や介護休業など会社の支援制度の積極的な利用を考えましょう。

ただし、制度を利用する前には労務担当者に内容を確認の上、上司や同僚など職場の理解を得ておくことも大切です。

介護保険サービス内容を確認しておく

介護保険サービスの内容を確認しておくことも大切です。

仕事を続けながらの介護は介護サービスを利用することが不可欠です。

介護保険で利用できるサービスには、訪問介護や福祉用具、介護用品のレンタル、通所介護施設などさまざまなサービスがあります。

仕事を続けながら介護する意思をケアマネジャーに伝え、可能な限り利用できるサービスを組み合わせ、介護の負担感は極力減らしておくことが大切です。

介護保険利用による介護費用を確認しておく

ケアマネジャーと相談し、月ごとに介護費用を確認しておきましょう。

介護保険サービスを利用する場合の利用者の介護費用負担は利用した介護サービスの1割(一定以上の所得者の負担割合は、2割または3割)です。

また、通所介護施設を利用する場合も、要介護者の介護度によって利用料金が変わります。

特に通所介護施設では、利用料以外でも食事代やおむつ代などの生活に関わる費用(保険適用外)も必要です。

なお、低所得者の方や1か月の利用料が高額になる方には費用負担額の軽減措置もありますので、よく確認しておきましょう。

退職を決断した主な理由

退職を決断した主な理由は今の職場環境や生活環境によってさまざまですが、特に次の3つの理由が大きいです。

仕事の合間の介護が困難

家族の介護度によって、要介護者の負担割合が変わります。

要介護度が上がれば介護者の負担が増え、介護に合わせて職場や部署の異動、仕事量の調整が必要になることが多いです。

そのため介護と仕事の両立が困難になり、退職を決断してしまうのです。

職場の理解が得られない、または話しづらい

職場によっては介護に対する理解が得られない、介護の状況を話しづらいという状況もあるでしょう。

有給休暇や介護休暇、介護休業を取得しにくい職場環境にある人は、仕事を辞めた方が精神的に楽という考え方になってしまいます。

家族のために介護したい気持ちが強い

家族のために仕事より介護したい気持ちが強いため、将来を深く考えずに退職を決断する人もいるでしょう。

特に、今まで育ててくれた両親のために、自宅で介護したいという愛情が強い人です。

退職を決断する前に知ってほしいこと

退職をすることは簡単なことではありません。後悔することが多いので、下記のことを良く考えるようにしてください。

一時的な感情による退職は必ず後悔する

一時的な感情による退職は、必ず後悔する時がきます。

介護のための退職は心身の負担を減らす目的としての決断であることが多いです。

しかし、介護中心の生活は退職前と比べるとさまざまな負担が増すことも知っておかなければなりません。

特に収入の減少は、心の負担が重くなる原因になります。

介護サービスを最低6か月は利用する

さまざまな介護サービスを最大限に組み合わせて最低6か月は利用し、家庭の経済状況を確認してからでも介護離職は遅くはありません。

現状の生活と介護サービスを利用した場合の家計を比較すれば、現在の生活水準を可能な限り維持できる最適な介護サービスの利用方法を見つけることができます。

再就職先探しは難しい

介護による退職のデメリットでもお伝えしましたが、今までのキャリアを捨てて会社を辞めると業種によっては再就職は非常に難しくなります。

特にキャリアアップを望む企業の求人は求める年齢や資格などの条件が厳しくなるため、自分が思うような就職活動になる可能性は極めて低くなります。

まとめ

介護によって退職した場合を想定して、さまざまな角度から日常生活などに与える影響をご紹介しました。

介護のために退職した場合を想定した内容をまとめると次のとおりです。

  • 一時的な感情で退職を決断しない
  • 介護による退職は、負担が増え、大きなリスクを背負う
  • 介護による退職を避けるためには、会社の支援制度や介護サービスを最大限利用するとともに、期間を定めて費用負担の割合を確認しておく
  • ケアマネージャーと連携し、仕事を続けられる体制を構築しておく

介護による退職はメリットよりデメリットが大きく、後悔する結果になりかねません。

退職の決断は、さまざまな対応を試してからでも遅くはありません。